映画『殺しの烙印』の概要:殺し屋としてナンバー3の腕前を持つ孤独な男五郎が、ある任務に失敗してしまう。組織に命を狙われた五郎の前に姿を現したのは、幻の殺し屋ナンバー1だった。二人の壮絶な決闘が幕を開ける。
映画『殺しの烙印』の作品情報
上映時間:91分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:鈴木清順
キャスト:宍戸錠、小川万里子、真理アンヌ、南原宏治 etc
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映画『殺しの烙印』の登場人物(キャスト)
- 花田五郎(宍戸錠)
- 殺し屋のナンバー3。殺しの腕はピカイチ。ご飯が炊きあがったときあがる湯気にエクスタシーを感じる。任務が終わると、その安心感から精魂尽きるまでセックスをする。孤独な男。
- 花田真美(小川万里子)
- 五郎の妻。五郎には隠していたが、自身も殺し屋。組織に言われて五郎を撃つ。生き延びた五郎に撃たれて死んでしまう。性欲の強い女。
- 中条美沙子(真理アンヌ)
- 殺し屋。組織から殺人を依頼され、五郎に協力を要請する。五郎が任務に失敗し、組織から五郎を殺すよう頼まれるが、殺せずにいる。結局自身も組織に追われてしまう。殺して欲しいというのが口癖。心に闇を抱えた女。
- 大類進(南原宏治)
- 幻の殺し屋ナンバー1。殺すために五郎の前に姿を現す。相手を焦らせて殺すのが手口。見た目からは想像できないが、超絶的な銃の腕前を持っている。
- 春日義平(南廣)
- 五郎の相棒。かつてはランキングに入る腕前の殺し屋だったが、今は落ちぶれたアマチュア。任務の最中に殺されてしまう。威勢だけは良い男。
映画『殺しの烙印』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『殺しの烙印』のあらすじ【起】
殺し屋の花田五郎が、妻の真美と一緒にタクシーに乗っている。運転手が五郎に、任務を依頼する。それは、ある組織の幹部を護送するという任務だった。殺し屋のナンバー3と評価されている五郎の腕を買い、500万円の報酬と引き換えに依頼主は五郎に任務を託す。
五郎は、幻の殺し屋ナンバー1について相棒の春日と話をしている。春日は、自分もかつてはナンバー1を目指していたのだと言う。噂だけの存在だと、五郎は春日に言う。
五郎の任務が始まる。春日と共に、ある組織の幹部を護送する。特に何もなく、順調に任務をこなす五郎達。しかし途中、殺し屋ナンバー2とナンバー4の一味に襲われる。
必死に応戦する五郎達。春日は、恐怖と自らの実力の無さに発狂してしまう。正気を失った彼は、敵に突っ込み撃たれてしまう。
護送していた組織の幹部の男と二人になった五郎。幹部の男の銃の腕前はプロ並で、相手の脳天を一発で仕留める。五郎は彼の協力もあって、敵を倒すことに成功する。
映画『殺しの烙印』のあらすじ【承】
任務を終えた五郎はその安堵感から、自宅に帰って真美と激しい房事をする。家中を這いずり回り、精魂尽きるまで激しく抱き合う。
五郎は、藪原という男から仕事の依頼を受ける。それは、四人いるターゲットを皆殺しして欲しいという依頼だった。
五郎の腕は一級品で、持ちうる最高の技術を使って次々にターゲットを殺していく。一方で五郎は、お金を散財する真美に怒りを覚えていた。
殺し屋である美沙子が五郎に、殺しの協力を依頼する。しかし、五郎はその任務に失敗してしまう。当然ながら、殺し屋には失敗は許されていない。美沙子は五郎に、ランキングから滑り落ちるだけでなく、死に追いやられるだろうと脅す。
家に帰った五郎は、真美と房事をする。行為が終わり、ほとぼりが冷めるまで日本を離れると言う五郎。すると突然真美が五郎に向けて銃弾を発砲する。そのまま家を去った真美は、家に火をつけてどこかへと走り去る。実は真美も、殺し屋だったのだ。
映画『殺しの烙印』のあらすじ【転】
五郎は美沙子のもとへと逃げ込む。五郎は、美沙子が自分を殺そうとしていることを知っていながらも、美沙子の美しさに惹かれてやってきてしまったのだ。
五郎が美沙子を抱こうとしたとき、美沙子は五郎に向けて銃弾を発砲する。しかし、美沙子は五郎を殺せずにいた。そして、お互いの寂しさを埋めるかのように二人は求め合う。
自分を殺そうとしていた人間を殺せなかったことに、五郎は苛立っていた。五郎は真美のもとへと向かう。真美は、組織から強いられたことだと言い訳をし、今度は二人共組織に殺されてしまうと叫び出す。そんな真美を、五郎は撃ち殺す。
自宅に帰った五郎。そこには、スクリーンに映し出される美沙子の姿があった。美沙子は映像の中で、組織からの拷問を受けていた。組織の人間は、映像の最後で五郎をある場所に呼び出す。美沙子への愛から、五郎はその場所へと向かう決意をする。
指定された場所に着いた五郎は、いきなりの攻撃を受ける。車の下に隠れながら、五郎は徐々に組織の人間達に近づいていく。
映画『殺しの烙印』の結末・ラスト(ネタバレ)
五郎の目の前に現れたのは、かつて五郎が護送した組織の幹部だった。名前は大類といい、彼が幻の殺し屋ナンバー1なのだった。
後日の対決を約束し、別れた五郎と大類。五郎は大類からのしつこい電話や、美沙子への思いなどで苦しむ。
大類が五郎の部屋を訪れる。大類は、五郎を殺すことが目的だと言う。どうやって殺すのかと言う五郎に大類は、しばらくここに滞在すると言い出す。
二人の奇妙な共同生活が始まる。テーブルに銃を置き、お互いに腕を組んで行動するという謎のルールを設ける二人。大類は五郎に、まだまだ訓練が足りないと言う。
大類は最後の対決場所に、後楽園のボクシング会場を選ぶ。テレビから聞こえてくる外人ボクサーの、アイムチャンピオンという声。五郎は、俺がナンバーワンになったって悪くないわけだと独り言を言う。
対決場所に着いた五郎。しかし、そこには誰もいない。姿は見えないが、「これがナンバーワンのやり口だ。敵を焦らし、疲れさせて殺す。お前の運命は窮まった。」という五郎の声が聞こえる。
姿を現した大類に、捨て身で挑む五郎。相打ちになり、大類は死んでしまう。五郎はなんとか立ち上がり、リングの上で「ナンバーワンは俺だ」と叫び続ける。そこに美沙子が姿を現す。しかし、意識朦朧としていた五郎は美沙子を撃ってしまう。そして、その場に崩れ落ちるのだった。
映画『殺しの烙印』の感想・評価・レビュー
ストーリーはそれほど変わったものではないが、その事に気づかないほど特異で魅力的な演出が冴えわたる映画。少なくとも私が初めて見た20年前の時点では1967年の映画である事を感じさせない新鮮さにあふれていた。そこから20年の映像・演出技術の進歩によりいくらか感動は色あせてはいるだろうが、映画ファンを自称するのであればいつかは押さえておいて損はない作品。(男性 30代)
邦画をほとんど見ないので、殺し屋というとどうしても洋画に登場する「寡黙」で「孤独」なイメージがあったのですが、今作で宍戸錠演じる五郎はかなり女好きで自己愛の強い派手な人間のように感じました。
当たり前のように殺し屋にランク付けされていたのが意外でしたが、終盤五郎がナンバー1に執着しているのが分かるシーンがあり、そういうことかと理解しました。
私が思い描く宍戸錠のイメージと五郎のキャラクターがぴったりで、違和感無く見られました。(女性 30代)
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