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映画『素晴らしきかな、人生』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『素晴らしきかな、人生』の概要:ハワードは広告代理店を経営しており、“広告の哲学者”と呼ばれるほど社内からも社外からも一目置かれる存在だった。だが、娘を病気で亡くしてから周りを拒絶するようになり、自分の殻に閉じこもってしまう。

映画『素晴らしきかな、人生』の作品情報

素晴らしきかな、人生

製作年:2016年
上映時間:97分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:デヴィッド・フランケル
キャスト:ウィル・スミス、エドワード・ノートン、キーラ・ナイトレイ、マイケル・ペーニャ etc

映画『素晴らしきかな、人生』の登場人物(キャスト)

ハワード(ウィル・スミス)
広告代理店のヤードシャム・インレット社の経営者。“広告の哲学者”と呼ばれるほど、有能な人物。6歳になる娘が病死してしまい、その悲しみから抜け出せずにいる。
ホイット(エドワード・ノートン)
広告代理店のヤードシャム・インレット社の共同経営者。ハワードの親友。不倫がばれてしまい、妻と離婚している。それがきっかけで娘との関係が悪化し、会話も満足にできていない。
エイミー(キーラ・ナイトレイ)
劇団員。ホイット達に頼まれ、“愛”を演じる。人の気持ちを慮る、心の優しい女性。
サイモン(マイケル・ペーニャ)
広告代理店のヤードシャム・インレット社の幹部社員。ハワードの友人。多発性骨髄腫が再発し、死期が近づいている。妻に病気のことは隠している。妻との間に息子が1人いる。
マデリン(ナオミ・ハリス)
ハワードの元妻。ハワードのことを離婚した後も愛し続けている。グループセラピーを開き、同じように子供を亡くして悲しんでいる親の話を聞いている。
ラフィ(ジェイコブ・ラティモア)
劇団員。ホイット達に頼まれ、“時間”を演じる。明るく陽気な青年。
クレア(ケイト・ウィンスレット)
広告代理店のヤードシャム・インレット社の幹部社員。ハワードの友人。子供が欲しいため、精子バンクに登録している。だが、長年会社に尽くしてきたせいで、子供を産むのが難しい年齢になってしまう。
ブリジット(ヘレン・ミレン)
劇団員。ホイット達に頼まれ、“死”を演じる。エイミー達のリーダー的存在。女優として高いプライドを持っている。
サリー・プライス(アン・ダウド)
探偵。かつてホイットの妻が雇い、ホイットの不倫を暴いたことがある。ホイット達に頼まれ、ハワードを尾行する。

映画『素晴らしきかな、人生』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『素晴らしきかな、人生』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『素晴らしきかな、人生』のあらすじ【起】

広告代理店のヤードシャム・インレット社は過去最高益を達成した。経営者のハワードは“広告の哲学者”と呼ばれ、社内からもライバル社からも一目置かれている存在だった。ハワードは広告を作る上で、“愛”と“時間”と“死”という3つのキーワードを大切にしていた。人は常に愛を渇望し、時間を惜しみ、死を恐れているからだ。

3年後。ハワードは悲しみの中におり、まだその状況から抜け出せずにいた。会社は大口の取引相手から契約を切られ、危機的状況にあった。クライアントは全てハワードのコネで繋がっていたため、他の者ではどうすることもできなかった。しかも、買収の話まで出ていた。共同経営者のホイットは会社を倒産させないため、買収の話を進めるよう同僚のサイモンに頼んだ。

ホイットは同僚のクレアに、ハワードに議決権を行使する能力がないと証明するため、サリーという老女の探偵を雇ったことを話した。クレアは友達に探偵を使うなんてどうかしていると非難するが、ホイットの考えは変わらなかった。ホイットがいくら話しかけても、2年前に娘を亡くしてから、ハワードは何も言葉を返さなくなってしまったのだ。

サリーはハワードを尾行し、ポストに投函した3つの手紙を入手した。宛名は“愛”と“時間”と“死”だった。手紙には娘を亡くして深く悲しんでいる様子が綴られていた。仕事から帰宅すると、ハワードは犬も飼わないのにドックパークに何時間もいた。だが、何をしているのかは分からなかった。そして、それ以外は家に籠もりっきりで、ネットもテレビも使用している形跡がなかった。報告を聞いたクレアはハワードを思い悲しい気持ちになった。

ホイットは出掛ける予定を立てて娘のアリソンに会いに行くが、今日は一緒に行かないと断られてしまう。アリソンは母親と母親の恋人のバリーと出掛ける予定を立てていた。アリソンは父が不倫をし、母親を深く悲しませたことに腹を立てていた。

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映画『素晴らしきかな、人生』のあらすじ【承】

ホイットは船旅会社のキャッチコピーに“殻を脱げば人生は変わる”という言葉を考えていた。だが、オーディションに来ていた女性に、“殻を抜いで人生を変えよう”の方が心に響くと指摘される。ホイットは女性の言葉に納得し、キャッチフレーズを変えることにした。女性ともっと話そうとするが、帰って行ってしまう。ホイットが後を追いかけると、女性は“ヘーゲル劇場”に入って行った。

ホイットが出会った女性は劇団員で、エイミーという名前だった。エイミーの他に、ラフィ、ブリジットという劇団員がいた。彼らはオリジナル作品の練習を行っていたが、資金がないため上演することができず悩んでいた。ホイットはその話を聞き、あることを思いつく。

ホイットの母親は脳卒中で倒れたため、脳が正常に働いていない状態だった。かつてホイットは母親が変ことを言うたびに訂正していたが、母親は混乱し、ホイット自身もストレスを溜めていた。そんな時、ある人から“君のリアルを押しつけるのは止めて、母親のリアルに合わせろ”という助言をもらう。ホイットはハワードも母親と同じように自分のリアルが伝わっていない状況だと考え、ホワードのリアルに合わせてはどうかとクレアとサイモンに提案した。具体的に言うと、俳優に“愛”と“時間”と“死”を彼の前で演じてもらうのだ。

ホイット達はエイミー達に会いに行き、娘を亡くした友人を助けるため、“愛”と“時間”と“死”を演じて欲しいと頼んだ。エイミーは気持ちを弄ぶことになるのではないかと演じることを嫌がるが、昔の彼を取り戻すためだと頼み了承してもらう。

ブリジットが“死”を演じ、ハワードが書いた手紙を持って、ドックパークのベンチに座っていたハワードに会いに行った。ハワードはからかわれたと思って怒るが、ブリジットは演じ続けた。

ハワードは子供を失くした親達で結成されたグループセラピーに顔を出した。だが、亡くした子供のことを、どうしても話すことができなかった。帰ろうとすると、ある女性に呼び止められ、話さなくてもいいからいてくれと頼まれる。その女性は中に入らず、外からグループセラピーを覗いていたハワードのことを気に掛けていた。ハワードが名前を尋ねると、その女性はマデリンと名乗り、オリビアという娘を脳腫瘍の中でも珍しい多形成膠芽腫で亡くしたことを話した。

映画『素晴らしきかな、人生』のあらすじ【転】

ブリジットはサイモンの体調が悪いことに気づいていた。サイモンは息子が生まれる2週間前に多発性骨髄腫が再発し、死期が近づいていた。だが、そのことは妻にも話しておらず、毎朝ジョギングに行って健康的な振りをしていた。サイモンは家族のケアを望んでおらず、纏まったお金を残すために買収の話を進めようとしていた。

ハワードは会社で、自分の手紙を持った“時間”(ラフィ)と出会う。クレアはラフィが見えていない振りをして、ハワードに話しかけた。ハワードは訳が分からず混乱する。“時間”を演じているラフィは、自分(時間)を無駄遣いするなと怒って去って行った。

“愛”を演じたエイミーは、手紙を持ってレストランにいるハワードに会いに行った。だが、ハワードは頭を抱え去って行ってしまう。エイミーは自分の演技が不十分だったからだと落ち込んだ。ホイットは素晴らしい演技だったと褒め、エイミーを慰めた。その後、劇場に集まったホイット達は、ビデオに録るためもう一度演じて欲しいとエイミー達に頼んだ。だが、エイミーは人として間違っていると怒り、出演を嫌がった。

ハワードはマデリンに会いに行き、“愛”などの幻覚が見えることを話そうとするが、どうしても打ち明けることができなかった。口籠っている姿を見て、マデリンは夜の散歩にハワードを誘った。ハワードもマデリンも、子供を亡くしたことをきっかけに離婚をしていた。ハワードはマデリンからまだ妻を愛しているか聞かれるが、“愛”について自分でも訳が分からなくなっており、答えることはできなかった。反対にマデリンは、夫のことをまだ愛していた。離婚が成立した日に夫から渡された手紙を大事に持っていた。その手紙には“もし他人同士に戻れたら…”と書かれていた。

ハワードは“愛”や“時間”や“死”の姿が見えることをマデリンに話した。マデリンは否定することなく、ハワードの話を詳しく聞いた。ハワードは娘の命が長くないと知ったとき、ある取引を“死”に持ち掛け、祈りを捧げていた。それは、娘の代わりに自分の命を取れというものだった。だが、“死”は拒み、娘は亡くなった。マデリンはハワードの話を悲痛な気持ちで聞いていた。次に、マデリンが自分のことをハワードに話した。娘の最期のときが来たとき、病院の椅子に座っていると、隣の女性に声を掛けられる。娘が亡くなることを話すと、その女性は“見逃さないで、幸せのオマケがあるから”と話した。マデリンはそのとき言葉の意味がよく分からなかったが、1年後友人達に支えられていることに気づいたとき、その女性の言葉の意味を理解することができた。だが、ハワードにはその女性の言葉を理解することはできなかった。マデリンは“愛”や“時間”や“死”に自分の気持ちをぶつけるべきだと勧めるが、ハワードはそれを拒絶し帰って行った。

映画『素晴らしきかな、人生』の結末・ラスト(ネタバレ)

ホイットは報酬金額を上げるから戻ってくれと頼むが、エイミーは頷かなかった。エイミーは話を変え、娘が生まれた日のことをホイットに尋ねた。ホイットは戸惑いながらも、最初は恐怖を感じたこと、娘を抱っこして言いようのない喜びを感じたことなどを話した。だが、今では娘に嫌われてしまっていた。エイミーは話を聞き終えると、娘と仲直りできたら戻ることを約束した。

ハワードは“時間”(ラフィ)に、娘の時間を奪った怒りをぶつけ、ラフィが乗っていたスケートボードを放り投げた。次に“死”(ブリジット)が現れ、死後の世界の話をされるが、ハワードはそんな話では癒されることのない気持ちを抱えていた。そして、涙ながらに怒りをぶつけた。最後に、“愛”(エイミー)が現れた。ハワードは娘を亡くしたことで愛に絶望していた。だが、エイミーは娘以外にも愛は宿っているのだと話し、愛なしに生きないでくれと願った。それらは全て、サリーがこっそり録画していた。

サリーが録画していた映像は審議会で流された。だが、その映像のラフィ達の姿は消されており、ハワードが何もない場所で怒っているように加工されていた。ハワードはホイット達の様子から、仕組まれたことだと知る。クレアが涙ながらに謝罪するが、ハワードはそれを止め、長年会社のために尽くしてきたことへの感謝の言葉を述べた。そして、サイモンには病歴を知っていることを話し、家族の生活を守ることを約束した。最後にホイットには、娘に遠慮せずに堂々と父親をやれと背中を押した。ハワードは会社を存続させるため売却の書類と、娘の信託財産に社の所有権を入れていたため死亡証明書にサインをした。クレア達はそのことを知り、深く悲しんだ。

クレアはラフィに報酬を渡しに行った。ラフィは帰って行くクレアを呼び止め、良い母親になると声を掛けた。クレアは精子バンクに登録し、子供を持つことを夢見ていた。だが、年齢的な問題で、クレアは既に産むことを諦めていた。ラフィは産まなくても母親になれるのだと、里親の道を勧めた。

ホイットは嫌がるアリソンを呼び止め、話し合おうと声を掛けて愛していることを伝えた。アリソンは父の言葉を信じ、明日学校が半休であることを教えた。ホイットが早く来ることを約束すると、アリソンは嬉しそうに微笑んだ。

サイモンはブリジットに報酬を渡すついでに、妻に病気のことを打ち明けたことを話した。ブリジットが妻の反応を気にすると、サイモンは妻が既に病気のことを知っていたことを教えた。

ハワードはマデリンの家を訪ねた。マデリンは娘が父親と踊るビデオを見ていた。そこに映っていた父親は、ハワードだった。2人は元夫婦だったのだ。ハワードは娘のビデオを見て、やっと死を受け入れることができた。初めてオリビアの名を呟き、亡くなったことを話した。マデリンはハワードを抱きしめた。

ハワードとマデリンは手を繋ぎながら仲良く散歩をしていた。ハワードは“時間”(ラフィ)・“死”(ブリジット)・“愛”(エイミー)に見られているように感じたが、マデリンが振り返るとその姿は消えていた。

映画『素晴らしきかな、人生』の感想・評価・レビュー

とても内容が濃く、考えさせられた映画である。娘を亡くした時から何も手に付かず、漠然と過ごしていたハワードの為に、また会社を守るために、愛と時間と死を演じ、彼にしか見えないように気配りしていたシーンもじんときた。周りの支えと元妻の関係性など、見所がたくさんあり、終始涙が止まらなかった。主人公のハワードだけでなく、悲しみや辛さを抱えて生きている人達がたくさんおり、立ち上がろうと努力している姿にも胸を打たれ、勇気づけられた作品だった。(女性 20代)


説教そのものはそんなに嫌がられない。説教くさいこと比べれば。この当時のウィル・スミスの映画を思い起こしているときに思いついた。お金を持って余裕ができ、ヨガを始めて、仏教や禅に興味を持つとこうなるのだ。という絵に書いたようなアメリカ人のサクセスルートをたどった彼が自分の平凡な人生訓をとてつもない有難いもののように勘違いしてお話してくださる物語。さすがにこの壮大な勘違いができるだけの才能はあり、演技が良くてそこそこ面白いのがちょっとむかつきもするが、上質さと平凡さのアンバランスが面白い。(男性 30代)


最愛の娘を亡くし、落胆に浸っていたハワードの前に現れた人々との出会いによって、彼の人生が変わりだす。どん底だったはずの人生に、少しずつ色が見えてくる。彼らの助けによって引き上げられていく彼の様子に、とても勇気がもらえるのではないだろうか。とても心温まる愛に溢れたストーリーで、キャラクターもとても素敵な人々が集まっている。落ち込んだときに観ると、とても勇気がもらえるはずだ。前向きに生きていきたいと思えるようになるだろう。(女性 30代)


ハワード、マデリン、周囲の仲間達、劇団員、それぞれの立場や思いを考えながら見ていると、涙が止まらなくなる。娘の死を受け入れることほど、父親として悲しく辛いものはないと思う。仲間達のハワードへの愛と、暴言を吐かれても仕事を全うした劇団員達の姿は、胸がいっぱいになるほどの感動を覚えた。ラストで、ハワードとマデリンが仲睦まじく散歩している姿に、安堵を覚えた。ぜひ多くの人に見てもらいたい作品。たくさんの「愛」を感じることができると思う。(女性 30代)


正直なことを言えば、ウィル・スミス主演の作品は色々見てきたが一番わからなかった。
捉え方次第で物語が変わるからそれは面白いと思うが、根本が感動作品の体なため私はある種の恐怖を感じた。
上辺は今まで支えてくれたハワードを抜け殻から脱出させ明るい世界に導く感動作品だが、私は部下が会社のためにハワードを陥れて精神疾患にでっちあげる狂気的作品に思えた。
特にラストの演出。「時間」「愛情」「死」があたかも存在しないような演出は部下の目論見通りに精神疾患を患ったように見える。
深く考えなければ感動する作品だが、芯まで理解したい人は原題である『Collateral beauty』を崩して理解してみるといい。2つの意味が浮かび上がってくる。(男性 20代)


豪華なキャストと人生を輝かせてくれるようなストーリーで感動すること間違いなしの作品だと思って鑑賞しましたが、私は素直に感動できずあまり受け入れられませんでした。
大切な人の死によってどん底に落ちてしまった時、助けてくれたのは周りの人や友人、家族、会社の同僚だったと言うのは素敵な話だと思うんです。しかし、今作の作りはそれがあまりにも大袈裟で正直見ていて鬱陶しくなります。
厳しいことを言うようですが悲しいこと、苦しいことを受け入れ、自分の力で乗り越えて前を向くことも自分の人生を生きるということなのでは無いかなと感じてしまいました。(女性 30代)

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