映画『ゆりかごを揺らす手』の概要:産婦人科医師によるセクハラ事件が勃発。これにより全てを失ってしまった医師の妻が、きっかけとなった夫婦家族に復讐を決意。乳母として一家へと入り込み、言葉巧みに周囲をも巻き込んで陥れていく。
映画『ゆりかごを揺らす手』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:サスペンス
監督:カーティス・ハンソン
キャスト:アナベラ・シオラ、レベッカ・デモーネイ、マット・マッコイ、アーニー・ハドソン etc
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映画『ゆりかごを揺らす手』の登場人物(キャスト)
- モット夫人 / ペイトン・フランダース(レベッカ・デモーネィ)
- 金髪の美しい女性。セクハラ事件で自殺した医師モットの妻。夫の死によりショックで流産。全てを奪ったバーテル家に復讐を誓い、乳母として雇ってもらう。天涯孤独。
- クレア・バーテル(アナベラ・シオラ)
- 黒髪で家庭的な女性。草木が好きで、自宅に温室を作ろうとしている。喘息持ちで吸入薬が手放せない。
- マイケル・バーテル(マット・マッコイ)
- 立派な顎鬚を生やした白人男性で、クレアの良き夫。遺伝子工学の研究所で働いている。
- ソロモン(アーニー・ハドソン)
- 福祉協会から派遣されて来た、知的障害者の黒人男性。日常会話は可能で、バーテル家の柵立てをしている。優しくしてくれる一家に恩義を感じており、優しく明るい性格。
- マーリーン・クレイヴン(ジュリアン・ムーア)
- マイケルの長年の友人。赤毛で色気のある白人女性。住宅や土地の販売をしている。
- エマ・バーテル(マデリーン・ジーマ)
- クレアとマイケルの子供で女の子。賢く無邪気で元気。
- モット(ジョン・デ・ランシー)
- 婦人科の医師。触診の際、素手で女性の陰部へ手を挿入したことにより、セクハラで訴えられ裁判で敗訴。それを苦にして自殺してしまう。
映画『ゆりかごを揺らす手』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ゆりかごを揺らす手』のあらすじ【起】
クレアは現在、妊娠9か月。夫のマイケルと幼い娘エマの3人暮らしだ。良き夫と無邪気で可愛いエマとの生活は順風満帆だった。そんなある日の定期検診で、クレアは医師のモットからセクハラ被害を受けてしまう。彼女はその日の内にマイケルへ告白。
夫婦は医師会にそれを訴えた。すると、夫婦の訴えに被害者が名乗りを上げ、とうとう病院とモット医師は起訴されてしまう。
事件は社会問題にまで発展し、裁判に負けたモット医師は自殺。保険金も没収となりそのせいで、妊娠していたモット夫人は、ショックから流産してしまうのだった。
全てを奪われ絶望したモット夫人は、夫が死ぬきっかけとなったクレアの顔写真を、テレビの報道で目にし、復讐を考えるようになる。
半年後、バーテル夫妻には、無事に赤子が産まれていた。バーテル家の柵を作りに来ているサイモンとも仲良くなり、和やかな生活も元通り。余裕ができたクレアは、庭に温室を作ろうと考える。そこで、マイケルが乳母を雇ってはどうかと提案。妻は快く了承した。
ある日の朝、バーテル家にペイトン・フランダースという女性がやって来る。彼女は乳母の件でやって来たと言うが、乳母としての登録も事務所に所属もしていないらしい。やや不振に思ったものの、クレアは彼女を自宅へ案内した。
ペイトンは、実はモット夫人の偽名である。彼女はクレアの赤子を目にし、悲愴な表情をする。ペイトンに好印象を抱いたクレアは、彼女を夕食に招待した。
映画『ゆりかごを揺らす手』のあらすじ【承】
後日、ペイトンを乳母として雇ったクレアは、自宅地下の1室を彼女に与えた。
深夜、赤子に乳を与える時間。ペイトンはクレアの赤子に、自らの胸を含ませ乳を飲ませる。
ペイトンを雇ったことで、時間に余裕ができたクレアは温室作りに着手。
そんなある夜、クレア夫妻は友人のマーリーン夫妻と夕食へ行くことになり、ペイトンが留守を預かることになった。その間、エマとの友好を深めるペイトン。引き続き、赤子へも自らの母乳を飲ませる。
ある日、マイケルから書類の郵送を頼まれたクレア。彼女は植物が好きで、近くの温室で植物の世話をボランティアで行っていた。その帰りに書類を郵送しようとバッグへ入れていたが、それをペイトンが盗み出して破いてしまう。書類はその日の内に郵送提出しなければならなかった。郵便局へ向かったクレアは、バッグに書類がないことに愕然とする。ペイトンは車内から慌てるクレアを見てほくそ笑む。
クレアは喘息持ちで慌てると発作が出る。その後、書類を探し回るも結局、見つからず。
ペイトンの母乳を飲んでいる赤子。とうとう、クレアの母乳を受け付けなくなってしまう。
そんな折、マイケルの職場を訪ねたペイトンは、落ち込んでいるクレアを元気づけようとパーティーを提案。マイケルは快く提案を了承した。
家の壁のペンキを塗り替えようとしていたサイモンは、家の窓からペイトンが赤子に母乳を飲ませている姿を目撃。彼はペイトンに脅されるも、自分に良くしてくれるバーテル一家を守ろうと1人決意する。しかし、一家と仲良くするサイモンを見たペイトンは、彼の態度が不振だとクレアに進言。サイモンを追い出しにかかった。
クレアは彼女の言葉を一蹴するも、サイモンの道具箱の中から自分の下着を発見。そのせいで、サイモンはバーテル家から去る羽目になってしまう。全て、ペイトンが仕組んだことだった。
子供達は徐々にペイトンへ寄り添うようになり、温室作りに忙しいクレアは、そのことに気付かない。
サイモンの不祥事はバートン家を気落ちさせる。クレアに共感しつつも、彼女の周りを少しずつ崩し始めるペイトン。
映画『ゆりかごを揺らす手』のあらすじ【転】
そんなある日、マーリーンが自宅へ訪ねて来る。彼女は赤子を抱かせてもらうも、赤子は激しく泣き喚き、実の母親が抱いても泣き止まない。だが、ペイトンが抱き上げるとぴたりと泣き止むのだった。
ペイトンの画策により、夫婦の仲も少しずつギクシャクとする中、クレアはとうとう証拠を見つけてしまう。
普段は喫煙しないマイケルだったが、喫煙者であるマーリーンと一緒にいる時だけ、煙草を吸ってしまう。マーリーンはマイケルの初恋の人だった。彼の煙草臭い上着をクリーニングへ出した時、上着からライターが出てきたため、クレアはマイケルが浮気していると確信を持ってしまうのだった。それも、ペイトンの画策の1つである。
自分のことでいっぱいのクレアは、帰宅後にマイケルをきつく詰問。しかし、居間にはクレアを元気づけようと集まった友人達がいた。会場内の空気は、かなり気まずいものとなり、パーティーは盛り上がらずにお開きとなった。
クレアは泣き疲れ、マイケルと話し合いをする。夫婦は、ペイトンが来てから悪いことが続くと気付いている。その会話を密かにスピーカーで聞くペイトン。彼女は翌朝、温室の天窓に仕掛けを施した。
そんな折、マーリーンは売り残っているモット医師の家の画像に、クレアの家にあった飾りと同じものを発見する。あれは確か、ペイトンの持ち物だったはずだ。彼女は過去の新聞記事から、ペイトンがモット夫人であることを突き止めるのだった。
クレアの家へと急いでやって来たマーリーン。彼女はペイトンの正体に気付き、クレアを助けようと探すも、クレアは植物園に出掛けており不在だった。ペイトンは温室へとマーリーンを向かわせる。勢いよく開けたドアにより仕掛けが作動。天窓は割れてマーリーンへとガラスの雨が降った。
映画『ゆりかごを揺らす手』の結末・ラスト(ネタバレ)
ペイトンはマーリーンの死体を確認後、鼻歌を歌いながらクレアの喘息の吸入薬を全て空にする。そして、赤子を連れて散歩へ。
植物園から帰ったクレアは、温室でマーリーンの死体を発見。喘息の発作が発生したため、
吸入薬で発作を治めようとするも、全て空である。彼女は倒れて意識を失う。
駆けつけた警官により発見されたクレアは、救急搬送にてなんとか命の危機を脱した。
しばらく後、退院したクレアだったが、自宅へ戻ると家の空気が変わっている。ペイトンはまるで家の主であるかのように振る舞い、家族も自分ではなくペイトンを囲む。
不審に思ったクレアは、マーリーンが何を伝えたかったのかを調べるため、彼女の職場を訪ねた。そこで、モットの家の書類を目にする。彼女はその家へ行ってみることにした。
モット医師の家は築2年で子供部屋もあった。そこで、ペイトンがモット夫人であることに気付いたクレア。急いで帰宅し、呑気に夕食の準備をしているペイトンに殴りかかった。
そうして、マイケルの前で正体を明かすと彼女をすぐさま、追い出す。
その夜は一家でホテルへ行こうと準備を始めた頃、ペイトンの部屋から目覚ましが鳴る。不審に思い地下へ向かったマイケル。ペイトンの姿はない。上の部屋へ戻ろうとしたが、現れたペイトンにスコップで殴られマイケルが落下。物音に気付いたクレアは、エマを2階の部屋に残して鍵を掛けさせる。
そして、自分は地下へ。意識の戻ったマイケルと合流するも、彼は骨折しており動けない。
警察に連絡を入れたクレアだったが、襲い掛かってきたペイトンに殴られ意識を失う。その間に、エマと赤子を連れ出そうとするペイトン。彼女はすでに狂気の沙汰に陥っている。だが、エマは彼女を母親とは認めず、弟を連れてクローゼットへ避難。ペイトンは赤子の泣き声を頼りに子供達を捜し始める。向かった先は屋根裏。そこでは、バーテル一家が心配で、影ながら見守り続けていたサイモンが駆けつけ、子供達を救出していた。
ペイトンと意識の戻ったクレアが対決。しかし、ここにきてクレアに喘息の発作が発生。不甲斐ない彼女を嘲り、子供を奪おうとするペイトン。クレアは大切な家族を守ろうとしてペイトンに突撃。彼女は屋根裏の窓から落下し、サイモンが作った柵に刺さって死亡した。
クレアは家族を守ってくれたサイモンを見直し、一家は再び平安を取り戻したのだった。
映画『ゆりかごを揺らす手』の感想・評価・レビュー
ドンデン返し系のサスペンスを見漁っていた頃に出会いました。復讐が復讐を呼ぶ、まさに狂気を味わえます。
ただし序盤から疑問がひとつ。なぜ、登録もしていない見ず知らずの女を乳母として迎え入れることができたのか。クレアにはもう少し我が子を預けることに危機感を持ってもらいたかったです。
サスペンス映画としては良くできていて、事の発端になる訴訟事件もリアリティあります。後半はドキドキハラハラしっぱなしで、疲れるくらいでした。(女性 20代)
ベビーシッターとして雇った女性が復讐をする内容だが、このベビーシッターが登場シーンからすでに怪しい雰囲気を醸している。感じがいいから雇っちゃったというヒロインの危機管理能力を疑ってしまう。中盤辺りから赤ん坊に自分のミルクを飲ませるなど、異様な行動に寒気が走った。ベビーシッターの乗っ取り計画が笑えるほど凄い。そして、後半の女同士の戦いは息を飲んで見守ってしまうほど激しい。終始、鳥肌が立つほどの秀逸なサスペンスホラーだと思う。(女性 40代)
みんなの感想・レビュー
復讐モノは好きなのでよく見ます。日本でも大分昔ですがリメイクと思われるドラマがありました。しかし、この映画のヒロインペイトンはとても気の毒で憎み切れません、むしろ同情します。流産だけでなく子宮まで無くしもう二度と子が生めない体になってしまったのだから。クレアは自分の幸せだけでペイトンの不幸を思いやってもくれない。私はペイトンを応援してしまいました。逆恨みはよくないけど…テレビ余計な事言い過ぎ!この手の復讐ドラマ最近多いですね。でも面白い。勿論映画ドラマとして観る分には。ホントに起こったら怖いですが。