映画『トラック野郎 故郷特急便』の概要:1979年12月公開の日本映画。菅原文太主演で贈るトラック野郎シリーズの第10作品目である。桃次郎とジョナサンのコンビが土佐路を舞台に走り回る。
映画『トラック野郎 故郷特急便』 作品情報
- 製作年:1979年
- 上映時間:110分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:鈴木則文
- キャスト:菅原文太、愛川欽也、春川ますみ、森下愛子 etc
映画『トラック野郎 故郷特急便』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★★☆☆
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映画『トラック野郎 故郷特急便』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『トラック野郎 故郷特急便』のあらすじを紹介します。
今度の舞台は高知。
カーフェリーで高知に向かった桃次郎(菅原文太)とジョナサン(愛川欽也)は同じ船で偶然乗り合わせた演歌歌手小野川由香(石川さゆり)と知り合いになる。
高知で運転していたジョナサンは脳血栓の疑いで病院へ。
病気を苦にしたジョナサンは自殺を図るがドライブインの店員・風美子に助けられる。
彼女を送り届けた桃次郎は、病で寝込んでいる彼女の母の姿を目にする。
風美子の隣には垣内清馬という老人が住んでおり、彼には6年前に行方不明になったままの竜次(原田大二郎)という息子がいた。
清馬は息子の帰りを待ち続け、行く行くは風美子を嫁に迎えたいと考えていた。
ある時、土佐県を助手席に乗せたトラック野郎の竜次に出会った桃次郎は清馬のところへ知らせに行く。
しかしそこで風美子の母が危篤であることを知った。
「南国土佐」を聞かせてあげたいと切望する風美子に桃次郎は船であった演歌歌手・由香のことを思い出しキャバレーに呼びに行く。
そして臨終の前に聴かせることができたのだ。
清馬の家では6年ぶりに戻った竜次と風美子が幸せそうにしていた。
それを目の当たりにした桃次郎は由香にプロポーズ。
歌手を諦めて結婚するという由香を演歌歌手にするため無理やり船に乗せ、トラックは新しい旅路へとスタートするのであった。
映画『トラック野郎 故郷特急便』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『トラック野郎 故郷特急便』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
昭和に名を残す名作シリーズ
今では考え難いがこの時代、シリーズのお約束ドラマが人気であった。
ふうてんの寅さん始め、トラック野郎は代表格である。
中でも男らしい菅原文太は男性に人気があり、その地位を不動のものにした。
第10作目は記念作品であり、最終作品であるという特別なもの。
石川さゆりと森下愛子で贈るダブルマドンナとのやり取りが絶妙であり、最大の魅力となっている。
憎い演出のラストシーンが印象的
プロポーズする桃次郎の言葉をうける由香であったのに、演歌歌手の夢を諦めさせたくないばかりに無理やり船に乗せるという粋な演出。
良い意味で何とも昭和臭さが残り、大衆娯楽作品のエンディングを思わせる。
しかしここでマドンナと結ばれないのがまた良いところ。
これが男の生き様なのであると思い知らされることになった。
キャストが豪華で見ごたえあり
石川さゆりが地方巡業の演歌歌手であるという役柄が面白いのである。
特に風美子の母に南国土佐を聴かせるシーンでは、さすが本職。
石川さゆりの歌唱力の高さが最高である。
ハチャメチャなトラック野郎がいい味出していているのが人気の秘密
とにかく強引なのが桃次郎の良いところ。
勝手に送っていった風美子の家にあがりこんだり、船で知り合った由香に急に南国土佐と歌ってくれとキャバレーに乗り込んで無理やり連れ出したりと全体的にドタバタ劇がこのシリーズの見所である。
しかしこれが無いとトラック野郎では無い。
このシーンがあるからこそ、後半に持ってきた親子の愛情の再確認のシーンが映えているのである。
人情や家族愛を大事なところに入れることで、ただのバタバタしている野郎映画では無くきちんとした物語性を持たせているところが昭和映画の良いところである。
映画『トラック野郎 故郷特急便』 まとめ
若い世代は菅原文太というと人情味溢れた格好いいお爺ちゃんというイメージの人が多いのではないだろうか。
この菅原文太の渋さは誰にも代わりがいないというのがポイント。
独特な寡黙な雰囲気で少々怖そうな風格の俳優が、くしゃっと笑うシーンなは女性のハートを鷲掴みである。
それでも男性に人気があるというのは素晴らしい。
昭和の時代には名作と呼ばれる素晴らしい作品がたくさんあり、現代でも伝説化しているものが多くある。
今見るとやはり映像の古さと技術の甘さが目立つ作品も多いが、昭和のレトロだと思えばそれさえ魅力的に感じる。
映画が俳優を育てているのか、その俳優が出ているからその映画が人気なのかわかないが、今見ても新鮮な感じがするのはそれが日本映画の長所であることは間違いない。
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