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映画『風の名はアムネジア』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『風の名はアムネジア』の概要:ある日突然、一陣の風が吹き、人類は知識と文明を一瞬にして忘却し世界は荒廃。そんな中、忘却から逃れた少年により、知識を与えられた少年ワタルは、世界へと旅に出て不思議な女性ソフィアと出会う。人間とは何なのかを知るための旅を描いたアニメ。

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映画『風の名はアムネジア』の作品情報

風の名はアムネジア

製作年:1990年
上映時間:80分
ジャンル:SF、ファンタジー、アニメ
監督:やまざきかずお
キャスト:矢尾一樹、戸田恵子、阪脩、日高のり子 etc

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映画『風の名はアムネジア』の登場人物(キャスト)

ワタル(矢尾一樹)
心優しい青年。恐らくは16歳。ジョニーに拾われ、生き延びる知識を与えられる。亡きジョニーのために世界中を旅している。
ソフィア(戸田恵子)
不思議な力を使う知的な女性。実は地球外生命体で、地球の進化をずっと見守ってきた。
ジョニー(山口勝平)
ワタルに言葉や生きる術を教えた少年。13歳で亡くなる。生体研究所にて脳の手術を受け、歩けなくなる代わりに知識を蓄える。そのため、アムネジアの脅威から逃れる。

映画『風の名はアムネジア』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『風の名はアムネジア』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『風の名はアムネジア』のあらすじ【起】

1990年代のある日、突如として一陣の風が吹いた。その風は人々から全てを忘却させてしまう。言葉も何もかも、人であることすら忘れた世界は、やがて荒廃していく。その風は、原因不明の記憶喪失症「アムネジア」と呼ばれた。

ロッキー山脈の麓で生まれ育ったワタルも、アムネジア被害者の1人だった。食べ物を奪い合い、獣のように争い合う世界。ワタルは自分の所業に恐れを成し逃亡の末、とある施設で不思議な少年と出会う。車いすの彼はジョニーという名前だった。

軍の生体研究所で育ったジョニーは脳の改造をされており、アムネジアの脅威から逃れていたらしい。彼はまず、ワタルに5歳幼児並みの知能を与えた。そうして、彼に様々なことを教えていく。ワタルという名前もジョニーがつけてくれたものだった。

ジョニーの年齢は13歳だったが、年齢よりもより多くの知識を要している。食事の時以外のほとんどを勉強に費やした2人。ジョニーはワタルに、1人でも生きていける全ての知識を与える。しかし、秋の終わり頃から体調を崩したジョニーは、起き上がることもできなくなり、冬が始まる頃に息を引き取った。

ワタルはその後、ジョニーの言葉に従って旅に出る。そうして199X年、サンフランシスコ。
彼はソフィアという言葉を話す女性と出会う。彼女はアムネジアについて、何かを知っている様子だった。

1990年代初頭。治安維持のため、政府がガーディアンというマシンを製造。元は人が乗って操縦するものだったが、アムネジアによってガーディアンから降りられない人間が乗車したまま死亡。ガーディアンは操縦士がいなくても、命令遂行をひたすら続けていた。

映画『風の名はアムネジア』のあらすじ【承】

ニューヨークへ向かうと言うソフィアと、旅をすることにしたワタル。
ロサンゼルスにて追われている少女と、彼女を助けて怪我をした男性と知り合う。言葉は通じないが、どういう原理かソフィアが事情を聞いてくれる。彼女には不思議な力があるようだ。

少女は「砕き飲み干す者」の花嫁になる予定だったが、逃亡して来たらしい。砕き飲み干す者とは、この土地で信仰されている神様らしい。
助けてくれた男性にすっかり懐いてしまった少女。翌日は海へ行って楽しむも、夕方になって少女と男性は、ワタル達から離れて勝手に旅立ってしまう。

ワタルとソフィアは2人を追った。その先で砕き飲み干す者が何であるかを知る。それは、都市開発用土木ユニットマシン。小さな町だと30分でならしてしまう大型マシンだった。

少女は花嫁として生贄になる様子。マシンを囲み儀式を行う人々から少女を助けようとするワタル。しかし突如、マシンが起動を始め、逃げ惑う人々の殺戮を開始。どうやら、祭司が操縦しているようだった。

ソフィアはただ、高台からその様子を眺めている。ワタルは少女の手を取り逃げようとするも、彼女は手を離し自らマシンへと向かって行く。少女は無残にもマシンのビームに撃ち抜かれ、命を落とした。
憤怒したワタルが銃で祭司を撃ち抜き、マシンが倒壊する。

映画『風の名はアムネジア』のあらすじ【転】

ソフィアはワタルに賭けを持ち掛けた。この旅が終わるまでに、1人でも自分達の仲間として加わるかどうかを。ソフィアは加わらない方に賭け、ワタルは加わる方に賭けた。賭けの褒美は世界の未来である記憶だった。

ソフィアとワタルは旅を再開。ワタルは人間というものが、どういうものかを知るために旅をしている。車を走らせているとガーディアンの襲撃に遭う。ワタルとソフィアはマシンに反撃するも、車ごと崖へと落下。ソフィアが不思議な力で彼を助けた。

目を覚ましたワタルは、清潔なベッドにて清潔な衣服を着ており、更に話せる医師を見て驚愕する。
ソフィアの話によるとここは、合衆国政府が2010年の未来学博覧会に備えて建設したモデル都市で、エターナルタウンという場所らしい。農場もあり食料の自給も可能。制御はすべてビッグコンピューターが行っている。故に、ガーディアンはここへは入れない。ワタルにはまだ聞きたいことがあったが、ソフィアの不思議な力によって眠らされてしまう。

エターナルタウンにいる人は記憶を失っていない。夕方に目覚めたワタルは、病院を抜け出した。だが、そこで婦長と医師だった男性が、別人のように恋をし合っている。どうやらここには、人間が2人しかいないようだ。市長に呼ばれて食事へ向かったワタルとソフィア。エターナルタウンに居住するよう誘われるが、ソフィアがコンピューター制御のマシンを破壊して交渉。

映画『風の名はアムネジア』の結末・ラスト(ネタバレ)

ワタルは本当の2人と話がしたいと言った。コンピューター制御から抜け出た2人と会話したワタル。彼は一緒に旅に出ようと誘うも、男性は行かないと言い、女性だけが行くことになった。しかし、女性は男性との生活を忘れることができずに戻ってしまう。
ワタルは諦めてソフィアと旅を続けた。

ラスベガスに到着した折、ソフィアから真実を聞いたワタル。彼女達は地球に原始的生命が産まれてから40億年もの間、進化を見守ってきたのだと言う。アムネジアの風を吹かせたのは彼女達だった。忘却した後、そこから抜け出た者を仲間にしようと考えていたようだが、答えは出なかったらしい。ソフィアのような存在は他にもいるようだが、彼女は今後の人間の行く末を見守るのが役目らしい。

ここで別れるかと言われたワタルだったが、結局はソフィアと旅を続けることにした。
幾つもの町を巡り、旅を続けて来た2人だったが、ある日の夕方、とうとうガーディアンに見つかってしまう。再び襲撃に遭うも、命からがら逃げ延びる。奴はサンフランシスコから延々とワタルを追いかけて来たのだ。

ニューヨークへ入り、どうにかガーディアンを撒いた。ソフィアを車から降ろし、別れを告げるワタル。彼はこれからガーディアンと対決すると言う。
ワタルは追撃から逃げ回り降車してビルへ。爆撃により多少負傷するも、上手く逃亡して罠を仕掛ける。ガーディアンは罠にかかって破壊され、地に墜ちた。それを見届けたワタルも気を失って落下。

しかし、ソフィアによって助けられる。賭けに負けてしまったワタルは、地球の未来である記憶は戻せなかったが、彼女から勇敢だったと祝福を受け身体を捧げられる。
ソフィアは地球外生命体であり、これから地球を去るらしい。そうして、ワタルとソフィアは別れた。その後もワタルはたった1人、地球上での旅を続けるのだった。

映画『風の名はアムネジア』の感想・評価・レビュー

菊池秀行による同名SF小説を劇場アニメ化した作品。他にラジオドラマ化もされている。一陣の風により人類の文明と知識の全てが忘却され、荒廃してしまった地球を舞台に恩師となる亡き少年の願いを叶えるべく、1人の少年が世界の旅をするという内容。
人であることすら忘れるということは、もうすでに獣と同じで物語の冒頭部分でも、主人公が獣のように餌の取り合いをするシーンがある。作中では様々な場所や人々、彼らの生活を目にするが、地ならしをする土木作業マシンを神と崇めたり、過去の文明に固執するあまり、同じ日を繰り返している町など多種多様。物語を見る限り、主人公のような者はほとんどおらず、人間に進化が起きているとは思えない。いつかは人間の無限の可能性というものが発現すればいいと思うが、それには永い時が必要なのではないかと思った。(女性 40代)


驚くべきはこのSFアニメの設定だろう。「アムネジア」という風が吹き、人類が記憶を失ってしまうという、とんでもない発想に脱帽である。
言葉も忘れてしまった主人公のワタルが旅をしながら、人間を取り戻していくストーリーなのだが、機械に洗脳された人間などが登場し、「人間とは何か?」「命とは何か?」を問われているように思える。
全知全能かのような存在・ソフィアも登場し、悲しい気持ちにさせられる場面も多いが、自分なりの答えを見つけ出さねばと考えてしまう。(男性 40代)


生きる意味や「人間」とは何なのかを考えさせられる不思議な作品でした。風が吹き、記憶を無くす人間たち。全ての人間が記憶を無くしてしまったため、自分が何者なのか、何をしているのか分からなくなり「獣」のようになってしまう姿は目を覆いたくなるようなシーンでした。
知識や記憶が無くなるという事はこんなにも切なく悲しいことなのだと感じると同時に、知識を与えられたことに「責任」を持ち、人類を救おうとするワタルはとてもかっこよかったです。(女性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 視聴者A より:

    何を伝えたいのか?何を言いたかったのかよく分からない映画。だが不思議と心に残る。
    少なくとも良作。個人的な疑問は作中きっての敵、ガーディアンは何故ワタルに執着し、その名を知っているのか?ワタルの名は文明崩壊後にジョニーによって命名されている。
    ガーディアンは高度なAIだが、データベースにアクセスしてもかつて市民だったワタルの過去が解るだけ。ワタルの名はわからない筈。ガーディアンはデータベースに残されたジョニーの記憶の残滓なのか?人を構成する物は記憶だけでは無い。記憶というデータのみになったジョニーの残滓は生前と変わらずワタルに執着するが、その親愛表現方法はワタルを殺そうとするという過激な物。そんな考察が出来る、謎が残り、作中で全てを説明しない。視聴者の想像に任せるという演出が、私は好きだ。