映画『妖怪大戦争(2005)』の概要:2005年に公開された三池崇史監督作品、主演は神木龍之介。1968年公開「妖怪大作戦」のリメイク版。お祭りで”麒麟送氏”に選ばれたひ弱な都会っ子タダシが、妖怪たちの戦いに巻き込まれる。
映画『妖怪大戦争』 作品情報
- 製作年:2005年
- 上映時間:124分
- ジャンル:ホラー、ファンタジー
- 監督:三池崇史
- キャスト:神木隆之介、宮迫博之、南果歩、成海璃子 etc
映画『妖怪大戦争』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
映画『妖怪大戦争』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『妖怪大戦争(2005)』のあらすじを紹介します。
両親が離婚して、母親の実家で痴呆気味の祖父と3人で暮らすタダシは、都会育ちで鳥取の暮らしになじめず、同級生には”泣き虫タダシ”とからかわれる毎日。
夏休み前のお祭りで麒麟送子に選ばれたタダシは、同級生にはやし立てられ、天狗が住むと言われる山に登る。
そこで恐ろしい体験をするが、怪我をした猫のような姿のスネコスリという妖怪を拾う。
祖父が行方不明になり天狗の山へ向かった、という猩猩が使う幻を見たタダシは、恐ろしい思いをした山へ再び足を踏み入れる。
そこで川姫や河童の川太郎、猩猩といった妖怪たちと出会い、麒麟送子の剣を抜くことに。
だが突然現れたアギという妖怪によって大天狗とスネコスリはさらわれ、タダシは魔人、加藤保憲が率いる大怨霊ヨモツモノたちと戦う事になる。
麒麟送子の剣が折れてしまい、一本ダタラという刀鍛冶の妖怪に剣を直してもらおうとするが、一本ダタラも捕らわれていた。
妖怪たちも嫌がる中、姉のいる東京へ向かったヨモツモノと加藤保憲を追うタダシ。
一本ダタラに刀を直してもらい、ヨモツモノの力で悪霊になった妖怪に立ち向かうタダシの目に映ったのは、戦いをお祭りと勘違いした日本中の妖怪たち。
騒ぎに乗じて加藤保憲とアギを倒しに向かうタダシだったが、2人の前には意外な妖怪が現れる。
強すぎる加藤に歯が立たないタダシだったが、勘違いされ連れてこられた小豆荒いによって、戦いは意外な方向へ。
そして時は流れ、タダシは妖怪が見えない大人になった。
映画『妖怪大戦争』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『妖怪大戦争(2005)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
製作サイドも出演者も有名人だらけ
「ゲゲゲの鬼太郎」の生みの親、水木しげるを始めとして、ホラー作家の京極夏彦、宮部みゆき、それから荒俣宏がプロデュースチーム「怪」として携わっている作品。
妖怪好きで有名な著名人が集まったことで、妖怪の数や設定に関してのクオリティが高い作品だ。
水木しげるが妖怪大翁として出演し、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきも出演している。
他にも、主題歌を手がけた忌野清四朗がぬらりひょん役など、たくさんのタレント、俳優、芸人が出演していて探すのが面白い。
そんな中で製作当時、タダシと同年代の子役だった神木龍之介の演技も光っている。
ナインティナインの岡村隆演じる小豆洗いは、小豆をこぼしたばかりに無理やり連れて来られるなど、さりげない笑いを誘う。
最後はその小豆の一粒が、加藤保憲と一緒にヨモツモノ製造機の中に入り、結果は彼を倒す役割になっている。
ぬりかべと一反木綿に対して「鬼太郎ばかりに良い顔をしている」と、河童の川太郎に言及されるシーンもあり、これも笑いを誘う設定になっている。
だが、スネコスリがどう見てもぬいぐるみにしか見えず、そこだけクオリティが低い。
恐いけれど懐かしい妖怪と人間のストーリー
「真っ白な嘘をついた」という印象的な神木龍之介の台詞で始まり、ラストで「他人のためにつくのが真っ白な嘘、自分のためにつくのが真っ赤な嘘、それが大人になること」と締めくくられる。
最後は大切な友達スネコスリの姿も見えなくなった大人のタダシが登場し、どこかさみしい雰囲気が醸し出されている。
また、物を大切にする事の大切さを妖怪が教える場面もあり、当たり前のことを考えさせられるストーリー。
麒麟送子のタダシと加藤保憲が戦うと思いきや、まるでギャグのような終わり方をするなど、路線が変わりやすい作品でもある。
アギと加藤の関係も謎のまま終わり、どこか腑に落ちない部分も見受けられる。
映画『妖怪大戦争』 まとめ
夏休みには必ず見たくなるような映画のひとつで、おどろおどろしいけれど人間くさい妖怪と出会い、都会育ちで周囲に馴染めない子供がひと夏の冒険を通して成長するストーリー。
製作陣とキャストの名前には、「すごい」の一言。
”ゲゲゲの鬼太郎”で有名な水木しげるをはじめとした、妖怪好きが集まってプロデュースしたこともあり、その数とクオリティの高さには目を剥く。
水木しげるの作ったキャラクター「鬼太郎」に言及するシーンや、荒俣宏の作品に登場する大魔人「加藤保憲」が出演しているのも興味深い。
こぼれた小豆を必死に拾い続ける小豆洗いだが、加藤がヨモツモノ製造マシーンに入った時、再びこぼれた小豆も一緒にマシーンに入ってしまう場面、その時の加藤保憲役の豊川悦司の表情は、何度見ても笑ってしまう。
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