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映画『黙秘』あらすじとネタバレ感想

映画『黙秘』の概要:テイラー・ハックフォード監督の1995年の映画。スティーヴン・キング原作で、主演はキャシー・ベイツ。ドロレス・クレイボーンという女性の犯した罪と真実を娘が追っていく。

映画『黙秘』 作品情報

黙秘

  • 製作年:1995年
  • 上映時間:131分
  • ジャンル:サスペンス、ミステリー
  • 監督:テイラー・ハックフォード
  • キャスト:キャシー・ベイツ、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジュディ・パーフィット、クリストファー・プラマー etc

映画『黙秘』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

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映画『黙秘』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『黙秘』のあらすじを紹介します。

ニューヨークの新聞社で働くセリーナの元に、母ドロレス・クレイボーンが、地元の大富豪の老婆ヴェラを殺害した容疑で逮捕されたと連絡が入り、数日の予定で帰郷する。
ヴェラは気難しい老婆として有名だったのにもかかわらず、家政婦のドロレスに莫大な遺産を残しており、ドロレスがヴェラに凶器を向けている場面も目撃されていたが、ドロレスは無実を主張していた。

生まれ育った家で、セリーナは幼い日の自分と、行方不明になった父ジョーの事を思い出していた。
ジョーとドロレスは仲の良い夫婦ではなかったが、無邪気なセリーナはジョーによく懐いていた。
家は貧しく、昔からドロレスはヴェラの家で働いていた。

ジョーが働かず日常的に暴力を振るう夫だと知ったヴェラは、皆既日食の日、ドロレスに特別に休みを与えた。
そしてその日、ドロレスはジョーを井戸に突き落として殺害していた。

その後、セリーナが自立してからもヴェラの元で働いていたドロレス。
2人の間には友情が芽生えていたが、ヴェラは痴呆症が進んでおり、誤って階段から落ちてしまった。
そして、もう自分は助からないだろうから、ドロレスに楽にしてくれと頼んだのだ。
しかしドロレスは手に持った凶器を振り下ろすことが出来ず、ヴェラはそのまま他界したのだ。

真相を知ったセリーナは島から出るフェリーに乗るが、自分がジョーから虐待を受けていて、それを忘れていた自分に気がつく。
慌ててドロレスの元に戻ったセリーナは母の無実を主張し、母と娘は20年という月日を経て和解した。

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映画『黙秘』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『黙秘』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

CG技術に頼らずに作った20年という年月

スティーヴン・キング原作の映画”ミザリー”の熱狂的ファン、アニー役で有名女優になったキャシー・ベイツが、再びスティーヴン・キング原作の映像化作品で主演を張った作品。
DV夫から逃れるため、性的虐待を受ける娘を守るために、皆既日食の日に古井戸に突き落として殺人を犯すという母親を演じた。

20年前の記憶の中の明るい日々、現在の寂れてしまった薄暗い日々のメリハリがしっかりされていて、過去の回想シーンと現在のシーンがすぐに入れ替わる作中でも、どっちだろうと思うことなくストーリーに集中できる。
ドロレス役のキャシー・ベイツの演技力はやはり素晴らしく、凝った特種メイクをすることも無く、やつれてしまった現在と、20年前の若い頃を演じ分けている。

1995年という年代を考慮しても、皆既日食の太陽を映したシーンをはじめ映像技術に凝った感じが無く、合成された場面はどうしても安っぽく見える。

ヒット作・ミザリーの貢献者キャシー・ベイツのためのドロレス

原作があるからだろうがストーリーの基礎はしっかりしており、”ミザリーのキャシー・ベイツ”という名前に頼るだけでなく、彼女の演技力が十分に発揮されている。
そもそもこの原作は、スティーヴン・キングがキャシー・ベイツをイメージして書いた小説であるのだ。

ヴェラの屋敷で介護をしているシーンでは、棚の飾られたブタの置物など”ミザリーネタ”があり、ミザリーを見ている場合は楽しめるシーンもある。
詳しくは触れられないのだが、ヴェラ自身も横暴な夫を殺害しており、同情からドロレスにジョー殺害を示唆しているのだが、最後には親友であり親子のような親しい関係になっているのが救われる。

残念なのが題名であり、原題は「ドロレス・クレイボーン」なのだが、邦題では「黙秘」という味気ないものに変更されている。
映画全体を見ても、「黙秘」という題名は不釣合いだろう。

映画『黙秘』 まとめ

ミザリーのキャシー・ベイツ、という印象を払拭するような「ドロレス・クレイボーン」。
母親の愛情と母娘の思いの行き違いがしっかり描かれていて、大団円とは言えない終わり方だが、ラストシーンには救いがあり涙が出る。
また、太陽も見ていなかった目撃者のいない殺人に、日食という現象が活用されていて素晴らしい。
ヴェラの夫の事件にはほとんど触れず、ドロレスと夫ジョー、ヴェラ殺害の濡れ衣というドロレス・クレイボーンという女性にまつわる事柄だけに絞っているので、世界観に集中しやすい。
強烈な個性のある役やヒット作に出演することで、強いイメージが染み付いてしまう役者は多いが、キャシー・ベイツはこの作品によって役者としての幅を大きく広げたとも言えるだろう。

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