映画『サロゲート』の概要:サロゲートと呼ばれる人型ユニットを操作し、生身で外出しなくなった近未来。ユニット破壊により操作する人間まで殺害する事件が発生。事件の捜査をする主人公が見る、人間本来の生き方とは何かを問うた作品。
映画『サロゲート』の作品情報
上映時間:89分
ジャンル:SF、サスペンス
監督:ジョナサン・モストウ
キャスト:ブルース・ウィリス、ラダ・ミッチェル、ロザムンド・パイク、ボリス・コジョー etc
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映画『サロゲート』の登場人物(キャスト)
- トム・グリアー(ブルース・ウィルス)
- FBI捜査官。最愛の息子を不慮の事故で亡くして以来、妻とは擦れ違いの生活を続けている。独立区へ潜入した際、生身で生活を続ける人々を目にし、本来の人間の生き方を思い出して妻との関係を修復しようとする。
- ジェニファー・ピータース(ラダ・ミッチェル)
- FBI捜査官でトムの相棒。金髪の女性で理知的。相棒のトムに協力的だったが、本体は秘密裏に殺害され、キャンター博士によってサロゲートを乗っ取られる。
- アンディ・ストーン(ボリス・コジョー)
- トムの上官。VSI社と結託しキャンター博士殺害を企てる。サロゲートを推奨しており、キャンター博士のやり方を全面否定している。
- キャンター博士(ジェームズ・クロムウェル)
- サロゲートの生みの親で博士。VSI社の立役者であったが、意見の対立により会社から追い出されてしまう。その後、博士を狙った事件で1人息子を亡くす。復讐のために全サロゲートを破壊するウィルスを作成し、人間としての本来の世界を復活させようとする。
- 予言者(ヴィング・レイムス)
- 人権擁護派の独立区の指導者。生身で生きる人間の価値を説いているものの、かなりの武闘派。サロゲートを嫌悪し恨んでいる。実はキャンター博士が操作するサロゲート。
映画『サロゲート』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『サロゲート』のあらすじ【起】
14年前、キャンター博士により脳波を読み取ることで機械操作が可能となり、サロゲートと呼ばれる人型ロボットの開発に成功。このことで政府はサロゲートユニットの合法化を決案。業界大手のVSI社が精巧なサロゲートを開発し、世界で98%の普及率を叩き出した。
サロゲートは自分が好きなユニットを組むことができる上に、老いることのない容貌を保つことができる。その上、最大の利点は安全性だった。人間は自宅に居ながらしてユニットを操作することで外出ができ、危険なことが起こってもユニットが壊れるだけで人体に影響はない。サロゲートの普及により、犯罪や人種差別が激減した。
しかしその後、サロゲート反対派によるデモが発生。人間本来の生き方を推奨する彼らは、独立国を訴え各地に人間だけの独立区を確立するのだった。独立区の指導者は予言者と呼ばれ、絶大な支持を受けている。
そして現在。ある夜、クラブの裏で2体のユニット破壊事件が起こる。FBI捜査官であるトム・グリアーとジェニファー・ピータースは捜査のために駆け付け、破壊されたユニットを調査。ユニットを操作するオペレーターの自宅を訪問するも、持ち主が遺体で発見される。
翌朝、破壊されたユニットのオペレーターである1人が、キャンター博士の1人息子であったことが判明。更にサロゲートの記録映像から犯人が何らかの武器を使用し、ユニット破壊からのオペレーター殺害を目論んだことが分かる。
キャンター博士は約7年前、所属していたVSI社との間で意見が対立し、会社を追われていた。ジェニファーとトムは更に調査を進める。
映画『サロゲート』のあらすじ【承】
博士の話から犯行は息子ではなく、博士を狙ったものであることが分かる。サロゲートにはユニット損傷時、安全装置が起動し人体に影響が及ばないよう設定されていた。故に、ユニット破壊によりオペレーターが死亡することはないはずだった。
FBIには情報捜査システムが確立されている。このシステムは最新を誇り、犯罪の危険性が高まった際、サロゲートとオペレーターの接続を強制的に切り離す機能があった。
このシステムにより、早々に犯人が発見され犯人捕縛にトムが出動。しかし、犯人は武器を使用し警官5名をサロゲートごと殺害。危うくトムもその被害に遭うところだったが、咄嗟に接続を遮断することで難を逃れる。
トムが乗っていたヘリは独立区へ墜落。彼は故障したサロゲートで犯人追跡を続けた。しかし、犯人を追い詰め武器を手にしたトムが独立区の住民に銃撃され、捕縛は失敗に終わってしまう。
しかも、警察のヘリが独立区へ墜落したことで、協定が破られたと予言者が激怒。トムは武器の影響により、脳にダメージを負い病院へ搬送。その上、独立区との協定を破ったとのことで、上官からは停職を言い渡されてしまうのだった。
誰もがサロゲートで外出する時代。トムも例に漏れず何年もの間、生身で外出したことがなかった。停職処分のせいでサロゲートの普及がされず、彼は仕方なく生身で出歩くことになる。病院から出たトムは武器の所在を確かめるべく、その足で独立区へ向かう。
映画『サロゲート』のあらすじ【転】
独立区に入り、昔ながらの生活を営む人々を目にしたトム。予言者の言葉に人としての生き方がどうあるべきかを知る。そして、犯人が予言者により制裁を受け、死亡したことを確認するのだった。予言者に話を聞こうとしたトムだったが、暴行され独立区から追い出されてしまう。
その後、キャンター博士からは武器の出所を調べろと言われる。トムはFBIのデータベースから情報を検索。
その頃、自宅にて休んでいたジェニファーが何者かに殺害。サロゲートを乗っ取られ、FBIの情報捜査システムの存在が犯人に知られてしまう。
翌日、トムは軍へと乗り込み武器の詳細を聞いた。軍事機密の1つである武器はVSI社が開発したものでオーバーロードデバイスと言い、通称ODと呼ばれていた。ODは一瞬で戦闘を終わらせることを目的として作られた武器である。ソフトウェアウィルスを照射し、サロゲートを瞬時に破壊するものだったが、安全装置も破壊してしまいオペレーターをも殺害してしまう代物である。テストの結果、プロジェクトは中止され試作品も破棄されたが、1台だけ残っていたのだった。
現在、ODは予言者が保持している。事態は更に悪化の一途を辿ろうとしていた。
直ちに軍が独立区へ突入。予言者一味の捕縛に向かったが、驚くべきことに予言者はサロゲートだった。それもオペレーターは、あのキャンター博士だったのだ。
同じ頃、乗っ取られたジェニファーは、単独で捜査した結果をトムに報告していた。VSI社の上層部が密かにストーンと接触し、キャンター博士殺害の依頼をしていたというものだった。
映画『サロゲート』の結末・ラスト(ネタバレ)
トムはデスクの整理に来たと言い訳してストーンのオフィスへ。彼はそこで調べた事実を詰問。VSI社への天下り先を約束する代わりに、キャンター博士の殺害を依頼されたストーン。VSI社は隠し持っていたODを彼に渡し、博士の殺害を企てたのだ。だが、博士の代わりに殺害されたのは息子の方である。ストーンは飽くまでも事実を否定したが、トムは彼のサロゲートを攻撃し、頭部からチップを奪い機密データをコピーした。
その後、ジェニファーと車にて逃走。機密データからキャンター博士が予言者と結託していたことが判明する。故にVSI社は博士を消そうとしたのである。ジェニファーに言われるまま、トムはODのユーザーアクセスコードを検索。発見したと同時に彼女から裏切られることになる。
ジェニファーは機密データを奪い逃走。トムはジェニファーとの派手な市街戦を展開するも、逃げられてしまう。その後、情報捜査システムの担当に連絡するも、時すでに遅く。担当はジェニファーに捕縛され、手も足も出せない状況となっていた。
情報捜査システムは、サロゲートとオペレーターの接続に介入できるシステムである。そこが占拠されたとなれば、何十億人もの人命に危険が及ぶ。
復活したストーンは、占拠するジェニファーのオペレーターがキャンター博士であることを知るも、説得は失敗。博士は彼に対しODを起動し殺害してしまった。
その頃、トムは博士の自宅へ。ジェニファーがキャンターであることを知る。互いに生身として相対した2人。博士はサロゲートの開発者であるが、サロゲートを作ったことで本来の人間の営みがいかに大事なものであったかを知った。故に、サロゲートの破壊を目論んだのだと言う。人を殺してまでも人類再生を望む博士とトムの意見が対立。その間にも博士が仕込んだウィルスが起動しつつある。博士はサロゲートに接続する全人類の殺害を企み、服毒して自ら命を絶った。
ウィルス起動までには、まだ時間がある。トムはジェニファーのユニットを使い、システムを操作してオペレーターの保護を起動。サロゲート保護システムを起動したところで、ふと手が止まってしまう。
博士の言い分には一理あると思っていたトム。サロゲートは所詮ロボット。生身の人間ではないのである。トムはサロゲート保護システムの起動了承キーを押さなかった。
ウィルスはサロゲートのみを破壊。一斉に接続が遮断されたサロゲートが次々に倒れた。すると、今まで家に籠っていた人々が外へ。サロゲートは姿を消し、トムが望む人類だけの生活が今後、再開されることになるのだった。
映画『サロゲート』の感想・評価・レビュー
ブルース・ウィリス主演の近未来SF作品。脳波で操るロボット「サロゲート」が普及した未来の世界でサロゲートに関わるすべての人の命を脅かす脅威に挑む男の姿を描く。
今作で描かれる世界は生活の大半をロボットを通して行うことで様々なリスクや外見上のコンプレックスから解放された夢の世界のように見えるが「人間らしさとは?」というメッセージが投げかかられている作品。主人公・トムがクライマックスでシステム起動に躊躇い葛藤する姿が印象的だった作品。(男性 20代)
家から出ずに社会生活を送れるのは、少しだけ羨ましいなと思った。好きな見た目で遊んだり自由に行動したり、楽しそうだった。でも、サロゲートを操作中に動けないのは、苦痛に感じてしまいそうだなと思った。
物語が二転三転していくため、最後までハラハラした気持ちで楽しめた。キャンター博士の言い分は理解できるが、やり方が乱暴すぎる。結局は、完璧に安全な社会というのは、簡単に生み出せるものではないのかなと思った。(女性 30代)
自分は家から出ることなく、脳波でロボットを操縦するだけで全ての物事をロボットが代行してくれる世界。家から出なくていいことが羨ましい、楽だなと思う人もいるのだと思いますが、私はこんな世界は退屈でつまらないし気持ち悪いなと思いました。
物語の中でもロボットが代行してくれる世界を完璧だと思う人と人間らしさとは何かを追い求める人が登場しますが、全ての人が納得して「完璧」だと思える世界をこれから作るのは難しいことで、人間も世界に順応していく必要があるのかなと感じました。(女性 30代)
サロゲートというユニットと接続して外出する近未来。ありそうでなさそうだ。だが、こんな未来がくる可能性もあるだろう。それか、VRで仮想世界にダイブする未来もきっとある。そうなった時、生身の人間はどうするだろうか。当然、これらの事態を否定する人々もいるだろうし、今作のように事件に発展することもある。それ以外にも問題は多そうだ。実際、今作のような未来がきたとしても娯楽の範囲で留まりそうな気がしないでもなく、或いはビジュアルだけをカバーすることができる機能も開発されそうな気もしている。様々な未来を想像させる設定と人として生きる世界に問いかけるとても面白い作品だ。(女性 40代)
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