映画『カンフー・ジャングル』の概要:武術の達人を次々と殺害する男は、ただ最強になりたいだけだった。暴走する彼を止めるべく、元武術家チャンピオンであるハーハウ・モウが刑務所から出て警察に協力する。21世紀香港映画を代表する俳優ドニー・イェンのカンフーアクションは本物!技と技がぶつかり合うラスト13分7秒の死闘は必見!
映画『カンフー・ジャングル』の作品情報
上映時間:100分
ジャンル:アクション
監督:テディ・チャン
キャスト:ドニー・イェン、ワン・バオチャン、チャーリー・ヤン、ミシェル・バイ etc
映画『カンフー・ジャングル』の登場人物(キャスト)
- ハーハウ・モウ(ドニー・イェン)
- 武術館合一門館主。香港警察の元教官で武術チャンピオンであったが、対戦相手を誤って殺してしまい、囚人となる。
- フォン・ユィシウ(ワン・バオチャン)
- 武術の達人を次々に殺害する犯人。妻を失った悲しみから、武術最強の名だけが唯一の望みとなる。
- ロク・ユンサム警部(チャーリー・ヤン)
- 香港警察で連続殺人の捜査を指揮する女性警察官。
- シン・イン(ミシェル・バイ)
- ハーハウ・モウの妹弟子。ハーハウが収監中、武術館を守り彼の帰りを待つ。
映画『カンフー・ジャングル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『カンフー・ジャングル』のあらすじ【起】
ハーハウ・モウは格闘技チャンピオンだったが、対戦相手を誤って試合中に殺してしまい、禁固5年の刑で収監されていた。ハーハウは過去に対戦経験がある武術家が殺害されたニュースを聞いて驚き、ロク警部への面会を刑務官に求める。しかし、彼の申し入れは受け入れてもらえなかった。そこで彼は、わざと周りにいた囚人達に喧嘩を売って乱闘騒ぎを起こす。彼は殴りかかってきた囚人17人を全て1人で殴り倒した。刑務官に取り囲まれたハーハウは、改めてロク警部との面会を申し入れる。
ハーハウは殺人捜査の現場指揮官であるロク警部に、犯人はまた必ず武術家を殺すと告げ、被害者になる可能性がある7人の武術家の名前を挙げる。ロク警部は彼の言葉を最初は信じなかったが、7人のうち最初に名前を挙げた人物が殺されたことをきっかけに、その気持ちは変わる。
ハーハウは警察の監視下で捜査協力すること、事件解決後は収監されることを条件に釈放された。ハーハウは犯人が次に狙うだろう武術家を予想し、その武術家の元へ警察と共に急いだが、彼らが到着する頃には既に殺されていた。
映画『カンフー・ジャングル』のあらすじ【承】
ハーハウは自身が館長を務めていた道場がある地へ赴く。そこで彼は、妹弟子であるシンと再会する。ハーハウは道場で亡き師匠の遺影に向かい、人を殺めて道場の名を汚したことを懺悔する。シンは彼を想い、自分の力を制御できるよう、腕に彼女の願いを込めた紐を結ぶ。
ハーハウは道場で、ある物を発見する。殺害現場にあった金属の遺留品と同じ物だ。それを手掛かりに、フォン・ユィシウという男が犯人だとハーハウは目星を付ける。彼はそれを警察に知らせ、警察と共にフォンの住居捜索に向かう。
フォンの姿は彼の住居になかったが、その部屋からは彼が妻を亡くし、過酷な修行を自らに課していたことがひしひしと伝わってきた。危険な戦いにシンを巻き込みたくなかったハーハウだったが、ロク警部の計らいにより、彼女も同行することになる。
ハーハウとシンは、次の標的になるだろう武術の達人を訪ねたが、達人は怪我により引退していた。その代わり、彼は一番弟子にその座を譲っていた。ハーハウらの捜索は一足遅く、一番弟子がフォンの犠牲となった。
映画『カンフー・ジャングル』のあらすじ【転】
フォンの潜伏先を突き止めたロク警部は、特殊部隊を突入させる。そこに彼はいなかったが、警部は必ずフォンが帰ってくると確信し、部隊を待機させた。なぜなら、亡くなった彼の妻の遺骨がそこに置いたままだったからである。
フォンは妻を深く愛していた。しかし、妻は若くしてガンにかかり、日に日に弱っていった。フォンは苦しむ妻の姿に心を痛めた。彼は妻をその苦しみから解放するため、自らの手で妻を葬った。フォンは生きる希望を全て失った。彼に残ったのは武術だけだった。彼の心は歪み、武術で最強となることだけを追求し、武術の達人を次々と狙っていたのだ。
ロク警部の読み通り、彼は船に乗って潜伏先に現れた。警察はフォンを捕まえようとするが、彼は次々に倒していく。シンもフォンと闘うが、彼女は深い傷を負う。倒れていたシンを見つけたハーハウは怒りに震え、フォンに殴りかかる。しかし、フォンは抵抗して水中に飛び込み、警察から船を奪って逃げ切った。
映画『カンフー・ジャングル』の結末・ラスト(ネタバレ)
警察が大勢殺され、シンも守れず怪我をさせてしまったことに、ハーハウは責任を感じていた。なぜなら、フォンは武道を極めたハーハウと闘うために武術家達を殺し、ハーハウが刑務所から出所するように仕向けたのだ。そして、大切な存在であるシンも殺す、とハーハウを脅していたのである。ハーハウは覚悟を決め、フォンと決着をつけることをロク警部に伝える。
フォンは次の標的となる人物の勤務先に向かったが、そこには既にハーハウがいた。車が激しく行き交う道路上で、二人の死闘が始まる。互角の闘いの中、ハーハウは一瞬の隙を突いて、フォンを追いつめて殺そうとする。
しかし、彼は腕に巻かれた紐を見てシンの言葉を思い出し、闘いの手を止める。フォンは形勢逆転し、逆にフォンがハーハウを殺そうと最後の一撃を喰らわせようとする。その時、駆けつけたロク警部がフォンを撃ち殺した。連続殺人事件はこうして幕を閉じた。
約束通り、事件後は刑務所に戻ったハーハウであるが、再審請求により近々釈放されることになった、彼はその後、シンと共に道場を立て直し、幸せに暮らした。
映画『カンフー・ジャングル』の感想・評価・レビュー
とにかく格闘シーンには目を見張るものがあるカンフー映画である。妻を亡くした男がひたすら最強という称号のみを求め戦い、その男を止める為にハーハウが追い続けるという内容。とはいえ、どちらも殺人を犯した人間同士であり、明確な正義と悪とはまた違う背景の上で物語は進んでいく。ハーハウは途中で、過去の過ちを懺悔し、自らを制御しようとする点は評価するが、武術のぶつかり合いも、拳銃一発で終わるという皮肉や、その後ハーハウが幸せに暮らすという終わり方は、なんとなく腑に落ちきらないものではあった。(男性 30代)
肉体を使った戦闘シーンが、とにかく凄くて圧巻である。邦画ではここまで戦いに特化した作品は撮れないだろうなと思った。動きが力強くて滑らかで、良い意味で同じ人間とは思えない。きっと厳しい訓練を経て、撮影に挑んだろう。
ハーハウがフォンに止めを刺さなかったラストは良かったと思う。でも、フォンが射殺されてしまったことは残念でならなかった。どうせなら、肉体を使った戦いで終わって欲しかったなと思う。(女性 30代)
ドニー・イェンと言えば「カンフー」や「武術」をテーマにした中国映画の英雄的存在です。最近話題となったディズニー映画、実写版『ムーラン』にも出演していました。どの作品にも共通するのは、彼が演じるのはいつも「強い男」だと言うこと。今作で彼の演じるハーハウ・モウも、とにかく強くてかっこいい、人間味のある男でした。
ラストの対決をお見逃し無くと言う口コミを見ましたが、個人的にはあまり納得のいかないラストでした。せっかく強い男同士が戦うのだから、己の身体だけで決着をつけて欲しかったと感じます。(女性 30代)
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