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映画『危険な遊び(1993)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『危険な遊び(1993)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『危険な遊び(1993)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『危険な遊び(1993)』の結末までのストーリー
  • 『危険な遊び(1993)』を見た感想・レビュー
  • 『危険な遊び(1993)』を見た人におすすめの映画5選

映画『危険な遊び』の作品情報

危険な遊び

製作年:1993年
上映時間:87分
ジャンル:サスペンス
監督:ジョセフ・ルーベン
キャスト:マコーレー・カルキン、イライジャ・ウッド、ウェンディ・クルーソン、デヴィッド・モース etc

映画『危険な遊び』の登場人物(キャスト)

ヘンリー・エヴァンス(マコーレー・カルキン)
マークの従兄弟。一見、普通の男の子だが、家族でさえ知らない恐ろしい裏の顔を持つ。弟の死に関係している。
マーク・エヴァンス(イライジャ・ウッド)
母親を亡くし、ショックから立ち直れずにいる。従兄弟のヘンリーと仲良くなるが、彼の異常な行動に、次第に恐怖を募らせていく。
スーザン・エヴァンス(ウェンディ・クルーソン)
ヘンリーの母親。母親を亡くしたマークを優しく励ます。次男を事故で亡くしたことから、現在も立ち直ることができずにいる。
ウォレス・エヴァンス(ダニエル・ヒュー・ケリー)
ヘンリーの父親。マークにとって優しい叔父であったが、ヘンリーの巧みな演技に騙され、マークを異常だと思うようになる。
ジャック・エヴァンス(デヴィッド・モース)
マークの父親。母親の死を受け入れられずにいる息子を心配している。仕事の都合で2週間マークを弟宅に預ける。
コニー・エヴァンス(クイン・カルキン)
ヘンリーの妹。まだ幼く、兄の本性に気づいていないが、命を狙われることになる。

映画『危険な遊び』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『危険な遊び(1993)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『危険な遊び』のあらすじ【起】

まだ幼い少年マークは、母親の死を受け入れられずにいた。母親が生きていた頃、病院のベッドで、「ママを死なせたりしない」と約束したことを守れなかったからだ。母親が死んでも、姿を変えて戻って来てくれると信じている。

父親もそんなマークを心配している。だが、仕事の都合で出張が決まり、マークを2週間弟宅に預けることになる。

まだ雪が残るメイン州の田舎街。弟宅には、従兄弟のヘンリーと、その妹のコニー、そして優しい両親がいた。実は、コニーの下にもう一人息子がいたが、風呂場の事故で亡くなっていた。母親のスーザンは、未だにその事で苦しみ、毎日のように家の近くの岬に立って、亡くなった息子のことを想うのだった。

ヘンリーは、わんぱくな少年で、自然に囲まれた近所を、自分の庭のようにして、駆け回って遊んでいた。マークはすぐに彼と仲良くなり、二人は木に登ったり、寂れた工場に忍び込んでガラスを割ったり、少年らしいスリルを楽しんでいた。

映画『危険な遊び』のあらすじ【承】

母の死後、笑うこともなかったマークだったが、ヘンリーのおかげで笑顔が戻る。ヘンリーは、仲良くなったマークを、秘密の遊び場所である小屋に案内するのだった。

彼はそこで、自家製の銃を見せ、試し打ちをしようと言い出す。ヘンリーのボルトの銃弾は、見事木に命中。楽しげに興奮するマーク。だが、ヘンリーが本当に標的にしていたのは、木ではなく、近くにいた猫だった。

マークは、近所に住むセラピストの女性宅で、セラピーを受ける。母の事を思い、「ある人を死なせてしまった」と言うマーク。母との約束を守れなかったことに、まだ責任を感じていた。その夜、目覚めたマークは母親の幻影を見る。追いかけるとそれはスーザンだったが、マークは母親がスーザンの姿を借りて戻ってきたと信じるのだった。優しくマークを抱きしめるスーザン。だが、そんな二人の姿を、影からヘンリーが冷ややかな目で見ていた。

翌日、また自家製銃を持ち出し遊ぶ二人。近所の猛犬に銃を向けたヘンリーを、初めは遊びのつもりで見ていたマークは、彼が本気で犬に命中させようとしているのを知り、必死で止める。だが、ボルトは犬に命中し、犬は死んでしまうのだった。

二人は死んだ犬を井戸に放り投げ捨て、証拠を隠滅する。「驚かすつもりだった」と弁解するヘンリー。だが、全くショックを受けていない様子のヘンリーに、マークは初めて恐れを抱くのだった。

ヘンリーにまたしても小屋に誘われ、仕方なく付いて行ったマーク。そこにあったのは、「ミスター・ハイウェイ」という名をつけられた、大人サイズの人形だった。

「一生忘れないすごいことをさせてやるよ」と言うヘンリー。疑心暗鬼になりながらも、マークはヘンリーの言いなりになっていた。二人は人形を担いで歩き、山中の道路にかかる橋の上に辿り着く。ヘンリーから人形を橋の手すりに乗せようと言われ、素直に従うマーク。だが次の瞬間、ヘンリーは人形を橋から突き落とし、そのせいで下を通る何台もの車が、玉付き事故に合うのだった。

その場から逃げる二人。「なんてことをするんだ!」とマークは怒りを表す。だが、ヘンリーから共犯扱いされるのだった。人が死んだかもしれないと怯えるマーク。そんなマークに「楽しみ方を知らないんだな」と無表情で返すヘンリーだった。

映画『危険な遊び』のあらすじ【転】

ヘンリーの異常さを確信したマーク。彼の両親に打ち明けようとするが、ヘンリーから反対に罪を着せられそうになり、怯えてしまう。そしてヘンリーは、次は妹のコニーに、何かしらの危害を加えることを、ほのめかすのだった。マークは、コニーをヘンリーから守ろうとする。母を死から守れなかったマークは、もう同じ過ちを繰り返したくなかった。

コニーから目を離さないように気をつけていたマークだが、朝起きるとヘンリーとコニーはスケートに出かけていた。凍った池の上で遊ぶ二人。そこは安全な場所であったが、ヘンリーはコニーの手を引き、スピードを加速させ、氷の薄い危険な場所の近くで、突然手を離したのだった。氷は割れ、コニーはそのまま池に沈んでいく。だがコニーは大人たちによって、奇跡的に助けられた。

マークは、スーザンに今回のことはただの事故ではなく、ヘンリーが関係していると打ち明けるが信じてもらえない。だが、スーザンの心に、息子を疑う気持ちが微かによぎるのだった。

マークは出張中の父親に、電話で全てを話す。父親は、セラピストのところへ行き、すぐにそのことを話すように指示する。だが、ヘンリーが先回りし、言葉巧みな嘘でセラピストまでも信じてさせていた。

ヘンリーが、冷蔵庫の中の物に毒を入れたとほのめかしたことで、マークは狂ったように冷蔵庫の中のものを捨てる。そのせいでヘンリーの父ウォレスは、母親の死でマークの気がおかしくなったと勘違いする。だが、マークは必死に家族をヘンリーから守ろうとしていた。

その頃、スーザンの心には、息子に対する疑惑が少しずつ膨らんでいた。ヘンリーの小屋を訪れたスーザン。そして、たくさんのおもちゃや道具の中に、亡くなった息子のおもちゃを見つける。

そこへ入ってきたヘンリー。ずっとそのおもちゃを探していたスーザンは、ヘンリーがなぜこれを持っていたのかと尋ねる。ヘンリーは曖昧に返事をするが、母親がおもちゃを渡さないことに腹を立てると、「僕の物だ」と癇癪を起こし、おもちゃを奪って走り去るのだった。

おもちゃは亡くなった息子が死んだ際、風呂場にあったはずだった。ヘンリーは弟の死に、何か関係しているのではないか。スーザンの中で疑惑が一気に大きくなる。

映画『危険な遊び』の結末・ラスト(ネタバレ)

マークが部屋に入ると、ヘンリーが泣いていた。訳を聞くと、「母親の葬式で泣くための練習だ」と言う。マークは、彼が自分の母親さえも殺そうとしていることを知り、怒りで彼を襲ってしまう。そして、止めに入った叔父のウォレスに、部屋に閉じ込められてしまうのだった。

閉じ込められた窓から、ヘンリーとスーザンが山の方に歩いて行くのを見て、必死に叫ぶマーク。だが、声はスーザンには届かなかった。マークは窓から這い出ようとするがウォレスが止めに入る。それを必死に振り払い、二人の後を追うのだった。

スーザンは、ヘンリーに弟の死について、正直に話すように言う。彼は殺したことを認めた。ショックを受けるスーザンを置いて、ヘンリーはその場から逃げる。追いかけるスーザン。だが、崖の先まで来たスーザンを隠れていたヘンリーが突き飛ばし、スーザンは落とされてしまう。途中の木に引っかかり、助けを求めるが、ヘンリーは母親めがけて岩を落とそうとする。

だが、そこにマークが現れそれを阻止するのだった。ヘンリーともみ合いになるマーク。その間になんとか這い上がって来たスーザン。だが、もみ合っていた二人が今度は崖から落ち、同時にスーザンが左右の手それぞれで、ヘンリーとマークを捕まえるのだった。

どちらか一人しか助けられない状況で、泣きながら必死に二人を掴むスーザン。そんな母親にヘンリーは、「両手で僕を助けて」と訴えてくる。だが、マークの手が滑り落ちそうになった瞬間、スーザンはヘンリーの手を離し、マークを助けたのだった。

それは一瞬の決断だったのだが、スーザンはマークを選んだ。だが、もう一度同じ状況で、自分は助かったのだろうか。マークは家に戻り、一人自問するのだった。

映画『危険な遊び』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

本作は、大人には分かり得ない子どもの世界の残酷さを描いていて、その内容から『エスター』を連想させる。
『ホーム・アローン』の可愛げのある役の印象が強いマコーレー・カルキンだが、本作ではサイコパスキッズを怪演しており、こんなに怖い表情をするのかとそのギャップに驚いきを隠せない。
ヘンリーは母親から弟を殺したことを問われ、しまいには母親までも殺そうとする容赦なき姿に恐怖を感じた。
ラストも酷な雰囲気で、鬱蒼とした重く余韻の残る作品だ。(女性 20代)


『ホーム・アローン』のイメージが強く、可愛らしいやんちゃな男の子という印象だったマコーレ・カルキンですが、今作で彼が演じたのは人を殺すことに何も思わない「サイコパス」な少年でした。
可愛らしい見た目に、子供らしい行動は全て「表の顔」。その表の顔と大人をも簡単に「騙す」話術で従兄弟のマークを貶めていく様子は、恐怖を感じると同時にすごい子供だと感心してしまうほどでした。
ラストの展開も衝撃的で、それが正しい行動だったのかは分かりませんが、このまま彼の常軌を逸した行動が続いていたらと考えるとゾッとします。(女性 30代)


サイコパスな子どもが何をしでかすかわからないという恐怖がひしひしと伝わってきました。ヘンリーの笑顔の裏にある狂気に気づくマークとの対比もよくできていて、心理サスペンスとして楽しめました。ラストの母の決断があまりにも重く、観終わってもしばらく引きずりました。(40代 男性)


子どもが“悪”として描かれる映画は珍しく、その描写のリアリティに鳥肌が立ちました。最初は無邪気な遊びに見えた行動が、徐々に狂気に染まっていく過程に緊張が続きました。特にラスト、崖でどちらの手を放すかという選択には、母親の視点で涙が止まりませんでした。(20代 女性)


観ていて本当に心が休まらない映画でした。ヘンリーの行動は次第にエスカレートし、マークの苦悩もどんどん深くなる。身近な家族が突然モンスターになる恐怖。演出が控えめな分、余計にリアリティを感じました。親子、信頼、選択――テーマが重くて心に残ります。(30代 男性)


ヘンリーの残酷さがどんどん明らかになっていく様子に、ただただゾッとしました。特に弟をお風呂で溺れさせようとしたシーンは恐ろしく、もう子どもとは思えない狂気がそこにありました。母親の苦悩も伝わってきて、最後の選択が本当に辛かったです。(40代 女性)


音楽や演出が派手ではないからこそ、静かに忍び寄る恐怖がより際立っていました。無邪気なフリをしながら破壊的な行動を取るヘンリーの姿に、観ているこちらまで神経を削られます。母の「息子」を信じたい気持ちと「もうひとりの子」を守りたい想い、その狭間が胸に刺さりました。(50代 男性)


何が本当で、誰を信じるべきかを突きつけてくるストーリー構成が秀逸でした。ヘンリーの異常性が周囲に信じてもらえないところが、観ていてとにかくもどかしかった。マークの孤独や恐怖が伝わってきて、自分も彼の立場だったらと思わず考えてしまいました。(20代 女性)


“良い子”の皮をかぶったヘンリーが、実は冷酷な悪意の塊だったという設定が斬新でインパクトがありました。最初は疑いの目で見ていたマークの視点が、だんだんと真実へと近づいていく展開にハラハラしっぱなし。サスペンス好きにはたまらない作品でした。(30代 男性)


最終的に母親が“実の息子の手を離す”という選択をする衝撃のラスト。ヘンリーの狂気がそれだけの決断をさせるほどだったということを考えると、ただのスリラーでは済まされない重みがあります。90年代の名作スリラーとして語り継がれるべき作品だと思いました。(40代 男性)

映画『危険な遊び』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『危険な遊び』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

エスター(原題:Orphan)

この映画を一言で表すと?

“可愛い”はずの少女の裏に潜む、恐るべき正体とは――!?

どんな話?

流産の悲しみから養子を迎えることにした一家。しかし現れた少女・エスターは、無邪気な笑顔の裏で次第に異常な言動を見せ始める。やがて家族は恐ろしい真実に直面することに…。

ここがおすすめ!

『危険な遊び』のように、“子ども=無垢”というイメージを巧みに裏切る衝撃作。サスペンスとホラーの中間に位置する完成度の高い脚本と、少女の怪演が見どころです。

ザ・ボーイ~人形少年の館~

この映画を一言で表すと?

この子は絶対に“普通”じゃない。静寂の中に潜む狂気!

どんな話?

ベビーシッターとして英国の古い屋敷に雇われた女性。彼女の“子守り”対象は、なんと人形の少年「ブラームス」。奇妙なルールと不可解な出来事が次々と起こり始める――。

ここがおすすめ!

『危険な遊び』に通じる“見えない狂気”と“子どもへの違和感”を巧みに描いた作品。サイコスリラーとゴシックホラーが交差する不気味な世界観に引き込まれます。

マロニエの少女(原題:The Other)

この映画を一言で表すと?

可愛らしい双子に潜むのは、天使か、悪魔か――。

どんな話?

1930年代のアメリカ農村。双子の兄弟の周囲で不穏な事件が続発する。やがて語られない“秘密”が、家族を恐怖と混乱に引きずり込んでいく。静かなる恐怖がじわじわと忍び寄る。

ここがおすすめ!

演出の上品さと、心理的な恐怖演出が絶妙。『危険な遊び』同様、子ども特有の無垢さと残酷さのギャップが最大の武器。クラシカルなスリラーの名作として高く評価されています。

ミスティック・リバー

この映画を一言で表すと?

過去の“あの事件”が、友情と家族を引き裂いていく。

どんな話?

幼い頃の誘拐事件が心に傷を残した3人の男たち。20年後、再び起こった事件をきっかけに、彼らの友情と正義が試されることになる。感情が濃密に絡み合う人間ドラマサスペンス。

ここがおすすめ!

『危険な遊び』のように“子ども時代の出来事がその後の人生を歪めていく”という重厚なテーマを持つ本作。ショーン・ペンの迫真の演技も大きな見どころです。

わらの犬(原題:Straw Dogs)

この映画を一言で表すと?

抑え込んだ暴力が一気に噴き出す、静かなる狂気の心理劇!

どんな話?

田舎町に越してきたインテリ夫婦が、周囲の住人たちとの緊張関係の中で少しずつ追い詰められていく。そして、ある事件をきっかけに、夫は“本性”をむき出しにしていく。

ここがおすすめ!

子どもではないけれど、狂気や倫理崩壊の描写が『危険な遊び』に通じるスリリングさ。サイコロジカルな緊張感をじわじわと高める“心が壊れる瞬間”の描写が絶品です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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