映画『ライフ・アクアティック』の概要:スランプ中の映画監督スティーブンは、起死回生を図って、ユーモラスな仲間達と共に新作の撮影に乗り出す。監督ウィム・ウェンダース独特の、どこかメランコリックなとぼけたテンポが楽しいヒューマンドラマ。
映画『ライフ・アクアティック』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ウェス・アンダーソン
キャスト:ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ケイト・ブランシェット、アンジェリカ・ヒューストン etc
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映画『ライフ・アクアティック』の登場人物(キャスト)
- スティーブ・ズィスー(ビル・マーレイ)
- 海洋ドキュメンタリー専門の映画監督。海洋学者でもある。長らくヒット作に恵まれず、スランプに陥っている。加齢や夫婦間の危機についての悩みが絶えず、先行きに不安を感じている。自己中心的で独善的な頑固者だが、純情な一面を持つ。
- ネッド・プリンプトン(オーウェン・ウィルソン)
- スティーブが過去に交際していた女性の息子。スティーブが父親である可能性が強い。パイロットだったが、スティーブの誘いを受けて撮影班に加わる。幼い頃からスティーブのファンだった。穏やかな優しい青年。記者のジェーンと恋仲になる。
- エレノア・ズィスー(アンジェリカ・ヒューストン)
- スティーブの妻。科学者で、撮影クルーのブレーン。常に義務的で、あまり感情を表に出さない。スティーブに愛想を尽かしており、離婚を考えている。裕福な家の出身で、スティーブの船や所有地は、エレノアの実家からの出資によるものである。
- ジェーン・ウィンスレット・リチャードソン(ケイト・ブランシェット)
- スティーブを取材する記者。不倫相手との子供を妊娠しており、毎晩物語を音読して胎教している。仕事上、強気な態度を取っているが、悩みを一人で抱え込んで苦しんでいる。取材中、ネッドと恋人関係になる。
- アリステア・ヘネシー(ジェフ・ゴールドブラム)
- 富豪の海洋学博士。大学時代のスティーブのルームメイトで、スティーブと助成金を争って勝ち取って以来、お互いをライバル視している。エレノアの前夫。ゲイの傾向がある。
- クラウス・ダイムラー(ウィレム・デフォー)
- スティーブの撮影班の技師。寡黙なドイツ人。スティーブに心酔しており、スティーブに特別扱いされているネッドに嫉妬している。何があってもスティーブについていくと決意している。
- オセアリー・ドラクリアス(マイケル・ガンボン)
- スティーブのマネージャー。財政難のスティーブのため、資金を集めようと奔走している。移民で、新しいビザを必要としている。
- アン=マリー・サコヴィッツ(ロビン・コーエン)
- スティーブの撮影班の記録係。ヌーディストで、ほとんどの時間を上半身裸で過ごしている。身勝手なスティーブに不満を感じている。
- ビル・ユーベル(バッド・コート)
- 融資会社から派遣されてくる監視員。気弱な小男。スティーブに親近感を持ち、クルーの一員に加わる。数カ国語を話せる。
映画『ライフ・アクアティック』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ライフ・アクアティック』のあらすじ【起】
海洋ドキュメンタリー専門の中年の映画監督スティーブは、9年間に渡ってヒット作に恵まれず、スランプに陥っている。妻エレノアとの関係も危機を迎えている上に、撮影中にジャガーサメに襲われて長年の仲間エステバンを失い、スティーブは自信を無くしつつある。
スティーブの新作が、ある映画祭でプレミア上映される。観客は内容を理解できず、反応は芳しくない。会場でライバルのヘネシーに遭遇し、来場者から中傷を受け、スティーブは一層不安を募らせる。次回作への資金繰りも上手くいっておらず、スティーブはマネージャーのオセアリーと共にスポンサー探しに頭を悩ませる。
上映後のパーティーで、スティーブは前妻キャサリンの息子のネッドと初めて対面する。スティーブが実の父であるかは不明だが、幼い頃からスティーブのファンであったネッドは、スティーブにやっと会えたことに感激する。キャサリンが病を苦に自殺したと知ったスティーブは、ネッドに責任を感じる。
スティーブは、ネッドを私有地のネセスパダ島へ連れていく。スティーブはネッドを撮影班に加え、ネッドはパイロットを辞職する。ネッドの参加を快く思わない技師のクラウスは、ネッドに嫌がらせを始める。
スティーブの独占取材記事を書くため、記者のジェーンがネセスパダ島に到着する。ジェーンの突っ込んだ質問を嫌がるスティーブは、逆上してジェーンを傷つける。ネッドとジェーンは惹かれ合う。
映画『ライフ・アクアティック』のあらすじ【承】
実はスティーブは、5年前に、自分に関するある記事を読んでからネッドの存在を知っていた。何故そのときに自分を探さなかったのかと問うネッドに、スティーブは、父親になることを恐れていたと答える。
オセアリーの尽力により、スティーブはスポンサーを得る。薬物検査を受けること、発見した動物は殺さないこと、監視員ビルを撮影に同行させることを条件に、融資会社は出資を決定する。撮影スケジュールが組まれ、撮影班が準備に勤しむ中、スティーブに愛想を尽かしたエレノアは出て行く。
一行はスティーブの船ベラフォンテ号に乗り込み、新作の撮影とエステバンの仇を討つため、ジャガーサメの追跡を始める。スティーブ達は、ヘネシーの海洋研究所に不法侵入し、必要な機材を盗み出す。
ジャガーサメの居所を特定したスティーブは、記録係アン=マリーの制止を振り切り、危険な警備水域外を通ってサメを追う。スティーブはジェーンの取材手帳を盗み見て、自分が酷評されていることを知る。スティーブはジェーンに惹かれているにもかかわらず、ジェーンを度々不快にさせる。
謎の信号を受信したベラフォンテ号は、発信源へ行き、沈没した航空機を発見する。スティーブ達が海中で撮影しながら航空機を調査している間、ネッドはジェーンと関係を持つ。
映画『ライフ・アクアティック』のあらすじ【転】
ネッドがジェーンと過ごして監視を怠ったため、ベラフォンテ号は海賊の襲撃を受ける。機材や金庫が奪われ、船員達は目隠しをされて縛られる。スティーブは、極限状態の中で奇跡的に覚醒し、自力で縄を解いて一人で海賊達に反撃する。海賊達はビルを人質にとり、船で逃げ去っていく。
ベラフォンテ号の救難信号を受け取ったヘネシーの船が、救出に駆けつける。ヘネシーはベラフォンテ号をポート・オ・パトワへ曳行することを威丈高に約束し、エレノアがヘネシーの邸宅に滞在していることをスティーブに教える。
スティーブのやり方に不満を覚えたアン=マリーや数名の船員達は、ポート・オ・パトワで下船する。お腹の中の子を危険に晒したくないジェーンも取材を中止し、船を降りようと考える。
スティーブは、ポート・オ・パトワのヘネシーの豪邸にいるエレノアに会い、資金援助を請うが断られる。スティーブは今までの強情な態度をエレノアに謝り、今回の撮影を最後の冒険にしようと決意する。
船に戻ったスティーブは、一緒に眠っているネッドとジェーンを発見し、怒りを露わにする。スティーブとネッドは喧嘩になり、お互いを傷つけあう。突如、エレノアが現れ、二人の口論は終わる。エレノアは再び撮影班に加わる。
囚われているビルから連絡が入り、エレノアは発信源はピン諸島だと特定する。ベラフォンテ号は海賊からビルと金庫を取り戻すため、ピン諸島へ向かう。
エレノアはジェーンに、スティーブは無精子症であるため、ネッドがスティーブの子である可能性が無いことを明かす。
映画『ライフ・アクアティック』の結末・ラスト(ネタバレ)
スティーブ達は、ピン諸島の近くで沈没しているヘネシーの船を発見する。島に上陸した一行は、撮影しながら海賊の隠れ家を探す。探索途中、自分の不甲斐なさを認めたスティーブは、息子の存在を知りつつも長らく認知しなかったことをネッドに謝る。
一行は、隠し部屋に監禁されていたビルを発見する。スティーブは海賊のいいなりにされているヘネシーを見つけ、一人で海賊達と銃撃戦を繰り広げる。ビルとヘネシーを救出し、金庫を取り戻して、スティーブ達はピン諸島を後にする。
ジャガーサメの追跡を諦めていたスティーブは、ネッドに叱咤されてやる気を取り戻す。同時に、ジェーンがベラフォンテ号に戻ってくる。
親子の絆を取り戻したスティーブとネッドは、ヘリコプターで海上からジャガーサメを探す。突如、ヘリコプターが故障し、水面に墜落した衝撃でネッドは命を落とす。スティーブ達は船上でネッドを弔い、棺桶を海に流す。
スティーブは、ジェーンが書き上げた原稿を褒め、ヘネシーとも和解する。
ジャガーサメの影が確認され、スティーブ達は潜水艦に乗り込んで海底を目指す。スティーブ達は、真っ暗な深海の中を発光しながら悠々と泳ぐジャガーサメの姿に感動し、サメに復讐することなく、帰艦する。
スティーブは、ネッドに捧げて映画を完成させる。プレミア上映会で、スティーブは客席で自分の作品を見る気になれず、上映終了まで一人で会場の外で過ごす。新作は高評価を得て、スティーブは観客達から喝采を浴びる。
映画『ライフ・アクアティック』の感想・評価・レビュー
本作は、海洋映画に没頭するやや落ち目の映画監督が、撮影中にジャガーザメに襲われた親友の敵討ちの為に新作に取り組む姿を描いたウェス・アンダーソン監督による大人のコメディー作品。
主人公ズィスーと船員の中の自称息子を名乗るネッドとの少し変わった関係性が見どころである。
また、個性豊かなメンバーはもちろん、潜水艦の縦割り構図や乗組員の制服などといった美術面の隅々までに同監督のセンスやこだわりが詰まっていてとても素敵だった。(女性 20代)
ウェス・アンダーソンの特徴と個性が光り出した初期の作品のひとつとして印象に残っている。公開から十何年も経っているとは信じ難い鮮やかさと新鮮さがあって、全く色褪せていない。
彼の作品の常連であるビル・マーレイやウィレム・デフォーらが織りなす独特な人間ドラマと、ファンタジーのような世界観は何度観ても新しい発見がある。俳優たちの魅力をここまで引き出すことができるとは、ウェス監督の力量が見て伺える。(女性 20代)
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