この記事では、映画『WASABI』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『WASABI』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『WASABI』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ジェラール・クラヴジック
キャスト:ジャン・レノ、広末涼子、ミシェル・ミューラー、キャロル・ブーケ etc
映画『WASABI』の登場人物(キャスト)
- ユベール・フィオレンティーニ(ジャン・レノ)
- 47歳。パリ警察の刑事。刑事としては優秀だが、すぐに手が出てしまい問題をよく起こしている。19年前に忽然と姿を消した恋人・ミコのことが忘れられない。
- ユミ(広末涼子)
- ミコとユベールの娘。ユベールが父親だと知らない。あと2日で二十歳を迎える女の子。気性が激しく、明るい性格。
- モーリス(ミシェル・ミューラー)
- 通称モモ。情報局に所属している。ユベールの元同僚で友人。ちょっとどんくさいところがある。
映画『WASABI』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『WASABI』のあらすじ【起】
ユベール刑事はクラブに行き、ゲイを殴って捕まえた。その時、捜査の邪魔になった人を手当たり次第殴り飛ばした。その中に運悪く署長の息子がおり、入院させてしまう。ユベールはお見舞いに行って謝罪した。その後、ユベールは捕まえたゲイを取り調べた。その結果、仲間と共に銀行強盗を計画していることが発覚する。しかも、既に決行時間は過ぎていた。ユベールは現場に急行し、犯人を捕まえた。
ユベールは署長の息子を殴ったことで停職処分を受けることになる。上司は周囲に溶け込もうとせず問題を起こしてばかりいるユベールに苦言を呈し、結婚することを勧めた。しかし、ユベールは昔愛した小林ミコのことが忘れられず、他の人との結婚に乗り気ではなかった。ミコは19年前に忽然と姿を消し、行方が分からなくなっていた。
ユベールにはガールフレンドのソフィアという女性がいた。だが、ミコに捨てられた心の傷が癒えておらず、一歩を踏み出すことができなかった。ソフィアもそんなユベールの気持ちに気づいており、ミコのことを忘れることを待っていた。
ユベールは弁護士の石橋からミコが亡くなったと連絡をもらう。ミコは遺言状の開封の立会人としてユベールを指名していた。石橋は既にユベールの上司の許可をもらっており、日本に来るよう頼んだ。ユベールは行くかどうか悩むが、明日火葬すると聞き日本に行くことを決意する。

映画『WASABI』のあらすじ【承】
ユベールは搭乗口で職員に対して生意気な態度を取り、騒動を起こしてしまう。別室へと案内され身動きが取れなくなるが、情報局の元同僚だったモモが駆けつけ助けられる。ユベールはモモに送ってもらい石橋の事務所を訪れた。
ユベールは唯一の相続人としてミコが残した箱を渡される。ユベールは受領書にサインを書いた。箱には「始まりと終わりの地」と書かれたユベールの写真と鍵が入っていた。石橋はミコの希望をユベールに伝えた。それは、成人するまで娘の面倒を見ることだった。名前はユミで、あと2日で二十歳を迎える女の子だった。ユミはお酒を飲んで警官を殴り、今朝釈放されたところだった。ユベールは自分に子供がいたことを知り動揺する。
ユベールは動揺させないようにするため、自分が父親だと明かさないままユミと対面した。ユミは気性の激しい女の子で、知らないユベールと一緒にいることを嫌がった。ユベールは2日の辛抱だと説得し、一緒にいることを納得させた。その後、ユベールとユミは、ミコの遺体と対面した。その時、ユベールはミコの遺体に何かが付着していることに気づき、ピンセットを使って回収した。ミコの遺体が火葬されたときユミが涙を流したため、ユベールはそっと手を握り締めた。
映画『WASABI』のあらすじ【転】
ユベールはミコの死に疑問を抱き、ユミが持っているカルテを回収してモモに分析を頼んだ。ユミが警察を嫌っていたため、ユベールは美容外科医だと身分を偽った。さらに、ユミは父親のことも酷く嫌っていた。母親から無理矢理犯されたと聞かされていたからだった。ユベールはそんなことをしておらず、激しく動揺する。ミコが何でそんな嘘を吐いたのかは分からなかった。
ユベールがユミの口座の残高を確認すると2億ドルもあった。さらに、ユミと買い物に出かけたとき、不審な男達が後をつけてきた。ユベールはモモに、ミコの遺体に付着していた結晶と爪に残っていた土の解析結果を尋ねた。土はまだ分からなかったが、結晶は青酸カリだと教えられる。ミコは病死を装って何者かに殺害されたのだ。ユベールはユミに気づかれないようにしながら不審な男達を倒していった。
ユベールはホテルでモモと落ち合い、ユミにバレないように武器を受け取った。つけてきた男が何者か分からず、2億ドルの大金がなぜ口座にあったのかも分からなかった。ユベールはモモにミコの経歴を調べるよう頼んだ。過去のことが分かれば、事件解決の糸口が掴めるはずだった。
ユベールとモモはユミに誘われゲームセンターを訪れた。そこで、ユミの友人達と遊んでいると、再び不審な男達が現れた。ユベールは男達を撃ち、ユミを連れて逃げ出した。ユミは何が起きているのか分からず激しく動揺する。ユベールはユミを宥め、不審な男が今朝からつけていることやミコが何者かに殺されたことを明かした。
ユベールはユミと一緒にミコが借りていた部屋を確認した。家財道具が全て盗まれておりもぬけの殻だった。ユベールは壁を調べ、手帳を発見する。そこには人の名前と数字が書かれていた。
映画『WASABI』の結末・ラスト(ネタバレ)
ユベールは接触してきたタカナワという人物にユミと共に会いに行った。その前に、モモに手帳を託し、いざというときの助っ人を頼んだ。タカナワが話したことにより、ユミは自分の父親がユベールだと知ってしまう。ユベールは激しく動揺するユミに真実を明かし、父親を嫌っていたため伝えることができなかったことを話した。ユミはユベールを父親と認め、抱き着いた。
タカナワの目的は口座に眠る2億ドルだった。二十歳になるまで口座が凍結されているため、ユミを捕まえて連れ去った。ユベールが手下と戦っていると、モモが車に乗って助けに現れる。
モモが掴んだ情報により、ミコはスパイとしてヤクザ組織壊滅のために内部潜入していたことが分かった。日本のために過去を捨て、ユベールとも別れたのだった。ミコは正体がバレる前にタカナワの資金を奪い、ユミの口座に入れてユベールに全てを託したのだった。
ミコの爪に残っていた土は京都の物だった。ユベールはモモと一緒に、ミコとの思い出の地である清水寺を訪れた。そこには、ミコが残した絵馬があった。その絵馬にミコが残した鍵を差し込むと、中から手紙が出てきた。手紙にはユベールへの愛と、残したお金で娘と幸せに暮らして欲しいことが綴られていた。
モモは銀行員の振りをしてユミと共に現れたタカナワを応対し、2億ドルをユベールの口座に移した。ユベールは銀行の入り口を封じ、かつての仲間と共にタカナワと手下を制圧した。ユミは無事にユベールの元に戻ることができた。タカナワは最後の悪あがきに銃を向けるが、ユベールに撃たれてしまう。ユベールは駆けつけた警察に、タカナワが死んでいることを伝えた。
ユベールはモモにユミを託し、別れを告げた。ユミには長年愛用していたミコのペンを託し、1か月後に会う約束をして別れを告げた。ユベールは2人に見送られながら飛行機に乗り込んだ。そこに、アタッシュケースの持ち主を探して警察が現れる。ユベールはそれを見てウンザリした。
映画『WASABI』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ジャン・レノが主演を務めリュック・ベッソンが制作者として名を連ねていることから、映画『レオン』を思い浮かべる人が多いと思う。本作は『レオン』よりも遥かにポップで明るい作品となっており、全く違うお話だと想定してもらった方が良いと思う。個人的には本作も『レオン』に負けず劣らず素晴らしい作品だと思うし、ジャン・レノと広末涼子の掛け合いがきちんと親子に見えていて良かったと思う。何よりもフランス語をきちんとマスターしている広末涼子の努力が素晴らしいと思う。(MIHOシネマ編集部)
ジャン・レノ演じるユーモラスで型破りなフランス刑事ユベールが、日本で娘と再会しながら事件を解決していくストーリーは、軽快で観やすく楽しかったです。日本を舞台にしたフランス映画というのも新鮮で、異文化のギャップから生まれる笑いが多く、テンポもいい。ラストで娘が実の父を知り、ユベールと心を通わせる場面は感動的でした。(30代 男性)
テンポがとにかく良くて、あっという間に見終わりました。コメディとアクションのバランスが絶妙で、ジャン・レノの渋さとユーモアが見事に融合していて魅力的。まさか自分に娘がいたなんて…という急展開もありつつ、最後は親子の再会で温かく締めるのが良かったです。日本描写はちょっと誇張ぎみだけど、それも味ですね。(20代 女性)
リュック・ベッソン脚本ということで期待して観ましたが、その通り、スピーディーでスタイリッシュな展開に満足しました。日本のヤクザやカジノが登場するアクション満載の物語の中に、突然の“父と娘”という感情の要素が加わり、意外に心を打たれました。ラストで娘が「父」と呼ぶシーンにはグッときました。(40代 男性)
コメディ映画として楽しく観られました。日本描写はツッコミどころ満載ですが、外国人から見た日本の“面白さ”をうまく利用していて、それが逆に魅力に感じました。ジャン・レノとヒロイン役のライヨンちゃんの掛け合いが可愛らしくて、ラストにはほんのり泣ける。気軽に楽しめる良作だと思います。(30代 女性)
ジャン・レノの魅力が炸裂している映画でした。最初はただのアクションコメディかと思いきや、実は娘の存在に気づき、守る父としての顔を見せる後半の展開が意外と感動的。たった90分の中で、笑いと涙と銃撃戦が詰め込まれていて、満足度が高い作品。ジャン・レノファンには絶対観てほしい一本。(50代 男性)
映画としての完成度よりも、キャラクターと雰囲気を楽しむ作品だと思います。あまり深く考えずに観られるのが良いところ。ユベールが娘を守るために奮闘する姿にほっこりしつつ、クールに敵を倒すシーンではスカッとしました。日本ロケの雰囲気も新鮮で、ちょっと変わった視点での東京が面白かったです。(20代 男性)
ジャン・レノとリュック・ベッソンという強力タッグに加えて、日本が舞台ということで、ずっと気になっていた作品。実際観てみると、予想以上に温かいストーリーで、娘との再会と関係修復の描写が良かった。銃撃戦やアクションは派手だけど、それを通して描かれる家族の絆が、この映画の魅力だと思いました。(40代 女性)
ハードボイルドな刑事が突然“娘の父親”になるという設定が面白かったです。全体的にドタバタ感があって、日本人からすると不思議な部分もありますが、外国人が日本に来て戸惑う様子がリアルに描かれていて笑えました。最後は意外にも感動的で、ラストのカジノのシーンはスカッとします。(30代 男性)
気軽に観られるコメディアクションとしてはかなり完成度が高いと思います。なによりもジャン・レノの“優しい目”がすごく印象に残りました。ライヨン演じるユミとの親子の関係が少しずつ築かれていく過程が微笑ましく、最終的に二人の間にしっかりとした絆が生まれているのがとても良かったです。(20代 女性)
映画『WASABI』を見た人におすすめの映画5選
レオン(LEON)
この映画を一言で表すと?
孤独な殺し屋と少女の心の交流が織りなす、切なくも力強いバイオレンスドラマ。
どんな話?
ニューヨークを舞台に、殺し屋レオンと、家族を殺された少女マチルダの不思議な同居生活を描いたヒューマン&アクション映画。無口で不器用なレオンがマチルダとの絆を通じて人間らしさを取り戻していく過程が胸を打ちます。
ここがおすすめ!
『WASABI』でも見られた「不器用な男と少女の関係」が、さらに深く感情に訴えてくる名作。ジャン・レノが演じる“無骨な優しさ”の魅力を存分に堪能できます。感動と緊張感のバランスが絶妙な作品です。
トランスポーター
この映画を一言で表すと?
ルールを破った瞬間、すべてが爆走する!プロの運び屋が挑む超絶バトル。
どんな話?
どんな依頼物でも運ぶ“運び屋”フランクが、ある日人間を運ぶ仕事でトラブルに巻き込まれる。彼のルールとプライド、そして戦闘スキルが火を吹く、スタイリッシュなアクション映画。脚本はリュック・ベッソン。
ここがおすすめ!
『WASABI』のようにテンポよく、ユーモアも効いたアクションが魅力。物語はシンプルながら、主人公のプロフェッショナルぶりと人間味が絶妙に共存しており、爽快感ある作品を探している人にピッタリです。
TAXi(タクシー)
この映画を一言で表すと?
暴走タクシーが街を駆ける!爆笑&爆走の痛快カーアクション。
どんな話?
天才的ドライビングテクニックを持つタクシー運転手と、おっちょこちょいな警官が、銀行強盗団を追い詰めるドタバタカーアクション。マルセイユの街を舞台に繰り広げられるハチャメチャな展開に爆笑必至。
ここがおすすめ!
リュック・ベッソン脚本でテンポの良さは保証済み。『WASABI』同様、フランス流の軽快なアクションとコメディが融合しており、深刻すぎないアクション映画を楽しみたい方におすすめです。
96時間(原題:Taken)
この映画を一言で表すと?
父親が娘を救うために“元CIAの地獄”を解き放つノンストップアクション。
どんな話?
パリで誘拐された娘を救うため、元CIAの父が単身乗り込み、犯罪組織を相手に徹底的な追跡を展開する。執念、技術、父の愛…すべてを武器に娘を奪還する姿に釘付けになるアクション・サスペンスの代表作。
ここがおすすめ!
『WASABI』でも描かれた“父と娘”の関係が、よりシリアスかつハードに描かれる一作。家族愛とアクションが融合した展開は、観る者に強烈なカタルシスを与えます。スピーディーな展開が好きな方に最適。
ブラック・レイン
この映画を一言で表すと?
アメリカ刑事が大阪の裏社会に挑む、異文化アクションの金字塔。
どんな話?
殺人事件を追って来日したNY市警の刑事が、大阪のヤクザ抗争に巻き込まれながらも、日本の警察と協力し事件の真相を追う。文化の違いと正義の在り方に揺れる男たちの姿を描いた骨太な刑事ドラマ。
ここがおすすめ!
『WASABI』と同じく“異国の地で戦う外国人刑事”を描いた作品。日本文化や暴力団の描写も見応えがあり、日米の価値観の違いが生むドラマも重厚。アクションだけでなく人間ドラマも楽しみたい方におすすめです。
みんなの感想・レビュー