映画『マリリンとアインシュタイン』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「マリリンとアインシュタイン」のネタバレあらすじ結末と感想

マリリンとアインシュタインの概要:クレジットでは「女優」や「教授」といった役名になっているが、明らかにマリリン・モンローとアインシュタインの物語である。ホテル内での密室劇のような形式で、スター女優と天才科学者の不思議な一夜が描かれている。

マリリンとアインシュタインの作品情報

マリリンとアインシュタイン

製作年:1985年
上映時間:109分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ニコラス・ローグ
キャスト:テレサ・ラッセル、ゲイリー・ビューシイ、トニー・カーティス、レイ・チャールソン etc

マリリンとアインシュタインの登場人物(キャスト)

女優(テレサ・ラッセル)
マリリン・モンローと思しきスター女優。男性たちのセックス・シンボルとして扱われることに疲れている。身体があまり丈夫ではなく、すぐに流産してしまう。夫である元野球選手との生活も破綻しかけている。科学が好き。
教授(マイケル・エミル)
アインシュタインと思しき天才科学者。ドイツからアメリカへ亡命してきて、現在はニューヨークのホテルで暮らしている。広島への原爆投下に対して責任を感じており、罪の意識に悩まされている。長年、宇宙について研究している。
元野球選手(ゲイリー・ビジー)
ジョー・ディマジオと思しき元野球選手。女優の夫で、有名な野球選手だった。妻への嫉妬に苦しみ、奔放な彼女を追い回している。ガムのおまけについている野球カードの話ばかししている。教養はないが、一本気で憎めない男ではある。
議員(トニー・カーチス)
アメリカ上院議員のマッカーシーと思しき人物。反共産主義者で、赤狩りを強行中。教授に赤狩りへの協力を要請している。

マリリンとアインシュタインのネタバレあらすじ

映画『マリリンとアインシュタイン』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

マリリンとアインシュタインのあらすじ【起】

1954年のニューヨーク。セクシーな容姿で男性たちに大人気の女優が、多くの野次馬に取り囲まれ、映画の撮影を行っている。今日撮影するのは、排気口から吹き上げる風で白いドレスがまくれ上がり、パンツが見えてしまうというシーンだった。最近は、男性ファンの目を意識して、こんなシーンばかりが続いていた。女優は淡々と仕事をこなし、足早にタクシーへ乗り込む。タクシーの外から、夫である元野球選手に呼び止められるが、女優はそのまま走り去る。

同じ頃、ニューヨークのホテルに滞在しているドイツ人の教授の部屋を、アメリカの上院議員が訪ねていた。反共産主義者の議員は、世界的な天才科学者である教授に、翌日の公聴会へ出席し、共産主義者に不利な発言をするよう求める。教授は政治に関わることを嫌がり、「明日は世界平和会議へ行く」と断るが、議員はそれを認めず、「明朝8時に迎えにくる」と言って、部屋を出ていく。

教授は、ナチスのユダヤ人迫害から逃れるため、アメリカへ亡命してきた。彼は、相対性理論を生み出した天才科学者であり、モーツアルトの音楽をこよなく愛する文化人でもあった。しかし、科学者として有名になりすぎたため、彼の研究や存在そのものが、政治に利用されていた。そんな教授が最も衝撃を受けたのは、アメリカが広島と長崎へ原爆を投下したことだった。開発に関わったわけではないが、教授は自分の研究に責任を感じ、罪の意識に苦しんでいた。

一方、女優は貧しい家庭に生まれ、孤児院で育った。彼女は成功するため、女の武器を最大限に利用し、女優としてのし上がってきた。しかし、今はセックス・シンボルとして物扱いされることに疲れ果て、人間としての生きがいを求めるようになっていた。そんな女優が、真夜中の3時に、教授の部屋を訪ねてくる。

マリリンとアインシュタインのあらすじ【承】

女優と面識のなかった教授は、彼女の突然の訪問に戸惑う。女優は、半ば強引に部屋へ入り込み、有名人の2人には共通点が多いからと、一方的に話し始める。教授は、この女優のことをよく知らなかったが、彼女がせっぱ詰まった気持ちでここへ来たことは理解できたので、快く話を聞いてやる。

彼女は、独学で相対性理論を勉強しており、自分で買ってきたおもちゃや風船を使って、特殊相対性理論を説明する。女優は、わかりやすい解釈で、見事に特殊相対性理論を実証し、教授を喜ばせる。

しかし、内容は理解していないという女優に、教授は思索を続けて理解することの大切さを説く。女優は、自分と真面目に対話してくれる教授の誠実さに感動し、「あなたは寝たい男の1位よ」と教授に迫る。

女優が泊めて欲しいと言うので、教授は遠慮してバスルームで寝ることにする。しかし、女優は納得せず、教授をベッドに誘う。

教授はズボンを脱ぎ、女優の隣で眠ろうとする。しかし、タクシー運転手から妻の居場所を聞き出した女優の夫がやってきたので、教授は焦る。夫は乱暴な男で、ドアを開けるよう大声で叫び、教授を驚かせる。女優は仕方なく、ドアを開けてやる。

マリリンとアインシュタインのあらすじ【転】

元野球選手の夫は、妻と教授が浮気しているものと思い込み、嫉妬心をむき出しにする。女優は、「彼に手を出したら私とも終わりよ」と夫を脅し、彼は精神科医なのだと嘘をつく。女優はよく情緒不安定になり、精神科医に頼っていたので、元野球選手はその話を信じる。

女優と元野球選手は、最近夫婦仲がうまくいっておらず、彼女は何週間も家に帰っていなかった。元野球選手は妻のことを愛していたが、彼女との離婚もありうると考え、弁護士に相談していた。その話を聞いた女優は、一緒に帰ることにして夫を落ち着かせ、身支度を整えるため、バスルームへ入っていく。

教授と2人きりになった元野球選手は、自分がガムのおまけについているカードになるようなスター選手だったことを延々と自慢する。元野球選手はそれを誇りに思っており、今でもカード付きのガムを買い漁っていた。女優は、夫のそういうところが嫌で、彼の教養のなさを恥じていた。夫の方は、そんな妻の気持ちが理解できず、彼なりに苦しんでいた。女優は今までに何度も流産をしており、夫は妻の体も心配だった。

バスルームにいた女優は、今までにあった嫌な出来事をいろいろと思い出し、そのまま倒れてしまう。深刻そうな夫婦の様子を見た教授は、2人きりで話す時間が必要だと考え、自分の部屋を彼らに譲る。部屋を出た教授は、ロビーのソファーで眠ることにする。

女優は、自分なりに夫を愛しているのだと語り、子供を産みたいと彼に頼む。しかし、夫は妻の体が心配で、彼女の意見に賛同できない。妻のことで疲れ果てていた夫は、そのままベッドで眠ってしまう。実はこの時、彼女はすでに夫の子供を身ごもっていた。

マリリンとアインシュタインのあらすじ【結】

翌朝、妻より先に目覚めた夫は、朝食を買うため外へ出る。その後、女優がひとりで寝ている部屋へ、捜索令状を持った議員とその部下がやってくる。ベッドで寝ている女優を見て、議員はかなり驚くが、すぐにいやらしい目つきで彼女を見始める。

議員は、非協力的な教授に圧力をかけるため、彼が何年もかけて書き上げてきた研究書類を押収しようとする。女優は教授の大事な書類を守るため、議員の要求に応じ、彼に身を任せる。議員は欲望をむき出しにして、彼女をベッドに押し倒すが、途中で考え直して行為を中止する。乱暴に扱われた女優は、腹部に強い痛みを感じ、バスルームへ入る。

部屋へ戻ってきた教授は、議員に公聴会での証言を強要されるが、断固としてこれを断る。「私の力でライフワークをパアにしてやる!」と脅された教授は、議員が押収しようとした書類の束を、自分で窓から投げ捨ててしまう。

一方、バスルームの女優は、下半身からの大量出血に苦しんでいた。どうやら、先ほどの衝撃で、また流産してしまったらしい。そこへ元野球選手が戻ってきて、部屋を出ようとしていた議員と鉢合わせる。元野球選手は議員を妻の浮気相手と思い込み、彼に殴りかかろうとする。しかし、教授が仲裁に入り、議員を帰らせてやる。

元野球選手は、バスルームの妻に「俺は子供が欲しい、お前のために賢くなる」と声をかける。しかし、また流産してしまった女優は、2人の子供を諦め、彼に別れを告げる。彼女は、身も心もボロボロになっていた。元野球選手も諦めて、彼女の元を去る。

身支度を整えた女優は、最後に教授と話をする。教授が苦しんでいると感じた女優は、何があったのかを聞いてみる。教授は多くを語ろうとはしなかったが、原爆のことで苦しんでいることは、女優にも理解できた。教授の時計は、広島に原爆が投下された8時15分で止まっており、その時間がくると、教授には恐ろしい幻覚が見える。それは、原爆で全てが吹き飛ばされてしまうという幻覚で、目の前の女優まで火だるまになってしまう。

しかし、ふと我に帰ると、ホテルの部屋は先ほどまでと同じ状態で、女優にも変化はない。女優は教授に別れを告げ、部屋を出ていく。こうして、天才科学者と人気女優の不思議な一夜は幕を閉じる。

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