映画『ブラック・レイン』の概要:裏社会で成り上がろうと犯罪を犯す男を逮捕するため、日米の刑事達が大阪を舞台に協力する。勝手が違う日本の警察に苛立ちを覚えるニック刑事は、堅物の松本警部補とギクシャクしながらも捜査を進めるが…。日米豪華キャストが共演するクライムアクション映画。
映画『ブラック・レイン』の作品情報
上映時間:125分
ジャンル:アクション、フィルムノワール
監督:リドリー・スコット
キャスト:マイケル・ダグラス、高倉健、アンディ・ガルシア、松田優作 etc
映画『ブラック・レイン』の登場人物(キャスト)
- ニック・コンクリン(マイケル・ダグラス)
- NYの刑事。ヤクの売人から押収した現金を盗んだ嫌疑をかけられる。一度は逮捕した佐藤を必ず逮捕するため、チャーリーと協力して日本で捜査する。規則にとらわれない彼の行動は、時に周囲の誤解を生む。
- チャーリー・ヴィンセント(アンディ・ガルシア)
- NYの刑事。ニックの同僚。ニックと共に日本で佐藤を捜査する。周囲と衝突しがちなニックの女房役で、物腰が柔らかい。
- 松本正博(高倉健)
- 大阪府警の刑事。英語が流暢で、規則を第一とする堅物。ニックとチャーリーの世話役だが、規則を破るニックの行動に苛立ちを覚える。
- 佐藤浩史(松田優作)
- ヤクザと刑事を敵に回してでも、自分の目的を達成しようとする計算高い男。NY市警に逮捕されても、裏から手を回して逃亡する。ヤクザの親分である菅井の元子分だが、偽札原版を交渉材料として対等に渡り合おうとする。
映画『ブラック・レイン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブラック・レイン』のあらすじ【起】
NY市警のニックは、ヤクの売人から押収した現金を盗んだ嫌疑で、内部捜査班から審問を受ける。ニックは潔白だと言い張るが、怒鳴り散らす彼からは余裕が伺えない。
ニックと同僚のチャーリーがカフェで昼食をとっていると、事件は起こった。サングラスをかけた男が、カフェにいた日本人客の背広から小さな箱を取った。男はゆっくり立ち去ろうとしたが、踵を返し、隠し持っていた日本刀で日本人客の首を掻っ切って逃げる。ニックとチャーリーは男を追いかけ、連携プレーで逮捕した。
男の名前は、佐藤。佐藤はNY市警の取り調べには一切答えず、日本大使館の計らいにより日本への護送が決定する。ニックとチャーリーが護送担当となり、日本行きの飛行機に3人で搭乗する。空港に到着し、警察官を名乗る二人組に佐藤を引き渡すが、佐藤はニック達に不敵な笑みを浮かべた。ニックとチャーリーは無事に任務完了と思ったが、先の警察官は偽物で、佐藤を逃がしてしまったことに気づいた。
映画『ブラック・レイン』のあらすじ【承】
日本の警察は、ニック達が不注意で佐藤を逃がしたと彼らを責め、国に帰らせようする。しかし、必ず佐藤を捕まえたいニックは、喚き立てて滞在を許可させる。警察は、日本の規則で銃所持は認められないとし、ニック達から銃を取り上げる。また、彼らの日本滞在中の世話役として、英語が話せる松本警部補をニック達につけた。
あるクラブで殺人事件が起こった。被害者は、ニック達を空港で騙した偽警官の一人だ。彼の口の中には、1枚の米ドル札が押し込まれていた。佐藤の手掛かりになると思ったニックは捜査に関わろうとするが、日本の警察に現場から追い出される。ニックは諦めずに聞き込みをし、佐藤とヤクザの親分である菅井が争っているという情報を得る。
後日、佐藤のアジトが判明する。ニックとチャーリーは武装警察官に同行しようとするが、松本は許可がないからと二人を止めようとした。しかし、ニック達は押し切って、松本も一緒に連れていく。突入したアジトにいたヤクザの中に、空港にいた偽警官もいたが、佐藤はそこにいなかった。
ニックはテーブルに米ドル札を見つけ、手掛かりになると思って盗む。松本はニックが証拠の米ドル札を盗んだことに怒るが、ニックは米ドル札が偽札だと見抜いたことを突きつけ、ニックを信頼しない松本を叱責する。
映画『ブラック・レイン』のあらすじ【転】
ニックとチャーリーはクラブで日本の夜を楽しんでいた。しかし、松本がニックの規則を守らない行動を咎めたので、ニックは怒って席を立つ。チャーリーは松本を宥めようとして、松本とレイ・チャールズの名曲をデュエットする。堅物の松本もチャーリーの計らいに、その顔を緩ませる。その夜、チャーリーは佐藤とその手下に殺された。
松本はチャーリーの遺品をニックに届ける。その中に、チャーリーの銃があった。ニックは銃を手に取り、松本と共に佐藤の捜査を進める。佐藤の手掛かりになる女性を見張っていた夜、ニックは松本にNYでヤクの売人の金を盗んだことを告白する。松本はその行為がチャーリーを汚し、松本も汚すものだとニックに伝える。ニックはただ一言礼を言った。
翌朝、見張っていた女性が動いた。二人はその女性を尾行して、ある工場に辿り着く。そこでは、菅井が佐藤に偽札の原版を渡すよう求めていた。NYで佐藤が日本人から奪ったものだ。佐藤は原版と引き換えに、ヤクザの親分と対等になれるよう新しいシマを菅井に要求する。菅井は一笑に付したが、佐藤は気にも留めずにその場所を後にした。
ニックは佐藤を捕まえようと追いかけるが、途中でニックだけが日本警察に取り押さえられる。携帯許可がない銃を所持していたため、ニックは本国に送還されることになった。
映画『ブラック・レイン』の結末・ラスト(ネタバレ)
NY行きの飛行機に乗ったニックだったが、チャーリーの敵を取らなければと思い直し、飛行機から隠れながら降りる。ニックは松本のもとへ行き、佐藤の捜査に誘う。しかし、松本は停職処分を受けていたため、規則を破って行動することはできないと頑なにその誘いを拒んだ。
ニックは一人で捜査を進め、佐藤への足掛かりとして菅井に近づく。菅井は、後日佐藤がヤクザの親分衆と落ち合う場所にニックを連れていき、ショットガンを渡す。
農村の一軒家に佐藤と親分衆が到着する。ニックは茂みに隠れて機を伺うが、後ろから佐藤の子分に襲われそうになる。そこへ松本が現れ、ニックを助ける。松本はルールよりも、自分の想いを優先して行動したのだ。
一軒家の中、佐藤と菅井ら親分衆が膝を突き合わせる。菅井が佐藤と盃を交わそうとしたその時、佐藤は菅井の手を刀で突き刺す。それと同時に、農民に扮していた佐藤の手下が銃を撃ちまくる。ニックと松本がそれに応戦して、銃撃戦となる中、佐藤はバイクで逃走を図る。ニックは佐藤を追いかけ、激しい格闘の末に佐藤を追いつめた。チャーリーの復讐のために佐藤を殺そうとしたが、ニックは自制してその手を止めた。
ニックと松本は佐藤を警察署に連行する。佐藤の逮捕でニックと松本は警察から表彰された。空港でニックは帰りの飛行機を待つ。そして、見送りに来た松本に荷物を渡して別れを告げる。その荷物の中には、新品のシャツと偽札の原版が入っていた。
映画『ブラック・レイン』の感想・評価・レビュー
リドリー・スコットが撮る日本が凄い好きだ。色んな制限の中で、これだけの表現ができたことが凄い。大阪とは思えないようなシーンもあり新鮮で面白い。いつかまた日米合作の大作が出て欲しいと思う。
そして米国キャストもカッコいいけど、高倉健の渋さも良かったし、松田優作の演技から表情までが一番カッコよかった。元々日本の俳優は興味なかったけど、これを機に昭和の作品と名優たちを観てみたくなった。(女性 20代)
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