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映画『プロヴァンスの休日』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『プロヴァンスの休日』の概要:両親が離婚し、夏休みを母方の祖父母がいるプロヴァンス地方で過ごすことになったパリ在住の3兄妹弟は、生まれて初めておじいちゃんと対面する。ジャン・レノが人間味のあるおじいちゃん役を好演しているヒューマンドラマで、プロヴァンス地方の美しい風景にも癒される。

映画『プロヴァンスの休日』の作品情報

プロヴァンスの休日

製作年:2014年
上映時間:105分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ローズ・ボッシュ
キャスト:ジャン・レノ、アンナ・ガリエナ、クロエ・ジュアネ、ユゴー・デシュー etc

映画『プロヴァンスの休日』の登場人物(キャスト)

ポール(ジャン・レノ)
フランスのプロヴァンス地方でオリーブ農園を営んでいる。昔気質の頑固親父で、17歳で妊娠した娘と衝突し、その後17年間娘と会っていない。そのため孫とも面識がない。地元の人たちからは愛されており、酒場でも人気者。アルコール依存症気味。
イレーネ(アンナ・ガリエナ)
ポールの妻。頑固な夫を支えつつ、パリで暮らす娘や孫とも時々会っている。いろいろと苦労も多いが、根本的にはポールを愛しており、40年間連れ添ってきた。若い頃はヒッピーに憧れ、ポールやツーリング仲間と各地を旅していた。
アドリアン(ユーゴ・テシウ)
ポールの娘の長男。最近になって両親が離婚し、夏休みを母親の実家で過ごすことになる。17歳の都会っ子で、パソコン、携帯、ゲーム機が手放せない。女の子も大好きで、積極的にナンパする。軽薄な若者だが、妹や弟には優しい。
レア(クロエ・ジュアネ)
アドリアンの妹。おそらく16歳くらいで、年の近い兄とは仲がいい。鼻ピアスにドレッドヘアーの勝気な娘で、ポールにも反抗的。最近は環境保全活動がマイブーム。大人ぶっているが、男性経験はない。
テオ(ルーカス・ペリシエ)
アドリアンの弟。上の2人とは年の離れた末っ子で、まだ幼い。聴覚障害があり、言葉を発することができない。最初にポールに懐き、みんなの緩和剤となる。純粋な心を持った愛らしい少年。
マガリ(オーレ・アッティカ)
ポールの町でアイス売りをしている美女。町の男たちの人気者で、アドリアンも年上の彼女に憧れを抱く。
チアーゴ(トム・リーブ)
移動販売車でピザを売っている青年。レアに声をかけ、彼女の初恋の人となる。実はマガリの弟で、ピザ屋を隠れ蓑にして違法薬物の売人をしている。

映画『プロヴァンスの休日』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『プロヴァンスの休日』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『プロヴァンスの休日』のあらすじ【起】

パリ在住のアドリアン、レア、テオの3兄妹弟は、夏休みの2ヵ月間を、母方の祖父母が暮らすプロヴァンスの田舎で過ごすことになる。3兄妹弟の両親は最近離婚して、母親は仕事のためにカナダへ行ってしまった。娘から孫の世話を頼まれたイレーネは、パリまで孫を迎えにいき、プロヴァンスへ連れて帰る。年頃のアドリアンとレオは、せっかくの休暇を田舎で過ごすのが嫌だった。都会っ子のせいもあるが、彼らは母親の実家に行ったことがなく、祖父のポールと面識がなかったのだ。

17年前、ポールは17歳で妊娠した娘と衝突し、娘は家を出てしまった。イレーネは時々娘や孫と会っていたが、頑固なポールはいまだに娘と和解していない。そのため、イレーネは孫を連れて帰ることをポールに話していなかった。

駅までイレーネを迎えにきたポールは、いきなり3人の孫と対面させられ、予想通り不機嫌になる。アドリアンとレアも歓迎されていない空気を察し、ポールに反感を持つ。

ポールとイレーネ夫婦は、町から車で2キロほど離れた広大な土地で、オリーブ農園を営んでいる。あまりに田舎のため携帯の電波も悪く、アドリアンとレアはますます不機嫌になる。子供たちのいないところで、イレーネはポールの態度を注意する。ポールは娘の勝手さに腹を立てており、その怒りを孫にまでぶつけていた。

夕食時、牛肉とナスを使った伝統的なプロヴァンス料理を見て、テオは食べたくないという素ぶりをする。末っ子のテオには聴覚障害があり、言葉を発することができない。レアは、テオは殺される動物がかわいそうでお肉が食べられないのだと説明する。レアも最近環境保全活動にハマっており、地元の野菜しか食べないからと言って夕食に手をつけない。アドリアンは料理にニンニクを使っていることがわかると食べるのをやめてしまう。子供たちのわがままさにポールは苛立ち、「ゴミを捨ててくる」と言って車で出かけていく。イレーネには、ポールの行き先が酒場であることはわかっていた。

アドリアンとレアは、あれこれ口うるさいポールに不満を募らせ、ついに3人は大喧嘩をする。どうにも我慢できなくなったアドリアンとレアは、母親とスカイプで話し、帰りたいと訴える。2人は、自分たちは嫌われていると思い込んでいたが、母親はそれを否定する。親子の縁を切ったのはポールではなく、母親の方だった。

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映画『プロヴァンスの休日』のあらすじ【承】

イレーネは退屈している孫たちを連れ、蚤の市へ出かける。ポールは町の酒場で、地元の仲間たちと飲んでいた。アドリアンはさっそく女の子をナンパして、連絡先を交換する。レアは、ピザ屋のチアーゴから、土曜日の牛追い祭りに誘われる。アドリアンは、薬局の向かいでアイスを売っている年上のマガリにも魅力を感じる。

レアはポールには反抗的だったが、イレーネとは仲がいい。レアにポールの魅力を聞かれたイレーネは、若い頃の写真を見せてやる。ポールとイレーネの青春時代はちょうどヒッピー・ムーブメントが起きており、2人もヒッピー・スタイルで、世界中をバイクで旅していた。しかし、ある時期からポールが行く気をなくしてしまったらしい。その夜、アドリアンは、泥酔して帰宅したポールを目撃する。

アドリアンはちょっとしたいたずらのつもりで、ポールをSNSに登録する。すると、ポールの昔の仲間から、友達申請が入る。アドリアンはポールに内緒で、彼らに返事を送る。

ポールはテオに飼育小屋の鶏や兎を見せてやる。生みたてのタマゴまで見せてもらい、テオはとても喜ぶ。ポールはテオとジェスチャーでコミュニケーションを取り、一緒に畑仕事をする。テオにはポールの優しさが伝わったようだ。「一緒に牛飼い祭りに行かない?」とイレーネに誘われたテオは、ポールの手を握る。それは「僕はおじいちゃんと一緒がいい」というテオの意思表示で、ポールはすっかり嬉しくなる。

牛飼い祭りを見物にきたレアは、チアーゴに誘われてお酒を飲み、彼と踊る。テオを連れて後からやってきたポールは、いつものようの仲間たちと飲んでいた。そこでチアーゴとキスをしているレアを目撃し、強引にレアを連れて帰る。

チアーゴに恋をしたレアは、「彼とデートしたいけど、おじいちゃんが許してくれない」と泣きながらイレーネに訴える。イレーネには、心配するポールの気持ちもわかるし、恋するレアの気持ちもわかる。イレーネはポールを怒らせない約束で、2人のデートを許す。

チアーゴとのデートはとても楽しく、レアは彼に夢中になっていく。一方、アドリアンはマガリの気を引きたくて、彼女のアイスクリームを大量に買っていた。

映画『プロヴァンスの休日』のあらすじ【転】

そんなある日、ポールの農園に昔のツーリング仲間たちがやってくる。彼らはアドリアンが勝手に登録したSNSでこの場所を知り、夫婦を訪ねてきてくれたのだ。ポールは複雑な心境だったが、それでも古い友人との再会を喜ぶ。昔の仲間たちは、今でも毎年集まって、ツーリング旅行を楽しんでいた。

イレーネはこの訪問を心から喜び、珍しく酔っ払う。賑やかな宴は夜になっても続き、思い出話に花が咲く。その時ふと、「マヌ」という男性の名前が出る。するとポールが突然泣き出し、しんみりした雰囲気になる。マヌは、若くして亡くなったポールの弟だった。アドリアンとレアは、自分たちに大叔父さんがいたことを初めて知る。

ようやく酒盛りが終わり、仲間たちは町の簡易宿泊所へ移動する。案内役を買って出たアドリアンは、親密そうにじゃれ合うマガリとチアーゴを目撃する。2人を恋人同士だと勘違いしたアドリアンは、レアにもそのことを話し、兄妹で落ち込む。

ここでの生活に慣れてきた頃、アドリアンは父親から「会いたい」という連絡を受ける。アドリアンは、勝手なことを言う父親に腹を立て、一方的にスカイプを切ってしまう。アドリアンとレアは強がっていたが、内心は両親の離婚に傷ついていた。特に長男のアドリアンは、将来への不安で押しつぶされそうになっていた。ポールはそんなアドリアンの気持ちを察し、「我慢するな」と言ってやる。アドリアンは、ポールの前で初めて涙を流す。

闘牛場でのお祭りの日、レアはマガリがチアーゴの姉であることを知り、彼と仲直りする。アドリアンがナンパした女の子とどこかへ行ってしまったので、イレーネはアドリアンを待つことにして、ポールがレアとテオを連れて帰る。しかし、ポールは飲酒運転をして事故を起こしてしまう。幸い3人にケガはなかったが、イレーネはポールの失態に本気で腹を立てる。レアはそんな祖父を軽蔑し、アドリアンにポールの悪口を言う。ポールのことを好きになっていたアドリアンは、複雑な心境だった。

映画『プロヴァンスの休日』の結末・ラスト(ネタバレ)

9月が近づいてきたある日、ポールのもとに、今年のオリーブの品評会でポールのオリーブが優勝したという嬉しい知らせが届く。20年越しの悲願を達成したポールの喜びようを見て、イレーネも感激する。ポールはオリーブの木を心から愛していた。

その夜、ポールたちは町でお祝いの会を開く。いつもの仲間と酒盛りをしていたポールは、セクシーな格好でチアーゴと踊るレアに激怒し、2人は大喧嘩になる。レアから「アルコール依存症のくせに」と罵られたポールは、思わず手を上げてしまい、それを止めようとしたチアーゴのことも突き飛ばす。レアは怒って、チアーゴとどこかへ行ってしまう。

レアは家に帰らず、翌朝になって「チアーゴと数日旅行へ行く」とイレーネに電話してくる。イレーネは帰るように言うが、彼は運命の人だからとレアに押し切られる。

ポールは禁酒する決意をして、病院へカウンセリングを受けにいく。アドリアンもポールの禁酒に協力し、一緒に運動を始める。

一方、レアとチアーゴは小さな島でキャンプをして、甘い時間を過ごしていた。一線を越えるのを怖がるレアに、チアーゴは怪しげな薬を飲ませる。その薬を飲むと、レアの恐怖心が消える。

アドリアンの協力もあり、ポールの禁酒は順調に進んでいた。そんなポールを昔のツーリング仲間が訪ねてきて、「あのピザ屋は違法薬物の売人だ」と教えてくれる。レアの居場所は携帯の位置情報で確認できたので、ポールはすぐにレアを救いに走る。アドリアンと仲間も一緒だったが、ポールは途中で仲間と別れ、ひとりで小島へ向かう。

小島に到着したポールは、海岸にいたチアーゴにライフル銃を突きつけ、レアの居場所を聞いて彼を追い払う。レアはLSDを飲まされ、テントで意識を失っていた。幸い発見が早かったので、レアは数日で回復する。レアを診断してくれた医者は、ポールの願いを聞き入れ、警察に通報しないと約束してくれる。

ポールはレアの気持ちを考え、チアーゴの正体は明かさなかった。レアは「彼から連絡がない」と不機嫌になっていたが、みんなに迷惑をかけたことは自覚しているようだった。ポールは元気のないレアを湖に連れ出し、イレーネが弟の恋人だったことを打ち明ける。弟の葬儀で初めて会ったイレーネと40年も連れ添うことになるなんて、ポールは想像もしていなかった。「人生は予測がつかん」と言われ、レアは気持ちが落ち着く。

オリーブ品評会の表彰式も終わり、いよいよ3人が帰る日がくる。ポールはテオに「今までで最高の夏だったよ、ありがとう」とお礼を言う。アドリアンもレアも、ここが大好きだというポールの気持ちがわかるようになっていた。3人はイレーネや町の人たちと別れを惜しみ、ポールの車で駅へ向かう。

駅には、3人の母親が迎えにきていた。ポールは遠慮して離れた場所にいた。するとテオが母親の手を引き、ポールのところへ連れていく。気まずそうな娘にポールの方から、「カナダ行きが決まっていないのなら、うちへくればいい」と声をかける。「いいの?」と驚く娘に、ポールは「もちろん」と答えてやる。それから2人は、17年の溝を埋めるかのように、ひたすら立ち話を続けるのだった。

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