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映画『マスター・アンド・コマンダー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『マスター・アンド・コマンダー』の概要:ナポレオン戦争時代、数々の海戦にて勝利を収めてきたサプライズ号の名艦長に、フランスの私掠船を太平洋に出すなという任務が与えられる。世界の海を航海し続け、様々な犠牲を出しつつも、サプライズ号は新型船である格上の私掠船へと挑んでいく。

映画『マスター・アンド・コマンダー』の作品情報

マスター・アンド・コマンダー

製作年:2003年
上映時間:139分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、アドベンチャー
監督:ピーター・ウィアー
キャスト:ラッセル・クロウ、ポール・ベタニー、ビリー・ボイド、ジェームズ・ダーシー etc

映画『マスター・アンド・コマンダー』の登場人物(キャスト)

ジャック・オーブリー艦長(ラッセル・クロウ)
英国海軍サプライズ号の艦長。頭が切れて、指示も的確。自分の意志を押し通す強さがある。勇壮で時に優しく、乗組員にも友好的。誰もが慕う存在。
スティーブン・マチュリン軍医(ポール・ベタニー)
腕の立つ医師でジャックの親友。唯一、ジャックに物を申せる存在で博物学者。チェロを嗜む。知的で物静かだが、戦闘の腕も良い。
トーマス・プリングス副長(ジェームス・ダーシー)
ジャックの右腕的存在。察しが良く頭の回転も良い。好青年。ジャックを慕っている。

映画『マスター・アンド・コマンダー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『マスター・アンド・コマンダー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『マスター・アンド・コマンダー』のあらすじ【起】

1805年4月、ヨーロッパ征服を狙うナポレオンによる英国侵略が開始。英国海軍はこれに抵抗し、世界の海は戦場と化していた。

ブラジル北岸沖を航行中の英国海軍所属、サプライズ号の名艦長であるジャック・オーブリーに、海軍本部より指令が下された。撃沈、捕獲等手段は問わずフランスの私掠船である、アケロン号の太平洋進出を阻止せよというものだった。

朝方の深い霧の中、船影を見つけて即座に戦闘準備へ入ったサプライズ号。ジャックは小舟を3艇出して、偵察へ向かわせたが、霧の中で赤い光が点滅。彼はすぐさま、伏せるように指示した。相手側から激しい砲撃があり、現場は一気に緊迫。
相手の船はアケロン号。撃沈対象の船であったが、舵板を損傷したサプライズ号は、浸水の窮地に追い込まれる。ジャックは3艇の小舟に戦艦を引っ張らせ、運良く霧の中へ逃亡した。

アケロン号の速力も火力も、サプライズ号より明らかに上だった。作戦会議では、応急処置をして帰国しようと意見が出るも、ジャックは浅瀬で船の修理を行い、航海を続けると宣言。敵を南太平洋へ渡らせるのを阻止したかった。

サプライズ号には、腕の立つ軍医スティーブン・マチュリンがいる。彼の手にかかれば、命だけは生き永らえることができ、ジャックの親友でもあった。2人は夜毎、ヴァイオリンとチェロの協奏で、一時の安らぎを得る。

船の修理は急ピッチで行われ、無事に航海を再開。若い船員がアケロン号の造船に関わったと、アケロン号のミニチュアを作って提出。ジャックは彼らを労った。
アケロン号のデザインは実にスリム。スピードを重視した設計だった。正に新型の船である。対抗するには格上の相手だが、弱点はどの船にもあるはずだ。

近くの島へ補給に寄ったサプライズ号。最新の情勢を入手。アケロン号は先へ進んでいるようだ。こちらも急いで追いかけなければならない。

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映画『マスター・アンド・コマンダー』のあらすじ【承】

船には砲礼の日というものがあった。この日ばかりは船員を労い、酒を飲ませる。一時の楽しみだ。
翌朝、敵艦に不意打ちされたサプライズ号。ジャックは全速力で逃亡。日没までの5時間、砲撃の射程圏内へ入らなければ、逃げ切れる。日が暮れて辺りが暗くなった頃、囮の筏を出し無事に逃げ切ったジャック。

翌朝には敵船の後ろに回り、形勢逆転。天気は台風並みに荒れ狂い、ジャックの味方をしているかのようだった。強い雨風に晒されたサプライズ号が悲鳴を上げる。ジャックの指示に船員も命がけで従う。しかし、マストの1本が倒壊。若い船員が1人、海へと投げ出された。折れたマストが障害となり、このままでは船自体も沈没しかねない。船員はマストにしがみついていたが、ジャックはやむを得ず、彼を切り捨てることにした。苦渋の決断だった。

船は北へ向かい、雪がちらつき始めた。風も強まりこれ以上の北上は難しい。ジャックは進路をガラパゴス諸島へ向ける。ナポレオンは英国侵略への軍資金を欲しがっている。だから、アケロン号は捕鯨船団を狙うだろう。

ガラパゴス諸島へ到着。乗組員が島々に沸いている間、ジャックは周辺の海を望遠鏡で見渡し、捕鯨船の生き残りを救出した。彼らが言うには、すでに捕鯨船団は襲われた後。
当初、ジャックはこのガラパゴス諸島に2、3日滞在すると言っていた。その間に動物や昆虫の研究ができると思っていたスティーブン。進路を急に変更した艦長と軍医は口論となり、スティーブンは怒鳴られ肩を落とした。

サプライズ号は軍艦である。遊覧に来たのではない。敵艦が近くにいたら、戦うのが仕事である。ジャックは乗組員に檄を入れ、砲撃の訓練を行った。

映画『マスター・アンド・コマンダー』のあらすじ【転】

その後、サプライズ号は不運に見舞われる。無風のせいで船は進まず、更には雨も降らない。やがて、乗組員にも不満が出始める。スティーブンは、ジャックに乗組員を働かせ過ぎていると忠告。しかし、ジャックは軍規違反をした乗組員に、厳しい罰を下した。これはある意味、見せしめでもある。このせいで、若い班長が精神的に追い詰められてしまい、彼は思い悩んだ末に深夜、砲弾を持って海に身を投げてしまった。

すると、海に風と雨が戻ってくる。乗組員はたちまち生気を取り戻し、歓声を上げた。
そんなある日、人懐こい鳥が船へ舞い込み、兵士の1人が鳥を撃ち落とそうとして、スティーブンを誤射してしまう。早く手当をしなければ、彼は死んでしまうだろう。
そんな時に限って、敵船アケロン号を発見。ジャックは悩んだ末、スティーブンが望んでいたガラパゴス諸島へ戻った。

地上にテントを張り、そこで治療を行う。軍医は鏡を見て、自分の腹を自分で処置すると言い出す。ジャックは彼の補助として、傍らで手伝った。名医でもあるスティーブンは、無事に処置を完了。大切な親友でもある名医の命が助かった。
ジャックは乗組員に休暇を与える。歩けるまでに回復したスティーブンは、ジャックにいつまで島に滞在するかを聞いた。すると、彼は1週間程滞在し、平和になる前に帰国しようと言うのだった。

念願だった島の探索に出たスティーブンは、丘の上に立った際、奇しくもアケロン号を発見してしまう。彼は捕獲した動物を逃がし、帰路を急いでジャックに知らせた。
艦長はスティーブンの探索が中途半端に終わったことを不憫に思いつつ、その成果を聞く。枝に擬態する昆虫を知ったジャックは、スティーブンのお陰で船を擬態させようと思いついた。

映画『マスター・アンド・コマンダー』の結末・ラスト(ネタバレ)

サプライズ号は捕鯨船に擬態。船内では戦闘の準備が急いで行われた。船の指揮は副長のプリングスに任せ、ジャック自らが捕鯨船員に成り代わる。数々の海戦で勝利を手にして来たジャックは、乗組員の希望である。名艦長は彼らを鼓舞し、細かい指示を出して作戦の開始を告げた。

タイミングを計ったジャックが、号令を送ると砲撃開始。アケロン号はまんまと罠に嵌り、サプライズ号は敵船のマスト破壊に成功。これで、奴らの逃亡は防がれる。敵船の折れたマストを伝い、アケロン号へ乗船したジャックだったが、奴らもただでは倒れない。
船上で近接戦に突入。砲弾と銃弾が飛び交う中、海兵隊と乗組員は必死に戦った。

捕鯨船の船員を救出。彼らも攻撃に加わる。そうして、敵国は降伏。
静かになった船室で船長を捜し、ジャックは治療所へ。しかし、アケロン号の船長は、すでに息絶えた後だった。ジャックは船医から、アケロン号の船長からだと剣を受け取る。こちらの被害も相当数に上り、優秀で若い命が幾つも散った。

ジャックは彼らを手厚く弔い、海へと葬った。
その後、艦長は副長のプリングスへアケロン号を託し、彼に艦長を任せる。サプライズ号はガラパゴス島へ戻り、補給とスティーブンの探索を行う予定だった。
その夜、スティーブンから、アケロン号にまともな船医がいないことを知らされたジャック。急遽、進路を変更。またもスティーブンの期待を潰した。だが、彼らは気心の知れた親友でもある。
今夜はクラシックではなく、2人は気分を変えて軽快な音楽を奏で合うのであった。

映画『マスター・アンド・コマンダー』の感想・評価・レビュー

大きなスケールで描かれる近世の海洋戦争冒険映画という点ですでに価値がある。あまり描かれない視点なので乗組員の少年の目線でなくとも、骨太な海の男の英雄譚でもよかったのではないかと思わないでもない。船乗りの生活を観るというのは案外新鮮であるが、いろいろな場所に顔を出せる存在として少年がピックアップされたのだろう。ストーリーは取り留めがなくシチュエーションが連続する形で構成されており、筋が通っていないようにも見えるが、その分一度でいろんな味が楽しめるようになっている。誰が観ても面白い映画とは言いにくいが独特の立ち位置がある作品。(男性 30代)


世界の海を股にかけた海軍の戦争アクション映画。今作はアカデミー賞にて撮影賞と音響効果賞を受賞している。原作はパトリック・オブライアンの海洋冒険小説『オーブリー&マチュリンシリーズ』で、数作品のエピソードを取り入れて制作されている。
まず、主人公の艦長の策の切り替えが凄い。もちろん長年の経験から成る臨機応変さなのだろうが、その切り替えと的確な指示により乗組員が即座に行動するので、とても気持ちがいい。そして、海上の戦闘シーンも鬼気迫る感じが手に汗を握った。様々な困難に立ち向かう姿に感動する。(女性 40代)


海洋冒険をメインに描いたスケールの大きな作品でした。前半はのんびりとしていて、良い意味でぼーっと見ていられます。船医のアクシデントから物語は激化していきます。かなりリアリティを追求したのか頭脳戦が光り、戦艦同士の戦いに緊張感を感じます。勿論迫力もあり、ラストの意外な決着も良かったです。ただ、キャラクターの個性が薄いです。名前が多くて覚えるのが一苦労で、それなのに雑に死傷させてしまうので、一人一人に深みが出ません。(男性 20代)

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