映画『さよならゲーム』の概要:毎シーズン気に入った野球選手を公私共に世話をするのが、人生の楽しみであるヒロイン。彼女が今シーズンで選んだ選手は新人ピッチャーだったが、彼のために雇われたベテランキャッチャーに強く惹かれてしまうのだった。
映画『さよならゲーム』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ロン・シェルトン
キャスト:ケヴィン・コスナー、スーザン・サランドン、ティム・ロビンス、トレイ・ウィルソン etc
映画『さよならゲーム』の登場人物(キャスト)
- クラッシュ・デイビス(ケビン・コスナー)
- 元マイナーリーグの野球選手で、優秀な成績を収めている。一時的にメジャーへ上がったことがある。試合の流れをよく読み心理戦に長け、自身も打率はかなり高く優秀。ダーラム・ブルズではキャッチャー。アニーに一目惚れする。
- アニー・サヴォイ(スーザン・サランドン)
- 中学校の非常勤講師をしている。野球信者で非常に賢く試合の流れを読み、選手のくせなどを即座に見抜く。気に入った選手を1シーズンごとに囲って育て、メジャーへ送り出そうとしている。一目見た時からクラッシュに惹かれている。
- エビー・カルヴィン・ラルーシュ(ティム・ロビンス)
- 良い腕を持っているが、コントロールができない新人ピッチャー。頭が悪く遊ぶことばかりを考えている。クラッシュに反発してばかりいたが、考えを改め指示に従うようになる。
- ジョー・リギンス(トレイ・ウィルソン)
- ダーラム・ブルズの監督でクラッシュとは旧知の仲。元マイナーリーグの野球選手だった。クラッシュの才能を見抜き、来季監督へ推薦してくれる。
映画『さよならゲーム』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『さよならゲーム』のあらすじ【起】
マイナーリーグの球団ダーラム・ブルズに剛球を投げる大型新人エビー・カルヴィン・ラルーシュが入団。彼の投球スピードはかなりのものだったが、いかんせんコントロールができなかった。おまけに頭も弱く、考えることは女と遊ぶことばかり。監督のジョー・リギンスはエビーの腕を上げるため、旧友であるクラッシュ・デイビスを呼び出し、エビーの投球コントロールのコーチ兼キャッチャーとして入団の勧誘をする。
クラッシュはその昔、マイナーリーグでは素晴らしい野球選手だったが、現在はデパートで働いており野球から離れた生活を送っていた。旧友のジョーの頼みを一度は断りかけるクラッシュだったが、野球から離れることができず、入団することにする。
その夜、球団選手行きつけのレストランへ行ったクラッシュ。彼はそこで美しい女性アニー・サヴォイと出会う。彼女は野球信者で1シーズンごとに気に入った野球選手を抱え込み、選手に教養やアドバイスを授け育てることを人生の楽しみにしていた。
出会った瞬間から、互いに好意を抱いていたクラッシュとアニーだったが、彼女の申し出を断るクラッシュ。
そのことを残念に思うアニーだったが、今シーズンはエビーをターゲットにし、彼の教育をスタートさせるのであった。
互いに惹かれ合ってはいるものの、率直的なクラッシュに対し一筋縄ではいかないアニー。
彼女は若い選手を囲って安らぎを得るが、恋に落ちることはない。1シーズンごとにかりそめの時間を得ているだけ。クラッシュは彼女に対し、本当の愛を知らないからだと言うのだった。
映画『さよならゲーム』のあらすじ【承】
試合はタイトに行われる。知識はあるし要領も分かっていたが、クラッシュには野球から離れていた時間があり、なかなか昔の勘を取り戻せずにいた。
その上、アニーが選んだのは自分だとエビーがわざわざ突っかかってくる。言うことを聞かないエビーに腹を立てたクラッシュは、試合中に敵バッターへ次に何の投球を教えわざと打たせた。すると、そのことで肩を落としたエビー。クラッシュの言う通りの球を投げる。バッターは読み通りに空振りするのだった。
試合を重ねるごとにクラッシュの勘が戻る。それに伴い、ジョーまでもが彼にアドバイスを求めるようになる。
遠征試合のため、各地へと向かうことになったダーラム・ブルズだったが、エビーの調子が落ち始め試合に連敗してしまう。エビーはバッターを気にしすぎて打たれてばかり。おまけにカーブもスライダーもまともに投げることができない。メジャーでも通用する腕を持っているのに、宝の持ち腐れをしている。彼は自分が投げる球に自信を持ち過ぎて、今のままでもメジャーで通用すると勘違いしていた。だが、メジャーは思っているよりも、厳しい世界なのである。
連日試合の過密スケジュールであった遠征試合も終わり、ようやく帰宅した球団選手達。アニーはエビーを迎えて話を聞くなり、休む間もなく投球の練習をすると言うのだった。
彼女はエビーに下着のガーターを渡し、試合中に着用して投球をしてみろと言う。ガーターを着けると思考のバランスが良くなるので、コントロールができるようになるらしい。更にアニーはクラッシュの指示通りに投げろとアドバイス。
映画『さよならゲーム』のあらすじ【転】
エビーは素直になって彼女の言う通りにし、そのことをクラッシュにも話した。すると彼は、アニーは賢いし野球選手のことを良く見ているからと言う。
そうして試合へ臨み、出だしは順調。エビーも調子を上げてきた。コントロールも大分できるようになっている。
だが、試合も終盤に入り勝利を目前にした時、エビーが弱気になってしまいクラッシュの指示を拒否。相手に球を打たれてしまう。クラッシュに逆らえば、試合に負ける。ようやく、認識したエビー。とうとうクラッシュの指示に忠実となった。
すると、試合には連戦連勝を収める。
試合に勝ち始めた選手達は野球を楽しみ始め、試合も大リーグ並みの豪快さを見せ始める。アニーの見立てでは、いよいよ次の試合で首位タイに上り詰めるだろう。
エビーは性欲を試合のエネルギーにしており、アニーとはしばらく肉体関係を絶っていた。彼は試合にも勝っているし、アニーも欲求不満が溜まっているため、そろそろ性欲の解消をしようと考えるも、クラッシュには止められる。
そのせいでアニーは激怒。欲求不満が溜まりに溜まった彼女は、クラッシュの元へ文句を言いに向かった。
すると、彼は連勝の波などそうくるものではないし、選手にとって思い込みやジンクスは大事なものだと言う。その言葉に反論できなくなるアニー。彼女は本当であれば、クラッシュを欲しがっていたが、彼は誘いを断っている。アニーは放っておかれることに、寂しさを感じていたのだった。
映画『さよならゲーム』の結末・ラスト(ネタバレ)
その夜の試合は散々で、エビーは父親が観戦に来たせいで調子が上がらず、選手達は試合とは別のことが気になっている。クラッシュは昼間のアニーとのことで苛立っており、審判と揉めて退場になってしまう。要のクラッシュが抜けたせいでその後のブルズは、ミスプレーの連発をして試合に敗北。連勝は止まってしまった。
試合終了後、アニーはクラッシュが訪ねて来るかもしれないと期待していたが、訪ねて来たのは父親を伴ったエビーだった。がっかりしたアニーだったがそこへ、電話にてエビーがメジャーへ上がるという知らせが入る。彼女は彼を快く送り出し、別れを告げた。
エビーは喜び勇んでクラッシュにも報告。しかし彼はその夜、虫の居所が悪かったようで喧嘩沙汰になる。
翌日、クラッシュは荷造りをするエビーの元を訪れ、メジャーでの切り抜け方を説き激励して送り出すのであった。
その後、エビーも抜けたので、お役御免となってしまったクラッシュ。ブルズでは若くて有能なキャッチャーを新たに入団させることになり、ジョーからは来季監督に推薦したと告げられる。クラッシュは進退に関してしばらく悩んだ末、アニーの元を訪れる。
2人はようやく思いを遂げ、一晩中抱き合った。
しかし翌朝、クラッシュは南大西洋リーグに選手の空きがあるとのことで、アニーの元を去ってしまう。彼女はそれに腹を立てることも嘆くこともしなかった。現役を続けることが彼の望みだったからだ。
しばらく後、雨の日だった。帰宅したアニーの前にクラッシュが現れる。マイナーリーグでの本安打記録を達成したら、すっきりしたので現役を引退したと言う。来季から監督の話がきているので、メジャーを目指したいと話す。アニーは彼の考えに賛同し、クラッシュとの幸せな時間を満喫するのだった。
映画『さよならゲーム』の感想・評価・レビュー
恋愛モノだと思って鑑賞した私にはかなり中途半端な内容で、期待外れの作品でした。個人的に、野球に全く興味が無く、ルールもよく分からないので余計に分かりづらかったのかも知れませんが、感情移入出来るようなストーリーでも無く、モヤモヤしているうちに終わってしまった印象です。
「勝利の女神」なんて言葉がありますが、女神はきっと自分たちの心の強さなのだと思いました。マネージャーが可愛いと頑張れる高校球児の気持ちが少し分かった気がします。(女性 30代)
もっと野球に寄った恋愛映画かと想像していたが、予想外に恋愛寄りの映画だった。まず、ケビン・コスナーが入団する野球チームがポンコツどころではない。そこにきてヒロインの1シーズンだけ選手を様々な方面から支持して育成するという、悪く言うとアバズレ風。この状況でのケビン・コスナーの硬派な態度がとても引き立つ。しかも、ヒロインにフラれているのに彼女の良い面を褒めるという神対応。2人の恋愛の駆け引きが野球の試合に伴って変化していく。そういったポイントを踏まえた上で観るとがっかりしないかも。(女性 40代)
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