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映画『バトル・プレイヤー1』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『バトル・プレイヤー1』の概要:現実を模倣したVRゲームが繁栄する社会にて、VRでの犯行を実世界で模倣する凶悪犯罪が往行。違法VRゲームを摘発する主人公と相棒は互いに競い合い、現実と仮想世界の区別ができなくなってしまう。

映画『バトル・プレイヤー1』の作品情報

バトル・プレイヤー1

製作年:2017年
上映時間:127分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:コンスタンティン・シェレポヴ
キャスト:ステパン・ベクトフ、パイヴェル・ミケイロフ、ガリーナ・サミナ、セルゲイ・マルダール etc

映画『バトル・プレイヤー1』の登場人物(キャスト)

スタス(ステパン・ベクトフ)
犯罪捜査のVRゲーム『ゾディアック』の公式戦にて王者に輝いた人物。現在はЦ課の検閲官。同僚アレックスとコンビを組んでいる。髭面で優しそうな相貌をしているが、プライドが高い。
アレックス(パイヴェル・ミハイロフ)
スタスの相棒。冷酷な相貌をしており、現実では善良を装っている。実際は酷く暴力的で密かに犯罪を行ったことがある。Ц課に残りたいあまりに仮面を自ら剥がしてしまう。実は『ゾディアック』非公式戦の王者。
アリョーナ(ガリーナ・サミナ)
スタスの妻。黒髪の美人で夫スタスをとても愛している。ゲーム内に自分とそっくりのキャラクターを出すよう契約してしまい、逆に夫を精神的に追い詰めてしまう。
課長(セルゲイ・マルダール)
Ц課のトップ。VRでの犯罪を模倣した犯人により、愛娘を殺害されている。先読みに長けた人物だが、病に冒されて生い先が短い。

映画『バトル・プレイヤー1』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『バトル・プレイヤー1』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『バトル・プレイヤー1』のあらすじ【起】

現実世界を模倣したヴァーチャルリアリティ(以下VR)のクラブが増える一方、10代の若者を中心にVRでの行いを模倣した凶悪犯罪が蔓延。そこで政府は、内務省に違法VRクラブの摘発をするЦ(ツェー)課を設立し、事前に犯罪を止めることにした。Ц課の検閲官たちはVR内での度を超えた残虐行為を日々、調査している。

課が設立され3年が経過。検閲官のスタスと相棒のアレックスは、残虐性が極めて高い戦争ゲームの摘発を行った。プレイヤーには警察の特殊部隊メンバーもおり、摘発において逮捕。そのせいで、上層部から苦情が入り2人を現場から外せとの命令を受けてしまう。このことで課長は課の存続を危ぶみ、2人のどちらかを残し1人には責任を取って辞職してもらうと言うのだった。

VRゲームにて優秀な成績を残した方が課に残り、敗北者は辞職する。スタスとアレックスはそれぞれに得意なゲームをプレイすることにした。
ゲームには規制値というものが設定されており、残虐性が高ければより厳しい値が設置されている。これを脳内に移植したチップにより検測し、現実と見誤ればすぐに規制値へと達するようになっていた。検閲官は序盤の簡易装備だけを用いて、規定値に達し高得点を得るのが任務である。故に他のプレイヤーや、あらかじめ設定されているボスを出し抜くための腕が必要だった。

ゲーム会社は人間の様々な反応を基に因果性を構築してゲームを製作している。そのため、検閲官は因果性と反応を擦り抜け、制作者側の考えを欺かなければならない。彼らはゲーム内で殺戮者となり、高得点を叩き出すことで残虐性が高いということを証明するのだ。

スタスとアレックスは最初のゲームを終え一旦、休憩を挟み次のゲームを開始。それは以前、2人でやったことのある戦争ゲームだったが、2人で隠した機関銃を巡って対決。相打ちとなってしまう。

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映画『バトル・プレイヤー1』のあらすじ【承】

このことでコンビを組んでいた2人の間に亀裂が走る。ゲームを終えた2人は、互いに腹を立てЦ課に残るため、争うようになる。アレックスは課に所属する前、ゲーム内での殺戮に飽き足らず、2人の仲間を募り実世界で女性を殺害した。女性は暴力性の高いVRゲームに対し反対運動を行う活動家で、実は課長の娘だった。更に彼は2人の仲間をも証拠隠滅として殺害。アレックスはその時のことを思い出し、スタスもまた殺してやろうと恨みを募らせるのだった。

翌日、スタスの妻アリョーナがアレックスに会いたいと連絡を入れる。彼女は近頃のスタスは人が変わったようだと、酷く心配していた。そこでアレックスは、VR内にアリョーナのデータを構築し、本物そっくりのキャラクターを作るよう進言。そうすることで、きっと彼はアリョーナに心を開くはずだと甘言を説いた。
同じ頃、スタスはゾンビゲームをプレイ中。彼はキャラクターの少女を救助したが、検閲官として高得点を叩き出すには、ここで少女を殺害しなければならない。だが、彼はどうしても少女を手にかけることができなかった。

別の日、スタスはカーアクションのゲームを行ったが、得点を稼ごうとビジネスセンターへ向かいアリョーナと寸分違わないキャラクターを目撃する。彼はそこで動揺してしまい、警官に撃たれゲームオーバーとなる。しかも、脳内のチップに不具合が発生しゲーム内での表示が消えるというアクシデントが起こる。現実であることを認識するべく、手の平を自ら傷つけ痛みを得てから、ゲームを再開した。

視界に規制値が表示されなければ、VR内は現実とほとんど変わらなくなってしまう。チップが正常に作動したため、彼はアリョーナだけを別室に移動させ規制値を稼いだ。ゲーム内のキャラクターならば、妻の姿をしていても問題はない。彼は別室にて妻をも殺害し好成績を残した。

ゲームを終了したスタスは、休憩がてら同僚が持っていたアレックスの成績を覗き見。元相棒は戦争ゲームにて好成績を残していた。憤りが収まらないスタスだったが、本物そっくりのキャラクターを殺害したことで罪悪感に苛まれる。その上、アレックスからは挑発の電話が入り、憤りは治まるどころか高まるばかり。

映画『バトル・プレイヤー1』のあらすじ【転】

アリョーナのキャラクターは、他のゲームでも起用される契約だった。この件について、彼女はアレックスから進言されたことを夫に明かしたが、そのせいでスタスは精神的に追い込まれてしまう。

そんなある日、課長に呼び出された2人。上層部はЦ課に新風を入れたいと考え課長を解雇し、後任にスタスかアレックスを起用することに決めたらしい。当然、課長の後任に指名されるとすれば優秀な方である。そこで、スタスはこの街をモデルとして作られた捜査ゲーム『ネメシス』をやることにした。そのゲームを製作した会社は、実在する街をリアルに再現し実世界と変わらないクオリティを誇る。スタスは一発逆転を狙って、完全現実の設定でゲームのプレイを開始。

規定値を上げるべく、ゲームをプレイ中の客を次々と殺害していく。一旦、ゲームを停止しセーブを行ったが、リアル過ぎて現実との違いが分からない。下手をすれば、ゲームであることを忘れそうになる。彼はとうとう妊婦をも殺害し、精神的に追い詰められていく。現実との違いは手の平の傷だけ。彼は度々、ゲームから現実へ戻り息を整えてからVRへ入った。

だが、ゲーム内で警備員から銃殺されてしまう。スタスは再びセーブからゲームへ突入。その度に手の平の傷を確認し、現実との違いを確認した。しかし、警備員を倒すことができず、現実とゲームを何度も往復したスタス。次第にどちらが現実か分からなくなってしまう。

そうして、スタスは会社の女性社員と警備員を殺害。銃を入手した彼に瀕死の警備員が現実だと忠告したが、脳内チップがまたも不具合を発生させ視界に規定値が出ない。彼はその後も駆け付けた警察と銃撃戦を繰り広げ逃走した。

住宅街へ逃走したスタスは幼い少女を人質にして住宅へ立て籠もったが、リアルを追求したゲームだという認識から実世界であることに気付くことができない。警察は必死に彼へと呼びかけを行っていたが、スタスは銃からナイフへと武器を変更。人質の少女へと刃を向ける。そこでふと、自らの記憶を振り返り愕然とするのだった。ようやく今がゲームではなく実世界だと気付いたスタス。彼は人質を解放し、自らに銃を向けて自殺を図った。

映画『バトル・プレイヤー1』の結末・ラスト(ネタバレ)

そこで、ゲームが終了。スタスの目の前には課長が現れ、今回のゲームはテストだったと告げられる。課長曰く、スタスに仕掛けたトラップは検閲官の規制値達成を阻止するため、いずれは誰かが仕掛けるものだ。故に、課長は優秀なスタスとアレックスに対し、トラップを想定したゲームに参加させたのだった。だが、スタスは課長の言い分に納得できず、自ら身分証を手放して去る。

その直後、課長にアレックスがゲームだと思い込んだまま実世界へ出てしまったとの連絡が入る。すでに2名の死亡者が出ていると言う。正に今、トラップと同様の現象が起こってしまったのだ。課長は責任を感じ自殺。現在、アレックスはアリョーナを人質に取り、移動中だった。

彼は廃墟に立て籠もり手榴弾で罠を仕掛け、脳内チップの視覚映像から犯行映像を流す。これらは自分を惑わすゲームだと思い込み、痛みでさえもゲーム内の痛覚だと感動している。
そこへ、スタスが到着。彼は同僚を説得し自らが廃墟へと突入することにした。

廃墟へと入ることに成功したスタスは元相棒の話を冷静に聞き、テストに合格するためのヒントを自分で探せと言う。すると、アレックスは検閲官としての快挙を得るべく、自傷すればいいのだと閃く。更にスタスは飽くまでもゲーム内でのキャラクターを演じ続け、アレックスへと自殺をして高得点を得ろと促した。

相棒はすでに狂気へと陥っており、自らの腹に何度もナイフを突き立てる。そうして、彼は死の縁に立って初めて、これが現実だと認識。最期に手榴弾を爆発させようと足掻くが、成功せずに息絶えてしまうのだった。

結局、課長の後任は決まらず、スタスも辞職。彼はアリョーナと共にアレックスの遺灰を海に撒き、VRにはもう二度と入らないと約束するのであった。

映画『バトル・プレイヤー1』の感想・評価・レビュー

リアル過ぎる仮想世界にて現実との区別がつかなくなり、連続殺人犯になってしまうという話。検閲官はゲームをプレイし、残虐を極めて定められた規定値を達成することで、ゲームの非道さを示さなければならない。よく考えればそんなことをしなくても、事前に規制する方法があるのではないかと思うのだが、今作品ではそういう設定らしい。

主人公とその相棒は、互いにいがみ合い野心を燃やして好成績を上げようと奮闘する。さすがロシア製作と言うべきか。やはり奇抜な設定が多い。だが、この作品は今後、VRの普及が進めばあり得ない話ではなく近い将来、問題となるテーマになるかもしれない。(MIHOシネマ編集部)

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