映画『インナースペース』の概要:落ち目の空軍パイロットがミクロ化され、ウサギの体内に潜入するはずが、誤って人体に入ってしまう。そこに研究を横取りしようと狙う産業スパイが現れ・・・。果たしてパイロットは元の姿に戻れるのか?奇想天外なSFコメディ。
映画『インナースペース』の作品情報
上映時間:121分
ジャンル:SF、コメディ
監督:ジョー・ダンテ
キャスト:デニス・クエイド、マーティン・ショート、メグ・ライアン、ケヴィン・マッカーシー etc
映画『インナースペース』の登場人物(キャスト)
- タック・ペンドルトン(デニス・クエイド)
- 喧嘩っ早く向こう見ずな空軍パイロット。本来は優秀だが、素行不良がたたり、配置替えされた研究所で縮小化されてウサギの体内に潜入する任務に就く。
- ジャック・パター(マーティン・ショート)
- スーパーのレジ打ち係。神経症気味でいつも不安に苛まれている。ひょんなことから、タックの潜航艇が体内に入ってしまう。
- リディア・マックスウェル(メグ・ライアン)
- 新聞記者として働くタックの恋人。一度は愛想をつかせたタックを救うため、ジャックと力を合わせて敵に立ち向かう。
- ビクター・スクリームショウ(ケヴィン・マッカーシー)
- 縮小化技術を奪おうとする産業スパイのボス。
- マーガレット・キャンカー(フィオナ・ルイス)
- スクリームショウの仲間の博士。マイクロチップ強奪の実行犯。自らも縮小化の研究をしている。
- アイゴ(ヴァーノン・ウェルズ)
- 無口で冷酷な殺し屋。自身も縮小化されてジャックの体内に入り、タックと対決する。
- カウボーイ(ロバート・ピカード)
- 国際的なブローカー。スクリームショウが奪ったマイクロチップを買い付けるためにやって来る。
映画『インナースペース』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『インナースペース』のあらすじ【起】
サンフランシスコ。落ち目の空軍パイロット、タック・ペンドルトンはパーティ会場で泥酔して暴れ、恋人で新聞記者のリディアに送られて帰宅した。リディアはタックに愛想をつかせ、翌朝彼の元を去った。
二か月後、ベクター・スコープ研究所では、タックが新しいプロジェクトの任務に就いていた。実験用潜航艇に乗り込んだタックは縮小化され、ウサギの体内へ入ろうとしていた。
タックが縮小化された直後、研究を横取りしようと企むキャンカー博士の一団が乱入し、実験に必要なマイクロチップの一枚を奪った。研究員のオジーは隙を見て逃走し、タックが入った注射器を研究所外へ持ち出した。
逃走したオジーを殺し屋のアイゴが追跡した。オジーはショッピングモールに逃げ込むが、そこでアイゴに撃たれてしまう。
気弱なレジ打ち係りの青年ジャックは、医師の勧めで休暇を取ろうとモール内の旅行代理店を訪れていた。店から出たジャックに逃げてきた瀕死のオジーがぶつかり、お尻に注射器を突き刺した。タックの乗った潜航艇はジャックの体内に入ってしまう。そのままオジーは息絶え、追って来たアイゴは空の注射器を持って立ち去った。
映画『インナースペース』のあらすじ【承】
ジャックの目に取り付けたセンサーを通して事態を把握したタックは、ジャックの鼓膜に呼びかけ、接触を図った。状況を呑み込めず、あたふたするジャックだったが、次第に体内にいるタックの存在を受け入れ始めた。
タックがジャックの体に入ったことを突き止めたキャンカー博士は、アイゴに追跡を命じる。
ジャックはタックの指示で研究所へ向かった。二人はそこで潜航艇内の酸素残量が明朝9時までだと知る。研究所を後にジャックを自宅に向かわせたタックは、リディアの写真を見せ、彼女に会いに行くように指示する。
研究所の事件を追っていたリディアは、国際的なブローカーのカウボーイが絡んでいると見て、接触しようとしていた。路上でリディアを待ち受けたジャックは、事情を話し、タックが助けを求めていることを伝えた。だがアイゴが現れ、ジャックを連れ去った。
冷凍車に詰め込まれたジャックの前に、事件の黒幕であるスクリームショウが現れた。スクリームショウはジャックの潜航艇内に設置されたもう一枚のマイクロチップを狙っており、先に奪ったチップ共々カウボーイに売りつけようとしていた。ジャックは走行中の冷凍車からリディアのオープンカーに飛び移り、カウボーイのホテルへ向かった。
カウボーイの部屋に忍び込んだジャックは、カウボーイを殴り、浴室に監禁した。タックは体内からの電気刺激でジャックの顔面をカウボーイそっくりに変えた。カウボーイになりすましたジャックは、リディアと共にカウボーイの取引先であるスクリームショウの屋敷に乗り込んだ。
映画『インナースペース』のあらすじ【転】
ジャックは、スクリームショウからマイクロチップを受け取ろうとするが、正体を見破られ、リディアと共に地下牢に閉じ込められてしまう。タックがジャックの体内にいることに未だ懐疑的なリディアに、タックはジャックを通じて二人が別れた朝の話をした。ようやく信用したリディアは、タックへの想いが高じてジャックとキスをする。
ジャックとリディアはふ頭の工場内にある研究所に連れて来られた。その間、タックは体内の探索を続けていたが、状況の異変に気付いた。そこはリディアの体内であった。子宮にたどり着いたタックは、自分とリディアの胎児を見つけた。
研究室では拘束されたジャックに、スクリームショウたちが縮小化したアイゴを注入しようとしていた。監禁されたリディアは見張りの男から銃を奪い、研究室に乗り込んでジャックを救った。しかし、すでにアイゴはジャックの体内に注入された後だった。
ジャックとリディアはスクリームショウたちを縮小装置に閉じ込め、マイクロチップを取り返して逃走した。
タックは自分が体内にいることをリディアに知らせ、ジャックの体内に戻ろうと、二人の思い出の曲を大音量で響かせた。リディアはそれを察知し、再びジャックとキスをする。ジャックの中に戻ったタックは、アイゴと対決した。タックはアイゴを胃酸の中に突き落とした。
映画『インナースペース』の結末・ラスト(ネタバレ)
潜航艇内の酸素残量は危険な段階に達していた。ベクター・スコープ研究所へ急ぎ車を飛ばすジャックとリディアを、後部座席に隠れていたスクリームショウとキャンカー博士が襲ってきた。博士たちは1/2サイズに縮小されていた。車内での格闘の末、ジャックとリディアは車を乗り捨て、リディアの急報を受けて駆け付けた同僚の車に乗り替えた。
研究所に到着したジャックは、クシャミをしてタックを外に出した。奪い返したマイクロチップを装着し、タックは無事、元のサイズに戻った。熱く抱き合うタックとリディアをジャックは温かくも寂し気な表情で見つめた。
ある晴れた日、教会でタックとリディアの結婚式が行われた。喝采を受け、ハネムーンに向かう二人を、ジャックは笑顔で送り出していた。そこへ現れたリムジンの運転手は何とカウボーイだった。さらに、車のトランクには1/2サイズのスクリームショウとキャンカー博士が潜んでいた。そうとは知らずに出発して行くタックとリディア。ジャックは、赤のムスタングに乗り込み、颯爽とリムジンを追った。
映画『インナースペース』の感想・評価・レビュー
ミクロ化された人間が潜航艇に乗って人体へ!何とも興奮するSFスペクタクルになるハズが…そこはジョー・ダンテ監督のこと、ゆるーいギャグが頻発するドタバタコメディに仕上がっている。設定も甘く、ラストのくしゃみも最初にやれよ!と思うが、不思議と嫌いになれない作品ではある。マーティン・ショートやメグ・ライアン、デニス・クエイドの出演陣、CG全盛前の人体内描写やトリック撮影などいかにも80年代的な愛すべき作品である。(MIHOシネマ編集部)
1987年のこの作品。よくこの時代にこんなストーリーを思いつくなあと感動しました。「人間縮小技術」を開発しウサギの体内に入り込む実験をしていた空軍のパイロットが、あるトラブルから人体に入り込んでしまうという設定。
ディズニー作品の『ミクロキッズ』でも人間の身体が小さくなるストーリーでしたが、この作品はその2年前に、しかも人体に入り込む。大人も子供もワクワクする展開に最初から最後まで飽きずに見られました。
80年代を感じさせるいい感じのオールド感がたまりません。悪役も可愛く感じました。(女性 30代)
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