映画『ピラミッド 5000年の嘘』の概要:古代文明や数々の世界的な遺跡の記録を交えつつ、エジプトはギザの大ピラミッドの謎を検証していくドキュメンタリー映画。数学的な関連と歴史の想像をも促す、壮大な作品に仕上がっている。これを見てどう感じるかは自分次第。
映画『ピラミッド 5000年の嘘』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:ドキュメンタリー
監督:パトリス・プーヤール
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映画『ピラミッド 5000年の嘘』の登場人物(キャスト)
- ジャン・ルクラン
- エジプト考古学者。壮年の男性で、長年にわたって古代エジプトの歴史や遺跡を研究している。遺物から歴史的な点に際し、説明やコメントをしている。数学的な検証には、偶然だと言い切る場面もある。
- ギーメット・アンドル
- ルーヴル美術館、古代エジプト部門主任キュレーター。古代エジプトの発掘された遺物や歴史的な点において、説明やコメントをしている女性。遺物製作の工程や道具に関しては、コメントできず。
- ジャン=ピエール・アダム
- 建築家でエジプト学者。ピラミッドに関して、建築的な面からコメント。中年の男性。研究を進めるにあたり、ピラミッド建設は人間業とは思えないと言っている。
映画『ピラミッド 5000年の嘘』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ピラミッド 5000年の嘘』のあらすじ【起】
ギザの大ピラミッドは、いかにして建てられたのか。ピラミッドが示す事実の数々を元に、古代遺跡から文明のルーツに至るまで、大ピラミッドの謎に迫る。
まずは、大ピラミッドについてだが、建設は8つの離れ技によって、成り立っていると言われる。
当時は狩猟にて日々の糧を得ていた時代。乗用車1台分もの重さのある石を、精密かつ正確に並べ更に、道具は麻縄と銅製の鑿だけ。しかも20年という短い歳月にて作られた大ピラミッドは、正に謎と言えるだろう。
歴史的に見ても680年以前の正確な記録がまだ見つかっておらず、確かなことは言えない。エジプト考古学者ジャン・ルクラン博士やルーヴル美術館の古代エジプト主任キュレーターであるギーメット・アンドル女史も同様のことを示唆する。
だが、学者たちの意見はバラバラで、いずれも憶測の域を出ていないのだ。
メキシコ、テオピアカンのピラミッドは、エジプトの大ピラミッドの半分の大きさで完成に150年の時を要しているのに対し、大ピラミッドはたったの20年。クフ王の王墓とするためには、統治した20年を超えてはならないという定説があるからである。
ギザの大ピラミッドの敷石には、まっすぐに入った筋や切り込みの跡が見られている。これらは、現代の掘削機で切られた跡と相似していた。
ピラミッドを作る際に使用されたとされる、アスワンの採石場には作りかけのオベリスクが残されているが、ビル15階建てにも相当するオベリスクを切り出すには、相当な人員と時間を要したと思われる。それを作成した道具もやはり、麻縄と銅鑿だけだと言われていた。
長い年月を経たため、パピルスや古代文字は風化の一途を辿っており、解読には酷く時間がかかるだろう。
ラムセス2世の石造を調査すると、石造の顔が左右対称であることが分かった。画像の反転をしても頬のラインが一致するため、当時すでに正確な測量方法が確立されていたと思われる。
映画『ピラミッド 5000年の嘘』のあらすじ【承】
エジプトで目にする石組と同じものが、イースター島でも見られている。この島にあるモアイ像は火山岩から作られた巨像であるが、絶島であるイースター島に渡って来た人々は、この島を地球のヘソと呼んだ。
島で最も古いと言われている台座に、エジプトと同じ石組みがあった。これと同じ石組みはペルーでも発見されているが、どこが発祥でどのように伝わったかは記録にない。
ペルーには地上絵がいくつもある。ナスカの地上絵は、ナスカ文明のものであると考えられていた。正確な直線を描く地上絵はあまりに巨大である。ナスカ近郊でも、ピラミッドが発見されており、ナスカ時代から残るとされる石組みにも同じ様式が見られていた。
ペルーの石組は時代を遡るごとに、巨大で精密になっていくのだ。
マチュ・ピチュ遺跡でも同様な石組みが見られていた。古いほど巨石で精密な石組みは、どこの国の遺跡でも類似しているのである。
イースター島、ペルーのクスコ、サクサイワマン遺跡、オリャンタイタンボ遺跡、マチュ・ピチュ遺跡、そしてエジプトのギザ。全てに同じ石組みが採用されている。更に、これらの遺跡はエジプトとイースター島を結ぶ直線上に、全てが位置しているのである。
メキシコのテオティワカン遺跡では、ギザと同様に3つのピラミッドがある。太陽、月、ケツァルコアトルの神殿だ。太陽のピラミッドは墓ではないため、建設期間も150年と信憑性が高い。
実はあまり知られていないが、中国の西安にも5つのピラミッドがある。中国当局はこれらの調査を一切明かさず、考古学者も口を開いていないため、詳細は分からず仕舞い。
映画『ピラミッド 5000年の嘘』のあらすじ【転】
時代も場所もかけ離れた遺跡を関連付けるのは、間違っているかもしれないが、世界各地で同時代に文字などの、同じような発展が見られているのは確かである。
古代建築の離れ技は、現代技術でも再現はできない。耐震、耐久に非常に優れた技術だった。
1859年、イギリスのジョン・テイラーは、ピラミッド底面の2辺の和を高さで割ると、円周率になることを発見。古代人が円周率を知っていたかどうかで議論されたが、このテイラーの発見は確信に迫っている。
大ピラミッドは、計算し尽くされた設計で調和を保っているらしい。高さを2で割ると、王の間の頂点、3で割るとその天井、4で割ると真ん中の王妃の間の頂点、5で割ると地下の間の底面、7で割ると王妃の間の底面になる。更に、4面の和を底面の広さで割ると、円周率になる。すなわち、黄金数が導き出されるのである。黄金数は宇宙における不変の数だ。
古代エジプト人は、この円周率と黄金数を利用し、緻密な計算をして大ピラミッドを建造したのである。
しかし、建築者で考古学者でもあるジャン=ピエール・アダムは、黄金数は様々なところに溢れているため、さほど珍しいことではないと言う。これらは、ただの偶然で成り立ったと言うのだ。
古代エジプト人が、そこまで緻密な計算ができたとは思えないと学者たちは言う。なぜなら、そこまでの知識があるとすれば、多くの定説が覆されてしまうからである。
だが、世界的数学者たちは、大ピラミッドの緻密さは意図的に計算されたものだと言う。ただ、その知識は伏せられており、秘密にされていたため、記録には残されなかったのだろうと。
映画『ピラミッド 5000年の嘘』の結末・ラスト(ネタバレ)
赤道から30度傾いた円周上には、世界各地の有名な遺跡が数々並んでいる。これらには黄金数が深く関わっていた。
大ピラミッドがクフ王の墓であり、20年で建造されたなど到底、思えない。学者たちに言わせれば、大ピラミッドが春分と秋分の太陽の分点を示すことは偶然。寸法の中に円周率や黄金数が見出せるのも偶然。並外れて精密なキュービットの単位も偶然。キュービット、円周率、黄金数をメートル値で表せる、唯一のピラミッドであることもただの偶然。
各地の古代遺跡が古いほど、より巨大で巨石がより精密に積み上げられたのも偶然。似ている象形文字が発達し、各地で死者をミイラにし、天文学や暦が発達し、耐震性の高い建築技術が何の痕跡も残さず、消えてしまっていることも偶然。
赤道とほぼ同じ長さの円周上に聖なる遺跡がずらりと並び、それぞれの距離が黄金律と関連するのも偶然。2辺の和が地球自転の時速に等しく、光の伝播速度までもが示されていることも単なる偶然と全てが片付けられてしまうのだ。
遥か昔に、高度な文明が栄えたことがあるのだろうか。もしそうだとしたら、恐らくは天災などで滅んだために、記録なども残らなかったのではないかと考えられる。そうなった場合、残るのは高度技術で建造された建築物だけなのだ。調べれば調べるほど、ピラミッドの謎は深まるばかりである。
様々な検証により、定期的に地球で大変動が起こり、繁栄していた文明が滅んだと考えられ、現在の異常気象は古代から警告されていた大変動の予兆に違いない。そうだとすれば、これから我々は、地球の動きに注視していかなければならないのだろう。
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