映画『フロム・ヘル』の概要:幾つもの作品の題材となっている、殺人鬼ジャック・ザ・リッパーをテーマにしたサスペンス作品。事件の真相に近づいていくに従い、徐々に自身の身体と精神も蝕まれていく担当刑事役をジョニー・デップが熱演。
映画『フロム・ヘル』の作品情報
上映時間:124分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ
キャスト:ジョニー・デップ、ヘザー・グレアム、イアン・ホルム、ジェイソン・フレミング etc
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映画『フロム・ヘル』の登場人物(キャスト)
- アバーライン警部(ジョニー・デップ)
- 娼婦連続殺人事件を担当する事になった警部。数年前に妻子を失って以来、アヘン中毒になっている。
- メアリ(ヘザー・グラハム)
- 5人で活動する娼婦の内の一人。徐々にアバーラインと親密な仲になっていく。
- ウィリアム卿(イアン・ホルム)
- 王家の侍医。アバーラインの依頼で今回の事件解決に向けて協力する。
映画『フロム・ヘル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『フロム・ヘル』のあらすじ【起】
舞台は1880年のロンドン、まだ街中に娼婦の姿がちらほら見られる時代です。メアリ達は、娼婦をしながら何とか5人の仲間で身を寄せ合い生計を立てていました。しかし、ある日ニコルというギャングから法外な場所代を要求され頭を抱えることになります。そんな時、かつての娼婦仲間で現在は一般男性と結婚、割と裕福な生活を送っているアンが彼女達の元を訪れます。
話を聞いたアンは、夫に相談して場所代を工面できる様に働きかける、と言って自分の娘、アリスを預けて夫の元に向かいました。しかし、夜になって仕事をしなければいけないメアリ達がアリスを返しにアンの元へ向かうと、何と目の前でアンとその夫、アルバートが男達によって連れ去られていったのです。そして、そのままアンは行方不明となってしまったのでした。
また、メアリ達の仲間のうち一人も突然姿を眩ませました。そしてそれから暫く経った頃、彼女は死体として見つかったのでした。その死体は綺麗に切り刻まれており、傷つかないように陰部や臓器が切り取られていたことから学のある人物による犯行だと思われました。
映画『フロム・ヘル』のあらすじ【承】
この事件を担当することになったのは、アバーラインという警部でした。アバーラインはメアリ達に話を聞きますが、メアリ達は犯人はニコル組に違いないと断言するばかりです。そしてそれから直ぐ、更にもう一人の仲間が殺害されたのです。彼女の死体は同様に内臓を切り取られており、手にはこの時代では非常に高価な葡萄が握られていました。アバーラインは、この葡萄を餌に呼び出され、そしてそのまま殺されてしまったに違いないと推測します。
アバーラインは王家の侍医であるウィリアム卿という外科医に検死を依頼しました。そして、ウィリアム卿の協力のもと、その犯行から犯人像が少しずつ絞り込まれてきました。
一方、メアリはアバーラインにもう一人行方不明になっているアンについて相談します。アバーラインは独自に調査を行い、アンがとある精神病院に収容されているという事に辿り着きました。精神疾患に仕立て上げられたアンはロボトミー手術を受けさせられ、今では廃人のようになってしまっていました。
映画『フロム・ヘル』のあらすじ【転】
アンの変わり果てた姿に深く落ち込むメアリを見て、アバーラインは気分転換も兼ねメアリを画廊に連れて行きます。しかし、そこでメアリがとんでもない事に気が付いたのです。画廊に飾られていた王家の絵、そこに描かれていたエドワード殿下がアンの夫、アルバートに瓜二つだったのです。
メアリからその話を聞いたアバーラインは、元々娼婦好きであったエドワード王子が娼婦から梅毒をもらい、その恨みから犯行に至ったのではないかと予測しました。しかし、その案にウィリアム卿が反対します。身体の悪いエドワード殿下には、とてもではないが一連の犯行は実施し得ないというのです。
アバーラインはメアリ達の身を守るため、彼女達に暫く家を出ないように告げました。しかし、ふとした事から喧嘩になった3人の内2人が家を飛び出し、そしてそのまま犯人に殺されてしまったのです。そして、今度の犯行現場には犯人からのメッセージと思しき印がありました。そのメッセージは、ユダヤ人を意味するものでした。
映画『フロム・ヘル』の結末・ラスト(ネタバレ)
アバーラインは、ユダヤ人というメッセージ、そして今までの犯行現場を繋げると五芒星が完成するといった事実から、犯人はフリーメイソンに関わる自分であるという事に気がつきます。そして、今迄捜査に協力してくれていたウィリアム卿がフリーメイソンに所属しており、そして彼こそが、一連の事件の首謀者だった事を突き止めたのです。
ウィリアム卿が犯行に及んだのは、全て国に対する忠誠心の為でした。アバーラインとメアリが睨んだ通り、アルバートはエドワード殿下その人で、つまり彼の娘であるアリスはいずれ世継ぎとなる可能性のある人物です。アルバートとアンの結婚式には、メアリ達5人の娼婦が出席していました。ウィリアム卿はエドワード殿下が娼婦と結婚したという事実を隠蔽する為、メアリ達を殺して回っていたのでした。
一方、メアリにもウィリアム卿の仲間の魔の手が伸びますが、何とか逃げ切ります。ウィリアム卿には独断でこの様な犯行を行なったとして処刑が命じられます。そして、メアリを救ったアバーライン警部は、元々中毒だったアヘンにより、静かに息を引き取るのでした。
映画『フロム・ヘル』の感想・評価・レビュー
ジャックザリッパーをテーマにしている作品だが、実際の人物とは異なる部分も多々あるので、あくまでも色付けとしての捉え方としているように感じる。また、フリーメイソンといったワードも登場するので、いささか話にまとまりが無いように思えてしまう。色々と伏線が回収しきれていないような部分もあったりするので、見終わった後に少し疑問が残る人も多いのではないだろうか。ジョニーデップ扮するアンバーラインが中盤にかけて精神的に追い詰められていく様はジョニーならではのディープな表現となっている。(男性 30代)
ジョニー・デップとヘザー・グラハムがおくる、19世紀末実際に起きた切り裂きジャック事件を題材にしたヴィクトリア時代のロンドンの闇を描いた作品。じっとりした、なまめかしい雰囲気に、ジョニー・デップの色気がものすごい。娼婦に酔っ払い、汚れた街が描かれており、まさにロンドンの闇を見て取ることができました。そんな退廃的な雰囲気にジョニー・デップの美しさがとても良くマッチしていてジョニー・デップの魅力が堪能できる、じっとりとした大人の映画でした。(女性 30代)
切り裂きジャックを題材にした映画で、これ自体は海外の漫画を原作にしています。事件を追うアバーライン警部から見たストーリーになっています。
他の同様のモチーフの作品に比べると、少しファンタジーっぽいかな、とは思いますが、それでもミステリー・サスペンスとして楽しめました。
何より、ヴィクトリア時代のロンドンの薄暗さ、不気味さ、怪しさがとても魅力的で、画面を見ているだけでとても満足しました。(女性 30代)
ジョニー・デップ作品の中でもとにかく格好いい、それだけで観る価値のある作品。
ジョニー・デップは好きだけど観たことはない、という方は是非観てほしい作品です。
ロンドンの街を舞台にした暗い雰囲気と、色気を纏ったジョニー・デップが本当によく合います。物語は、有名な切り裂きジャック事件を基にした作品となっていますが、未解決な事件なだけあり曖昧な部分も多く、人を選ぶ作品ではあると思います。しかし、あの薄暗い雰囲気と独特な空気に惹かれる人は多いのではないでしょうか。(女性 20代)
みんなの感想・レビュー
歴史に残る未解決事件として有名な”切り裂きジャック”をテーマに、独自の視点から作られたミステリー作品に仕上がっている。
現代の技術で犯人を追う番組も見かけるが、あくまでもフィクションとしての作品だ。
しかし、実在した人物であり被害者という説があるメアリ・ケリーの名前や組織の名前などを使っている事から、知識があるとややこしく感じてしまうだろう。
また、王族の隠し子や秘密結社と、幅を広げすぎたために、結局何を強調したいのかがわからなくなるストーリー展開になってしまっている。
未だに犯人像に関して憶測が飛び交うのだから仕方が無いとはいえ、シンプルな設定がひとつもないので、見ていてややこしく感じる。
一見は切り裂きジャックのミステリー映画のようだが、アバーライン警部と切り裂きジャックに狙われたメアリ・ケリーの恋愛映画を匂わせてもいる。
しかし、警部の予知能力や組織の圧力など、120分では収まりきらない設定なので、終着点が全く無い映画だとも言える。
人が亡くなったら安いコインを目の上に乗せるという警部の話の伏線があり、そこから警部が亡くなっているのか寝ているだけなのかを、見ている側にゆだねるような終わり方は良く出来ている。
昔のロンドンというイメージを、とてもよく表現できている作品だろう。
馬車や街並み、部屋の中の細部にまで昔のロンドンのイメージが再現されており、ヘザー・グラハムをはじめとした娼婦役の女優のセクシーな衣装も、昔のロンドンというイメージに合わせてある。
夜のシーンでは、特にオレンジ色味がかったランプをメインにしていたり、警部の周囲をロウソクの灯りにして、不安定さを強調しているのも時代に合っている。
ゴシップになった事もある、ジョニー・デップとヘザー・グラハムの競演作で、有名な切り裂きジャック事件をテーマにした作品。
アラン・ムーア原作の海外の漫画を基にしており、凝ったストーリー展開になっている。凝りすぎてややこしい部分もあるのだが、雰囲気がよく出来ており、歴史ツウでなくても昔のロンドンというイメージに浸れる。
実際にあった猟奇事件という名前に惑わされそうになるが、未だ犯人がわかっていない未解決事件でもあり、一筋縄では進まない展開にハマると何度も見たくなる。
この作品を見てから、切り裂きジャック事件を現代科学で解明、事件の謎をプロファイリング、などという特集番組が興味深くなるかもしれない。
反対に、そういったものが好きならば、フィクションとして楽しむに限る作品でもある。