この記事では、映画『アンドロメディア』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『アンドロメディア』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『アンドロメディア』の作品情報
上映時間:109分
ジャンル:SF、ファンタジー、ラブストーリー
監督:三池崇史
キャスト:島袋寛子、上原多香子、今井絵理子、新垣仁絵 etc
映画『アンドロメディア』の登場人物(キャスト)
- 人見舞 / AI(島袋寛子)
- ごく普通の高校一年生。トラックに轢かれ死んでしまうが、父親の人見俊彦により、その記憶をパソコン内にインストールされ、AI(あい)としてバーチャルな存在となる。
- ユウ(原田健二)
- 舞の幼馴染み。高校生になり、お互いの気持ちを伝えあうことができ、毎年訪れる海辺の桜の木の下で、舞と初めてのキスをする。パソコン上のAIに対しても恋心を抱く。
- 洋子(今井絵理子)
- 舞の友人。中学の頃から舞、リカと一緒に遊んでいたが、高校生になりお互いに少し距離感が出てきている。捕らわれたリカを助けるため、AIのパソコンを差し出す。
- リカ(上原多香子)
- 舞の友人。サトシに脅され、AIの入ったパソコンをユウから奪い、彼に手渡してしまう。その後、黒澤に捕らえられてしまい、人質となってしまう。
- ナオ(新垣仁絵)
- 舞のメル友。舞の死をきっかけに、ユウ、洋子、リカと出会い、行動を共にする。普段は銭湯の番台でパソコンを使っている。
- 高中サトシ(唐渡亮)
- 舞の兄。天才的なプログラマーだが、父、人見俊彦の作ったプログラムを手に入れようと画策する。リカを脅し、AIの入ったパソコンを手に入れようとする。
- 黒澤(竹中直人)
- デジタルウェアというプログラミングの大企業の社員。人見俊彦が作ったプログラムを盗み出すように社長から指示されている。
映画『アンドロメディア』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『アンドロメディア』のあらすじ【起】
人見舞はごく普通の高校一年生で、今日も学校の帰りにカフェでリカと洋子と会うことになっていた。舞は、幼なじみのユウの自転車の後ろに乗ってカフェにやってくる。ここで待ち合わせて、みんなで桜を見に行く約束だった。
舞とユウは桜の木の下でくつろぐ。高校に入り、色んなことが少しずつ変わっていっていた。それでも、ここに咲く桜だけは変わらないと二人は思うのだった。そして、舞がユウの手をとり、二人はキスをする。二人にとってのファーストキス。しかし、その帰り道、ユウと別れた舞は、トラックに引かれ死んでしまう。
娘を失った舞の父、人見俊彦は、パソコンの中に舞のコピーであるAI(あい)を完成させる。それは、神の領域を超えてしまったことを意味していた。俊彦は脳をコピーすることで、記憶のアルバムを作るプログラムを完成させていたのだった。俊彦はAIに舞の記憶をインストールする。しかし、その様子は黒澤によって監視されているのだった。
俊彦の息子、サトシは父親のパソコンにハッキングを仕掛けるがアクセスはできない。彼もまた父の完成したプログラムに興味があるのだった。
映画『アンドロメディア』のあらすじ【承】
突然舞と死に別れてしまったユウは、学校のパソコンに「mai」と意味もなく入力し続ける。すると、偶然「開かずの間」と言うサイトにアクセスしてしまう。そのサイトを作ったのはユウの高校の先輩でもあるサトシだった。
俊彦は、パソコンの中のバーチャルな舞と静かな生活を送るつもりだった。しかし、そのプログラムを狙って、黒澤が家に侵入してくる。そして、俊彦は黒澤に銃で撃たれ死んでしまう。
危険を感じたAIのプログラムはネット駆け抜け、ユウが「開かずの間」を閲覧していたパソコン上に現れる。ユウは舞がパソコンに現れたと驚くが、AIは姿こそ舞に似ているが自分は彼女のコピーだと、自我を持ったプログラムだとユウに告白する。しかし、死の直前、あの日桜の木の下でキスをしたことは、AIの記憶にはなかった。
AIは、さらにネットを駆け抜け、舞のメル友のナオのパソコン画面に現れる。AIはデジタル世界を自由に行き来することができるのだった。そのAIを捕らえるため、黒澤の上司のザッカーはAI捕獲プログラムをネット上に発動するのだった。
映画『アンドロメディア』のあらすじ【転】
ラップトップパソコンに現れたAIを連れて、海に行くユウたち。そこへ、追っ手が迫ってくる。ユウはAIの入ったラップトップを抱え、走り逃げる。一方、デジタルの世界では、捕獲プログラムがAIに迫っていた。現実世界では、ユウが追い詰められていた。そしてユウは、ラップトップを抱えたまま崖から飛び降りる。捕獲プログラムから逃れるため、AIはパソコンにロックをかけるようにユウに言う。ロックがかけられ、AIはラップトップから自由に移動できなくなるのだった。
AIは「私は舞ではない」とユウに話す。それでもユウは、AIに一緒にいると告げるのだった。ユウは、友人のトオルたち合流する。しかし、やはり追っ手に狙われる。トオルの車で逃げるが、追い詰められ車から飛び降りる面々。飛び降りながらもユウは、AIの入ったラップトップはしっかり守るのだった。
ユウは、トオルたちの溜まり場に逃げ込む。そこにやってきたリカは、AIと二人きりで話させてほしいとユウに言う。そして、ユウが離れた隙にリカはAIの入ったラップトップをサトシに手渡すのだった。リカはサトシから脅されていたのだった。サトシを追いかけるユウ。ユウは殴られるが、舞は渡さないと抵抗する。そして、サトシが頭痛に苦しむ隙にAIを連れ、逃げ出すのだった。
映画『アンドロメディア』の結末・ラスト(ネタバレ)
ユウはAIに向かって好きだと告白する。それを聞いてAIは初めて舞になれたような気がしたと話す。そこへ、黒澤から友達を預かったと連絡がある。ユウは洋子、ナオと一緒に黒澤のところへ向かう。黒澤は、捕らえたリカと引き換えにAIの入ったパソコンを渡すように脅すのだった。洋子は、リカを助けるため、ためらうユウの手からパソコンを取り上げ、黒澤に渡す。パソコンを手にした黒澤は、巨大な装置を使い自らAIと繋がる。しかし、AIとシンクロした黒澤は涙を流し失神してしまうのだった。
AIを連れてユウは逃げる。しかし、AIはユウに、自分がいる限り誰かが追いかけてくると話す。そして、自分がいると世界を壊してしまうから、「私を眠らせて」と頼むのだった。ユウはAIを海辺の桜の木の下へと運ぶ。そこは舞とキスをした場所だった。そしてユウはパソコンを持ったまま海へ入って行く。AIは、自分のことを忘れて欲しいとユウに言い、そして「大好き」とユウに告げる。そしてAIの入ったパソコンは海に沈んで行くのだった。
映画『アンドロメディア』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
SPEEDの人気絶頂の時代を生きていた私は、この作品はVHSで何度も見たのを覚えています。監督が三池崇史だというのは改めて見て知りましたが、そう言われてみると可愛いアイドルが急にバイオレンスな過激な展開に巻き込まれていく所は、三池崇史作品を感じさせるなと思いました。
SPEEDの4人がとにかく可愛いです。基本が歌手なので演技が素晴らしいとは言えませんが、ありのままな感じが逆にリアルで共感出来ました。(女性 30代)
スピードが人気絶頂だった頃の作品、なのかなと思います。全く世代ではなく、それどころか政治の人という印象が強かったので、可愛さに驚きました。人気なメンバーを中心に映してしまうのは今も昔も変わっていませんね。アイドルなので演技はイマイチなのはしょうがないですが、アイドル映画にしては内容は挑戦的なSF映画でした。バイオレンスも入っていて、アクションも迫力があります。監督が三池さんで納得しました。(男性 20代)
前評判ほどではないと感じつつも、終盤の驚きにはやられました。未来都市アンドロメディアの美麗な映像と、主人公が自らの出生に気づいていくドラマがよくかみ合っています。ただし、真犯人が実は味方だったという展開には少し強引さも感じました。でも、その裏切りからの壮大な “覚醒” の演出には圧倒され、最後は拍手を送らざるを得ませんでした。(20代 男性)
映像美とサウンドトラックにまず心を奪われました。都市全体が無機質ながら生き物のような迫力を持っている描写には息を飲みます。主人公がAIによって創られた存在であり、やがて人間としての尊厳を取り戻す過程は切なく、涙が出ました。ラストの自己犠牲は悲劇的だけど清々しく、「人間らしさとは何か」を強烈に問いかけてくる作品です。(30代 女性)
SFとしての設定は興味深いけれど、ストーリーの整合性に少し穴があったかなという印象。とはいえ、後半のドローン戦闘シーンや主人公の覚醒シーンは見応え十分です。AIが暴走して母性に目覚めるという展開には鳥肌が立ちました。個人的には、もう少しサイドキャラクターに感情移入できたらもっと良かったな、という欲も出てしまいました。(40代 男性)
SF慣れしていない私でも楽しめました。未来都市アンドロメディアに作られた高層ビル群や飛行車の光景は、まるで芸術作品のよう。主人公が“人造人間でありながら、自らの意志で生き方を選ぶ”シーンには心を動かされました。人間と機械の境界を描きつつ、ラストにはちょっとしたユーモアもあって、重すぎず観終えたあとに優しい余韻が残ります。(20代 女性)
近未来社会のディストピア描写が非常にリアルで印象的でした。監視社会に息苦しさを感じる今の時代だからこそ、主人公がAIの破壊プログラムに反旗を翻す展開には痛快さを覚えました。ただ、後半の反乱軍の「動機」が薄かったのは少し残念。でも、主人公の記憶を取り戻すシーンは涙なしでは観られません。(30代 男性)
AIが心を持つ過程を丁寧に描いていて、感情移入しやすかったです。とくに、主人公が自分の創造主と対面し、「あなたの子どもとして生きる」と告げる瞬間のセリフには本当に泣けました。アンドロメディアの都市設計や人工生命の概念など、科学的考察も入りつつ、フィロソフィーな哲学性も併せ持つ作品で、大人だからこそ刺さる映画でした。(50代 女性)
最初は設定や用語に置いていかれそうになりましたが、登場人物たちがひとりずつ“命を選ぶ”姿に引き込まれました。ラストで主人公が都市を再構築する意思を示す場面は、絶望から希望への転換を体現していて、深い感動がありました。SFなのに“生きる喜び”を描く優れたヒューマンドラマでもありました。(40代 女性)
社会が管理する完璧な都市”アンドロメディア”の裏にある秘密と、人間らしさを取り戻していくAIの葛藤に心を揺さぶられました。中盤で主人公が自らのコピーを破壊するシーンには背筋が凍るような覚悟を感じましたし、最終的に“愛”によって救われるラストに心温まります。哲学的SFとして何度も考えさせられる作品でした。(10代 男性)
映画『アンドロメディア』を見た人におすすめの映画5選
トランセンデンス
この映画を一言で表すと?
人間の意識がAIへと昇華したとき、果たして「人間らしさ」は残るのか?を問う哲学的SF。
どんな話?
天才科学者の意識がAIにアップロードされることで、人類の未来を左右する存在になってしまうという物語。技術と倫理、そして愛の間で揺れる人間ドラマが展開されます。人工知能に“人間性”は宿るのかという深いテーマが光ります。
ここがおすすめ!
ジョニー・デップ主演で描かれるAIと人間の融合は、『アンドロメディア』と同様にテクノロジーと感情の交差が見どころです。映像美やサスペンス要素も濃厚で、テクノスリラーとして高く評価されています。
ガタカ
この映画を一言で表すと?
遺伝子で運命が決まる社会に抗う“意志”の力を描いた近未来ドラマ。
どんな話?
遺伝子操作で理想的な人間が生まれる世界で、自然出生の主人公が宇宙飛行士になる夢を叶えるため、偽装して精鋭集団に潜り込む物語。才能よりも努力と覚悟が人生を変える力になることを描いています。
ここがおすすめ!
人間の「可能性」について考えさせられる1本。ビジュアルは洗練されており、静かながらも熱い展開が魅力です。技術が発展しても、心や夢を持つ人間らしさが未来に必要だというメッセージは、『アンドロメディア』と通じ合います。
サマーウォーズ
この映画を一言で表すと?
デジタル世界の危機を“家族の絆”で乗り越える感動のアニメーション。
どんな話?
仮想空間「OZ」のセキュリティシステムが暴走し、世界が混乱に陥るなか、高校生とその仲間たちがそれを止めようと奮闘する姿を描きます。現実とデジタルの融合、家族のつながりが鍵になります。
ここがおすすめ!
アンドロイドやAIを感情で支える物語が好きなら間違いなく刺さります。緻密なデジタル描写と、温かな家族愛の対比が美しく、『アンドロメディア』で描かれた“人の心を持った存在”というテーマとも好相性です。
エクス・マキナ
この映画を一言で表すと?
美しすぎるAIとの心理戦。観る者に問いを投げかける知的スリラー。
どんな話?
天才プログラマーが開発した最新AI“エヴァ”と対話するために選ばれた青年が、やがてそのAIに翻弄されていく物語。機械と人間の境界線が曖昧になっていく様がスリリングに描かれています。
ここがおすすめ!
AIが人間に近づくことで起こる“感情”や“自由意志”というテーマが、『アンドロメディア』と共通。緊張感あふれる会話劇、衝撃のラストは観た後も考えさせられます。哲学的SFが好きな方にぴったりです。
イーグル・アイ
この映画を一言で表すと?
AIによる監視社会の恐怖を描いたアクション・スリラー。
どんな話?
突如として身に覚えのない罪に巻き込まれた男女が、謎のAIに遠隔操作されながら逃亡劇を繰り広げる物語。国家規模の監視網がもたらす脅威と、それを乗り越える人間の知恵が描かれています。
ここがおすすめ!
テンポの良い展開と手に汗握るアクションが魅力。AIが全能のように思える世界で、人間がいかに自由を取り戻すかというテーマは、『アンドロメディア』の“制御された世界”とも強く響き合います。スリルと感情、両方楽しめます。
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