映画『珈琲時光』の概要:井上陽子は妊娠するが、結婚する気はなくシングルマザーとして子供を育てる決意をする。陽子は妊娠の影響で体調を崩しながらも、フリーライターとしての仕事を行っていた。両親や友人は、そんな陽子を心配する。
映画『珈琲時光』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ホウ・シャオシェン
キャスト:一青窈、浅野忠信、萩原聖人、余貴美子 etc
映画『珈琲時光』の登場人物(キャスト)
- 井上陽子(一青窈)
- フリーライター。義母が作った肉じゃがが好き、実母は陽子が4歳の頃に家を出ている。現在妊娠しているが、結婚の意思はない。
- 竹内肇(浅野忠信)
- 陽子の友人。古本屋を営んでいる。周りの友人達の情報によると、若い女性に言い寄られているらしい。
映画『珈琲時光』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『珈琲時光』のあらすじ【起】
井上陽子は友人の竹内肇が営んでいる古本屋に立ち寄り、誕生日プレゼントとお土産を兼ねた時計をプレゼントした。その時、陽子が見た、おっかない顔の子供が登場する夢の話になった。肇は「ゴブリン」と言う名の、ヨーロッパの妖精が登場したのではないかと考えた。陽子の話が「チェンジリング」と言うヨーロッパの伝承にそっくりだったのだ。「チェンジリング」とは赤ちゃんが妖精とすり替えられてしまうお話だった。陽子が読んでみたいと呟いたため、肇は探しておくことにした。その後、陽子は電車を乗り継いで実家へと向かった。駅では父が待っており、陽子は久しぶりの再会を喜んだ。
義母は食事を作って待っていたのだが、家に到着した陽子は眠ってしまう。父は実家が落ち着くのだろうと、嬉しそうに微笑んだ。夜中、陽子はお腹が空いて目を覚ましてしまう。台所で食事を探していると、義母が起きてきて用意してくれた。陽子は食事をつつきながら、妊娠していることを告げた。さらに、結婚する気はなく、シングルマザーとして育てる決意をしていた。義母はそんな陽子を心配そうに見ていた。
陽子が出掛けた後、父と義母の間の空気はあまりにも重苦しかった。義母は陽子と話し合うことを求めるが、父はむすっと黙ったままだった。義母はそんな父に、自分達は年金暮らしで、子供を産んだ陽子を支えることはできないのだと話した。それでも、父は黙ったままだった。
映画『珈琲時光』のあらすじ【承】
陽子は友人の誠治から、肇が若い女性に言い寄られていたらしいと教えられる。他の友人達は財産目当てなのではないのかとか、裏があるのではないのかとか、若い女性に疑いを持っていた。だが、陽子も誠治も肇から何も聞いていないため、本当のところは何も分からなかった。
陽子は古本屋に足を運び、肇から「チェンジリング」の絵本を渡される。その絵本に描かれているひまわりに、なぜか見覚えがあった。陽子は記憶になかったが、もしかしたら過去に読んでいた可能性があった。陽子は家に帰り、その絵本を読んだ。少女達が赤ちゃんを寝かせようとしたのだが、そこにゴブリン達が現れる。ゴブリン達は代わりとなる氷の赤ん坊を置くと、部屋にいた赤ん坊を連れ去った。何も知らない少女は赤ん坊を抱き締めるが、その赤ん坊は水になって溶けてしまう。その時、少女達はゴブリンが赤ん坊を連れ去ったことに気づくと言うお話だった。
陽子は幼い頃に「チェンジリング」を読んだ場所を思い出した。そこは、大きなホールで、たくさんの信者らしき人がお経のようなモノを唱えていた。陽子の母も信者で、献金も行っていた。陽子の実母は4歳の頃に家を出ていた。陽子は絵本を読んで、そのときのことを思い出したのだ。
映画『珈琲時光』のあらすじ【転】
陽子は肇に会いに向かっていたのだが、電車を乗っているときに気分が悪くなり、途中で降りてしまう。陽子は肇に連絡を取り、遅くなることを伝えて謝罪した。何とか肇の元に辿り着くが、やはり気分が悪くなってしまう。陽子は心配する肇に、妊娠していることを伝えた。肇は戸惑うが、妊娠のことを詳しく聞くことはできなかった。
陽子が体調を崩して眠っていると、インターホンがうるさいぐらい鳴った。仕方なくドアを開けに行くと、そこにいたのは肇だった。陽子のことを心配して来てくれたのだ。肇は顔色の悪い陽子のために、食事を作ってあげた。
両親が田舎から東京に来たため、陽子は駅まで2人を迎えに行った。皆で陽子の自宅に帰った。義母は冷蔵庫の中を確認して、たいした食材が入っていないことに呆れた声を上げた。義母が持って来た肉じゃがを小皿に分けている間、陽子は父と話をした。陽子の両親が東京に出て来たのは、父の会社の上司の葬式があるからだった。父はその上司にとても世話になっており、恩を感じていた。
映画『珈琲時光』の結末・ラスト(ネタバレ)
陽子は義母が用意した肉じゃがを、とても幸せそうに頬張った。父は終始そわそわと落ち着かない様子だったが、陽子と義母に勧められ、肉じゃがを食べることにした。父は陽子に肉じゃがを分けながら、少しずつ食べた。その後、義母は陽子と共に向かいの家に挨拶に行き、父のためにお酒を分けてもらいコップを貸してもらった。義母は恥ずかしいと照れるが、陽子は調味料を借りに行ったことがあり平気そうだった。
部屋に戻った後、義母は妊娠のことを陽子に詳しく聞いた。赤ちゃんの父親はマザコンだったため、陽子は結婚する気はなかった。さらに、相手の実家は傘の製造を行っており、結婚した後に手伝わされることを危惧しているのだ。陽子はその相手と未だに連絡を取っており、タイに来いと誘われていた。話しているのは義母だけで、父は肉じゃがをつまみに酒を飲んでいるだけだった。
肇が電車に乗ると、同じ車両の座席に陽子が眠っていた。肇は楽しそうな表情で、陽子の寝顔を眺めた。その後、2人は同じ駅で下車した。肇が電車の音を録音している姿を陽子は見ていた。
映画『珈琲時光』の感想・評価・レビュー
物凄くふわっとした始まり方をした今作。どんなストーリーなのか分からず展開を予想しながら探り探り鑑賞していましたが、大きな盛り上がりや、これと言うポイントがある訳ではなく、ふわっとした空気感のまま終わってしまいました。
一青窈演じる陽子がとても不思議なキャラクターで父や義母との関係、赤ちゃんの父親との関わり方も物凄く独特でしたが、一青窈が演じることによって全く違和感が無く見やすかったと思います。(女性 30代)
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