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映画『時をかける少女(アニメ)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『時をかける少女(アニメ)』の概要:幾度となく映像化されている名作、「時をかける少女」のアニメ映画バージョン。奥華子がテーマソングを担当しており、ストーリーとのマッチしている内容が評判となった。

映画『時をかける少女(アニメ)』の作品情報

時をかける少女(アニメ)

製作年:2006年
上映時間:100分
ジャンル:ヒューマンドラマ、SF、アニメ、ラブストーリー
監督:細田守
キャスト:仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵 etc

映画『時をかける少女(アニメ)』の登場人物(キャスト)

紺野真琴(仲里依紗)
少し抜けている部分はあるが、溌剌として裏のない女子高校生。ある日たまたま拾った機械により、突然タイムループの力を手に入れる。
間宮千昭(石田卓也)
真琴と功介と行動を共にする高校生。真琴に密かに想いを寄せており、実は2人には内緒にしている真実がある。
津田功介(板倉光隆)
千昭と真琴と一緒にいる事が多い男子高校生。

映画『時をかける少女(アニメ)』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『時をかける少女(アニメ)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『時をかける少女(アニメ)』のあらすじ【起】

高校二年生の真琴は、平凡ながらも毎日を楽しく過ごしていました。しかし7月13日、その日は何故か朝から全くついていない真琴は流石に気落ちしていました。学校では突如抜き打ちテストが行われ酷い点数を取り、男子高校生と派手に衝突し、そして調理実習で揚げ物を失敗するという不運の連続だったのです。

真琴は帰宅前にノートを提出する為理科室へと向かっていました。すると理科準備室から不思議な音が聞こえてきて真琴は足を止めます。準備室を覗いたもののそこには誰もおらず、代わりにそこにはくるみのような形をした機械が一つ落ちていました。その機械を拾おうと手を伸ばした時、真琴は目の端で一つの影を捉えました。

結局よく分からないまま帰宅の途についた真琴は、さらに不運なことに自転車のブレーキが壊れ、事故に巻き込まれそうになります。絶体絶命といった真琴でしたが、次の瞬間、気がつくとそのついていない1日の朝へと時間が戻っていたのでした。叔母である和子に相談をした真琴は、そういった現象をタイムリープと呼ぶ事を知ります。

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映画『時をかける少女(アニメ)』のあらすじ【承】

そしてその日を境に、真琴はタイムリープを自由に使えるようになるのでした。真琴はその力を用い、自分にとって悪いことがあれば過去に飛び、それを避ける事で、日常で様々な事を有利に運ぶようになります。一方、そんな真琴にも春が訪れていました。

真琴には常に一緒に遊ぶ男友達2人、千昭と功介がいましたが、その内千昭が真琴に告白してきたのです。しかし今迄彼らをそういった対象として見たことのなかった真琴は、突然のことに驚き告白をされる前にタイムリープをし、その告白をなかったことにしてしまうのです。

ある時お風呂に入った真琴は、自分の二の腕に数字が浮かび上がっていることに気がつきました。それは真琴がタイムリープ出来る回数を示しており、真琴が些細な事でタイムリープを繰り返しているうちにその回数が徐々に減ってきていたのでした。そして真琴が少しずつ過去を変えてきた為に、過去の自分にとっては未来である現在の状態にも少しずつ影響が出てきました。

映画『時をかける少女(アニメ)』のあらすじ【転】

変化した未来では、真琴を好きだったはずの千昭は真琴の親友である友梨と急接近していました。一方、功介に恋している果穂から功介との関係性を問い詰められた真琴は、2人をくっつけるべく果穂が功介に告白した7/13まで時を戻します。真琴の努力が実り、功介と果穂の仲は縮まりました。

しかし、功介から真琴の自転車を借りたという連絡が届いた真琴は焦ります。真琴の自転車はブレーキが壊れている為です。本来の現実にはなかったこの出来事に、真琴は血相を変え功介のもとへと向かいますが幸い彼は無事でした。しかし、最近様子のおかしい真琴に気がついた千昭は、真琴に、タイムリープしてないか、といった連絡をしてきます。慌てた真琴は、最後の一回であったタイムリープをここで使ってしまいます。

しかし、ここで真琴にとって誤算が生じます。タイムリープした先は、功介が真琴の自転車を使うよりも少し前の時間帯だったのです。事故が起きるかもしれないのに何も出来ない真琴でしたが、何と千昭が時間を止めました。

映画『時をかける少女(アニメ)』の結末・ラスト(ネタバレ)

実は千昭は、未来から来た人間だったのです。真琴が冒頭で拾いタイムリープに目覚めるきっかけとなったくるみ型の機会も千昭のものでした。千昭はこの時代にしか存在しない絵画を見に現代へとタイムリープしていたのですが、千昭のもとにもあと一回分のタイムリープしか残っていませんでした。千昭はその一回を功介を救う為に使い、姿を消しました。

そして事故が起こるよりも前に戻ったその時間帯では、真琴にまだ一回分のタイムリープが残されていました。真琴はその一回を、自分がタイムリープに目覚めたあの日、あの時間に戻ることに使いました。そして理科準備室へと向かった真琴は千昭と出会います。理科準備室で真琴が見た人影は千昭のものだったのです。

真琴が千昭の最後の一回が残っている時間にまでタイムリープしま為、千昭はまだ一回だけタイムリープを使用することができます。そしてとうとう、千昭が未来へ帰る時がやってきました。千昭は真琴に「未来で待ってる」と告げ、彼女の前から姿を消したのでした。

映画『時をかける少女(アニメ)』の感想・評価・レビュー

原作の小説とはまた違うおもしろさがある映画になっているように思う。
どことなく明るい感じがあるも、切ないストーリーに涙する人はたくさんいるだろう。
本来ならば戻ることのできない時間という枠を超えて、自分の都合に合わせ思い通りに動かしてしまった結果、より大きなところで動いている時間枠を歪めてしまう。
焦りがさらにことを大きくしてしまうという感覚は、誰もが体験したことがあるはずだ。
この映画を見ると、自分にとって本当に大切なものはなんだろうかと深く考えさせられる。(女性 30代)


映画版の時をかける少女でも主人公を演じた仲里依紗が声優を務めている。内容はまったく違うものなので、どちらもオススメである。不意に手に入れたタイムリープという力で、主人公真琴が、時には気まずい告白の前に戻ったり、友人の恋愛を手助けする為に又、過去に戻ったりと、失敗ややり直しという考えで、過去に戻り、未来を上書きしていく事で生じる出来事に振り回されていくという物語。人の死だったり、大きな過ちまでには発展していかないが、それでも全てが上手くいく事は無いので、結局は物事を強制的にやり直す事は良くないんだろうと暗に告げられているような気持ちになる作品であった。(男性 30代)


突如タイムリープという力を身に付けてしまった真琴が、様々な場面で力を使い、告白を避けたり、友人達のために時間を戻したりとしてきたが、使える力が少なくなってきた時に、友人の千昭も使えることを知ってしまったシーンや、実は未来から来たという事など、真琴にとって衝撃的な場面が重なり、混乱しながらも前向きに捉えていくシーンが印象的であった。もし自分がタイムリープを使えるとしたらどういう場面で戻るのかなど、想像しながら見られた映画である。(女性 20代)


細田守監督の良さが詰まった最高の作品だと思う。「時をかける少女」という題名なだけあり、時空を飛び交う作品なので多少の突っ込みどころはある。しかしそこに目を瞑れるくらいにストーリーが素晴らしい。一言で言うなら切ないラブコメである。さらに時空を飛び交うという非現実な設定ではあるが、作品の中に生きるキャラクターたちのリアルさが、この非現実な設定を活かしていると感じた。このリアルさを描けるのは細田監督ならではだと思う。(男性 20代)


細田守監督作品の中でも特に好きな作品。
本作は小説原作で『時をかける少女』(1983年)のアニメ版で、今でもリメイクされたりドラマ化されるなど後世にも語り継がれている。
千昭が真琴に「未来で待ってる」という最後の台詞には、もう会えないということが分かっていて、色んな気持ちが折り重なって胸が締め付けられる思いだった。
三人の空気感がとても良くて、その中で真琴と千昭の恋がさり気なく描かれているところも素晴らしかった。(女性 20代)


細田守監督の映画の中でも特に大好きな映画だ。真琴・千昭・巧介の3人の友情に青春にとても胸が熱くなると同時に爽やかな気分にもしてくれる。

タイムリープの力を手に入れた真琴が、最初は時を戻して好き勝手しつつも、千昭や巧介達のために一生懸命奔走する姿がとても印象的だ。また、千昭もまた真琴達を助けるためにタイムリープをしていた未来人という設定は切なくなる。

アニメだからこそ、ここまで完成度が高く、多くの人に感動を与え、素晴らしい作品になったのだろう。(女性 20代)


原作の小説があり、テレビドラマ化や実写映画化もされている作品だが、自分が『時をかける少女』の存在を知ったのはこのアニメ映画版がきっかけだった。
紺野真琴と間宮千昭の素直になれない不器用なやり取りが微笑ましく、等身大の高校生の姿がリアルに描かれていたと思う。タイムリープの能力が登場するが、回数制限があるため、時間の大切さを改めて感じることができるストーリーになっていたと思う。爽やかな気持ちの中に、切なさが残る作品だった。(女性 30代)


原作も実写版の映画も見ずにアニメを見たので、高校生の甘酸っぱい三角関係の話なのかなと思っていたが後半のまさかの展開に驚きつつ、最後はすごく切ない気持ちで胸がきゅっとなる想像以上の作品だった。見終わった後は辛くて、「あの時ああしていたら」とずっと考えてしまったが、高校生であんな経験ができたら、きっとこれからの人生を大切に生きていけるのかなと思った。主人公の声を仲里依紗が演じているのも、彼女とはわからないくらい上手くて驚きだった。(女性 20代)


1983年の原田知世主演の『時をかける少女』が好きだったので観てみました。こちらのアニメ版は主人公が自分の思うようにタイムリープしていて、ドタバタなイメージ。どうしても周りの人をないがしろにしているように見えてしまうのですが、時間を巻き戻すたびに理想からかけ離れ、事態が悪化していくところは少し怖かったです。
時間を戻してやり直したとしても、幸せになれるとは限らない。今ある現実を大切にしなければいけないのだと改めて考えさせられました。(女性 40代)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. 森田 より:

    夏休みは始まる前が一番楽しかった、遠い昔のそんな気持ちを思い出せる作品。
    繰り返される主人公の叫び声が若干癇に障るけど、だからこそ静かな台詞が際立つのだろう。
    そしてこの作品は最後の最後で「時をかける」という言葉に、実写版を一つ超えた意味を持たせる。それは時は戻らないことを受け入れた主人公の決意であり、少し切なく愛おしい。
    エンドロールに作品の種明かしのように流れる奥華子の歌が、やっぱり切なく愛おしい。

  2. ニッシー より:

    細野作品内での入道雲やセミなどの夏の自然風景が私は大好きなので、この映画は同監督の「サマーウォーズ」の次にお気に入りです。夏に近づきセミの鳴き声を聞くようになる度にこの作品を思い出し、また観たくなるような、そんな作品です。私は、この作品の書籍版を小学生の頃に読みましたが、物語のラストに衝撃を受け、二人のその後について沢山妄想を膨らませたことを思い出しました。どこか懐かしく、ノンスタルジックな気分に浸れる私の青春映画です。

  3. 匿名 より:

    この作品の好評によって世に名前が知れ渡るようになった細田守監督。これ以前にも『劇場版デジモンアドベンチャー』(1999年)や『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』など数々の名作アニメにも携わっている。

    幼い頃からアニメが好きだったという細田監督は、金沢美術工芸大学へ進学し、サークル活動で映画製作をしていた。しかし、当時はアニメ映画ではなく実写映画をメインとしていた。

    再びアニメと関わることになったのは卒業後に東映動画(現在の東映アニメーション)へアニメーターとして採用された経緯がある。

    今回、話の鍵を握る『白梅ニ椿菊図』という展示品。この絵は実在する作品ではない。(ちなみに、この作品以外の展示品は実在する作品だそう)マコトの叔母であるカズコが勤め、この作品が展示されている美術館のモデルは東京国立博物館である。

    監督自らがこの絵画をデザインしたわけではない。『時をかける少女』のストーリーの意図や構成を理解し、かつ美術的な知識に優れている人材にこの絵画のデザインを任せたかったのだ。

    そこで採用されたのが平田敏夫氏である。彼はテレビアニメ『あしたのジョー』や『天才バカボン』を手がけたアニメーション監督である。彼もまた、武蔵野美術大学出身であり、西洋画科を専攻としていたため細田監督はその技量を信頼したのだ。細田監督の期待とおり、劇中の『白梅ニ椿菊図』は一見、岸壁のようにみえるが、中央にうっすらと女性の姿がみえる神秘的な作品に仕上がっている。

    残念ながら、平田氏は昨年の2014年8月に76歳で亡くなっている。彼への追悼の意味を込めて、同年10月には東京国立博物館で本作品の野外上映会が2日間にわたって開催された。

  4. 匿名 より:

    アニメ映画の巨匠といえば宮崎駿監督率いる「ジブリ作品」ですが、こちらの細田監督のアニメは今回の『時をかける少女』といい、その後の『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』も、ジブリ作品とは違った雰囲気の作品です。

    まず、ストーリー自体もジブリ作品は架空の生物や世界(『ハウルの動く城』・『となりのトトロ』など)や現代ではない時代(『もののけ姫』や『天空の城ラピュタ』)を舞台に描かれることが多い一方で、細田氏の作品では現代を生きる人間を中心に起こるSF・ファンタジー作品といえますが、細田氏の一番の特徴はアニメの描写でしょう。

    特に、まるで生きた人間のように滑らかに動く人間のイラストには圧巻させられます。動きは人間のようですが、一方では表情は可愛らしくアニメと言ったギャップがまた印象的です。

    また、背景や場面の描写にCGをふんだんに取り入れ、現実世界をリアルに描いています。本作品を見ながら、昔見た『スチームボーイ』(大友克洋監督)という作品を思い出しました。彼の作品もまた背景にCGを多用しており、よりスケールの大きい描写がされていたと思います。