映画『父と暮せば』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「父と暮せば」のネタバレあらすじ結末と感想

父と暮せばの概要:戦争にて全てを失ったヒロインの前に、幽霊となった父親が現れる。彼は孤独に過ごす娘をとても心配しているが、娘は生き残った罪悪感から幸せになってはいけないと思い込んでいた。父親は娘の頑なになった心を癒し、幸せになることをひたすらに願うのだった。

父と暮せばの作品情報

父と暮せば

製作年:2004年
上映時間:99分
ジャンル:ヒューマンドラマ、戦争
監督:黒木和雄
キャスト:宮沢りえ、原田芳雄、浅野忠信 etc

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父と暮せばの登場人物(キャスト)

福吉美津江(宮沢りえ)
図書館の司書をしている23歳。可憐で清楚な可愛らしい女性。戦争にて全てを失い、自分には幸せになる権利などないと思い込んでいる。
福吉竹造(原田芳雄)
娘の美津江をとても心配している。明るく快活な性格で幽霊となって姿を現す。旅館を経営していたが、原爆の被害に遭い亡くなってしまう。
木下正(浅野忠信)
大学の助教授で、美津江に好意を抱いている。26歳の好青年。原爆による熱で変形したガラスや瓦などを資料として収集している。原爆の恐ろしさを後世へと伝えようとする。

父と暮せばのネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『父と暮せば』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

父と暮せばのあらすじ【起】

1948年、夏の広島。その日は火曜日だった。原爆ドームの近くに住む福吉美津江は23歳にもなって雷を酷く怖がり、幽霊となって姿を現した父竹造と共に押し入れへ避難。2人はそこで、昔の思い出を笑いながら語り合うのであった。

竹造は原爆当時の体験を語る。核爆弾が爆発した時、まるで雷のような強い光が当たりを照らした。直後、耳をつんざく爆音が広島を襲ったのだ。以来、被ばくした人々は、雷のような強い光に出会うと次には爆発が来ると恐れ戦き、心に深い恐怖を刻んでいると言う。

終戦から3年しか経過していないため、広島市民は誰もが原爆投下時の記憶を色濃く残していた。23歳となった美津江もまた、原爆投下後はあの時の恐怖で性格が変わってしまったと竹造は言う。以前は父に似てとてもおしゃべりで快活だった娘はあれ以来、無口で偏屈になってしまった。けれども、図書館の司書をしている美津江に、なぜか助教授の木下正が話しかけたらしい。

彼は原爆の資料を探していたようだったが、広島市民にとって原爆は忌むべきものである。被爆して病に苦しむ人々が絶えない中、市民は当時の記憶を思い出したくないあまり、原爆を思い出すようなものは全て処分してしまったのだ。美津江は木下にそのことを懇切丁寧に説明した。

すると、木下は丁寧な対応をしてくれたと美津江に饅頭をくれる。竹造はそんな木下を美津江目当てではないかとからかう。図書館の司書には、美津江よりもっと話しやすい人がいたはずだった。それなのに、木下はなぜか美津江に話しかけたのだ。これは、娘に好意を抱いているからに他ならない。だが、そんなことを言う父に娘は本気にせず、自分には幸せになる資格はないと言い切るのであった。

だが、竹造は自分が現れたのは美津江が木下と出会ったからだと言う。父は娘に恋をしたことを認めろとしつこく言うが、美津江は様々な理由をつけ木下に一目惚れしたとは認めないのであった。

父と暮せばのあらすじ【承】

水曜日の夜、美津江は夏休みの図書館イベント用にお話し会の文章を考案中。夏休みは日に数十人もの子供たちがお話し会へ参加する。そのため、分かりやすいように文章を作らなければならない。美津江が役者も顔負けの朗読を練習していると、竹造が台所で何かをすり鉢で擦っている。父は特製のじゃこ味噌を作っていた。

美味いじゃこ味噌が完成した後、竹造はまたも木下の話を持ち出す。彼は強烈な熱によって溶けた瓦を目にし、原爆について調べようと思ったらしい。他にも被爆者の体内から出てきたガラスなどを資料として集め、それを美津江に預けて去った。預かった資料は一部であったが、箱の中を開けて見た竹造は忌まわしい記憶を思い出しそうになり、一歩退いてしまう。

木下は子供達に原爆の恐ろしさを教えるために、自分が持っている原爆資料を使って何か話が作れないかと考えているようだ。相談された美津江は返答に困ってしまい、半ば強引に渡された資料をつい受け取ってしまったのだった。そこで竹造は、お話し会での話の中に原爆資料を組み込んだら良いとアドバイス。だが、美津江は占領軍がそこかしこで目を光らせているため、見つかったら規制されてしまうと危惧する。

すると、父は一寸法師を例に出し、原爆にて溶けた原爆瓦を武器にして鬼を倒すという話をした。それは、まだ治りきっていない心の傷を抉るような話であった。原爆の話は、広島市民にとって確かに身を切るような辛い話であるが、後世に伝えるためにはありのままを伝えなければならない。竹造はそう言って、姿を消すのであった。

父と暮せばのあらすじ【転】

木曜日は朝から土砂降り。戦後の広島はまだ復興が追いつかず、住宅の整備もできていない。家は雨漏りだらけ。そんな中、竹造は娘が木下へ送る手紙を発見し、中身を見てしまう。美津江は父の話を聞いて気を変えたらしく、木下の原爆資料を預かることに決めたらしい。

そこへ、仕事から娘が帰宅。土砂降りのため、お話し会は中止になったと言う。しかも、美津江は木下との待ち合わせには行かずに早退したらしい。飽くまでも幸せになろうとしない娘。竹造は頑固な娘に腹を立て、なぜ幸せになろうとしないのか詰め寄る。木下は美津江との結婚まで考えているようだ。それなのに、どうしてと言う父に娘は、その理由を淡々と語り始めた。

3年前、母親のように美津江を可愛がってくれた女性がいた。その人は学校の先生で原爆投下の前日、美津江に手紙をくれたと言う。彼女は嬉しくて一晩かけて返事を書いた。翌日の朝、手紙を投函しに行こうとした美津江は、ふと空を仰いで爆撃機が何かを投下したのを目撃。庭先には竹造がいて、一緒に空を仰いでいた。だがその時、手紙を落としてしまった美津江は、門前の灯篭の影にしゃがみこんだ。次の瞬間、原爆が爆発。美津江は灯篭の影に隠れていて助かったと言う。

美津江に手紙をくれた女先生もまた、原爆の被害に遭い命を落としていた。娘はその人の母親と会い、なぜ美津江が生きていて、自分の娘が死んだのかと責めたと言う。それでなくても、広島は焼け野原でさながら地獄絵図の様相を呈していた。全てを失い生きる希望も見失っていたところへ放たれた言葉は、美津江の心を更に深く抉り消えない傷痕を残した。
その後も美津江は生き残った知人から心無い言葉と、目を覆いたくなるような惨状を体験。そうして、娘はたった1人でこれまでを生き抜いてきたのだった。故に、自分には幸せになる資格などないと涙ながらに言い募るのである。

父と暮せばの結末・ラスト(ネタバレ)

金曜日。美津江は結局、木下から原爆資料を預かることにした。一先ずは半分を運んで来たが、残りも持って来ると言う。竹造は木下が荷物を運んで来たら、風呂を勧めろと笑った。どうやら、木下を気に入っておりどうしても美津江とくっつけたいらしい。
心の傷を晒した美津江はすっきりしたのか、怒り出すこともなく笑って父の言うことを聞くのだった。

仲の良い父子は、思い出を語っては笑い合う。だが、娘はもう木下と会う気はなく、夏休みを利用して生け花の先生のところへ合宿に向かうと言う。彼女は木下と会わずに置手紙をして、家を出るつもりだった。だが、竹造はそれを強く否定し、美津江は病気なのだと怒鳴る。父は娘が望んだために姿を現したのだ。このままでは、美津江はいつまで経っても幸せにはなれない。父は1人娘を酷く心配している。

だが、美津江は本当の理由はもう1つあると言う。あの日、灯篭の影にいて助かった美津江は、ヘドロのように皮膚が溶けた竹造の姿を目にした。父にはまだ息があったが、娘は恐ろしくなって逃げ出してしまったのである。竹造の上には倒壊した家があり、1人では助けられそうにない。美津江は町へ出て助けを呼んだが、どこに行っても同じような様相を呈していた。誰も助けてはくれない。娘は戻って懸命に父を助けようとしたが、逃げろと言っても美津江は逃げない。最終的に竹造は、じゃんけんで勝負をして娘を追い払ったのだった。

美津江はその時のことを酷く悔いている。だが、竹造は当時のことを恨みには思っておらず、娘を助け原爆の恐ろしさを後世に伝えて欲しいと言う。故に、美津江と木下を結婚させ、孫へと体験を語り継いで欲しいと願ったのだ。それを聞いた美津江は、はっとして心の持ちようを改めるのであった。

父と暮せばの感想・評価・レビュー

戦後3年目の広島を舞台に、娘と父の掛け合いにて原爆の恐ろしさと、それにより荒んでしまう人の心を赤裸々に描いている。原爆にて全てを失った娘はある日、原爆資料を集める助教授と出会う。彼に恋心を抱いた娘だったが、彼女は自分には幸せになる権利はないと言い、青年への恋心をなかったことにしてしまう。

そんな娘の無意識の願いに応じ、死んだはずの父親が姿を現す。父は罪悪感に苛まれ頑なになってしまった娘の心を癒していくのだ。その工程にて赤裸々に語られる原爆の恐ろしさには、非常に身につまされる。(MIHOシネマ編集部)

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