映画『デスノート the Last name』の概要:2006年に公開された「デスノート」の後編。前作のラストで捜査本部入りが決まった、死神のノートを使って殺人を行う“キラ”こと夜神月と、天才探偵Lとの頭脳戦の結末を描いた。
映画『デスノート the Last name』の作品情報
上映時間:140分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:金子修介
キャスト:藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香、片瀬那奈 etc
映画『デスノート the Last name』の登場人物(キャスト)
- 夜神月(藤原竜也)
- 天才的な頭脳を持つ大学生。死神リュークのデスノートを拾い、所有者となって、悪人を裁く殺人鬼“キラ”になった。恋人の命をも利用し、Lを倒すために“キラ対策室”に入り込む。死神に悪魔と言わせるほど残酷で身勝手な戦略を取ることが多く、時には死神も利用する。
- L / 竜崎(松山ケンイチ)
- 世界的に有名だが、すべてが謎に包まれた名探偵。ICPOからの依頼でキラ逮捕のために日本に来た。FBIにも顔が利く。キラ対策のため、竜崎という偽名を使う。色白で猫背の、線が細い青年。大の甘党で、常にお菓子などを口にしている。他人との連絡などはワタリに任せ、ほとんど引きこもっている。多くの命を救うためには、少ない犠牲は仕方ないという考えを持つ。
- 弥海砂(戸田恵梨香)
- 売り出し中のアイドル。通称、ミサミサ。3年前、強盗に両親と弟を殺された過去を持つ。その犯人をキラが殺した事から熱狂的なキラ信者となった。月に想いを寄せていて、月になら殺されてもいいというほど慕っている。ジェラスのデスノートの所有者で、残りの寿命の半分と引き換えにレムと“目”の取引をして、顔を見ただけで名前がわかる“第2のキラ”となる。
- 高田清美(片瀬那奈)
- さくらテレビの社員。キャスターの西山冴子からは邪魔者扱いされ、上司の出目川からは色気が無いと言われてセクハラを受けている。キラの犯行を熱心に追う記者だったが、レムに選ばれて、キラの代理人として殺人を行うようになる。
- 夜神総一郎(鹿賀丈史)
- 警視庁刑事部長。月と粧裕の父で、子煩悩な一面を持つ。警察にすら存在を明かしていない“キラ対策室”と警察とをつなぐ人物。善良な考えを持つ真面目な人間。
- リューク(中村獅童)
- デスノートを人間界に落とした死神。月に憑いている。
- レム(池畑慎之介)
- 海砂に憑いている死神。海砂に恋をしていた死神ジェラスの遺言で、海砂を見守っている。自分のデスノートを出すことはなく、ジェラスのデスノートの所有者に憑く。月のことはあまり信用していない。
映画『デスノート the Last name』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『デスノート the Last name』のあらすじ【起】
ストーカーに追われていた、アイドルの弥海砂。
しかしストーカーは突然死に、1冊のノートが落ちてきた。
デスノートに名前を書かれると、その相手は死ぬという。
顔と名前が一致していれば相手を殺すことができ、死因をかけばその通りに、書かなければ心臓麻痺で死ぬというルールがあった。
デスノートを使って、恋人をFBI捜査官に殺させた“キラ”こと夜神月。
恋人の死を利用して、Lが作ったキラ対策室に入り込んだ。
しかしLこと竜崎は、月がキラだと疑い続けていた。
ある日、さくらテレビで“第2のキラ”からのメッセージが流される。
“目”を持つという第2のキラは、顔を見るだけで人を殺せた。
さくらテレビ祭りに来ていた人々はキラに夢中で、駆け付けた刑事たちは第2のキラによって殺される。
月の妹、粧裕も危機に晒されるが、父の総一郎に助けられた。
そして月もテレビ局へ向かう。
局内で偶然、月を見かけた海砂。
寿命の半分を使って死神の目を手に入れた“第2のキラ”こと海砂は、月の家を調べて押しかけて来る。
家族を殺した犯人を裁いたキラに心酔している海砂は、月の目になると言う。
映画『デスノート the Last name』のあらすじ【承】
大学に押しかけてきた海砂は、偶然、月の元にやって来た竜崎と鉢合わせする。
勝利を確信した月だったが、海砂は対策室のメンバーに拘束される。
さくらテレビに送ったメッセージから、海砂が第2のキラだという証拠が見つかったのだ。
非人道的な監禁状態での取り調べが行われる中、海砂はデスノートの所有権を放棄する。
所有権を放棄すれば、もう一度ノートに触るまで、ノートに関するすべての記憶を失うルールだった。
そうして月を守った海砂。
レムは月に、海砂を助けなければ命を奪うと脅す。
海砂に恋して、海砂に寿命を与えるためにノートを使って死んだ死神ジェラスのためだというレム。
記憶を失った海砂は、対策室の面々をストーカー扱いしていた。
そこに、リュークのノートを山中に埋めた月がやって来る。
自分がキラだという可能性を完全に消すために、監禁、監視を願い出る月。
数日後、月はノートの所有権を放棄して記憶を失った。
海砂の監禁から12日目の夜、さくらテレビに勤める高田清美にデスノートを渡したレム。
清美はキラの代理人として、犯罪者を裁きはじめた。
映画『デスノート the Last name』のあらすじ【転】
月と海砂は監禁を解かれる。
竜崎と一緒に、キラを追う月。
海砂も、対策室の監視下で生活を送ることになる。
キラのスクープによって知名度が上がった清美は、デスノートで冴子を殺し、メインキャスターの座を手に入れた。
キラを追う月は、手掛かりを見つける。
それは、さくらテレビの新キャスター清美を示すものだった。
そして清美が、3人目のキラだという事も示していた。
監視カメラと盗聴器を仕掛けると、ノートに犯罪者の名前を書く清美の姿が映し出された。
確証を得るため、盗撮カメラでノートの秘密を知った男に成りすました捜査員が、偽名を使って清美に接触。
そしてビデオ流出特番の情報を流す。
秘密を守りたい清美は、レムと“目”の取引をして局へ向かう。
そして局で清美は逮捕される。
ノートの秘密と死神の存在が明らかになり、竜崎たちにもレムの姿が見えるようになり、月は記憶を取り戻した。
ノートの所有権を得るため、時計に隠していたノートの切れ端で清美を殺害した月。
月はレムに、13日以内に新しい名前を書かなければ所有者は死ぬという、偽ルールの記載を頼んでいた。
容疑が晴れた月はそのまま対策室に残り、海砂は解放された。
映画『デスノート the Last name』の結末・ラスト(ネタバレ)
月に頼まれてリュークのノートを掘り起こし、記憶を取り戻して所有者になった海砂。
竜崎の名前を書くよう頼まれるが、海砂は覚えていなかった。
しかも所有権を失った際、目の力も失っていた。
仕方なく、リュークと“目”の取引をした。
海砂によるキラの裁きが始まった。
アメリカの死刑囚を実験台に、ノートの検証を行うことが決まる。
対策室の残された月と竜崎。
13日ルールが海砂に通じなかったと考えた竜崎は、自らを囮に、海砂の逮捕と監禁を考えていた。
そしてワタリに連れられて、海砂が対策室に来る。
海砂の寿命の変化に気付いた知ったレムは、自分のデスノートで海砂を救った。
そしてレムは、ノートと共に灰になった。
ワタリと竜崎は死んだ。
海砂が持ってきたノートで父を操り、ジェラスのノートを手にしようとする月。
しかしリュークのノートは、偽物に替えられていて、竜崎が姿を現す。
海砂の容疑と13日ルールの嘘が確定し、月の尻尾を掴むために、竜崎は自分の名前をノートに書いた。
その間は、竜崎は殺されない。
リュークに頼る月だったが、ノートに月の名前を書かれてしまい、息を引き取った。
月はキラに殺されたことになり、海砂は再び記憶を失った。
Lは、ノートに書かれた通りに死んだ。
映画『デスノート the Last name』の感想・評価・レビュー
前作では見えた月の「頭の良い」デスノートの使い方がなかったのが残念です。状況判断や推理、予想でよりも、もっとノートの使い方で天才的な場面を見せてほしかったですが、最後にノートのルールを使った使い方はLが見せてくれたのでほぼ満足な作品になりました。
結局はLも命を落とすことになるので完全勝利とはいかず、痛み分けのような形になっていますが、原作よりも「頭脳対決」としては良い終わり方だと思います。(女性 40代)
終始はらはらどきどきし、月と竜崎の頭脳戦が面白かった。今作品では、死神が人間の作戦に協力し、また人間の代わりに命を断つシーンがあり、新鮮さを感じた。また、最後は月も竜崎も亡くなってしまう結末であり、かなりダメージは大きかったが、竜崎の頭の使い方や、月のずるい部分も垣間見れた。デスノートによって人間のずる賢い部分や、思わず息を飲んでしまう落とし穴があったりと、様々な人間の見たくない部分があらわになり、もし自分が手に取ったらどう行動するのかと、ふと自分に置き換えて考えてしまった。(女性 20代)
前回より、もっと原作に基づいた作品となっている。後半部分の心理戦はともかく、前半は少し間延びしている感が否めない。やはり初作品のような新鮮さはどうしても無くなってしまうというのが正直な所である。とはいえ、この作品で、キラとLの対決に終止符が打たれるので、観ておく方が懸命だろう。もう少し、映画ならではのエピソードなども盛り込まれていたら良かったと感じてしまう内容であった。(男性 30代)
原作を再現するのは不可能だと言われていたものを今回実写版で上手く表現できたのは役者さんの演技はもちろんのこと脚本や音楽が素晴らしかったからだと思いました。
出演しているキャストの方々は皆いい演技をしていましたが、父親役の方の演技がよかったです。息子である月を疑う場面などの演技はリアリティがありました。
原作好きからは賛否両論あるとは思いますが、私はストーリーの変え方も終わり方も好きだったので結果的にはオリジナルの部分にも満足しました。(女性 20代)
原作との違いが前編以上に大きく、ここまで内容がアレンジされていると、全く別物と考えるのが良いと感じました。原作の展開を期待して見ていると裏切られた気持ちになります。
1番の違いはLの結末です。Lが死んでしまい、ニアやメロと言った彼の意思を継ぐ者たちが活躍する原作とは異なり、最後までLがキラを追い詰めていくと言う展開で、L好きの人にはいいのかもしれません。
個人的には、原作とは違った展開で予測不能だったので楽しめましたが、人によっては異なる印象を持つかもしれないと思う作品でした。(男性 40代)
前半を視聴したので当然後編も視聴。
尺の関係で原作のエピソードをくまなく網羅するのは無理なことは分かっていたが、取捨選択が秀逸。原作の『ヨツバキラ編』は、映画に下手に詰め込むより簡略化したのは英断だと思う。お陰で物語がぎゅっと引き締まって映画として見やすくなった。
演技面で言えば、藤原竜也の記憶を失った夜神月と記憶を取り戻した夜神月の演じ分けが秀逸で鳥肌が立った。それに原作のキャラクターとは完全に一致しているとは言えないのだが、鹿賀丈史の演技力と存在感で夜神月の父親夜神総一郎役としての説得力を観客に与えるのは、流石としか言いようがない。(男性 30代)
原作漫画から絶対的な月推しなので、欲を言えばもっと月の天才っぷりを見せて欲しかった気がしますが、月とLの頭脳戦は流石だなと感じました。
もし自分がデスノートを手にしても、月のように死神まで利用して、ノートの力を最大限に使うことなんてできないだろうなと、リアルとファンタジーのちょうど良い部分を攻めてくる今作の世界観に浸ってしまいました。
月推しとしては、もっと彼の姿を見ていたかったし、もっと面白い展開を繰り広げて欲しかったのですが、Lと月どちらも命を落とすという終わり方はとても良かったと思います。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
私は、頭悩戦を繰り広げるキラこと夜神月と、謎の名探偵Lの物語がとっても面白くていい映画だと思います。
自分がデスノートを手にいれたら誰の名前を書こう。などと考える輩は多いだろう。デスノートを使った者は天国にも地獄にも行けずに無をさまようというくだりもまぁ良しとして、そのような子供的な発想を若年層向けの映画で啓蒙することも、別の場所でやるべきことのような気がする。やはりそこは漫画という世界の中であるべき姿であり、映画として実写かしてしまうと荒さが目立つ。漫画という虚構の世界は虚構のまま閉じ込めておくべきではないだろうか。藤原竜也や松山ケンイチの演技どうこうはさておき、やはり制作側の意図というか映画に対する姿勢みたいなものが希薄であり、「ブーム」という仕組みを作り、受ければ何でも正当化できるというものが見え隠れし、業界臭さが鼻について仕方がない。