映画『ガンズ・アンド・ストレンジャー』の概要:メキシコの小さな町、エル・フロンテラス。そこへ、1人の男が大きなバッグを担いでやってきたことで町は日常を失う。人々はよそ者に厳しく、奇異の目を男に向けた。やがて男が持つバッグの中身を巡って、事態は思いもよらない展開へと進んでいく。
映画『ガンズ・アンド・ストレンジャー』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:フィルムノワール、アクション
監督:エドゥアルド・ロドリゲス
キャスト:スコット・アドキンス、クリスチャン・スレイター、イヴェット・イェイツ etc
映画『ガンズ・アンド・ストレンジャー』の登場人物(キャスト)
- 男 / グリンゴ(スコット・アドキンス)
- ギャングを追う警官。だが、何度捕まえても釈放され自由になってしまうギャングや、何も変えられずただ命を落としていく警官という仕事に嫌気が差して、ギャングの金を盗み逃走する。
- ウェスト(クリスチャン・スレイター)
- ニューメキシコ州の警察官。逃げた男を、国境を越えて追ってくる。
- アナ(イヴェット・イェイツ)
- バーの店主。男の唯一の味方。
- フラカ(ソフィア・シスニエガ)
- 町を支配しているラ・エメの仲間になりたくて、男からバッグを盗もうと苦闘する少女。
- クレブラ(イスラエル・イスラス)
- 町を仕切るラ・エメの中心人物。保安官の手下。
映画『ガンズ・アンド・ストレンジャー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ガンズ・アンド・ストレンジャー』のあらすじ【起】
男がメキシコ国境を越える。黒いバッグを担いだ男は、国境付近にあるエル・フロンテラスという町へやってきた。砂漠の中を歩きながら灼熱の太陽に照らされた男は、水を求めて広場の水場を訪れる。ところが出てくるのは赤錆にまみれた泥水。
ショップやレストランを訪れるも、なぜか無視をされ突き返される始末。行きついたバーの女店主アナに500ドルを払い、ようやくショットグラス一杯の水を手に入れる。この町ではよそ者(グリンゴ)にとても厳しいのだとアナは言う。
ここでは、ラ・エメというギャングが町を仕切っていた。その中心にいるのが保安官とリーダーのクレブラ。保安官は、町によそ者が入ってきたことを知るや否や、クレブラによそ者を街から追い出すように指示。クレブラは仲間たちを引き連れて、よそ者を探し始めた。
男はバス停を訪れ、楽園の町アカプルコ行きのバスチケットを求める。しかし女店主は、アカプルコ行きのバスはないと言い張った。困り果てた男はアナのバーを再訪する。アナは男に、バス停の女店主の言ったことは、よそ者にお金を落としてもらうための嘘なのだと教えた。一日に一本しかないバスを逃した男は、アナに一泊の宿を恵んでもらい、屋根裏部屋でようやく一息ついた。
映画『ガンズ・アンド・ストレンジャー』のあらすじ【承】
男はメキシコ国境を越える前の夢を見る。男の正体は警察官。麻薬密売の現場を押さえるため3人の仲間と目的の車を追っていた。ところが途中で、待ち伏せしていたギャングの襲撃に遭い仲間は全滅。男は一人、ギャングに応戦し全滅させる。男は惨劇となったその場からギャングの売り上げた大金を奪い、車を国境まで走らせた。
昼寝から目を覚ますと、男の目の前にナイフを突きつけているアナが立っていた。アナは、男が持っていたバッグの中身が大量の札束だと知ると、男の弁明も聞かぬまま、屋根裏の窓からバッグを路地へ投げ捨て、男もそのまま部屋から追い出した。
男は、バーの近くのベンチで夜を過ごす。心配して様子を見に来たアナは町の昔話を語った。町にはいつしかギャングが居つき、住民は買収され、観光客で賑わっていた町は、よそ者を近づけぬ排他的な街となっていた。そんな町でアナは一人立ち向かっている。男はアナに、男一人では何も変えられないとつぶやいた。アナは失望したように男の元から立ち去る。
翌朝、男は女盗人フラカにバッグを盗まれ、バッグの中に入っていた大量の札束を町中の人々に見られてしまう。その噂は即座に保安官の耳に入り、保安官はクレブラに、男を絶対にバスには乗せるなと命令した。
映画『ガンズ・アンド・ストレンジャー』のあらすじ【転】
ニューメキシコ州警察のウェストは、男がギャングと争った現場を調査していた。現場には警察官3人の遺体と無数のギャングの遺体。ウェストは現場を見て、警察官の遺体が一つ足りないことを指摘。車の軌跡を辿り、メキシコへの越境を願い出るも、管轄権がないことによって棄却される。諦められないウェストは、休暇を取得し1人メキシコ国境を渡った。
一日一本のバスに乗り込もうと町で時間をつぶす男。そこへラ・エメのメンバーが次々に襲い掛かり、町は激しい銃撃戦の場と化した。慣れない町で男は必死に逃げながら応戦し、バス停へ向かう。だが無情にも2時を知らせる鐘が鳴り、男はバスを逃した。
フラカは機会を見て男から再三にしてバッグを奪い逃げる。ところが男に追いかけられている途中で、フラカは大金を欲しているクレブラに、男と一緒に銃で撃たれてしまう。重傷を負う前にフラカは逃げる。あとでやってきたアナがブロックでクレブラの頭部を殴打し気絶させると、アナはバーの屋根裏に男を連れて戻り、傷の介抱をした。献身的なアナに、いつしか男は惹かれ、自然と唇を交わす。
ところが、ラ・エメに逆らったとクレブラからの怒りを買ったアナは、店の前で取り囲まれる。アナを脅すために発砲した銃声に気付いた男は、屋根裏部屋からそっと様子を伺う。その頃、エル・フロンテラスへ到着していたウェストも銃声を聞きつけ、そこに男がいることを確信。屋根裏部屋にいた男を発見する。
ウェストは、警察官もギャングも殺し、大金を奪って国境を渡り逃げ出した警察の恥さらしと男をなじる。男は、ギャングは逮捕してもすぐに保釈される。警察は何も変えられないと絶望を口にした。
映画『ガンズ・アンド・ストレンジャー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ウェストは男を保安官事務所へ連行する。保安官へバッグを差し出すと、ウェストは今回の取り分と運び屋の代金を受け取った。ここへきてようやく男は、今回のことがすべてウェストも含んだラ・エメに仕組まれていたことだと気付いた。意気揚々と町から出ていくウェストを、男は入れられていた独房から脱獄し追いかけた。
砂漠を軽快に飛ばしていくウェストの車を、男は追い詰めていく。国境を越えそうになるところで、男はウェストの車の腹部に自らの車を激突させた。煙が舞い上がり、身動き取れなくなったウェストは、フロントガラスを割って脱出する。銃に弾を込め、身を隠しながら男を探す。だが、3人の警察官の命を奪い、4人の警察官の人生を狂わせたウェストを許せず、男はウェストに銃弾を浴びせた。
夜中の12時、ラ・エメによってアナの店に火が放たれる。見せしめのリンチが行われようとしていたが、突如人々のどよめきが沸き上がる。男は町の人々に、持っていた金を配りながら近づいてくる。金を受け取った人々は次々と武器を放棄していく。
男に襲い掛かるクレブラと保安官は、フラカとアナにナイフで刺される。町からギャングがいなくなったことに人々は歓喜の声を上げる。その後、町には観光客が訪れるようになる。男は、新しくなったアナのバーを訪れ、水を注文した。アナは笑いながらマルガリータをごちそうし、男に名前はなにと問いかけた。男はアナに微笑みかける。
映画『ガンズ・アンド・ストレンジャー』の感想・評価・レビュー
ギャングと警察は一見敵同士にも見えますが、実は裏で繋がっているなんてストーリー映画では良くありますよね。今作で描かれるのは、そんなギャングと警察の癒着関係に嫌気がさした警官が、黒い世界に一石を投じる物語。
自分が何かしても世界は変わらないと諦めてしまうのでは無く、「何か」行動しようと決断した男は本当に強いなと感じました。恥さらしや裏切り者と罵られても、自分の信念を曲げずに悪を成敗するラストは圧巻です。(女性 30代)
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