映画『ロミオ・マスト・ダイ』の概要:中国マフィアの長男でありながら、元警察官の主人公。彼は最愛の弟の訃報を聞き、刑務所から脱獄を果たす。そして、渡米後に弟を殺した犯人の捜索を開始するのであった。ジェット・リーがハリウッド進出後、初主演を果たした作品でヒップ・ホップ・カンフーが見物。
映画『ロミオ・マスト・ダイ』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:アクション
監督:アンジェイ・バートコウィアク
キャスト:ジェット・リー、アリーヤ、イザイア・ワシントン、ラッセル・ウォン etc
映画『ロミオ・マスト・ダイ』の登場人物(キャスト)
- ハン・シン(ジェット・リー)
- 中国マフィアのボス、シンの長男。父親の仕事を厭い、警察官になるも家族を救うべく自らが罪を被り香港刑務所に投獄されていた。弟を守ることを信条としていたが、亡くなったことで脱獄し、犯人捜しをする。カンフーの使い手でかなりのやり手。
- トリシュ・オデイ(アリーヤ)
- 黒人ギャング団のボス、オデイの娘。スタイルが良く美しい女性で、父親の仕事を嫌っている。ハンと出会い、彼に協力することになる。
- マック(イザイア・ワシントン)
- オデイの参謀で部下。実はシンと共謀し、オデイの会社と地位を乗っ取ろうとしていた。
- カイ(ラッセル・ウォン)
- シンの部下でハンの幼馴染。カンフーの使い手でハンと互角に張り合える。シンの命令でハンの弟を殺害している。命令に忠実。
- アイザック・オデイ(デルロイ・リンドー)
- トリシュの父親であり、黒人ギャング団のボス。息子と娘を愛し、堅気の仕事を目指して事業の展開を行っている。かなりの切れ者。
映画『ロミオ・マスト・ダイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ロミオ・マスト・ダイ』のあらすじ【起】
中国マフィアと黒人ギャング団が二大勢力で均衡を保つオークランド。そこで中国マフィア、シンの息子が遺体となって外灯にぶら下げられるという事件が発生する。
黒人ギャング団のボス、アイザック・オデイはシンと提携して事業を行っていたため、息子の訃報を耳にしてすぐさま、哀悼の意を示し均衡が崩れるのを防いだ。
一方、香港ではシンの長男ハンが弟の訃報を聞き、香港刑務所からの脱獄を決行。彼はマフィアの息子でありながら警察官の道へ進んだが、父親の罪を被って服役中だった。ハンは刑務官に成りすまし、まんまと脱獄を成功させる。そして、一路オークランドへ。
オデイの娘トリシュは、父親がギャング団のボスであることを嫌っており、なるべく関わりたくないと思っていた。だが、シンの息子が殺害されたことで、オデイが娘を守るべく手下を護衛につけてしまう。トリシュはそれを煩わしく思い、音楽店にて護衛からこっそりと逃げ出すのだった。
その頃、ハンはオークランドにある弟の自宅へ向かうべく、タクシーに乗ろうとしていたが、運転手は休憩と言い張り彼の要望を跳ね返してしまう。そこで、ハンはそのタクシーを盗んで目的の場所へ向かおうとした。
だが、そこへ客としてトリシュが車に乗り込んで来る。彼女は何かに追われ急いでここから逃げ出したいと言う。ハンは困ってしまったが、とにかく切羽詰まっているようだったので、車を発進させた。
トリシュが目的とする場所までしばし、彼女と言葉遊びをしてコミュニケーションをとった。トリシュと別れた後、ハンは弟の自宅へ向かい家探しを開始。そこで、彼は弟がトリシュと関係があることを知るのだった。
映画『ロミオ・マスト・ダイ』のあらすじ【承】
ハンはトリシュの店から彼女を尾行し、自宅を突き止める。そして、弟が死ぬ前に最後にかけた電話番号がトリシュの店であったことを話し、電話の相手が誰かを聞いた。すると、トリシュは恐らく兄が電話の相手だろうと言うも、護衛が自宅へやって来てしまう。ハンは配達員を装って上手く逃げおおせるが、気付かれてしまい乱闘。元警察官のハンはやり手である。護衛は彼にこてんぱんにされてしまうのであった。
シンの息子の葬儀が粛々と行われる。ハンもまた、弟を見送るべく弔問に向かった。父親とはハンが投獄されて以来の対面だったが、彼が投獄された後、父親は弟と共に米国へ逃亡。そのせいでハンは父親に見捨てられたと思っている。その上、大事な弟を守れなかった父親に代わり、自分が犯人を突き止めようと考えていた。
その後、ハンは幼馴染でもあるカイと対面。カイは父親の手下で弟のお目付け役だった。犯人捜しもカイに任せろと父親に言われていたが、それとは別に独自に犯人を捜すため、トリシュの協力が必要だった。
休日にトリシュとの距離を縮めつつ、マックを始め護衛の男達とラグビーの試合をしたハン。トリシュは手下たちの中でもマドンナ的存在であるため、誰もが彼女と親密な様子のハンを目の敵にし、集中的に狙い続けた。だが、ハンはとりわけ身軽な性質だ。彼はカンフー技を利用し、試合に勝利。
映画『ロミオ・マスト・ダイ』のあらすじ【転】
そんなある日、オデイの息子でトリシュの兄がマンションから落下し、命を落とす。トリシュは兄が死んだのは、父親がギャング団のボスだからと責める。オデイは後々、息子に事業を引き継いで欲しいと考えており、そのために堅気の仕事へと転換しようとしていた。その矢先の事故であったため、ショックは隠しきれない。
出先から弟の部屋へ戻って来たハンは、部屋の扉が半開きで中が荒らされているのを発見する。弟の死から後、マフィアとギャング団との均衡を崩そうとする、別の勢力があるようだ。ハンは弟が所持する車を探り、住所リストを発見する。その後、部屋へ戻るとトリシュが来ていた。気落ちした様子の彼女に何があったのか聞くと、兄が亡くなったと言う。トリシュは兄を殺害した犯人を捜すべく、ハンに協力して欲しいと頼むのであった。
2人は隠されていた住所リストの1つ目の場所へ。そこは車の解体工を営んでいたが、中へ入ると従業員が皆殺しにされている。火を点けた煙草からまだ煙が出ているところを見る限り、犯行はつい先ほどといったところか。その時、工場の外をバイクの集団が走り去る。恐らくは犯人の一味に違いない。
ハンとトリシュはバイク集団に発見され、追いかけられる羽目に。公道にて派手な追跡劇を展開し、相手が減ったところで反撃に出たハン。敵と直接対決へと挑む。だが、相手は女性でしかも中国人。ハンは女性を殴れないため、トリシュと協力して倒した。これにより、敵が中国人組織であることが判明する。
ハンは父親の元へ向かい、カイが裏切って何かを企んでいるのではないかと危惧するも、父親はカイの忠心は確かなものだと疑いもしない。
シンの組織はそれぞれに縄張りを治めるボスが集まって、1つの組織として機能している。そのため、会議をしても意見が錯綜しまとまらないことが多かった。故に、シンは邪魔な同胞を消し縄張りを自らのものとして、組織のトップになろうと画策しているのであった。
映画『ロミオ・マスト・ダイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
そんな中、オデイは娘を守るため、自分の豪邸へ。父親はもうハンと会うなと言い、彼女を部屋へ軟禁。状況を理解しているトリシュも抵抗せず、言う通りにした。
だが、翌日になってハンが会いに来る。彼はあれからリストの店を虱潰しに回ったらしい。最後の場所はヒップホップを主体としたカジノ店だった。
店のオーナーは自分の店を大切にしている。彼はオデイが湾岸地帯の土地を根こそぎ買い取っており、自分の店も寄越せと言われ憤慨していた。
しかし、そこへマックが現れ問答無用でオーナーを銃殺してしまう。反撃に出ようとしたハンもマックの手下にやられ意識を失ってしまうのだった。
意識が戻ったハンは、オデイの手下に囲まれている。彼は一瞬の隙を突いて、拘束から逃れ反撃を開始。襲い来る手下どもと激しい戦闘を展開した。相手は人数で攻めて来るも、ハンはカンフーを多用し手下どもを倒して逃走に成功する。
その頃、オデイはNFL誘致のための商談へ赴いていた。そのために土地の売買を進め権利書を手に入れていたのである。彼は権利書を盾に自分を共同オーナーにするよう打診。しかし、そこでマックがトリシュを人質にし、オデイが持つ権利書を要求。彼はシンと共謀し、権利書を奪うために殺戮の限りを尽くしていた。オデイの息子を殺したのもマックがやったことだったのである。オデイは大切な息子を殺された恨みから、マックへと掴みかかったが、銃撃に倒れてしまう。その場はたちまち騒然となり、激しい銃撃戦が開始。
商談相手はその隙に権利書を持って逃亡したが、追いかけて来たマックによって、権利書を手放してしまう。そこへハンが駆け付け、マックと対峙。彼から弟を殺した相手の名を聞き出すことに成功する。そうして、マックは追って来たトリシュによって銃撃され、ビルの屋上から落下するのであった。
その後、ハンは父親の元へ向かい、カイと対峙する。カイは組織の後継者としてハンの弟では立ち行かないと判断していた。故に、殺害したと言う。その言葉にハンが激怒。2人は因縁のカンフー対決を開始。双方共に痛手を負いつつ、激しい戦闘を展開。そうしてハンは、弟の仇であるカイを倒すのである。
そして、自分の息子を殺した父親と対峙。ハンは非道な父親を批判し、自分のことは自分で始末をつけろと告げる。すると、父親はハンが去るのと同時に、銃を構え自ら命を絶つのであった。
映画『ロミオ・マスト・ダイ』の感想・評価・レビュー
今やハリウッドスターとなったジェット・リーのハリウッドデビュー作。
中国マフィアの親を持ちながら、警官になったという異色の経歴を持つ主人公を演じている。個人的にはジェット・リーのファンなので、全てのシーンを楽しく見させてもらったのだが、とりわけヒップホップカンフーというのが面白かった。もちろん、正統派のカンフー対決も見物である。ストーリー展開としては、犯人が実は身内だったという点においてうまい具合に予想を裏切ったと思う。負けそうにない雰囲気を醸すのがとても上手なジェット・リーだが、ぼろ負けする演技も中々に上手い。カンフーアクションが好きな人にはお勧めできる作品。(女性 40代)
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