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映画『ヴァイラス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ヴァイラス』の概要:嵐と遭遇した輸送船が台風の目の中で停泊船を発見。だが、その船は宇宙から来た電磁波生命体が全てを支配し人間を殺戮、消滅を企んでいた。輸送船の船員達は、襲い来るメカに人造人間と否応なく交戦することになる。行き場のない密室でのSFホラー。

映画『ヴァイラス』の作品情報

ヴァイラス

製作年:1998年
上映時間:100分
ジャンル:SF、ホラー
監督:ジョン・ブルーノ
キャスト:ジェイミー・リー・カーティス、ウィリアム・ボールドウィン、ジョアンナ・パクラ、ドナルド・サザーランド etc

映画『ヴァイラス』の登場人物(キャスト)

ケリー・“キット”・フォスター(ジェイミー・リー・カーティス)
貨物船シースター号の航海士。海軍にて務めていたが、上官を殴って退職。中性的な容姿をした女性で男勝り。海事法に詳しく、海軍司令官だった父親を尊敬している。
スティーブ・ベイカー(ウィリアム・ボールドウィン)
シースター号の機関士。勇敢で常識的な青年。機関士としての腕も良い。ケリーとは言い合いをする仲であり、恋人のような存在。
ナディア(ジョアンナ・パクラ)
ウラディスラフ・ヴォルコフ号の研究員で唯一の生き残り。化学担当官だった女性。解析船の船長とは夫婦で、船の構造を知り尽くしている。
ロバート・エバートン(ドナルド・サザーランド)
シースター号の船長。野心家で、金儲けのためなら汚いことも平気でする壮年の男性。傲慢な態度が常。

映画『ヴァイラス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ヴァイラス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ヴァイラス』のあらすじ【起】

南太平洋、ロシアのデータ解析船ウラディスラフ・ヴォルコフ号は、主に衛星を追跡しデータの研究や、メカニックの研究を目的とした船である。しかし突如、衛星が謎の電磁波に襲撃され通信が途絶。電磁波はアンテナを経由してウラディスラフ・ヴォルコフ号を襲った。

7日後、南太平洋には台風レイアが発生。貨物船シースター号は航行中にレイアと遭遇してしまう。シースター号の航海士であるケリー・フォスターは、咄嗟の判断により台風の目を目指すよう船長のロバートに進言。船員は助かるために台風の目へと嵐の中を向かった。

船は機関室に浸水しつつも、どうにか台風の目へと到達。今の内に修理をしようとした矢先、船員が停泊船を目撃する。そちらの方へ向かったシースター号は、ロシアのウラディスラフ・ヴォルコフ号を発見するのだった。

2人ほどの船員を残し停泊船へ。中には人っ子1人も見当たらなかった。調べてみるとロシアの解析船である。この船をロシアへ売り捌けば大金を得られる。ロバートは助かるために全財産をかけた積み荷を全て捨ててしまったので、ただで帰るわけにはいかなかった。船員達へも多額の報酬を与えることにして、船内の探索を行うことにした。

ケリーは航海士であったため、船の計器類を調べた。しかし、船のシステムは何者かに操られている様子。錨が勝手に降ろされ、傍に寄って来たシースター号を直撃。
ケリーと機関士のスティーブ・ベイカーはシースター号に残っていた船員2人を助けたが、残念ながらロバートの船は沈んでしまうのだった。

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映画『ヴァイラス』のあらすじ【承】

怪我をした船員の手当をするため、医務室へ来たケリー達だったが突然、解析船の生き残りである船員に襲撃される。ガスマスクをした船員は銃で武装していた。この船に何があったのか。スティーブが船員を気絶させたのでマスクを取ってみると女性であった。事情を聞くため、意識を取り戻した女性に話を聞こうとするが、彼女は酷く怯えた様子で船の電源を落とせと言う。

ケリーは彼女を説得し、話を聞くことに成功する。女性の名はナディア。ウラディスラフ・ヴォルコフ号の化学担当官だった。
8日前、衛星宇宙ステーション“ミール”との交信中に、何かが船へ来たと言う。計器の故障かと思い船の電源を切ったが、コンピュータはその何かに乗っ取られ、記録の全てをスキャンされたらしい。宇宙からやって来たものはそうして、人の殺し方を学んだと言う。そして、解析船にあるメカを操り、300人の船員を殺戮したのだ。

ナディアの話は到底、普通では考えられない話である。恐らくは、たった1人生き残ったために正気を失っているのだろうと思われた。
その頃、機関室に残して来た仲間と連絡が取れなくなったスティーブ。心配になって機関室へやって来るも、仲間の姿が見当たらない。無線で他の仲間を呼び寄せると、彼らは最新技術のマシン室でロシア人に襲われたと言う。

そこへ、人影が現れる。襲って来たロシア人と思われたが、その身体はほとんどがメカで改造されていた。スティーブと仲間達は交戦を開始し、襲撃者を倒した。そして、制御室へ。
そこにはロバートとケリー、ナディアがいた。

映画『ヴァイラス』のあらすじ【転】

遺体を持ってきたスティーブに詰め寄られたナディアは、仕方なく全てを語り始めた。襲撃者は解析船の船長だと言う。ミールから来た電磁波が船中のシステムを汚染し、まずはガスで船員67人を殺害。そして、マシン室でメカの製造を始めた。更には半分が人間で半分がマシンである改造人間、バイオ・メカノイドをも造ったと言うのだ。残った船員は海へ身を投げ逃亡。ナディアと船長は電磁波の生命線である電気エネルギーを絶つため、船の電線を断ち切ったのだった。

電磁波は未知の生命体だ。細胞体でもなく知的な電気の塊であるため、身体を必要としている。奴は船に残った死体とメカで自分の身体を作っているらしい。
そんな折、船の外を見たケリー。台風レイアがじきに襲い来ることを叫ぶ。だが、逃げる間もなく解析船は台風の暴風へと晒されることになる。

仲間達は揺れが収まるのを見計らって、制御室から退避。船は電磁波が操作し、台風の大波に向かっているようだ。
船内にいれば台風から逃れられるが、船内には電磁波が操る殺人マシンが往行している。窮地に追いやられる船員達。姿を消していた仲間の1人はバイオ・メカノイドに改造され、もう1人は人型のメカに殺害されてしまう。

通信室へと逃げ込んだ一行だったが、この期に及んでロバートが船を持ち帰ると言い出す。ケリーはロバートを一喝。彼女はナディアの拘束を解除した。
仲間が通信室で生きている機器を見つけ出し、電磁波生命体と交信することにした。すると、奴は学習した結果、人間は全ての存在において有害あり、ウィルスで病原菌だと言う。だから、抹殺しなければならないと言うのだった。

一行は反対意見を述べるロバートを置いて行動を開始。船員達が姿を消した後、ロバートは電磁波生命体に自分の身体を差し出し、船を持ち帰ろうと考えるのだった。

ケリー達一行はメインコンピューター室へ向かった。全ての根源であるメインコンピューターを破壊すれば、電磁波生命体の危機から逃れられると思ったが、メインコンピューター自体が姿を消していた。恐らくはそれを軸にして、改造しているのだ。故に、自ら安全地帯へ逃げたと思われる。

映画『ヴァイラス』の結末・ラスト(ネタバレ)

船から逃げようと考えた一行だったが、扉を溶接され逃げ道を塞がれる。ナディアの案内にて制御室へと向かう途中で外へ出たが、暴風と荒波に晒され仲間が1人行方不明となる。

3人は制御室へどうにか到達し、船の行先を予想する。奴は英国情報部の基地があるロードハウ島へ向かうつもりのようだ。その基地は南半球の全ての通信衛星とリンクしているため、侵入すれば世界中を網羅し支配することができる。
その時、救難信号を受信した調査船から応答が入る。だが、電磁波がいる船に調査船を近づけるわけにはいかなかった。

そこへ、改造を遂げたロバートが登場。彼は無残な姿へと変貌を遂げていた。3人は力を合わせ、奴に手榴弾を食らわせて倒す。
その後、制御室から下の層へ移動。1人で先に逃げた仲間と遭遇するも、彼は正気を失い単独で巨大な爆弾を作り、船を沈めようとしていた。

3人は船の各所へ爆弾を設置。逃げ出そうとしたが、行く手に巨大メカが立ち塞がる。メカの破壊に巻き込まれたケリー。彼女はゴミ捨て場と化している船倉へ落下し、奴に捕まってしまうのだった。

起爆装置がどこにあるか拷問されるケリー。スティーブ達の助けにより、どうにか逃亡に成功するも、スティーブとはぐれてしまう。
しかし、再びケリーとナディアの前に奴が現れる。ナディアはケリーを助けるため、奴と相打ち覚悟で爆死。だが、メカは爆発に巻き込まれても斃れなかった。

スティーブと合流したケリーは、更に逃亡を開始。電磁波はしつこく追いかけて来る。運良く脱出シートを発見。2人は襲い来るメカから脱出シートにて船外へと無事に逃亡した。
仲間の1人が作っていた仕掛けが作動し、船が爆発。電磁波生命体も消滅した。
調査船はその爆発を目にし、派手な照明弾だと呟く。そうして、戦いは終わりスティーブとケリーは、無事に救助されるのだった。

映画『ヴァイラス』の感想・評価・レビュー

ドナルド・サザーランドという俳優を知っていますか?数多くの作品に出演する名優で『ハンガーゲーム』のスノー大統領役でもお馴染みです。そんなベテラン俳優のとんでもない姿を見られるのがこの作品。
宇宙から来た電磁波を操る生命体と探査船の乗組員との戦いを描いたSF作品なのですが、そんなストーリーはどうでもよくなってしまうほどドナルド・サザーランドがすごいことになっています。
彼を見るだけでもこの作品を見る価値があります。(女性 30代)


今作の原作はダークホースコミックスの同名コミックらしい。
電磁波生命体が宇宙から襲来し、人類抹殺を企てるという内容だが、海のど真ん中で行動範囲が船内だけという追い込まれ感はなかなか面白い。メカと人造人間に襲われるという設定もなかなか良かったが、ちょっと盛り込み過ぎな感じも否めない。
大物で名優のドナルド・サザーランドが大変なことになる姿は他ではあまり見ないので、そういう意味ではちょっと魅力的ではある。とは言え、衛星から地球に降りるなら船ではなく、別の場所でも良かったのではないだろうか。つっこみどころはあるものの、切迫感や危機感、スリルはあるのでそこそこ面白いと思う。(女性 40代)

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