映画『レッド・ドラゴン(2002)』の概要:ハンニバル・レクターシリーズの3作目で、時系列では「羊たちの沈黙」より前の事件。ブレット・ラトナー監督、エドワード・ノートン主演で、レクター役には再びアンソニー・ホプキンスが起用されている。
映画『レッド・ドラゴン』 作品情報
- 製作年:2002年
- 上映時間:125分
- ジャンル:サスペンス、ミステリー
- 監督:ブレット・ラトナー
- キャスト:アンソニー・ホプキンス、エドワード・ノートン、レイフ・ファインズ、エミリー・ワトソン etc
映画『レッド・ドラゴン』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『レッド・ドラゴン』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『レッド・ドラゴン(2002)』のあらすじを紹介します。
優れた精神科医ハンニバル・レクターは、FBI捜査官のウィルと協力して難事件を解決していたが、とある事件の犯人がレクター博士だった。
レクターは逮捕され、ウィルはFBIを退職。
妻モリー、息子ジョシュと暮らしていたが、かつての同僚クロフォードから一家連続殺人事件の捜査協力を頼まれる。
3日間の予定で捜査協力をするウィルにクロフォードは、レクターに協力させてはどうかと提案する。
捜査が行き詰っていたのもありレクターに会った後、被害者家族が利用していた別荘に残された「レッド・ドラゴン」という意味のマークを見つけるウィル。
そんな中、犯人からレクター宛てに手紙が届いていた事がわかる。
レクターからの返事が、ウィルの家族殺害を示唆するものだったために、モリーとジョシュは避難する事となる。
そしてFBIは新聞記者に協力させて犯人をあおる内容の記事を載せ、犯人をおびき出そうとするが、反対に記者が殺害されてしまう。
やがて、被害者家族の共通点からミスターDという男性が犯人として挙げられる。
FBIと警察が彼の自宅へ向かうと、視覚障害のある恋人を自宅に閉じ込め、火を放って自殺したミスターD。
彼は虐待された過去があり、それが犯行のきっかけになっていた。
自宅に戻り、家族団欒の時を過ごしていたウィルだったが、ミスターDはまだ生きているという連絡が入る。
ミスターDはウィルの家族を狙うが、彼は自分の身を挺して家族を守り、最後はかけつけたモリーに射殺される形で事件は幕を閉じた。
その後、レクターの元に女性FBI捜査官が面会に来る事が決まる。
彼女の名前は・・・
映画『レッド・ドラゴン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『レッド・ドラゴン(2002)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
シリーズとしても、ひとつの映画としても楽しめる
ハンニバル・レクターを題材にした3作目の映画だが、「羊たちの沈黙」よりも前という設定になっている。
「羊たちの沈黙」「ハンニバル」と見てきた人にとっては、冒頭でのオーケストラの演奏者が行方不明になる事件や、クロフォード捜査官、ドクター・チルトンなど馴染みのある名前が出てくる。
他の作品を見ていれば細かい部分も楽しめるが、この作品だけでも満月の噛みつき魔事件として完結しているので、十分に楽しめるだろう。
FBIと協力関係にあるハンニバル・レクターが、いかにして逮捕に至ったかを簡潔に描き本題の事件に入るので、違和感なく世界観に入ることができる。
FBI女性捜査官が面会に来る、というラストシーンは、どうやっても「羊たちの沈黙」とは10年以上の時間の差が出てしまう作風を、上手くごまかせている。
反対に言えば、映像のクオリティが90年代を全く匂わせないのだが、これだけはどうしようもないだろう。
”クラリス”という名前をあえて出さない部分も、他の作品との線引きがきちんとなされている印象をあたえるので、より一層シリーズとしてのイメージより個の作品としての面白味がある。
ハンニバル・レクターがいなければB級
犯人レッド・ドラゴンの生活と、FBIとウィルの動き、さらにはレクターのシーンをしっかり分けながらストーリーが進むので、ミステリー独特の謎解きよりも追い詰めていく様子がメインになっている。
噛み付き魔と呼ばれる犯人の動機が虐待という部分には、ミステリーの犯行動機としてありがちな部分を覚えるのだが、それをレクターと接触させることで新しい展開を見せてくる。
だが、犯人がトイレットペーパーでレクターにメッセージを送る過程など、ストーリー展開に若干、無理やりさが目立つ。
犯人だけは銃で撃たれても倒れない、というツッコミ所もある。
サスペンスミステリーとしてはB級の内容を、ハンニバル・レクターという名前を使って底上げした感はぬぐえないだろう。
『羊たちの沈黙』でお馴染みのレクター博士シリーズ3作目の作品。しかし公開順と作中の時系列は異なり、実際は『ハンニバル・ライジング』に続く2作目の順となる。
レクター博士が逮捕されるシーンから始まるが、どことなく漂う彼の上品な雰囲気、そして不気味な空気にあっという間に心を掴まれてしまう。ラストの『羊たちの沈黙』へと繋がる伏線は、シリーズ好きとしてはたまらないだろう。本作でもレクター博士の主演時間は決して多くはないが、さすがの存在感で文句なしの良作。(女性 20代)
シリーズを通して観ると1作目と3作目は雰囲気が近く、2作目が異色に感じます。この3作目は1作目に繋がる形で終わっているので、最後まで観ると思わずニヤリとしてしまいますね。1作目のファンなら3作目も観るべきです。
捜査官クロフォードには家族がいてクラリスよりも人間味がありますし、レイフ・ファインズが演じる殺人鬼の心情描写もしっかりしていて見応えがあります。2作目ほどの残虐性もないので観やすいです。(女性 30代)
「羊たちの沈黙」の前日譚的な作品。アンソニー・ホプキンスのレクター博士が好きならば見逃せない1本。
噛みつき魔による連続殺人事件の話が軸となるが、正直この部分は若干薄味。観ていてもそれほど頭に入ってこない。やっぱり気になるのはそこにレクター博士がどれくらい絡んでくるかだろう。しかし振り返るとその絡みもそれほど意味がなかったような気もするが、レクター博士の佇まいそのものが見所と思えばこれで良いか。
最後にFBI捜査官が機転を利かせた言葉で子供を守るが、子供のトラウマにならないかちょっと心配。(男性 40代)
映画『レッド・ドラゴン』 まとめ
1986年に「刑事グラハム/凍りついた欲望」として、1度映画化されているが、「羊たちの沈黙」「ハンニバル」が好評だったので再映像化されたこの作品。
リメイク版と言われる事は無い。
FBIに協力していたレクター博士が起こしていた人食い事件の終結から始まるので、時系列で言えば「羊たちの沈黙」より少し前の設定になる。
事件の内容からもグロテスクな描写はほとんど無く、比較的抵抗なく見ることができる作品だ。
他のレクター博士シリーズを見ていても、見ていなくても楽しめる内容になっているし、近年になってレクター博士とFBI捜査官ウィルがコンビを組んで事件を解決するドラマも制作されている。
若き日のレクターを描いた映画「ハンニバル・ライジング」ではギャスパー・ウリエルが、TVドラマ「ハンニバル」ではマッツ・ミケルセンがそれぞれハンニバル・レクターを演じており、アンソニー・ホプキンスが演じるレクターは、この「レッド・ドラゴン」が最後になっている。
関連作品
次作 ハンニバル・ライジング
前作 ハンニバル
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