映画『エアベンダー』の概要:世界には4つのエレメントを操る者がいる。それがアバターであり、世界の調和を保つ者であった。少年は唯一の存在であるアバターの宿命を受け入れられず、修行から逃げ出してしまう。そのせいで世界の均衡が傾き、戦争が勃発。少年の成長を描いたファンタジー作品。
映画『エアベンダー』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:アクション、ファンタジー、アドベンチャー
監督:M・ナイト・シャマラン
キャスト:ノア・リンガー、デヴ・パテル、ニコラ・ペルツ、ジャクソン・ラスボーン etc
映画『エアベンダー』の登場人物(キャスト)
- アン(ノア・リンガー)
- 修行から逃げ出した唯一の存在であるアバターの少年。額から後頭部にかけて文様のタトゥーが入っている。氷の中に閉じ込められている間に100年が経過。アバターの宿命を受け入れられずにいる。
- ズーコ(デヴ・パテル)
- 火の国の王子でベンダー。気性が荒くプライドが高い。左頬に傷痕がある。王に国から追放され、アバターを連れ帰るまで王座には就けない。強がってはいるが、優しい面もある。
- カタラ(ニコラ・ペルツ)
- 水の国の最後のベンダー。優しく勇気があるも、水を操るには少し未熟な面がある。アンに惹かれており、彼を影から支える。
- サカ(ジャクソン・ラスボーン)
- 水の国の青年でカタラの兄。妹を守るためならどんなことでもする。水の国の王女ユエと恋仲になるも、非業の別れを経験。聡明な青年。
- ジャオ司令官(アーシフ・マンドヴィ)
- 火の国の司令官でズーコを目の敵にしている。ズーコを王にしたくないため、様々な策を練る。火のベンダーだが、精霊の存在を軽視している。
- ユエ王女(セイチェル・ガブリエル)
- 北の水の国の王女でベンダー。強大な力を有している。赤子の頃、海と月の精霊から命を分けてもらい、生き延びる。その時に白髪となる。聡明な女性。
映画『エアベンダー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『エアベンダー』のあらすじ【起】
この世界は4つの国で成り立っている。気の国、水の国、土の国、火の国はそれぞれに調和を保ち、平和に栄えていた。国にはそれぞれのエレメントを操る者がおり、彼らをベンダーと呼ぶ。そして、4つ全てのエレメントを操る者をアバターと呼んでいた。アバターは精霊と話ができる唯一の存在であり、精霊の導きの元、世界の調和を保っていた。
だが、100年前。アバターの彼が突然、姿を消してしまったのである。
カタラは最後の水のベンダーで、南の水の国に兄サカと2人で暮らしていた。アバターが消えた後は世界の調和が崩れ、火の国が各国へ侵攻。兄妹の父親も戦争で命を落とした。
ある日、異変を察知した兄妹は、凍った海から出て来た巨大な氷の塊を発見する。カタラが氷を割ると中から少年が現れた。それと共に神々しい光の柱が立つ。柱はすぐに消えたが、少年は弱っており話もできない。兄妹は少年を助けた。
その頃、光の柱を見た火の国の軍が水の国へ侵攻。軍を率いていたのは王子のズーコ。火の国は気性が荒い者が多く、野蛮である。ズーコは水の国の年寄たちを集め、少年を発見。彼は少年を連れて行ってしまった。
カタラとサカは祖母から話を聞いた。彼女が言うには、少年の額のタトゥーは気の国のもので、恐らく彼はアバターとのこと。世界が少年を待っている。兄妹は助けに行くことにした。
その頃、少年アンは軍艦でテストを受けた。ズーコはアンがアバターであることを知り、彼を捕虜にすると言う。アンは咄嗟に気の力を駆使して外へ。空を見上げると空飛ぶ不思議な動物が、彼を迎えに来ていた。アンは凧を使って船から脱出。
動物の名前はアッパというらしい。アッパにはカタラとサカが乗っていた。2人も一緒に行くと言うため、アンは兄妹と共に南の気の寺へ帰還。
しかし、寺には誰もおらず、祈りの場には大量の人骨のみが残されている。アンが氷の中にいる間に、なんと100年もの時が経過していたのだった。少年はショックのあまり、力を解放し精霊の世界へ。そこでドラゴンの精霊と会うも、カタラの呼びかけに応じて現世へ戻った。
映画『エアベンダー』のあらすじ【承】
一方、アンを逃がしてしまったズーコ。彼は父王に国を追放され、アバターを見つけるまで王位には就かせないと言われていた。火の国の司令官ジャオにさえ、嘲られる始末。
その頃、アン達は土の国へ来ていた。土の国は火の国に征服されて久しい。ベンダーたちは閉じ込められ、奴隷のような生活を強いられている。アンは彼らに喝を入れ、自らがアバターであることを明かした。アバターの出現に土のベンダーたちが立ち上がり、火の国の兵士を見事に追い返す。
土の国のベンダーは火の国が奪った技の巻物を一部、隠していた。カタラは水の技の巻物を返還してもらう。
アバターは4つのエレメントを使えるはずだが、修行も途中で逃げ出したアンは気の技しか使えなかった。故に技を覚える必要がある。覚える順番は決まっており、次に覚える技は水だ。サカの薦めもあり、北の水の国のベンダーの元へ向かうことになった。
身を潜めつつ、アン達を追っているズーコ。幼い頃、ズーコは父親と戦うことを拒否したため、罰として左頬に消えない傷をつけたのだった。彼は不遇の王子。何としても功績を手にして、祖国へ帰りたいのである。
北の気の寺の近くまで到達したアン一行。水を操ることにも大分慣れたが、やはり助けが要る。以前、南の気の寺でドラゴンの精霊と相対したこともあり、もしかしたら北の気の寺でも精霊に会えるかもしれないと思い、アンはアッパに乗って1人、寺へと向かった。
寺には土の国の僧がいてアンを歓迎したが、僧はすまないと言いつつも彼を貶める。寺院内には、すでに火の国の兵が多数配置され、アンを待ち伏せていたのだった。
火の国の兵に捕縛されたアン。そこで、ドラゴンの精霊と再会。火の国が伝説の知恵の館から知識を盗み出したと言う。精霊は北の水の国へ、すぐに向かえと言った。
日も暮れた頃、何者かが寺院へ侵入。アンを救出する。助けてくれた男と兵に囲まれ、アンは彼と共闘。ジャオ司令官が登場した際、鬼の面を被った男は即座にアンを人質にし、寺院から脱出。しかし、腕利きの弓兵が放った矢が当たってしまい、男は気絶。仮面を取ると男はズーコだった。アンは気の力を使い、煙幕を張る。彼はズーコを連れて、寺院を脱出したのだった。
映画『エアベンダー』のあらすじ【転】
司令官ジャオは、王子がアバターを助けたと王へ報告。火の国でのズーコの立場は増々、悪化。
自分の船へ帰還したズーコだったが、何かと心配する伯父と会話後、少し横になろうとする。しかし、ジャオの手先によって船は爆発するのだった。
ジャオの調査により火の国王へ、アンが気の技しか使えないことが知らされてしまう。そんな中、アン一行は無事に北の水の国へ入国。そこは未だ、火の国に征服されず、強大な水の力によって守られた大都市だった。
到着早々、王宮へ挨拶に向かった際、王女ユエとサカが心を通わせ、アンは弟子入りを許される。都市の人々は、じきに起こるだろう戦争に備えた。
火の国王は海と月の精霊の住処をとうとう突き止め、水の勢力を弱めるために月の精霊暗殺と同時に、軍艦を北の水の国へと差し向ける。
その頃、アンは水の技の修行中。師匠はアンの力に目を見張った。
そんなある日、北の水の国へ火の国が到達。黒煙を吐く軍艦が何隻も海に並ぶ。密かに軍艦内に潜んでいたズーコは、伯父の手配により水中から水の国へ潜入を果たした。彼は国の中心部へ向かうアン一行を発見。アンは国の聖域で精霊から教えを乞うために瞑想を開始。そこへ、ズーコが登場した。アンと共にずっと修行を続けて来たカタラは、瞑想するアンを守るためにズーコと対決。だが、彼女は敢無く敗北してしまう。ズーコは瞑想中で意識の無いアンを、連れ去ってしまうのだった。
いよいよ侵攻開始。ズーコは戦闘が激しくなったら、騒ぎに乗じてアンを連れ出そうとしていた。その間、アンはドラゴンの精霊と相対。精霊からアドバイスと注意を受ける。覚醒したアンは、隙を突いてズーコから逃亡。
映画『エアベンダー』の結末・ラスト(ネタバレ)
夜になれば月のパワーが増して、水のエレメントが活性化する。そうなれば、戦闘は不利になる。伯父はジャオにそう申告するも、奴は精霊を軽視しており武力でどうにかなると思っている。
知識の館にあった巻物を道しるべに、ジャオ司令官は更に侵攻を強化。水の国の聖域で泳ぐ魚の様相をした、海と月の精霊をとうとう発見する。精霊はいとも簡単に捕まってしまうが、国に調和をもたらしてくれる精霊は、言わば神である。ジャオは意を決して魚を殺害。
同時にユエ王女が倒れ、アンにも異変を知らせた。月が赤く染まる。
伯父はジャオ司令官を追い払い、意識を取り戻したユエ王女に助言する。王女は赤子の頃、精霊から命を分けてもらい生き延びて来た。恐らくは、この時のためだ。ユエはサカに今生の別れを告げ、国を守るために精霊へと命を返還。彼女は息を引き取り、精霊は復活。月のパワーが無事に戻った。
逃亡中のジャオの前にズーコが現れる。ジャオはズーコを殺したと思っていたため、更なる驚愕に襲われる。しかし、伯父に止められた王子は、大人しく引いて行く。だが、ジャオは諦めきれずにベンダーの力を駆使。アイロとズーコは孤立したジャオを見捨てて去り、残されたジャオの前には、水のベンダーが立ち塞がった。奴は水のエレメントに敗北を期し、命を落とす。
その頃、アンは海が見える高台へ。師の教えを思い出し、仲間の死を受け入れて素直に感情をあらわにすることで、アバターとしての能力を開花させる。アンは驚異的な力で巨大な水壁を作り、火の国の侵攻を抑えた。
カタラとサカがアンの傍らに寄り添うと、水の国の民が地に平伏す。誰もがアンをアバターとして認めたのである。彼は悲しい宿命を受け入れることにした。
戦争に敗北を期した火の国王は、次なる刺客へと声を掛ける。アバターに土と火の技を覚えさせるなと、実の娘に命令を下すのであった。
映画『エアベンダー』の感想・評価・レビュー
2010年最悪の作品といわれる本作ですが、超能力に憧れるオタクならおそらく楽しめます。
火や水、土などを自由に操ることのできる少年が主人公で、旅の道中に出くわす敵を自らの超能力で倒していくところが爽快です。見終わった後は、つい「超能力出ないかな!」と手のひらを空中に掲げてみますが、もちろん何も起こりません。心が少年なら、きっと楽しめると思います。
なお、中途半端な終わり方をするのですが、最悪な作品ということで続編が制作されていないことが残念です。(女性 20代)
あまりにも設定が多く、かつストーリーとしてのまとまりが無いので、真面目に見ても展開についていけなくなる程の作品。4つの国の守護者ベンターという存在がいて、その全てを統括するものをアバターと呼ぶ…辺りまではわかるのだが、目的自体が不明確であり、エンディングも続編を匂わせる終わり方だが、続編は今現在まで出ていない。自分の忍耐力を試されているかのような作品である。(男性 30代)
アメリカの幼児・児童向けのテレビチャンネル、ニコロデオンのテレビアニメ『アバター伝説の少年アン』の第1シリーズを基に制作された実写映画。独自の世界観と設定によるファンタジーで、子供向けのアニメが基であることを意識しながら見るといいと思う。
今作は唯一の存在と言われるアバターの少年が自らの運命を受け入れるまでを描いており、公開当時は最悪の作品と評価されている。個人的には嫌いではない作品なので、続編の制作がされないのは残念に思う。火の国の王子ズーコ役を今やハリウッド俳優へと成長した若きデブ・パテルが演じ、懊悩に苦しむというやや難しい役柄で物語に深みを与えている。少年の成長と世界調和を目指す冒険ファンタジーと言ったところだろう。(女性 40代)
原作がアニメだったが知らないまま観たところ、最初の説明を聞いてもその世界のことが全く分からず、何故戦っているのかも上手く理解できなかったので原作を知らない人が見ると難しいと感じた。
序盤、中盤と期待を持たせて終盤の盛り上がりに欠けていたのでなんだか拍子抜けしている間に映画が終わってしまったので残念に思った。
映像はとても綺麗でファンタジーな世界観をより上手く表現していて、主人公の演技も素晴らしくその点は良かったと思う。(女性 20代)
中国的な雰囲気があるのに、ヨーロッパ的な雰囲気も併せ持つ何とも不思議な作品。エレメントを操った戦いは迫力があり、CGを使った映像にとにかく驚かされる。アンが未熟なこともあり、成長する姿が見られたのは楽しかった。ただ、アンはなぜ氷の中に閉じ込められることになったのか、火の国がなぜ反乱を起こしたのか、細かな部分で疑問が残る。映像の綺麗さは見ないと伝わらないと思うので、気になる方は見ても損はないと思う。(女性 30代)
新しい作品を出す度に、賛否両論のM・ナイト・シャマラン監督ですが、今作はアメリカの人気アニメの実写化。様々な国の雰囲気を融合したような不思議な世界観でした。
世界が4つの国に分けられていた時代。その4つの国の調律をとる「アバター」という存在がいた。主人公は自分が「アバター」ということを受け入れられず修行から逃げ出してしまう…というストーリーなのですが、最初から最後まであまり感情移入できずに終わってしまいました。
冒頭で「第一章」と出ますが、続編は打ち切られてしまったようです。(女性 30代)
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