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映画『ガール・オン・ザ・トレイン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ガール・オン・ザ・トレイン』の概要:失業中でアルコール依存症のヒロインは日がな一日、電車に乗って元夫とその妻、近所の理想の夫婦を覗き見している。だがある日、理想の夫婦だった妻が浮気をしている場面を目撃してしまい、更なる事件へと巻き込まれてしまう。

映画『ガール・オン・ザ・トレイン』の作品情報

ガール・オン・ザ・トレイン

製作年:2016年
上映時間:113分
ジャンル:サスペンス
監督:テイト・テイラー
キャスト:エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット、ジャスティン・セロー etc

映画『ガール・オン・ザ・トレイン』の登場人物(キャスト)

レイチェル・ワトソン(エミリー・ブラント)
トムの元妻。茶髪で幸薄そうな顔立ち。離婚後に失業し、アルコール依存症に陥る。酔うと記憶を無くしてしまう。
アナ・ワトソン(レベッカ・ファーガソン)
トムの現在の妻で1児の母。金髪で優しい顔立ちだが、プライドが高くメガンに対して、少々強気な態度を見せる。レイチェルに子供を誘拐されそうになり、怯えている。
メガン・ヒップウェル(ヘイリー・ベネット)
スコットの妻。金髪でスタイルが良く、甘い顔立ち。妖艶で娼婦のごとく、男を誘惑する。実はトムとも関係を持っており、彼の子供を妊娠してしまう。過去に子供を亡くすという悲惨な経験をしている。
トム・ワトソン(ジャスティン・セロー)
レイチェルの元夫で、現在はアナの夫。表向きは良き夫を演じているが、実はとても女癖が悪く暴力的。レイチェルに暴力を振るっては酒を勧め、依存症にしてしまう。メガンとも浮気をしている。
スコット・ヒップウェル(ルーク・エヴァンス)
メガンの夫。強い独占欲と支配欲を持っており、少々気性が荒い。子供を欲しがっているが、妻とはそのことで日夜、口論している。
ライリー(アリソン・ジャネイ)
刑事。メガンの失踪事件を捜査し、レイチェルを疑っている。

映画『ガール・オン・ザ・トレイン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ガール・オン・ザ・トレイン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ガール・オン・ザ・トレイン』のあらすじ【起】

レイチェル・ワトソンは夫と離婚後、失業しアルコール依存症を患っている。彼女は日がな一日、電車に乗って線路沿いに立ち並ぶ住宅の生活を妄想する日々を送っていた。そこには元夫トムと現在の妻アナが住む家や、3軒隣に住むヒップウェル夫妻の家もあった。レイチェルは特に仲の良いヒップウェル夫妻がお気に入りで、憧れを抱いている。

精神的に不安定なレイチェルは未だにトムやアナに迷惑行為を行っていた。それには様々な理由があったが、不妊治療に勤しむレイチェルをよそに、トムがアナと不倫をしていたからに他ならない。アナはレイチェルから夫を奪った他に欲しがっていた子供をも簡単に儲けたのだ。嫌がらせをしないでは、いられなかったのである。

そんなある日、いつものように電車で時を過ごしていたレイチェルは、メガン・ヒップウェルが見知らぬ男と抱き合っているのを目撃してしまう。彼女はヒップウェル夫妻の仲睦まじさに心の安寧を求めていたが、妻メガンが浮気をしているとなると話は別だ。

金曜の夜、レイチェルは強かに酔っぱらったまま、電車に乗りヒップウェル夫妻の家を見た。だが、そこには誰の姿も見えない。彼女は勢いのまま電車を降りてメガンと思われる女性の後を追い、アバズレと叫んだ。以降の記憶がない。

気付いた時には家にいて、衣類は血塗れだし左肩には痣がある。その上、左のこめかみには血の塊ができており異様な状態だった。更にトムからは、アナが怯えて警察を呼ぼうとしているという留守電が入っている。自分が何をしでかしたのか、全く記憶がなかった。

自分の行いに恐怖を覚えたレイチェルは、アルコール依存症を克服するためのセラピーへ参加。強かに酔っぱらってしまうと、レイチェルは非常に傲慢で暴力的になる。散々、暴れた挙句、翌日には記憶がないのだから始末に負えない。

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映画『ガール・オン・ザ・トレイン』のあらすじ【承】

その日の夜、自宅へ帰ると警察が来ていた。担当のライリー刑事は、メガンの顔写真を見せ金曜の夜から消息が不明になっていると言う。レイチェルは咄嗟に言い訳をしたが、金曜の夜も強かに酔っていて、翌朝には血塗れだったのだから、何かがあったのは明白だった。しかし、彼女には確かなことは何も言えない。

新聞にメガン失踪の記事が載り、それを目にしたレイチェルはメガンの夫スコットを訪ねる。そして、メガンの浮気を告白。ショックを受けたスコットはメガンの精神科医が怪しいと推測。その後、精神科医が事情聴取を受けることになったが、証拠不十分で釈放される。
そうなると、不利なのはスコットの方である。彼は浮気で妖艶なメガンを落ち着かせるには、子供を儲ければいいという考えを持ち常々、妻と対立していた。故に、消息不明になった直前にも、喧嘩別れしたと言うのだ。それ以外にも、普段から関白ぎみだったスコット。動機は充分にあった。

その帰り、トムの自宅前を通りかかったレイチェルは、アナの姿を目にして急に金曜の夜、トンネルで彼女に殴られたと言い出す。トムは元妻の言動に一切、耳を貸さず冷たく突き放すのであった。

そこで、レイチェルはメガンの担当精神科医にアポを取り、飲酒で失われた記憶を思い出そうと受診。自身の心情を泣きながら素直に吐露した。
その頃、アナはライリー刑事を訪ね、レイチェルの迷惑行為をどうにかして欲しいと相談。だが、刑事は疑わしいという理由だけでは、動けないと言う。そこで、彼女はトムのPCを開いて情報を得ようとする。

映画『ガール・オン・ザ・トレイン』のあらすじ【転】

一方、自宅にて記憶の断片を絵にして書き出していたレイチェルの元にスコットが訪ねて来る。彼の自宅周辺にパパラッチが大勢いて、落ち着かないと言う。そうして、レイチェルにメガンが妊娠していたことを明かした。メガンは精神科医にだけ、それを告白していたらしく、スコットは気落ちした様子だった。

数日後、森の中からメガンの遺体が発見され、事件は殺人事件へと切り替わる。その日の夕方、帰宅したレイチェルの前にまたもスコットが現れる。彼は刑事からレイチェルのことを全て聞いたと言う。そして、メガンは第3の男の子供を妊娠していた。その男のことをレイチェルは知っているはずだと詰め寄ってくる。その上、彼は彼女を脅しつけ、去って行くのであった。

レイチェルはすぐさま、警察へ向かいライリー刑事にスコットから脅されたと話したが、彼女は逆に刑事から理詰めにされる。記憶が無い間、レイチェルは何をしたのか。メガンを殺したのではないかと言われ、茫然自失となってしまう。
警察から出た後、レイチェルは耐え切れなくなりカクテルを口にした。それから、いつもの電車へ乗り、かつての同僚と再会。以前、同僚のホームパーティーへ行った際、酔った勢いで暴れてしまったレイチェルは当時のことを謝罪したが、同僚には全く怒った様子がない。すると、相手はトムの素行を詳細に語ってくれた。

トムが会社を解雇されたのは、彼の女癖の悪さが原因だと言う。レイチェルは自分がパーティーで暴れたせいで夫が解雇されたと思い込まされていたのだ。更にトムは非常に好戦的で、日頃からレイチェルへ暴力を振るい粗雑な扱いをしていた。同僚は彼女のことを酷く心配していたと言うのだった。

映画『ガール・オン・ザ・トレイン』の結末・ラスト(ネタバレ)

その頃、トムのPC端末のパスワードをようやく見つけ出し、解除に成功したアナ。だが、勝手に中身を見るのは良くないことだと思い直し、中身を見ずに閉じた。しかし、夫の鞄の中に見慣れない携帯電話を発見。トムが寝入ったのを見計らって確認した。すると、その携帯電話がメガンの物であることが判明する。アナは咄嗟に携帯電話を庭に投げ捨て、トムから疑われないよう装った。

電車から降りて、問題のトンネルへ向かったレイチェル。彼女はそこで、ようやく失われた記憶を思い出す。メガンを追いかけてトンネルへ入った彼女は、その先にトムが現れるのを目にする。彼は元妻を殴り倒しメガンと共に去って行ったのだ。

翌朝、レイチェルはアナの元へ。彼女はトムの犯行を明かし、アナに子供を連れて一緒に逃げようと告げた。すると、そこへ本人が現れレイチェルを強引に家の中へ。メガンとのことを問い詰めると、トムはメガンとの関係を認めた。だがその後、真実を告げるレイチェルへ、トムは酒をぶっかけグラスで殴りつける。レイチェルは倒れ込み、意識が朦朧としてしまう。

金曜の夜、メガンと合流したトムは、彼女を森の奥へ誘った。メガンは妊娠したことを明かしトムの子供だろうと話すと、彼は堕胎を勧めてくる。トムとメガンは口論となり、彼が怒りに任せて突き飛ばすと彼女は岩に頭を打ち付けてしまう。そうして、彼はメガンを殺害してしまうのだった。

意識を取り戻したレイチェルにトムが言う。あの夜、あそこに君がいなければ、メガンは死ななかったと。人のせいにばかりするトムに対し、レイチェルは飽くまでも抵抗の意を示す。すると、彼は元妻に飛び掛かり首を絞めて殺そうとする。彼女は手近にあった傘立てで殴り、拘束から逃れると外へ。そして、追いかけてきたトムの首へ咄嗟に持ち出していたコルク抜きを突き立てた。そこへ、アナがやって来て突き立てたコルク抜きを更に、奥へと押し入れる。2人は共犯となり、共に逮捕されることになった。

その後も2人は供述で正当防衛を主張。言い分は認められレイチェルはその後、依存症を克服。電車に乗っても過去の自分とは決別し、前向きに未来へと目を向けるようになるのだった。

映画『ガール・オン・ザ・トレイン』の感想・評価・レビュー

ヒロインはアルコール依存症で常に泥酔状態。酔っぱらっては記憶を無くし、翌朝になって何をしたか戦々恐々としている。そんなある日、血塗れの状態で目を覚ますのだから、恐怖以外の何物でもない。それが、実は元夫のDVによって流血したのだとは考えもしないのだ。

時間が経つと少しずつ記憶は戻り始めるが、記憶とは意外に信用性が低く人の思考によって姿形を変える。ヒロインもまた、ありもしない出来事を作り出し世迷言を口にする。
次に何が起こるか予想ができない、秀逸なサスペンス映画。(MIHOシネマ編集部)


冒頭から暗く陰鬱な雰囲気の中、アルコールでフラフラと情緒不安定なレイチェルが、さらに不穏な気持ちにさせるが、その雰囲気に引き込まれてしまう。時系列や登場人物の立ち位置を把握するのが難しいが、物語が進んで行くとピースがはまっていく様に謎が解けていき、その先にはどんでん返しが待っています。後半はハラハラ手に汗を握ってしまいました。終わり方もスッキリして良かったです。誰にも信じてもらえないレイチェルを見ていると辛かったですがとても面白い作品でした。(女性 30代)


本作は、理想の夫婦を覗き見していたアル中の主人公が、ある日理想の夫婦の妻の浮気を目撃し、事件に巻き込まれる姿を描いた、ポーラ・ホーキンズの小説原作のサスペンス作品。
酒に溺れる生活はしたくないけれど、女の弱さと強さの両面が繊細に描かれていて、終盤で一気に謎が解けて真相に迫っていく展開にハラハラドキドキした。
また、人の記憶の曖昧さや簡単に洗脳されてしまう脆さに恐怖を感じた。
静かで秀逸なミステリー。(女性 20代)


複雑すぎる人間関係。しかし、その絡み合い方がとても面白くて見応えがありました。
『クワイエット・プレイス』のエミリー・ブラントが演じるのはアルコール依存症の女。彼女の趣味は「覗き」。その相手は元夫とその妻。もうこれだけで十分すぎるほど「ヤバい」展開ですが、そこに浮気や誘拐、殺人など様々な事件が起こり少しずつ「巻き込まれていく」感じが、ハラハラドキドキ緊張感を持たせてくれました。
少し中弛みもありますが、全体的にはテンポ良くストーリーが進むので飽きずに見られると思います。(女性 30代)


車窓の景色からストーリーが広がるなんて、新鮮な設定です。見慣れた景色の中に、さまざまな人間模様があることに気づかせてくれました。回想シーンが多く、時系列が行ったり来たりするため脳トレになります。さらに、主人公がアルコール中毒でいまいち信頼できません。それが視聴者を惑わせることとなり、複雑な謎解きを楽しめました。記憶を徐々に取り戻す過程が面白く、背筋がぞくぞくしました。お酒には、十分気をつけねばなりません。(女性 30代)


主人公のレイチェルは、記憶が無くなるまで泥酔し暴力的になってしまうという重度のアル中で、それに加え日頃電車に乗っては他人を観察しているというクセの強い設定。しかし終始レイチェルが可哀想でならない。アル中になったきっかけ、元旦那から受ける暴力の数々、裏切り、同情せずにはいられない。登場人物は全員どこかクセのある性格をしており、犯人は誰なのか、なぜ殺したのかなど推測しながら楽しむことのできる良作サスペンス。最後のオチは賛否両論あるかもしれないが、悲惨な日々を送っていたレイチェルを思うと少しスッキリもする。(女性 20代)


エミリー・ブラントが好きなので観ました。終始やつれて悲痛な表情が辛かったですが、哀れなレイチェルを演じきっていたのはカッコ良かったです。
最初は女性たちのつながりもよく分からず、それぞれが身勝手なタイプなのかと思っていました。アル中のレイチェルはまるでストーカーだし、過去をいつまで引きずっているのだろうとうんざりしそうになりましたが、終盤でどんどん事実が明らかになっていくのは面白かったです。原作の小説も読んでみたくなりました。(女性 40代)

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