映画『ダマスカス』の概要:シリア内戦が続くイラク。パルミラから人々を救助する作戦に参加したパイロットのアリは、彼らを乗せて首都ダマスカスまで輸送機を飛行させる。だが、人々の中にISISが潜んでおり、輸送機は彼らによって占拠されてしまった。
映画『ダマスカス』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:アクション
監督:イブラヒム・ハタミキア
キャスト:ババク・ハミディアン、ハディ・ヘジャジファル、レイス・アル=ムフティ、ピエール・ダゲル etc
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映画『ダマスカス』の登場人物(キャスト)
- アリ・ロスタミ(ババク・ハミディアン)
- イラン人パイロット。父に認めてもらいたくてパイロットとなった。妊娠中の妻がおり、彼女は危険な仕事をするアリを心配していたが、アリは今の仕事に誇りを持っていた。幼少期は、忙しい父に構ってもらえず、寂しい時間を過ごした。
- ユネス・ロスタミ(ハジ・ヘジャジファー)
- アリの父。数々の戦場や内戦の空を飛んだ名パイロット。そのせいで、家にはほとんど帰ることができず、アリに寂しい思いをさせた。今では飛行機の操縦から離れ、指揮官としての役割をこなすことのほうが多い。
映画『ダマスカス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ダマスカス』のあらすじ【起】
2011年、シリアで内戦が勃発した。勢力拡大を狙うISISは、各地へと侵攻を開始し、次々に村や町を制圧していった。住む者たちは彼らに包囲され、生きていくには物資の配給が必要不可欠となった。
イラン人のパイロットであるアリ・ロスタミは父・ユネスの指揮下で、それらの町へ救援物資を空中投下する仕事をしていた。ある時、シリア政府がISISと戦闘になる。戦闘の舞台となったパルミラは陥落寸前だった。パルミラの格納庫には輸送機が残っていたので、それを使って人々を救助するという計画が持ち上がる。
アリはその計画に参加したいと願い出たが危険なため、ユネスは許可してくれない。アリには妊娠中の妻がおり、それも理由の一つだった。だが、アリはユネスの指示を無視してパルミラ行きのヘリに乗り込み、強引に同行した。
現地で、司令官のベラルと部下のバッセムたちと合流したアリたちは、パルミラの民とISISの捕虜数名、囚人などを乗せて首都ダマスカスの空港まで飛ぶこととなった。
映画『ダマスカス』のあらすじ【承】
真夜中に滑走路の障害物を取り除くと、トラックで飛行機を引っ張っていった。ISISに気づかれないように、作業は全てライトを点けずに行ったが、離陸直前に発見されてしまう。輸送機を守るため、ベラルとバッセムは敵に向かっていた。彼らが命と引き換えに敵を排除してくれたおかげで、アリは無事に輸送機の離陸を成功させる。
あとはダマスカス空港まで飛行するだけだったが、市民に紛れていたISISメンバーの奇襲により、捕虜が解放され、機内は彼らに制圧されてしまう。捕虜の中には指導者のマムドゥ・サアディと、その息子アブ・カレドもいた。
事態を察知したアリは、近くの古い飛行場に緊急着陸する。パルミラに引き返せと指示するサアディに、女子供と負傷者、死者を降ろすなら従うと条件を出すユネス。サアディはそれを了承し、数名のパルミラの男たちと、ISISを乗せた輸送機は再びパルミラへと引き返すこととなった。
だが、途中でロシア軍の戦闘機に捕捉されてしまう。カレドは良い絵が撮れると戦闘機を攻撃しようとしたがサアディに止められた。それを笑った捕虜に怒ったカレドは、捕虜を搬入ランプから突き落とそうとするが、抵抗した捕虜と一緒に、輸送機から落っこちてしまった。ショックを受けたサアディは怒りにまかせて戦闘機に発砲。戦闘機は離脱していった。
映画『ダマスカス』のあらすじ【転】
パルミラに戻ってきた彼らを待っていたのは、チェチェンのムジャヒディンというサアディとは別の部族だった。サアディは族長のアブ・オマルと交渉に出るが、敵と取引したことを知ったオマルは反逆行為だと言い、サアディの首をはねてしまった。
アリたちは、今度はオマルの捕虜となってしまう。多くの者は見せしめのために撮影されながら殺されていったが、アリとユネスはパイロットということで処刑を免れた。
オマルは輸送機に捕虜たちを乗せてダマスカス空港に向かい、給油をしたのち、再び飛び立つという計画を立てる。捕虜の中にはユネスの姿もあった。輸送機には至る所にカメラが付けられ、それらの映像は全世界に向けてライブ配信されていた。
アリは爆弾付きのチョッキを着せられ、サルマというISISの女性の指示に従い、操縦するように命令される。サルマは操縦ができなかったため、ユネスを副操縦士として解放してほしいと願い出たが、それは許可されず、アリは仕方なく一人で輸送機をなんとか離陸させた。
映画『ダマスカス』の結末・ラスト(ネタバレ)
オマルはダマスカス空港で給油すると言っていたが、アリはその発言にどこか引っかかりを感じていた。彼らが自爆テロを考えているのではないかと思ったアリは、ダマスカス空港までの自動操縦をセットする。
アリの行動に怒ったサルマは、彼を輸送機から放り出して爆破しろと部下に指示し、起爆装置を渡した。アリはケージに入れられた捕虜たちの横を通り過ぎて搬入ランプまで運ばれていったが、捕虜たちがISISメンバーに掴みかかって隙を作ってくれた。敵と格闘して重傷を負ったが、銃を奪ったアリはISISを撃ち殺す。敵から起爆装置を奪い、爆弾のチョッキを脱ぎ捨てた。
その様子をカメラで確認したサルマは、操縦室に籠城。輸送機を制圧できないと悟ったアリは、捕虜たちを脱出させることを考える。彼らが押し込まれているケージにパラシュートを付け、投下することにした。そして、ユネスを含め、全ての捕虜を無事に投下することに成功する。
ISISの真の目的は、輸送機をダマスカスの繁華街に墜落させることだった。ダマスカス空港の滑走路に近づいたことで自動操縦が切れ、それに気がついたサルマは、大急ぎで針路を変えた。
重傷を負ったアリは、自らの死を悟り、輸送機を爆破させることを決断する。彼は手に入れた起爆装置のスイッチを押して爆弾チョッキを爆発させた。輸送機は分解しながら山中に落下。自らの命を犠牲にしたアリの行動により、多くのダマスカスの命が救われたのだった。
映画『ダマスカス』の感想・評価・レビュー
エンターテインメントとして良くできているし、クオリティがとても高い。テロリストの捕虜から脱したと思ったら、すぐにまた別のテロリストの捕虜になってしまうところも良い。ISISがタブレット端末やドローン、GoProなどのアクションカメラを駆使するあたりなどが、とてもリアリティを生んでいる。イラン映画は、静かに考えさせられるドラマが多いと感じていたが、こういったアクションも作れるのかと脱帽した。(MIHOシネマ編集部)
ドキュメンタリーではないので現実で起きていることとは多少違いはあるだろうが、恐ろしいテロ行為や命からがら脱出しようとする難民達の姿に、深く考えさせられる物語だった。
尊い命がテロ行為を止めるために散らされていくのは、本当に見ていて辛い。主人公のアリだけでなく、輸送機を守るために戦ったベラルなど、彼らの勇敢な行動は誰にも真似できないと思う。アリの行動によって多くの命が救われたことは喜ばしいが、残された家族のことを思うと言葉が出ないほど悲しい。(女性 30代)
ISISの過激すぎる行動は日本でも大きなニュースとなり、別の国の情勢なんて…と他人事のように考えていた私ですがこの時ばかりは、自分がターゲットになるかもしれない恐怖を感じました。
この作品はそんなISISのテロリストたちに囚われてしまった人たちの姿を描いているので、本当にリアルでした。良い意味で簡単にテロを行うと言うか、世界を良い方向に向かわせるためにテロを行うんだという普通ではない価値観が伝わってきて鳥肌が経ちました。
アクションシーンにもかなり力を入れているのでドキドキしながら見られる作品でしょう。(女性 30代)
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