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映画『おにいちゃんのハナビ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『おにいちゃんのハナビ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『おにいちゃんのハナビ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『おにいちゃんのハナビ』の結末までのストーリー
  • 『おにいちゃんのハナビ』を見た感想・レビュー
  • 『おにいちゃんのハナビ』を見た人におすすめの映画5選

映画『おにいちゃんのハナビ』の作品情報

おにいちゃんのハナビ

製作年:2010年
上映時間:119分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:国本雅広
キャスト:高良健吾、谷村美月、宮崎美子、大杉漣 etc

映画『おにいちゃんのハナビ』の登場人物(キャスト)

須藤太郎(高良健吾)
病弱な妹のための引っ越しで、周りに馴染めないまま高校を卒業した。大学進学も就職もせず自宅に引きこもっているが、本来は妹を気遣う優しい兄。
須藤華(谷村美月)
病弱だが明るく兄思いの女子高生。白血病で入院していた。家族で見た花火の思い出を大切にしている。
須藤登茂子(宮崎美子)
太郎と華の母親。スーパーでパートをしながら、家計を支える。一家四人揃って食卓を囲みたいと願っている。
須藤邦昌(大杉連)
太郎と華の父親。華のために片貝町に引っ越し、タクシー運転手をして一家を養う。口下手のため、引きこもりの太郎とうまく接することができない。
岡崎佳代(早織)
太郎が転入した中学の同級生。二十歳を迎える若者で結成する成人会(=翠嶂会)の会長。
小林アツシ(尾上寛之)
成人会メンバー。当初は太郎をよそ者と見なし、何かと文句をつける。幼なじみの佳代に惚れている。
手島カスミ(岡本玲)
華の親友。病弱な華を助け、引きこもりの太郎のことも心配している。
久保(塩見三省)
煙火(花火)工場長。太郎に花火作りを指南する。

映画『おにいちゃんのハナビ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『おにいちゃんのハナビ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『おにいちゃんのハナビ』のあらすじ【起】

新潟県小千谷市片貝町。世界一の花火で有名な片貝祭りの日、半年間の入院生活を終えた須藤華は母登茂子と共に父邦昌のタクシーで帰宅した。だが、玄関先に兄太郎の出迎えはなかった。太郎は華の入院中に「引きこもり」になっていた。

五年前、病弱な華のために一家で越してきて以来、太郎には友達ができなかった。高校の卒業式の日、進学も就職もしない太郎は邦昌と激しくぶつかった。

華は親友のカスミたちと花火大会へ出かけ、成人会の集まりを見かけた。中心にいるのは、初の女性会長佳代だった。華の頭に、同年代の太郎のことがよぎった。太郎はひとり、部屋の窓から花火を眺めていた。

自宅に戻った華は、太郎の部屋をノックしてみるが返事はなかった。

登茂子は部屋から出ない太郎のために毎日二階へ食事を運んだ。登茂子はいつか家族四人で食事をしたいと思っていた。

ある日、華はカスミたちの協力を得て、太郎を街に連れ出すことに成功した。その帰り、太郎を成人会の事務所へ引っ張って行った華は、佳代やメンバーのアツシに兄の入会を頼んだ。しかし、太郎は逃げ出してしまった。

映画『おにいちゃんのハナビ』のあらすじ【承】

華の熱心な後押しで太郎は新聞配達のアルバイトを始めた。華は太郎の自転車の後ろに乗って付き添った。太郎は華にやっと“退院おめでとう”の言葉を伝えた。嬉しい華はバイト代が出たら携帯を買ってほしいとねだった。

いつしか太郎は華たちと一緒に食事をするようになっていた。しかし邦昌は夜勤続きで、家族全員での食事はまだ叶わなかった。

雨の朝、華の体調を気遣う太郎は、一人で配達に出かけた。太郎が家に戻ると、倒れた華が病院へ連れて行かれるところだった。太郎は華にカイロを手渡した。

華は白血病を再発した。思いがけず見舞いに来た太郎を華は屋上へ誘った。華は自信のない太郎を励まし、成人会に入るよう説得した。

太郎は成人会の入会を申し込んだ。アツシは反対したが、佳代の一声で入会が決まった。しかし、会合では発言ができず、アツシに責められた。

華の体調は思わしくなかった。適合するドナーが見つからず、登茂子は悲嘆した。

珍しく早く帰宅した邦昌に太郎が声を掛け、久しぶりに父子が同じ食卓に着いた。登茂子はそれを微笑ましく眺めたが、華の不在が寂しくもあった。

映画『おにいちゃんのハナビ』のあらすじ【転】

花火が大好きな華は、引っ越して来て最初に見た花火の想い出を語った。家族がギクシャクしていた当時、あの時だけはみんなが笑っていたと言う。太郎は、必ず立派な花火を打ち上げると約束する。

主治医から華の余命を知らされた登茂子は、帰宅した邦昌の車の中で号泣した。その様子を太郎も隠れて見ていた。華は年を越せないらしい。

クリスマスの日、太郎は華に携帯電話をプレゼントした。華はとても喜び、揃いで買った太郎の携帯に、早速お礼のメールが届いた。

帰宅した太郎は華の危篤の知らせを受け、両親と共に病院へ引き返した。その晩、太郎と両親に見守られながら華は息を引き取った。家族四人で食事をすることは遂に叶わなかった。

告別式で、太郎は華の棺に真新しい携帯電話を入れた。

須藤家は寂しい新年を迎えた。太郎はまた部屋に引きこもった。成人会も新聞配達もやめるつもりでいた。

成人の日、太郎の携帯に華からお祝いのメッセージが届いた。動画の中で華は、太郎の花火を見たいと言った。華の思いを知って太郎は泣いた。

映画『おにいちゃんのハナビ』の結末・ラスト(ネタバレ)

太郎は華のために自分ひとりで花火を上げようと決意した。太郎は父の背広を着て成人会に出向き、退会を申し出た。太郎は新聞配達を再開し、さらに掛け持ちでホームセンターのアルバイトも始めた。

太郎は花火工場の久保に頼んで、花火作りの指南を受けた。華が一番好きだった赤い花火を作りたいと懸命に励んだ。

片貝祭りの当日が来た。成人会のメンバーたちが掛け声をあげて街を練り歩く。行列が太郎の家にさしかかったとき、邦昌と登茂子が駆け寄り、太郎を仲間に入れて欲しいと頼み込んだ。佳代たちは太郎に成人会の法被を着せてやり、太郎も行列に加わった。

花火大会が始まり、人々の想いを伝えるアナウンスと共に花火が次々に上がった。祭りの花形、成人会の花火は特に会場を盛り上げた。そして、太郎の花火が打ち上げられた。空を彩る一際真っ赤な花火に、太郎は華の遺影を掲げた。

そこへ、また一つ花火が打ち上げられた。それはカスミたちの呼びかけで、町の人々から太郎へ贈られたものだった。華が太郎のイメージだと言ったオレンジ色の花火が太郎の心を震わせた。周囲に「あがれ!あがれ!」の大合唱が沸き上がり、太郎もそれに加わった。

映画『おにいちゃんのハナビ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

実在の花火大会に取材したこの映画は、その独特な風習をうまくストーリーに取りこんで見せてくれる。ラストの花火大会のシーンで次々と打ち上げられる花火は、その一発、一発が個人の奉納という形を取っていて、それぞれ大切な誰かへ向けた想いが込められていることが分かる。タイトルの“おにいちゃんのハナビ”はお兄ちゃんが上げる妹への弔いの花火であり、妹が(親友に託して)上げるお兄ちゃんへの感謝の花火でもあるというのがなるほど!だった。(MIHOシネマ編集部)


『おにいちゃんのハナビ』と言うタイトルと白血病の妹と言う設定から、妹に「最後」に花火を見せるストーリーを想像しましたが、「花火を見せる」だけで無く「家族愛」「兄弟愛」も物凄く丁寧に描かれていました。
白血病の妹が大事に大事にしている思い出、それは家族で見た「花火」。また家族みんなで花火を見たいと思いながらも、彼女の残り時間は刻一刻と迫っています。
妹のために「変わろう」と努力する兄の姿、そしてそれを支える家族。とても温かい愛の形を見せてもらいました。(女性 30代)


引きこもりの兄が、病と闘う妹の願いを叶えるために一歩ずつ社会と向き合っていく姿に胸が熱くなりました。妹のハナは明るく健気で、兄にとってまさに希望の光。彼女の最期が近づく中で、“花火を打ち上げたい”という夢が兄の心を動かし、変化していく過程が丁寧に描かれています。クライマックスの花火シーンは涙なしには観られません。兄妹愛がこんなに美しく描かれた作品はなかなかありません。(30代 男性)


妹の明るさと強さがとても印象的でした。自分の命が長くないと知りながらも、兄を信じて夢を託す姿に胸が締めつけられました。兄が花火を打ち上げるために、引きこもりから少しずつ前進していく様子には、思わず応援せずにいられませんでした。実話がベースと知ってさらに涙が止まらなくなりました。家族の絆や、人を動かす力の尊さを感じられる作品です。(40代 女性)


「誰かのために生きること」が人を変える、そんなメッセージが強く伝わってきました。引きこもりで無気力だった兄が、妹のために努力を始める姿が本当に感動的。特に、妹が亡くなった後も兄が彼女の夢を引き継いでいくところは泣けました。地元の人々との関わりや支援も温かくて、地方のコミュニティの力も感じさせられました。静かだけど、深く心に残る映画です。(20代 男性)


余命わずかな妹が「花火を見たい」と願い、それを引きこもりの兄が叶えようとする――このシンプルな構図が、実はとても深い。兄の成長、妹の健気さ、家族の葛藤、地域の温かさが全て丁寧に描かれていて、じわじわと心に沁みました。花火が上がるシーンでは、思わず号泣。優しさと切なさが共存する、まさに“日本映画らしい”感動作でした。(50代 女性)


この映画は、家族愛と人とのつながりの尊さを描いた珠玉の一作です。妹の“最後の夢”を叶えるために、殻を破って立ち上がる兄の姿には心打たれました。誰しもが過去やコンプレックスを抱えているけれど、誰かのために動き出すことができる。そんな力強いメッセージを感じました。実際に起きた話をもとにしていることが、よりリアルで心に刺さりました。(60代 男性)


妹と兄の関係性がとても自然でリアルに描かれていて、すっと感情移入できました。特に、兄が何かを変えようと少しずつ動き出す姿が印象的でした。劇的な変化ではなく、小さな一歩一歩にこそ人間らしさが詰まっていて、観ていて心が温かくなりました。クライマックスの花火シーンはとても美しく、儚い命を輝かせた瞬間として深く記憶に残りました。(30代 女性)


家族映画としてはもちろん、若者の再生ドラマとしても秀逸だと感じました。兄の引きこもりという現実的な問題と、妹の病気という重さが絶妙なバランスで描かれており、感傷的になりすぎない点も良かったです。花火を打ち上げるために奮闘する兄の姿には、胸が熱くなりました。人のために生きることで、自分の人生も輝き始めるということを教えてくれる映画です。(20代 男性)


兄妹の距離感がとても心地よく、時に笑えて、時に涙がこぼれる素敵な作品でした。妹の無邪気な優しさと強さ、兄の不器用な愛情が対照的で、それが物語に深みを与えています。「花火を見たい」という夢に込められた想いを、兄が理解して実現しようとする流れには涙が止まりませんでした。実話に基づくからこその説得力と温かさがありました。(40代 女性)

映画『おにいちゃんのハナビ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『おにいちゃんのハナビ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

世界の中心で、愛をさけぶ

この映画を一言で表すと?

初恋の記憶と喪失の痛みが胸を締めつける、不朽の青春純愛映画。

どんな話?

白血病を患う少女と、彼女を支える少年のひたむきな愛の物語。過去と現在が交錯しながら進む構成で、喪失の記憶と向き合う主人公の姿が切なく描かれています。涙なしには観られない感動作です。

ここがおすすめ!

『おにいちゃんのハナビ』同様、大切な人との別れと向き合いながら、その思いを受け継いで生きる姿が描かれます。自然豊かな風景と美しい音楽、静かに心を揺さぶる演出が魅力です。

余命1ヶ月の花嫁

この映画を一言で表すと?

愛と命の尊さを真正面から描いた、実話に基づく感動作。

どんな話?

結婚を約束した女性が、乳がんにより余命1ヶ月と宣告される。限られた時間の中で大切な人と過ごし、生きる意味を模索する2人の姿が心を打ちます。実在のカップルの物語を映画化。

ここがおすすめ!

『おにいちゃんのハナビ』と同じく、若くして病に立ち向かうヒロインと、それを支える“誰か”の視点が涙を誘います。感動だけでなく、生きることの意味を考えさせられる一作です。

陽だまりの彼女

この映画を一言で表すと?

再会した初恋が、優しさと切なさに包まれた奇跡へと変わる。

どんな話?

10年ぶりに再会した男女が恋に落ちるが、彼女にはある秘密があった。穏やかな日常の中に、少しずつ忍び寄る“別れ”の予感。温かくも切ないラブストーリーが展開します。

ここがおすすめ!

穏やかな空気と、静かに涙を誘う展開が『おにいちゃんのハナビ』とよく似ています。ラストの余韻が長く残る作品で、“大切な人を思う気持ち”を再確認したい人におすすめです。

君に届け

この映画を一言で表すと?

不器用な二人の心が、ゆっくりと重なる“純度100%”の青春物語。

どんな話?

周囲から誤解され孤立していた少女と、明るく人気者の男子が次第に心を通わせていく物語。誰かを信じること、想いを届けることの大切さを優しく教えてくれるラブストーリーです。

ここがおすすめ!

病気や死を扱った映画ではないものの、純粋な心の交流や“誰かのために変わる姿”というテーマは『おにいちゃんのハナビ』と共通。優しく、あたたかな感動を味わいたい方にぴったりです。

いま、会いにゆきます

この映画を一言で表すと?

奇跡の再会がもたらす、家族の愛と再生の物語。

どんな話?

亡くなった妻が梅雨の季節に帰ってくる──そんな約束を信じて生きていた父子の前に、本当に彼女が現れる。記憶を失って戻ってきた妻と過ごす日々は、家族の絆を取り戻すかけがえのない時間となる。

ここがおすすめ!

死と向き合いながらも、希望を見出していく家族の物語は、『おにいちゃんのハナビ』と同じく涙と優しさに包まれています。ファンタジー要素を交えつつも、心の奥深くを温めてくれる作品です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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