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映画『ダリダ あまい囁き』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ダリダ あまい囁き』の概要:スター発掘番組に参加したダリダは、レコード会社のルシアンの目に留まり、歌手デビューを果たす。彼女の曲は大ヒットし、あっという間にスターとなった。その後、彼女は数々の男たちと関係を持っていくのだが……。

映画『ダリダ あまい囁き』の作品情報

ダリダ あまい囁き

製作年:2017年
上映時間:127分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:リサ・アズエロス
キャスト:スヴェヴァ・アルヴィティ、リッカルド・スカマルチョ、ジャン=ポール・ルーヴ、ニコラ・デュヴォシェル etc

映画『ダリダ あまい囁き』の登場人物(キャスト)

ダリダ / ヨランダ(スベバ・アルビティ)
エジプト、カイロ生まれのイタリア系フランス人。バイオリン奏者の父のおかげで音楽に精通した少女時代を過ごす。スター発掘番組がきっかけで歌手デビューし、ヒット曲を連発。大スターとなったが54歳の時に自殺。
ルシアン(ジャン=ポール・ルーブ)
ダリダの歌唱力と美貌に惚れ込み、彼女と契約を結ぶレコード会社の重役。ダリダと結婚するが、結婚後数ヵ月でダリダがソビエスキーと不倫し、離婚した。その後は若い妻をもらうが、ギャンブル癖のせいで借金を作り、自殺した。
リシャール・シャンフレイ(ニコラ・デュボシェル)
アンジェルマン伯爵という呼び名で有名な錬金術師。ダリダと恋に落ち、同棲するが、嫉妬深く子供っぽい性格のせいで問題を起こす。

映画『ダリダ あまい囁き』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ダリダ あまい囁き』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ダリダ あまい囁き』のあらすじ【起】

エジプト、カイロで生まれたヨランダは出生時から目が悪く、幼少期はメガネをかけていた。それを見た周りの少女たちは、ブスと言って彼女をからかった。ヨランダの父はバイオリン奏者で、両親は精いっぱいの愛情を注いでくれていたが、ナチスが台頭しだし、父はイタリア人という理由で投獄。出てきた時はすっかり人が変わり、母を殴るようになっていた。ヨランダは父の死を願うようになり、やがて、それは現実になった。

成長したヨランダはダリダという名前でスター発掘番組に出演。会場に見に来ていたレコード会社の重役・ルシアンに気に入られ、契約を結ぶ。彼の元で作った曲“バンビーノ”は大ヒットし、その後もヒット曲を連発。ダリダは瞬く間にスターとなり、ルシアンとも必然的に関係を持っていった。

ダリダは結婚して子供を持つことが夢だった。ルシアンは離婚してダリダの元へ来てくれたが、スターは結婚すると傷がつくと言って先延ばしにしてばかり。ようやくプロポーズした時には、ダリダの愛はすっかり冷めてしまっていた。だが、それでも二人は結婚することにした。

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映画『ダリダ あまい囁き』のあらすじ【承】

結婚して早々、仕事でカンヌにやってきたダリダは、元王族の青年ジャン・ソビエスキーと出会い、惹かれ合っていく。二人の関係がパパラッチされ、ダリダの気持ちを知ったルシアンとの仲は、当然、悪くなっていった。ダリダはソビエスキーのためにパリに専用のアトリエを準備。その後、ルシアンとは離婚してしまう。

ダリダの初の単独コンサートが開かれた。だが、スキャンダルのせいで客の態度は冷ややかだった。しかし、彼女はプレッシャーに負けず、見事な歌を披露する。若い恋人を連れて客席に来ていたルシアンも称賛を贈った。その時、ダリダはルシアンのことも、ソビエスキーと同様に愛していることに気がつく。ダリダの心を知ったソビエスキーは、彼女の元を去って行った。

レコード会社と契約更新の時期となったが、ダリダの弟でマネージャーのブルーノと話しあった結果、独立したいと告げ、契約を終了させる。ブルーノの提案で、サンレモ音楽祭に出演することになった。そこで、歌手のルイジ・テンコの曲をダリダに歌わせ、イタリア人の心を掴もうというのだ。

ダリダとルイジは運命的に出会い、二人はあっという間に深い関係になっていく。ダリダは音楽業界の荒波を上手く乗りこなしていた。だが、芸術家肌のルイジは違い、すり寄ってくる金の亡者や、アーティストを尊重しない体制に怒りを感じはじめ、遂には拳銃自殺してしまった。

失意の底に落ちたダリダは、その一月後、同じ場所で後追い自殺を図る。だが、一命を取り留めた。セラピーを受け、少しずつ立ち直ったダリダは、音楽コンテストに参加するためにローマへと向かった。

映画『ダリダ あまい囁き』のあらすじ【転】

ローマにやってきたダリダは、ルイジの詩のファンだというルチオという学生と知り合う。ダリダは34歳だったが、ルチオは夢中になった。やがてダリダが妊娠。しかし、ダリダは結婚などしたら、若いルチオの人生を台無しにしてしまうと考え、悩んだ末、ルチオと別れ、子供を堕胎した。ルチオには別れの手紙と小切手を贈り、ダリダはローマを後にしていった。

精神的に立ち直らなくてはならないと考えたダリダは、インドへと渡り、僧侶の元で精神的回復を試みる。ダリダは歌うことが大好きだったが、歌手は辞めようと考えていた。そんな彼女に僧侶は、歌うことで人々を癒しなさいと助言を与えた。その言葉で勇気づけられたダリダは再び歌うことを決意する。

自分の生きる道を見つけ出したダリダとは対照的に、ルシアンは賭け事で借金を作り、そのせいでピストル自殺した。ルシアンの死の悲しみを、思い出の劇場で歌い上げたダリダは拍手喝采を受ける。だが、彼の死でダリダの精神は再び病みはじめていった。ダリダの母も亡くなり、彼女はどんどんと落ち込んでいく。

そんな時、テレビで人気の錬金術師リシャール・シャンフレイと出会ったダリダは、彼に惹かれていき、次第に夢中になっていった。二人は共に暮らすようになり、幸せな時間が流れ始めた。

ところが、リシャールは精神的に子供で、マスコミが勝手に騒ぎ立てるダリダの熱愛報道などに嫉妬し、駄々をこねるように不機嫌になることが多くなっていく。次第にダリダも愛想を尽かし始めたが、ある夜、不法侵入者と間違えてリシャールが使用人の恋人を射殺してしまった。ダリダは保釈金や賠償金で事件を解決したが、二人の関係は終わりに向かっていた。

映画『ダリダ あまい囁き』の結末・ラスト(ネタバレ)

ブルーノの提案でディスコ・ミュージックに挑戦したダリダは、大ヒットを飛ばす。アメリカでもヒットを記録し、ワールドツアーも大成功。46歳になったダリダは、ヒット曲満載のアメリカ的パフォーマンスで構成されたライブの開催を発表。ライブは素晴らしい成功を収めて幕を閉じた。

冷え切ったリシャールとの関係は修復できず、ダリダは別れを告げた。リシャールは泣いてすがったが、彼女の決意は変わらなかった。二年後、彼が自殺したことを知ったダリダは驚愕し、自分には愛した人を不幸にする呪いが掛かっているのだと号泣。次第に引きこもるようになり、体重を気にして食事も吐き出すようになる。

そこへ、映画の主演の仕事が舞い込んでくる。ダリダは皆の期待に応え、懸命に仕事をこなした。次回作として『クレオパトラ』の出演の話も順調に進んでいたが、その時にはダリダは自殺を決意していた。

ダリダはいつもと変わらない態度で周りに接し、夜は寝間着に着替えて静かにベッドに横になった。だが、サイドテーブルには“人生に耐えられない。許してほしい”という書置きが残されていた。そして、彼女は二度と覚めない深い眠りへと落ちていった。

映画『ダリダ あまい囁き』の感想・評価・レビュー

人によってはダリダがとても尻軽で、すぐに男になびいてしまう安い女に見えるかもしれない。ともすれば、その魅力の前に、男はあっという間に夢中になってしまい、その欲望の衝動に逆らえないとも考えられる。天から二物を与えられた者の苦悩とも言うべき波乱万丈な人生が描かれているが、彼女の歌と人生がシンクロする描き方はとても分かりやすいし、伝わりやすい。誰にも思い出の曲があるものだが、音楽と人生は深く繋がっているのだと再確認させられた。(MIHOシネマ編集部)


ダリダの人生は幼い頃から波乱万丈で、日常生活で気持ちを落ち着かせることはあったのかなと思った。歌手として成功する一方で、普通の平凡な暮らしにも憧れていたのではないかと思う。色んな男性と交際していたのも、寂しい気持ちがあったからではないかなと思った。
ダリダ役を務めたスヴェヴァ・アルヴィティが本当に美しい人で、映像の中で強い存在感を放っていた。表情から孤独と苦しみが感じられて、素晴らしい演技だったと思う。(女性 30代)


華やかな舞台にたち、一般人である私たちから憧れられるような存在のスターと呼ばれる人たちには、心が安らげる時間は無いのかなと可哀想に思ってしまいました。
彼女たちだって普通の人間なのに、スターになってしまったが故に、当たり前の生活が送れず、ごく普通のことが出来なくなってしまうなんて「何のために」生きているのだろうと感じても不思議ではないなと思います。
安らげる時間や、心を許せる人、本気で信じ支え合える人がいたら彼女の人生は変わっていたかもしれないと考えてしまいました。(女性 30代)

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