映画『星の旅人たち』の概要:自分探しのため、世界中を旅している息子と疎遠だったトム。彼はある日、息子の訃報を知らされる。遺体を引き取りに現地へ向かったトムは、息子が行くはずだった巡礼の旅へ、遺灰を持って出ることにする。最愛の人を悼みつつ、旅で出会った仲間との信頼を描く。
映画『星の旅人たち』の作品情報
上映時間:128分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:エミリオ・エステヴェス
キャスト:マーティン・シーン、エミリオ・エステヴェス、デボラ・カーラ・アンガー、ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン etc
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映画『星の旅人たち』の登場人物(キャスト)
- トーマス・エイヴリー(マーティン・シーン)
- 眼科医で愛称はトム。志半ばで事故死した1人息子ダニエルの遺灰を持ち、息子が道半ばであった巡礼の旅に出る。少々偏屈な面がある。
- サラ・マリー・シンクレア(デボラ・カーラ・アンガー)
- カナダ人で禁煙を目的に巡礼の旅をしている。口が悪く、さばさばとした性格。金髪の女性。
- ジャック・スタントン(ジェームス・ネスビット)
- アイルランド人で作家。スランプの脱却を目的に巡礼の旅をしている。少々風変りな男性。
- ヨスト(ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン)
- オランダ人でダイエットを目的に巡礼の旅をしている。30代で人当たりが良い。
- ダニエル・エイヴリー(エミリオ・エステベス)
- トーマスの息子で40歳。自分探しの旅に出るも、嵐に巻き込まれ死亡してしまう。
映画『星の旅人たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『星の旅人たち』のあらすじ【起】
カリフォルニア州のベンチュアで眼科医をしているトーマス。彼には1人息子がいるが、息子のダニエルは世界中を旅して歩いていた。たまに連絡を寄越すが、元気でいるとそれだけの連絡なのである。
そんなある日、医者仲間とゴルフを楽しんでいると、トムの携帯に着信がある。警察からだった。しかも、息子が聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼中、ピレネー山脈にて嵐に巻き込まれ死亡したと言うのだ。突然の訃報にトムは動揺を隠せなかった。
世界を見たいと言って旅に出たダニエル。息子とは妻と死別して以来、疎遠だった。
ダニエルを送り出す朝の会話を思い出しつつ、息子の遺体を引き取りに列車で揺られ、スペインとの国境近く、フランスのサン=ジャンに到着。電話をくれた警官と共に、遺体安置所でダニエルの遺体を確認した。
巡礼の旅とは世代や年齢、信仰も異なる人々がサン=ジャンからサンティアゴまでの800キロメートルを徒歩で向かうもの。巡礼は自分探しの旅と言われていた。ダニエルの遺品でもある巡礼手帳には、たくさんのスタンプが押されている。それだけの街を渡り歩いたということだった。
トムはホテルでダニエルの遺品へと目を通す。たった1人の息子の荷物を手に、涙を滲ませるトム。彼はダニエルの遺体を火葬にし、遺灰を持って巡礼の旅へと出ることにしたのだった。
ダニエルのリュックを背負い、黙々と歩を進めるトム。ダニエルが亡くなったピレネー山脈で、遺灰を少しだけ撒く。そうすることで、息子を偲んだ。日が暮れるまでその場に佇んだ後、再び歩を進めて夜も遅くにスペインへ入国。ロンセスバリェスの大衆宿へ宿泊した。
倉庫のような場所に2段ベッドが並ぶ場所で、落ち着いて眠れないトム。彼はそこで、オランダ人のヨストと再会。ヨストとはサン=ジャンで会ったことがあった。
翌朝、スタンプを貰って出発。聖地までは、まだ790キロもある。ヨストと一緒に向かうことにした。ヨストの旅の目的はダイエットだったが、彼は各地の食べ物に目が無い。本当にダイエットするつもりがあるのか、甚だ怪しい。
トムは道中先々で、ダニエルの遺灰を少しずつ置いていく。次の目的地パンプローナまではまだあったが、トムは齢60を超えている。無理をしないことにして、手前の村で泊まることにする。ヨストとはここで、一旦別れた。
映画『星の旅人たち』のあらすじ【承】
トムは行く先々で、ダニエルの影を垣間見る。その夜、同じ宿に泊まっていたサラ・マリー・シンクレアと出会ったトム。彼女はカナダ人で、トムを団塊の世代と呼んで辛辣な言葉で絡んでくる。だが、トムは彼女の挑発には乗らず、冷静に対応した。
翌早朝、サラは他の巡礼者が起き出す前に、出発しようと準備を進めている。彼女はトムを嘲ったことを素直に謝り、先に出発して行った。その後も順調に旅を進めたトムだったが、橋の上で少し休もうとリュックを下ろす。しかし、反動でリュックが橋から川へ落ちてしまう。ダニエルの遺灰と遺品であるリュックを手放すことなどできない。トムは川に入り、リュックを取り戻した。その日は疲れ果て、川岸にて野宿した。
パンプローナへようやく到着。大きな町だった。市内を歩いていると、大きな羊の肉を食べているヨストに呼び止められる。トムは仕方なく、ヨストと再び旅を始める。途中、サラと再会し、彼女も合流。ヨストとサラは歳が近く、気が合う様子だ。
同じ道を行く巡礼者達はそれぞれに、仲間意識を持ち知り合いになったりする。大抵は同じ宿泊施設に泊まったりするため、親交を深めていくのだった。
広大な牧草地で1人、暴れている青年を見つけたトム達。アイルランド人のジャックも巡礼者であった。彼は作家でスランプの脱却を目的に旅をしているようだ。結局、彼もトムと一緒に旅をすることになった。
小さな村の宿屋でトイレを借りようと入った一行。しかし、宿屋の主人は、どこか精神的におかしい。トイレを借りるとにこやかに外へ出されるし、誰かと話しているかと思えば、1人で2役の会話をしているのだった。一行は宿泊せずに先へ進んだ。だが、もうじき日が暮れてしまう。次の宿屋までは徒歩で4時間半も先である。彼らは野宿することにした。
映画『星の旅人たち』のあらすじ【転】
廃墟を発見しその日は、そこで野宿。ヨストはトムの巡礼の目的に薄々感づいていたが、サラは知らない。彼女はトムが落とした遺灰が入った箱を拾おうとしてつい、トムと手を触れ合わせ衝動的に彼を殴ってしまう。彼女には禁煙の他にも、何か別の理由がありそうだった。
トムとサラはぎこちない様子で旅を続ける。サラはトムと2人きりになった際、自分の過去を打ち明けた。彼女は初婚で1人娘を出産したが、夫はDVを繰り返す人だった。故に、男性に触れられると衝動的に恐怖が募り、殴り返してしまうのだと言う。
トムとサラは痛み分けということで、仲直りすることにした。
宿泊地に到着。休憩がてらワインを飲みながらジャックの話を聞くも、トムは酔っぱらって思わず仲間達を辛辣に嘲ってしまう。トムの目的を簡単に明かしてしまったヨストに腹を立てていたし、ジャックの話もつまらない。トムは立ち去ろうとして騒ぎを起こし、ヨストの荷物を背負ってしまい、警察に逮捕されてしまう。
警察で頭を冷やしたトム。ジャックが保釈金を支払ってくれたおかげで、出所できることになる。そして、4人は再び巡礼の旅に出るのだった。
トムはジャックに謝り、彼に聞かれてダニエルのことを話した。作家であるジャックは、どうしたってネタ探しのためにメモを取ってしまう。トムはそれをも許すのだった。
ようやく次の町へ到着。そこには、かつて共に旅をした仲間達もいたが、和気あいあいとしている隙を狙われ、トムの荷物が盗まれてしまう。彼のリュックはダニエルの遺品で、遺灰も入っている。失うわけにはいかない。しかし、盗んだ少年は姿を消してしまい、仲間達の宥めもあり、泣く泣く諦めることにした。その様子を見ていた現地の男性。事情を察する。
気落ちしながらカフェで帰国の相談をしていたトム達の前に、ジプシーの男性がやって来る。実はリュックを盗んだのは男性の息子だった。ジプシーは流れ者であるため、どこへ行っても差別される。けれども、彼らは彼らなりにプライドもあるし、礼儀もある。トム達は、謝罪も兼ねてジプシーの集まりに招待された。そこで、ジプシーの男性から遺灰を撒くなら、ムシーアから海を渡って、バルカの聖母という聖堂に行けと言われる。トムとダニエルのために、そこの海に遺灰を撒けと言うのだった。
映画『星の旅人たち』の結末・ラスト(ネタバレ)
一行はそれぞれに思いを巡らせつつ、一緒に旅を続けた。これも巡り合わせなのだろう。4人はずっと一緒に歩き続ける。トムの傍にはダニエルも常に共にいた。
ある日、トムが支払いは自分が持つから、4人で豪華なホテルに泊まろうと言う。それぞれに1室を与えるも、なぜかトムの部屋に全員が集まってしまう。いつしか4人には、かけがえのない友情が芽生えていたのだった。
長い旅も終わり、とうとうサンティアゴに到着。聖ヤコブの像に礼を施し、感慨深い思いでそれぞれが聖堂内へ入る。そして、巡礼者のためのミサに参列した。
その後は大聖堂にて巡礼手帳にスタンプを貰い、巡礼終了書を貰う。トムはダニエルの名前で終了書を貰った。旅はこれにて終了となるが、4人の思いは同様に離れがたく、更に旅を続けることにした。
ジプシーの男性が言っていたムシーアへ。トムの目的に3人が同行するという形だ。
目的地である聖堂へ到着。聖堂前の海辺に立つ4人。他の3人は気を遣い、トムを1人にしてくれた。彼は息子ダニエルと最後の会話をする。そうして、トムはダニエルの遺灰を海へと撒いた。これで、本当に旅はおしまいだ。
奇しくも、息子の死により旅の良さを知ったトムは、その後もバックパッカーとなり、世界中を旅して回るのだった。
映画『星の旅人たち』の感想・評価・レビュー
聖地巡礼の旅人達を描くヒューマンドラマ、ロードムービーです。内容が内容だけに宗教色が垣間見える作品でした。
それぞれが色々な事情を抱えて巡礼に訪れ、出会った縁から行動を共にします。
最初から良好な関係であったわけでもなく、旅の道中に信頼関係が構築されていく様が描かれていています。
景観美が素晴らしく、映像だけでも楽しめます。鑑賞後はきっと旅に出たくなるでしょう。(女性 20代)
俳優のエミリオ・エステベスが監督・脚本・制作・出演を行い、主演に実父マーティン・シーンを起用して制作したロードムービー。
バックパッカーだった息子の死を悼みつつ、巡礼の旅をする父親の話。巡礼の旅とはキリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路のことで、現在では信仰のためだけではなく、観光やスポーツ、単なる目標達成のために歩く人もいるらしい。だが、今作は一人息子を偲ぶ旅がメインで描かれる。共に旅をする人たちが抱える苦悩、問題や目的もコメディタッチで描かれ、悲しいけれどつい笑ってしまうシーンもある。ラストシーンではこれまでの旅のことや、亡き息子を思う父親の姿にしんみりしてしまう。何やら達成感もあり、涙が滲んだ。旅をするのもいいなと思ってしまうとても爽やかな作品。(女性 40代)
本作は、眼科医のトムが、最愛の人を悼みつつも旅の道中で出会った仲間たちとの信頼を描いたヒューマンドラマ作品。
旅の中で出会う人々の優しさが丁寧に描かれていて最後まで飽きずに観れた。
亡き息子ダニエルの意志を引き継ぎ巡礼の旅をしていたトムだったが、次第にダニエルの生き方を理解していく姿に涙が止まらなかった。
そして、ラストは自分自身と向き合うための旅となっているところもとても心に響いた。旅に出たくなること間違いなし。(女性 20代)
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