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映画『ゲティ家の身代金』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ゲティ家の身代金』の概要:1970年代に起きた誘拐事件の実話を元にしたサスペンス映画。世界一の大金持ちジャン・ポール・ゲティ役の俳優が不祥事を起こし、急遽、クリストファー・プラマーを代役に撮り直しが行われたが、プラマーは見事な演技で作品に魅力を与えている。

映画『ゲティ家の身代金』の作品情報

ゲティ家の身代金

製作年:2017年
上映時間:133分
ジャンル:サスペンス
監督:リドリー・スコット
キャスト:ミシェル・ウィリアムズ、クリストファー・プラマー、マーク・ウォールバーグ、チャーリー・プラマー etc

映画『ゲティ家の身代金』の登場人物(キャスト)

ゲイル・ハリス(ミシェル・ウィリアムズ)
誘拐されたポールの母親。以前はゲティの息子であるゲティ2世、ポール、娘たちと仲良く暮らしていた。貧乏生活を脱出するため、夫に父親の元で働くことを提案。それは成功するのだが、結果として、それは夫を堕落させ、離婚することとなる。お金が一番というゲティ家にいながら、お金には執着していない。
ジャン・ポール・ゲティ(クリストファー・プラマー)
一代で世界一の大金持ちにのし上がった大富豪。ものすごいケチ。ホテルの洗濯サービスは高額だからと、自分で洗うほど。孫が誘拐されても身代金は一切、払うそぶりを見せない。だが、高額な絵画にはポンと金を出す。人間は変わってしまうが、絵画や骨とう品はずっとそのままの姿で裏切らないという理由で、美術品を収集している。
フレッチャー・チェイス(マーク・ウォールバーグ)
ゲティのもとで働く元CIA諜報員。取引と買収で、物事を解決してきた交渉のプロフェッショナル。ゲティの身の回りの安全も彼が管理し、指揮してきた。誘拐事件でゲイルと行動を共にすることで、ゲティに対しての感情が少しずつ変わってくる。

映画『ゲティ家の身代金』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ゲティ家の身代金』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ゲティ家の身代金』のあらすじ【起】

ジャン・ポール・ゲティは1940年代にサウジアラビアから石油を買い付け、国内に輸入することに成功。それにより世界一の大金持ちになる。息子のゲティ2世とは長いこと疎遠だったが、息子の妻・ゲイルの助言もあり、復縁することとなった。孫のポールに高価な石像をくれたり、ゲティ2世を副社長に任命したりと手厚い歓迎をするが、金持ちになったことで2世は堕落してしまう。夫に愛想をつかしたゲイルは離婚を申し出る。養育費や遺産などは一切受け取らず、子供たちの親権のみを手にして夫と縁を切った。

1973年、ゲティの孫のポールが誘拐された。ポールの母であるゲイルの元に犯人から電話が掛かってくる。彼らはラピトーリという集団で、交渉役の男はチンクアンタと名乗った。身代金として1700万ドルを要求。ゲイルはすぐさま義父のゲティへ電話をかける。だが、ゲティは孫の誘拐事件よりも、株取引の数字のほうが気になっていた。後日、ゲティはテレビで身代金は支払わないと発表。それを見たゲイルは驚愕する。

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映画『ゲティ家の身代金』のあらすじ【承】

ゲティは雇っている元CIA諜報員のフレッチャー・チェイスに、ポールの救出を依頼した。チェイスはゲイルと行動を共にする。憲兵本部へとやってきた二人は、担当のコルヴォ捜査官に世界中から届いた手紙を見せられる。それは全部、ポールを誘拐したので金を払えという便乗犯たちからの手紙だった。

チェイスはある集団と接触する。彼らの話ではポールとは友達で、以前から狂言誘拐をしてゲティからカネをせしめようと計画していたという。今回の事件も、ポールが彼らとは別の者たちと行った狂言なのではないか、と。チェイスはそれをゲティに報告し、ポールの調査は打ち切られた。

コルヴォからポールの遺体が発見されたと連絡が入った。ゲイルとチェイスは確認に行くが、焼け焦げた死体は別人だった。死体は誘拐犯の一味で、身元を洗ったところ、チンクアンタが仲間だと分かる。コルヴォは彼らのアジトを見つけて突入するが、そこにポールの姿はなかった。ポールは、すでに投資家に売り飛ばされていたのだ。

チェイスは、ゲティに狂言誘拐ではなく、本当に誘拐されていることを告げる。投資家の手に落ちた今、ポールに身体的な危険が迫っていると説明。だが、それでもゲティは金を払わない。

映画『ゲティ家の身代金』のあらすじ【転】

ゲイルとチンクアンタは交渉の電話を続けるが、押し問答ばかり。そんな時、ポールは作為的に火事を起こし、監禁場所から脱出に成功する。警察署に逃げ込み、ゲイルに電話をかけるが、そこに投資家が現れ、電話は切られてしまう。

身代金を用意できないゲイルは、ポールがゲティからもらった石像を思い出す。ゲティは120万ドルになると言っていた。ゲイルは石像をサザビーズに持っていくが、安い土産物だと言われる。事実、それはカピトリーネ博物館で販売されており、15ドルだった。

投資家に捕まったポールは、耳を切り落とされてしまう。耳はコルヴォの元へと送られてきた。確認に来たゲイルとチェイスは、耳の写真を新聞に載せたいという申し出を受ける。金を払うと言われたが、ゲイルはそれを拒否。代わりにその新聞を1000部ほしいと言う。その1000部は、全てゲティへと届けられた。

ゲティ社の者から、ゲティが身代金を払うことを決めたと連絡がきた。だが、身代金を払うのは税金控除が目的で、払うのではなく、貸すのだという。しかも貸し付けの条件には、ゲイルの親権を元夫に渡すことも含まれていた。ゲイルはしぶしぶサインをする。しかし、ゲティが用意した額は100万ドルしかなかった。身代金の金額は400万ドルまで引き下がっていたが、あと300万ドル足りない。

映画『ゲティ家の身代金』の結末・ラスト(ネタバレ)

ゲイルは秘策に打って出る。彼女はテレビで身代金を全額支払うことを決めたと発表。金がないことを知っているゲティは驚き、チェイスを呼びつけると説明を求めた。チェイスは説明を拒否し、代わりに今までのゲティの行いを罵倒し、立ち去っていく。

ゲイルの行動とチェイスの言葉が効いたのか、ゲティは身代金を支払うと言ってきた。電報には、“金も子供もやる”と打たれていた。

車を走らせ、身代金を受け渡し場所に置いてきたゲイルとチェイス。しばらくして電話が鳴り、ポールを解放したと告げられる。だが、警察の手が迫っていると知った投資家は、一味にポールを殺せと命令。殺される前にポールを見つけ出したゲイルとチェイスは、そのまま車で国外に脱出した。

ゲティは集めた美術品の中で息を引き取っていた。後日、ゲイルはゲティ社に呼び出される。彼らが言うには、ゲティという王がいなくなり、相続人はゲイルの子供たち。彼らが成人するまでゲイルにゲティの代わりをやってほしいとのことだった。

彼らの提案を受け入れたゲイルは、ゲティの美術品を整理しはじめる。ポールはすっかり元気を取り戻した。事件解決を手伝ってくれたチェイスはゲティ家を去っていく。これで全て大丈夫と呟くゲイルを、ギリシャ神話の神々の頭部像に交じって、ゲティの頭部像が静かに見つめていた。

映画『ゲティ家の身代金』の感想・評価・レビュー

ゲティのあまりにも冷たい言動に驚愕した。周囲を信じず節約を心掛けてきたからお金が貯まったのかもしれないが、その代わり人として大切なものを失ってしまったように思う。ゲイルは途中で諦めたりせず、よく最後まで頑張ったなと思った。普通の人だったら助けてくれないゲティの態度に絶望し、追い回してくるマスコミに疲れ果て、心が折れてしまっていたかもしれない。ポールが無事に救出されたラストに、心の底から安堵した。(女性 30代)


孫が誘拐にあったとしても、他人には家にある公衆電話を使わせるほど、一円も無駄にしたくないけちな大富豪のおじいちゃん。その間で奔走している母親。ゲティ家というアメリカでは有名な大富豪の事件の裏側を赤裸々に見せてくれた作品となりました。ただ、前評判(スキャンダルによってのキャストを変えての追撮)ですごいなーと期待していたにですが、映画自体は思ったより淡々としていて、金持ちだとしても幸せではない、ある意味最後の誰もいない部屋も含め、虚無感を表していました。(女性 30代)


ゲティおじいちゃんが本当にケチで笑ってしまいました。大金持ちなのにケチな人がいるなんて考えたこともありませんでしたが、彼を見ているとケチだからお金が貯まったのかななんて思ってしまいました。
孫が誘拐されても身代金は一切出さないのに骨董品や美術品には好きなだけお金を使う彼は、欲しいものを手に入れるという点では満足していたのかもしれませんが、周囲から愛されずに生きるということは、心は満たされていなかっただろうと哀れに思いました。(女性 30代)

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