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映画『サムライフ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『サムライフ』の概要:元高校教師、長岡秀貴氏が長野県上田市に実在する、日本一小さな学校を創立するまでの奮闘を描いた青春ノンフィクション映画。突如、教師を辞職し学校を創立しようとする主人公。だが、全財産は725円だった。

映画『サムライフ』の作品情報

サムライフ

製作年:2015年
上映時間:118分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:森谷雄
キャスト:三浦貴大、松岡茉優、加治将樹、柾木玲弥 etc

映画『サムライフ』の登場人物(キャスト)

ナガオカ(三浦貴大)
27歳で高校教師を辞職。予てから夢であった学校創立に向けて、奔走する。高校時代、原因不明の病にかかり左半身不随となり、9カ月をかけて復帰した過去を持つ。強い意思を持ち、諦めない精神を貫く。自分の教師としての力不足に悩み続けている。
ユミ(松岡茉優)
ナガオカの元教え子でアパレル業界に憧れていた紅一点。ナガオカとよく連絡を取り合っており、きっかけとなる講演会へ講演を頼む。このことにより、ナガオカの夢を叶えるべく協力していくことになる。経理担当。
ケンジ(加治将樹)
ナガオカの元教え子で靴屋に務めていた。面白いことを求めており、ナガオカの噂を耳にして協力していくことになる。協力者第一号。ムードメーカー。ナガオカの人柄が大好き。
タカシ(柾木玲弥)
ナガオカの元教え子でケンジの後輩。ナガオカが経営するバーへ訪れるようになり、暇を持て余していることから、ナガオカの自伝本を売る営業に誘われ、協力していくことになる。営業担当となり手腕を振るう。
ダイスケ(山本涼介)
ナガオカの元教え子。高校卒業後、自分が求めるものを探してチベットや外国を旅していた。帰国後にナガオカの講演を聞き、誘われて協力していくことになる。現状を把握し、厳しく突っ込む役どころ。営業は少々苦手。

映画『サムライフ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『サムライフ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『サムライフ』のあらすじ【起】

教師ナガオカの夢は、学校に行きたくても行けない子供達のための学校を作ること。
彼のこれまでの人生は、かなり浮き沈みの激しいものだったが、その中で残った夢が教師。大学卒業後、見事に高校教師となるも5年後に退職。彼はいよいよ、自分の学校を作るべく行動を開始した。しかし、この時の預金残高は725円。これから学校を作ろうという者が持つ金額ではなかった。それというのも、退職金と貯金でマイホームと車を購入してしまったからだった。

2002年、冬。ナガオカは資金稼ぎのため、内装を自身で改装しバーを立ち上げる。その他にも、学校に行けない子供達のカウンセラーとしてあちこちを走り回っていた。
バーの改装には元教え子のケンジが駆けつけ、手伝ってくれる。それから、経営のための資金を手に入れるため、泣く泣く車を売った。

2003年、夏。学校を作るための資金稼ぎとして立ち上げたバーの経営は、苦しく厳しいものだった。ナガオカはケンジのアイデアで波乱万丈である自伝を書き、本にして売ろうと考える。誤字脱字は多いものの本の内容は面白かった。ナガオカは印刷所に頼み込み、自費出版で1000冊を製本。この時に暇を持て余していた元教え子のタカシを引き込み、本屋に本を置いてもらうよう営業に回った。更に元教え子のユミから講演会の話があり、講演すると自伝がバカ売れ。その後、本屋に置いた本も順調に売り上げを伸ばし、とうとう1000冊の本が完売するのだった。

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映画『サムライフ』のあらすじ【承】

経理としてユミが入り、外国の旅に出ていたダイスケも勧誘。ナガオカを中心にチームが完成する。この5人なら、この先にどんな困難があっても乗り越えていけるとナガオカは確信していた。

そんな折、面倒を見ていた少女が学校に登校していないと連絡が入る。急いで少女の自宅へ向かうと、部屋の様子が初めの頃に逆戻りしている。少女曰く、母親はしばらく帰宅していないとのことだった。
母親の帰宅を待ったナガオカだったが、やさぐれた彼女から最後まで面倒を見る覚悟があるのかと怒鳴られてしまう。このことにより、ナガオカは学校に行けない子供達の救済ばかりではなく、その家庭をも救う必要があることを痛烈に感じるのだった。

更に、肩を落として帰ったナガオカに、ダイスケが非難の声を上げる。自分達は毎日必死に走り回り、本の売上を上げようと頑張っているのに、ナガオカは何もせず子供達のカウンセラーをしている。それはチームにとっての不公平であり、学校を立ち上げても子供を預かることなどできるはずがないと言われチームは解散の危機に陥ってしまう。

映画『サムライフ』のあらすじ【転】

ケンジはナガオカという教師が大好きで、彼がやることに面白さを感じ、それを手伝おうとして今に至る。自分は好きで手伝いをしているが、他の仲間達は声をかけて仲間に引き入れたので、自発的に集まって来たわけではない。ユミも自分から役割をやるようになったので、他の2人とも違う。

ケンジとユミはそれぞれに仲間の元を訪れ、彼らと会話し本当にやりたいことなのか、それぞれに考えるよう促した。
チームが基地と定めたバーに来たナガオカ。自分の行動を振り返り、ケンジ達に任せっきりで確かに何もできていなかったことを自覚。そして、面倒を見ていた少女の母親からは、謝罪の電話が入り環境を変えてやり直す話を聞く。
それでも、少女の家族はナガオカが救ってくれたと礼を言うのだ。少女の母親は職場の男性と再婚し、子供達を連れて県外へ引っ越して行った。

スタートラインは毎日くる。ナガオカはそのことを忘れていたと気付く。バーへ戻った彼は、ケンジ達がつけていた営業ノートに目を通し、彼らがどれだけ頑張ってくれていたかを知る。その後、ナガオカはバーにやって来たダイスケと語り合い、元教え子と和解した。

ケンジがタカシと格安で軽バンを入手。チームは再び気持ちを新たにし、県内を走破。そうして、彼らはとうとうナガオカの自伝3000冊を完売させるのであった。

映画『サムライフ』の結末・ラスト(ネタバレ)

2004年、春。資金が貯まり、不動産屋に頼み込んでキープしていた土地と建物を購入。ナガオカは学校に「侍学園」と名付けた。
その上、彼は30歳になるまでに学校を開校させると宣言。期日まで1カ月を切っていたため、チームは急ピッチで準備を進める。
設立のための理事には、仲の良い人々と恩師に頼み、机と椅子は他の学校が使わなくなったものを譲ってもらった。

2004年4月10日。侍学園、学校説明会を開催。すると、その日のうちに入学希望者が現れる。
2004年4月23日。開校式前日。新たに面倒を見ていた子から連絡が入る。彼女はいつも、私のことが見えるかとナガオカに問いかける。少女はいじめから不登校となり、精神的に追い詰められ自傷行為を繰り返しているのだった。

このことにより、教師としての自信を失ってしまうナガオカ。酔って帰った夫に妻はそっけない。彼は夜の街を走って、走って雪山へとやって来た。空は白み始め、じきに夜が明ける頃だった。

いつだって力不足だと悩んでいる。高校時代の恩師の言葉が脳裏を過った。忘れたのか、諦めるのかと。高校時代、ナガオカの夢を聞き、病にかかって左半身不随になった時も傍で彼を支え、静かに見守ってくれた人だった。その恩師がいたから、今のナガオカがあると言っても過言ではない。彼は再び立ち上がり、前をしっかりと見据える。そしてまた、新たな1歩を踏み出すのである。

今を生きる侍になろう。これが侍学園の合言葉。
入学者は未だ1人だが、開校式が無事に始まる。ナガオカは学園理事長として、訓示を述べた。彼の突拍子のない夢を叶えるため、彼を支え共に苦楽を共にして今を迎えている。そんな人々がいたからこそ、この学園の創立が叶った。これはまだ、始まり。物語で言うなら第2章が始まったばかりなのである。

侍学園は長野県上田市で、現在も活動を続けている。

映画『サムライフ』の感想・評価・レビュー

実在するNPO法人「侍学園スクオーラ・今人」の理事長、長岡秀貴氏の自伝を原作に映画化した作品。
学校創立に向け奔走する元教師と教え子たちの奮闘を描いているが、学校を創立するというのは簡単にできるものではないというのは、想像しなくても分かる。きっと映画では描き切れない大変なこともあっただろうと思うし、地道な歩みでくさくさしたこともあるだろうと思う。加えて学校に通えない子供達とその家族の様子も描かれるので、学校の必要性も理解できる。これが実際にあったことなのだから、偉業と言っても過言ではない。心に突き刺さる本気を描いた素晴らしい作品だと思う。(女性 40代)


これが実話だというのだから、人間の努力や、諦めない気持ちは本当に凄いなと感じました。三浦貴大が主演ということで、若い役者さんのイメージがあったので、学校を作ろうと奮闘するナガオカのキャラクターとマッチするのか心配でしたが、彼の表情や立ち振る舞いに違和感が無く、27歳という年齢にもぴったりだと感じました。
ナガオカをサポートする周りのキャラクターたちも個性豊かで作品に華を添えています。テンポの良いストーリーなのでとても楽しく見ることが出来ました。(女性 30代)

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