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映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』の概要:奇才デヴィッド・クローネンバーグが、ハリウッドに蠢く様々な欲望や娯楽産業の醜悪さを赤裸々に描き出す。それぞれの忌まわしい過去に苦悩する登場人物が織りなす、人間性の本質を探る群像劇ミステリー。

映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』の作品情報

マップ・トゥ・ザ・スターズ

製作年:2014年
上映時間:112分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト:ジュリアン・ムーア、ミア・ワシコウスカ、オリヴィア・ウィリアムズ、サラ・ガドン etc

映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』の登場人物(キャスト)

アガサ・ワイス(ミア・ワシコウスカ)
顔と上半身に火傷の痕がある18歳の少女。7年前に自宅に放火して全焼させて大怪我を負い、フロリダの精神病院に預けられた。音信不通になっていた家族に会うため、故郷のロサンゼルスに戻る。常に長手袋を着用し、黒っぽい服を着ている。大量の安定剤を服用している。
ハヴァナ・セグランド(ジュリアン・ムーア)
多数の受賞歴を持つ大物ハリウッド女優。加齢とともに仕事が減りつつあり、焦りを感じている。大女優であった今は亡き母に強いコンプレックスを抱いている。精神の安定を得るために、スピリチュアルな精神統一法に傾倒している。
ベンジー・ワイス(エヴァン・バード)
ハリウッドの子役スター。13歳。アガサの弟。薬物中毒のリハビリ後、業界に復帰する。スケジュールは全て母親が管理しており、常に事務所上層部からのプレッシャーに晒されている。
スタッフォード・ワイス(ジョン・キューザック)
世界的に有名な心理学者。アガサとベンジーの父親。ハヴァナを始め、ハリウッドの有名人達にセラピーを施している。ベンジーが成功することを熱望する一方で、家庭の問題よりも自身の仕事を重んじている。妻クリスティーナとの間に秘密がある。
クリスティーナ・ワイス(オリヴィア・ウィリアムズ)
アガサとベンジーの母親。スタッフォードの妻。ベンジーのキャリアを伸ばすことに心血を注いでおり、ベンジーのスケジュールを全て管理している。ベンジーの成功のためなら、他人を傷つけることも厭わない。夫スタッフォードとの間に秘密がある。
ジェローム・フォンタナ(ロバート・パティンソン)
ハリウッドでリムジンの運転手をしながら、俳優と脚本家を目指している青年。自力で夢を追いつつも、幸運が自分に舞い込むことを願っている。アガサと親しくなる。
クラリス・タガート(サラ・ガドン)
ハヴァナの母親。ハリウッドを代表する往年の大女優。若くして焼死した。母親にコンプレックスを抱いているハヴァナの前に、幻覚として現れる。
キャリー・フィッシャー
実在する大女優。広い人脈を持っており、ハリウッドの様々な方面に顔が利く。Twitterで知り合ったアガサを、新しい秘書を募集していたハヴァナに紹介する。
ジニー(ドーン・グリーンハルグ)
ハヴァナとベンジーのエージェント。我儘なクライアント達が満足できる仕事を提供するため、広いコネクションを使って奔走している。
キャミー(キアラ・グラスコ)
非ホジキンリンパ腫を患っている少女。売名行為のために病院に見舞いにやってきたベンジーに会った後、死亡する。ベンジーの前に、亡霊となって現れる。
アジータ・ワクテル(ジェイン・バイトメイヤー)
ハリウッドの女優。過去にクラリスが演じた役を、ハヴァナと争う。一人息子がいる。
マイカ(ドメニク・リッチー)
アジータの息子。プールに落ちて命を落とす。
スタール(ジョナサン・ワットン)
ハヴァナの友人のハリウッドスター。ハヴァナと肉体関係を持っている。
ロイ(ショーン・ロバートソン)
ベンジーと共演している4歳の子役。ベンジーに疎まれている。
ダミアン・ジャビッツ(ゴード・ランド)
ハリウッドの監督。30年前にクラリスが出演した作品をリメイクしようと計画している。落ち目の俳優を復活させることで有名。

映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』のあらすじ【起】

顔と上半身に火傷を負っている少女アガサは、7年ぶりにフロリダから故郷のロサンゼルスに戻る。送迎車のリムジンを予約していたアガサは、運転手のジェロームに、有名子役ベンジーが前に住んでいた家の跡地へ行くよう依頼する。車内で、ジェロームは俳優かつ脚本家であることを話し、アガサはキャリー・フィッシャーとTwitterで知り合ったことを打ち明ける。

ベンジーは、難病を患って入院しているキャミーを売名行為のために見舞い、キャミーのことを映画化すると嘘を吐いて励ます。ベンジーのスケジュールは、母親クリスティーナが全て把握している。ベンジーの父親スタッフォードは著名な心理学者で、自身の知名度を保つことに余念が無い。

女優のハヴァナは、スタッフォードの心理療法を受けている。大女優だった亡き母親クラリスに深いコンプレックスを抱いているハヴァナは、スタッフォードの指導を受けて、トラウマを乗り越えようとしている。

ハヴァナは、30年前にクラリスが出演した映画のリメイク作品の役を得ようと躍起になっている。ハヴァナはエージェントのジニーに協力を要請し、監督のダミアンに話を取り付けるよう依頼する。ジニーとの打ち合わせで興奮したハヴァナは、クラリスの幻覚を見る。若く美しいままのクラリスは、ハヴァナに残酷な言葉を投げかける。

ある夜、ベンジーの前にキャミーの幽霊が現れる。ベンジーの訪問から程なくしてこの世を去ったキャミーは、ベンジーがよく知っているある詩を口ずさみながらベンジーを脅す。一方、アガサは大量の安定剤を飲み、同じ詩を唱えている。

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映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』のあらすじ【承】

ベンジーは、薬物中毒のリハビリを終えて回復したことを示して仕事を得るため、クリスティーナやジニーと共にプロデューサー陣に会う。

ハヴァナは、業界人御用達のバーで俳優のスタールに会い、ダミアンに掛け合ってくれるよう頼む。ハヴァナはスタールから、ダミアンはハヴァナが狙っている役に女優のアジータを推していることを教える。自宅でスタールとの性行為に及んでいる最中、ハヴァナはクラリスの幻覚を見る。

数日後、ハヴァナは偶然にキャリーと出会い、ダミアンへ出演を打診してくれるよう、頼みこむ。キャリーは、新しい秘書を探しているハヴァナにアガサを紹介する。アガサを面接して好感を持ったハヴァナは、アガサを採用する。

ある日、アガサはジェロームに運転を依頼して呼び出し、ハヴァナの秘書に雇われたことを報告する。ジェロームに好意を寄せているアガサは、一緒に脚本を書こうとジェロームを誘うが、ジェロームに断られてしまい精神が不安定になる。

ベンジーは、姉アガサについてカウンセラーに話す。小さい頃からアガサは、実弟のベンジーと結婚したいと口にしていた。7年前、両親の留守中に、アガサは幼いベンジーに睡眠薬を飲ませて眠らせた後、家に放火した。

ハヴァナはスタッフォードのセラピーを受けながら、新しい秘書について話す。秘書が娘のアガサだと知ったスタッフォードは、クリスティーナにアガサがロサンゼルスへ来たことを伝える。クリスティーナは激しく狼狽する。スタッフォードはベンジーに、アガサに気をつけるよう忠告する。

ダミアンがアジータを主役に決定し、ハヴァナは悲しみに暮れて取り乱す。

ベンジーの新作の撮影が始まる。ベンジーは、あざとい演技をする子役のロイが気に入らない。

ハヴァナの買い物に付き添っているとき、アガサは、アジータの運転手を勤めているジェロームと再会する。ハヴァナは息子のマイカを連れたアジータに会い、主役決定へのぎこちない賛辞をアジータに送る。

ヘッドスパを受けている最中、ハヴァナはクラリスの幻覚を見る。クラリスは、若い頃にに継父からレイプされたというハヴァナのトラウマをけなす。

映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』のあらすじ【転】

翌日、体調が優れないハヴァナは、アガサに八つ当たりをする。ハヴァナの家にやってきたジニーは、マイカが水死したためアジータが落胆していることを報告する。ダミアンがアジータの代役にハヴァナを指名したことをジニーから聞き、ハヴァナは狂喜する。

ハヴァナと共に撮影現場を訪れたアガサは、ハヴァナがダミアンと話している間に、SF映画の端役に出演が決まったジェロームと会う。その後、アガサは同じスタジオで収録しているベンジーのトレーラーへ行き、7年ぶりにベンジーに会う。

ベンジーは、スタッフォードはアガサがロサンゼルスに来ていると知っている、とアガサに伝える。アガサは、7年前の事件の詳細をベンジーに説明して謝罪しようとするが、二人の間の溝は埋まらず、ベンジーはアガサをトレーラーから追い出す。

アガサがベンジーに接触したことを知ったスタッフォードは、アガサのアパートへ行く。過去を償うためにロサンゼルスに戻ってきたというアガサに対し、スタッフォードは、フロリダへ帰れとアガサに金を渡して突き放す。

その夜、ベンジーの前に、キャミーとマイカの幽霊が現れ、詩を口ずさんで消える。錯乱したクリスティーナは、バスルームでむせび泣いている。

アガサは、持っていた安定剤を全てトイレに捨てる。アガサはジェロームを呼び出し、二人はアガサの家の焼け跡でデートする。

映画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

アガサは、躁鬱状態のハヴァナに毎日振り回されている。ベンジーは再びドラッグに手を出し、勢いで友人の愛犬を銃で射殺する。

アガサは、両親の現在の家へ行ってクリスティーナに会い、放火した理由を告白する。7年前、スタッフォードとクリスティーナが出かけている間、アガサは金庫の中から、両親が実は血の繋がった兄妹であることを示す証拠を見つけた。両親と同じく、実弟に家族愛を超えた気持ちを抱いているアガサは、ショックのあまりに自宅に放火した。

帰宅したスタッフォードは、アガサを追い出そうと掴みかかり、二人は揉み合いになる。アガサは、止めに入ったクリスティーナの指から結婚指輪を抜き取り、スタッフォードに追い出されて泣きながら帰っていく。

収録中、ベンジーは、トイレで一緒になったロイに突っかかる。ベンジーの前に、突如、キャミーの亡霊が現れ、激したベンジーはキャミーの首を絞める。正気に返ったベンジーは、実はロイの首を絞めて気絶させていたことに気付く。

スタッフォードとクリスティーナは、ベンジーの暴行が露見しないよう手を尽くす。上層部は既に事件を知っており、ベンジーは新作から降板される。

ハヴァナは、運転手に指名したジェロームを誘惑し、二人はハヴァナの家の前で車内で性交する。アガサは、家の中からその様子を目撃する。帰宅したハヴァナは、前日に無断欠勤したアガサを責める。アガサがハヴァナのソファーを汚したため、ハヴァナは激昂してアガサをなじる。アガサは、傍に置いてあった映画賞のトロフィーで、ハヴァナを撲殺する。

ベンジーは、アガサに会うためにハヴァナの家へ行く。アガサは、二人で逃避行するためにスタッフォードの結婚指輪を手に入れるよう、ベンジーに言い付ける。

その夜、クリスティーナは、スタッフォードの目の前で焼身自殺する。帰宅したベンジーは、茫然自失のスタッフォードの指から結婚指輪を抜き取る。

アガサとベンジーは、前の家の焼け跡へ行く。二人は大量の睡眠薬を飲んだ後、結婚式を挙げて指輪を交換する。アガサとベンジーは、横たわって夜空を見上げながら詩を口ずさむ。

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