映画『ザ・レジェンド』の概要:12世紀の中東。十字軍の騎士として活躍していたジェイコブとガレインは、戦いに嫌気が差し、極東の中国へ旅に出る。3年後、中国では皇帝の後継者争いが勃発。ジェイコブは兄皇子に狙われる弟皇子の用心棒を務めることになる。伝説の用心棒の戦いを描いた作品。
映画『ザ・レジェンド』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:アクション、アドベンチャー
監督:ニコラス・パウエル
キャスト:ヘイデン・クリステンセン、ニコラス・ケイジ、リウ・イーフェイ、アンディ・オン etc
映画『ザ・レジェンド』の登場人物(キャスト)
- ジェイコブ(ヘイデン・クリステンセン)
- 十字軍にて、歴戦の戦いを生き抜いた元騎士。ガレインによって、幼い頃より徹底的に戦闘の術を叩き込まれる。
- ガレイン(ニコラス・ケイジ)
- ジェイコブの師で、親代わりでもある名騎士。狂気に憑りつかれたジェイコブを見限り、極東の地へと旅に出る。その後は山の盗賊ホワイト・ゴーストと呼ばれるようになる。
- リアン(リウ・イーフェイ)
- 中国皇帝の姫。気丈で美しく、たおやか。ジャオを守るという強い意志を持っており、影のあるジェイコブに惹かれる。
- シン(アンディ・オン)
- 中国皇帝の長男皇子。武力に長けた戦士で、次の皇帝の座に執着している。残虐非道。驕りの強い人物。
- ジャオ(ビル・スー・ジアハーン)
- 中国皇帝の弟皇子。穏やかな性格で聡明。次の皇帝に選ばれ玉璽を託されるも、シンに追われる。ジェイコブに憧れを抱いている。
映画『ザ・レジェンド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ザ・レジェンド』のあらすじ【起】
中東、12世紀。十字軍にて歴戦を生き抜いて来た騎士のジェイコブとガレイン。2人は親子のような関係であり、師と弟子の関係であった。戦いに明け暮れる日々に辟易としていたガレインは、ジェイコブに逃亡しようと言うも、彼は戦争という狂気に囚われ、聖戦と言う名の人殺しに夢中だった。
3年後、極東。中国皇帝は武力に長けた長男シンに、玉座を継がせまいとしていた。シンは激情家で、目先の利益ばかりを得ようとする。彼に玉座を渡せば、国は滅びてしまうだろう。皇帝は密かに弟皇子のジャオに玉璽を託し、姉姫のリアンと一緒に逃亡させた。次の皇帝に相応しいのは、弟のジャオの方だからだ。
シンは皇帝を暗殺。自らが玉座に就くべく、弟ジャオに皇帝暗殺の容疑をかけ、殺害と玉璽の奪取を命じるのだった。
協力者である将軍の元へ向かう逃避行の果て、とある酒場でシンの追手に見つかってしまうジャオとリアンだったが、白人男性に助けられる。彼はアヘンで前後不覚であったにも関わらず、戦闘に長けており瞬く間に追手の兵を倒してしまう。ジェイコブだった。
リアンとジャオはジェイコブに助けを乞うも、すげなく断られてしまう。
道中を半ばまで来たジェイコブだったが、アヘンの酩酊から覚め、ふと我に返る。過去のトラウマとガレインの失望した顔を思い出し、踵を返した。そして、リアンとジャオの元へ向かい、追手から2人を助けるのだった。
道を進んでいると、先の村から黒煙が見える。丘から様子を窺うと、シンの兵士が村を襲っていた。ジェイコブは放っておけと言うも、ジャオは自国のことだ。放っておけずに村娘を連れて行こうとする兵に弓を放つ。しかし、距離があるため、当然の如く弓は当たらない。ジェイコブは仕方なく弓の弦を調整し、走り去る兵へと弓矢を放った。矢は長距離にも関わらず、見事に兵を打ち抜く。即座に走り出したジェイコブが、川に落ちた村娘を救助。リアンの願いにより、村娘も連れて行くことになった。
映画『ザ・レジェンド』のあらすじ【承】
リアンとジャオの目的地は興元府。そこに協力してくれる将軍がいる。だが、道程は長い。
野営の際、リアンはジェイコブが持つアヘンを燃やしてしまう。彼は腹いせにリアンへと憎まれ口を叩いてしまう。
翌早朝、ジャオに叩き起こされたジェイコブは、弓の打ち方を教えろとしつこく強請られる。ジャオは次期皇帝として国を守るため、シンに復讐するために強くなりたいと願っていた。彼の熱意に負けたジェイコブは、仕方なく弓矢の打ち方を教えることにする。
幼い頃、父親を亡くしたジェイコブは、ガレインによって戦い方を厳しく教えられた。その時のことを思い出しつつジャオと修練を行うも、腕前はまだまだ、戦うには程遠いように思えた。
興元府へは近道もあったが、間違いなく待ち伏せされているだろう。ここは、遠回りでも身を隠しつつ、砂漠を越えて山へ入った方が無難である。砂漠を越え無事に町へ入るため、商人の集団に同行させてもらう。商人の女主人は門番に金を握らせ、難なく門を通過した。
女主人の好意により、食事と宿を提供してもらった一行。ジェイコブは女主人からアヘンを受け取り、酒を浴びるように飲んだ。子供達は早々に部屋へ通される。
子供達が部屋へ下がったすぐ後、ジェイコブは意識を失ってしまう。気が付くと両手を拘束されていた。リアンとジャオを売り渡そうとした女主人の画策だった。
映画『ザ・レジェンド』のあらすじ【転】
ジェイコブはすぐさま、リアン達を呼び寄せ逃走の指示をする。3人は指示通りに川を小舟で進み、山へ向かった。
追手を一手に引き受けたジェイコブ。たった1人で小隊を撃破。傷だらけになりながらも、逃亡を図る。
その頃、リアン達の小舟も追われていた。シンの兵に抵抗しているという、山の盗賊ホワイト・ゴーストがいるという噂の山へ入った3人。必死に逃げる3人だったが、追手を次々と倒す集団に囲まれてしまう。
満身創痍となったジェイコブだったが、ようやく岸辺へ到着。どうにか山へ足を踏み入れたが、そこで力尽きてしまうのだった。
気が付くと見知らぬ場所で、見知らぬ人物に傷を縫われるジェイコブ。あまりの痛みに再び気絶。次に目覚めた時、傍にはガレインがおり罵られてしまう。旅立ったガレインに何があったのか。自分の元から去った時とは、相貌も性格までもが随分と変わっていた。
リアンとジャオを粗雑に扱い、乱暴で粗野な言葉で突き放すガレイン。彼は最早、盗賊としての生き方が身に染みている様子だ。シンに売り渡すから生かすという口実で、リアンとジャオの滞在を許した。
映画『ザ・レジェンド』の結末・ラスト(ネタバレ)
リアンはジェイコブの看病を甲斐甲斐しくする。彼はここに来て、ようやく自分の名前を明かした。それまでは名乗りもせず、旅をして来たのである。
酒に溺れるガレインの元に、ジェイコブが話をするためにやって来る。
3年前、王族の城へ攻め入った十字軍。ガレインがジェイコブに逃げようと言った日だ。ジェイコブはあの日、先頭を切って城内へ向かいそして、そこで凄惨な光景を目にした。王族の女子供が自ら命を絶っていたのだ。ジェイコブは愕然とし、そうせざるを得ない状況に追い込んだ戦争の悲惨さを知る。後から到着したガレインは、死体の山に膝をつくジェイコブを見て、彼が部屋にいた女子供を殺したのだと失望したのだった。
そうして、2人は誤解し合ったまま、道を分かつことになったのである。
ジェイコブの元を去り、極東の地で商人になろうとしたガレインだったが、シンの兵に全てを奪われてしまう。美しい声を持った妻の舌を切り取り、ガレインの右目をも潰したシン。故に、ガレインはシンに抵抗する盗賊になったと言う。
ガレインとジェイコブは腹を割って話すことで、ようやく互いの誤解を解いた。
ジェイコブと和解したガレインだったが、協力はしてくれないらしい。だが、そうも言っていられない状況となる。リアンとジャオの居場所を掴んだシンが、兵を引き連れてガレインの砦に攻め入って来たのである。ガレインと仲間達は戦略を立て、即座に戦闘準備に入った。
盗賊達は地の利を生かして、兵に反撃。その後は洞窟へ場所を移した。洞窟内で共闘するガレインとジェイコブ。出入り口に向かって爆弾を投下し、兵を減らす手はずだったが、ガレインの足に矢が刺さり逃げ遅れる。爆破寸前、彼を庇った妻が死亡。ガレインはジェイコブに皇子と姫を連れて逃げろと言い、自分は足止めに留まった。多勢に無勢。勝てる見込みなどない。それでも、兵に囲まれたガレインは必死に戦い続ける。その光景はまるで、一方的な嬲り殺しのようだった。
シンと対峙したジャオとジェイコブ。ガレインの息はすでにない。兵に囲まれた状況では、無事で済むとは思えなかった。ジェイコブとシンが対決。互いに譲らない攻防を展開するも、弓兵がジェイコブに矢を射ってしまう。その隙を得てリアンがシンに剣を向けるも、シンは反射的にリアンを刺してしまう。ジェイコブはその勢いに乗ってシンを斃した。
事の成り行きに茫然となる兵士達だったが、誠実な将軍が始めに膝を折り謝罪。ジャオに平伏すると、皆が一斉に膝を折った。
後日、助かったジェイコブは、十字軍のシンボルが刻まれた剣をガレインの墓に突き刺し、静かに去る。そして、ジャオとリアンは無事に興元府へと到着し、皇帝となるのだった。
映画『ザ・レジェンド』の感想・評価・レビュー
ニコラス・ケイジ出演のスペクタクルな歴史モノ。男の友情とロマンが詰まったアクション映画だ。
どの世にもある世継ぎ問題。本作は中国が舞台となっているが、それを白人の騎士が助けるという設定が面白い。
主人公のジェイコブが中国の皇帝の後継ぎ候補・ジャオを、長男でジャオの命を狙うシンから逃がそうと旅するも、追手に捕まり大ピンチに。絶体絶命かと思ったところで、ジェイコブのかつての師匠であるガイレンが現れて助ける。わかっていながらも、ワクワクしてしまう展開だ。特に男性の方が好きになる映画だろう。(男性 40代)
主人公のジェイコブをヘイデン・クリステンセンが演じているが、彼はとにかく傷だらけになって懊悩する演技が素晴らしい。そして、師匠役ガレインにニコラス・ケイジが演じているが、ニコラス・ケイジはどんな役でもなりきれる才能があり、騎士時代と山賊時代での変わりようは正に本領発揮と言ったところだろうか。戦いに次ぐ戦いで結構、血生臭い作品ではあるが、師弟の生き様が描かれていると思う。皇帝を守った騎士ジェイコブを表向きではレジェンドと呼ぶことになるのだろうが、個人的にはジェイコブよりもガレインこそがレジェンドではないかと思っている。女性向きの作品ではないかもしれないが、個人的には好みの作品である。(女性 40代)
ニコラス・ケイジの弟子がヘイデン・クリステンセンなんてファンにはたまらないキャストが出演しているのにどうも人気がない今作。ニコラス・ケイジと言えばどんな役にも挑戦することで有名ですが、作品によって大きく評価が分かれるのも事実です。
今作は、正直期待はずれ感が凄かったです。あらすじや設定でてっきり十字軍の話かと思いましたがストーリー的には中国が中心となっていてニコラス・ケイジの見所もほとんどありません。犬死に感が否めませんでした。
ヘイデン・クリステンセンの剣さばきはかっこよかったのでそこが見どころでしょうか。(女性 30代)
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