映画『操作された都市』の概要:身に覚えのない殺人事件の犯人として、第1級凶悪犯刑務所へ収監されてしまった主人公。彼はゲーマーでただのニートであったが、無実を証明するため、戦闘能力を身に着け脱獄を図る。都市の個人データを秘密裏に操作する黒幕と対峙するサスペンス映画。
映画『操作された都市』の作品情報
上映時間:127分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:パク・クァンヒョン
キャスト:チ・チャンウク、シム・ウンギョン、アン・ジェホン、オ・ジョンセ etc
映画『操作された都市』の登場人物(キャスト)
- クォン・ユ(チ・チャンウク)
- 無職でゲーマー。ハンドルネームは隊長。毎日、ネットカフェに入り浸っており、ゲームの腕はかなりのもの。見栄張りだが、自己犠牲精神が強く母親思いの好青年。冤罪にて第1級凶悪犯刑務所へ収監されることになり、戦闘に対してのスキルを身に着ける。
- ヨウル(シム・ウンギョン)
- ハンドルネームはひげ面兄貴。男性のボイスアプリにて性別を偽っている。対人恐怖症のため、直接の会話はしないが、スマホの通話では可能。天才ハッカー。倉庫のようなアパートに一人暮らしをしている。
- ミン・チョンサン(オ・ジョンセ)
- 法律事務所の所長で国選弁護士。顔の左額から目のあたりまで、赤黒い痣がある。事務所ビルの内部に大型の装置を作り上げ、ビックデータを操作し全てのデータを操作している。
- マ・ドクス(キム・サンホ)
- 第1級凶悪犯刑務所に収監されている囚人。全身に入れ墨を入れた年配者で、囚人を牛耳るボス。プライドが高く、傷つけられることを嫌い執念深い。
映画『操作された都市』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『操作された都市』のあらすじ【起】
無職のクォン・ユは毎日、ネットカフェで戦争ゲームばかりしている残念な青年。その日もネットカフェにいたが、忘れ物のスマホを届けるよう依頼される。一人暮らしの若い女性の自宅へスマホを届けに向かったが、なんと女性は入浴中。クォンは女性に言われた通りにしたが、不用心にもほどがあるため、注意を促す声掛けをして部屋を出た。
しかし翌朝、自宅に警官が突入。クォンは寝ていたところを叩き起こされ、婦女暴行殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。だが、彼には全くそんな記憶がない。クォンは事件の犯人として報道でも大々的に取り上げられ、平安な日々は一変する。
クォンの母親は息子の無実を信じ、必死に世間へ訴え続けたが、あらゆる証拠がクォンを犯人と示している。そうして、事件の残酷性から第1級凶悪犯刑務所へと収監されることになった。
岩穴を利用した刑務所は山奥にあり、人里からは遠く離れていた。収監されている囚人たちは殺人犯ばかりで、無実を訴え続けるクォンにとっては針の筵のようである。
そんなある日、囚人達を牛耳っているマ・ドクスの一派に囲まれたクォン。酷く痛めつけられた上に反抗したとして、30日間の懲罰房行きとなってしまう。
ドクスに反抗したことで、その後も奴から酷い目に遭わされクォンは絶望し、何度も自殺を試みた。その度に刑務官に助けられ、簡単に死ぬこともできず。
そんなある日、国際弁護士のミンと共に母親が面会に訪れる。母親の思いに応え、クォンも地獄のような収監生活を耐えようと決心。だが、そんな彼を目にしたドクスが更なる暴行を彼に加える。
そうして毎日、痛めつけられても尚、屈しないクォンを他の囚人が密かに応援するようになる。ドクスの暴力から逃れるには戦うしかない。クォンは機械室にてドクスと対峙し勝負に勝った。
だが、そんなクォンに残酷な事実が叩きつけられる。彼の母親が自殺したと言うのだ。しかも、息子のクォンは収監中であるため、葬儀には参列できないと言われるのだった。
映画『操作された都市』のあらすじ【承】
翌日、負けたことを恨んでいたドクスが行動開始。奴はクォンに復讐しようとしていたが、クォンもまたナイフにて抵抗しその後、自らの腹部を刺した。ただちに救急搬送されることになったクォンとドクスだったが、その途中でクォンは拘束から逃れ脱走を図るのだった。
脱走から2日が経過。ミンの事務所へようやく辿り着く。だが、ミンは警察へ通報してしまい、情報を得ることができなかった。クォンは次にネットカフェへ。そこで、かつてのゲーム仲間、ひげ面が事件の犯行について調査した動画を発見。彼は更にクォンの危機を察して助けてくれる。
ネットを介して、ある喫茶店へ来たクォン。そこでひげ面と会うことになったが、目の前に現れたのは若い女性ヨウルだった。音声はボイスアプリで変え、男性と偽っていたと言う。彼女は寂れたアパートへクォンを案内。室内はとても広かったが、ヨウルは一人暮らしらしくスマホの通話にて会話をした。そこへ、ゲーム内での仲間達がやって来る。彼らはひげ面から招集され、クォンの無実を証明するために協力してくれると言うのだった。
ハッカーでもあるヨウルにより、他の凶悪事件とクォンの事件に必ず、あるトラックが防犯カメラの映像に映っていることが判明。トラックの出所は仁川の廃車場。クォンとゲーム仲間が廃車場へ向かうと、怪しい黒塗りの車を発見する。クォンはその車を追跡し、ある豪邸の別荘へ。そこでは惨殺の現場を掃除しているのを見つける。更に廃車場で見張っていた仲間からは、トラックが変装してあるビルへ入って行ったと連絡があった。
映画『操作された都市』のあらすじ【転】
その夜、仲間達と協力してビルのシステムを利用し、クォンがある有名俳優の自宅へ侵入。トラックが届けた荷物の中にはその俳優の死体が入っていた。そこへ、誰かが来ると言うので物陰に身を潜めたクォン。彼はそこで事件現場の緻密な工作が行われるのを目撃。
現場工作が完了した様子に唖然とするクォンだったが、更にその様子を見ている者がいる。ネットカメラを介し室内の様子を見ていたのはミンだった。どうやらこれらの事件に関して、工作チームを動かしているのはミンらしい。
ヨウルの部屋へ戻ったクォンと仲間達は、更なる調査を行い別荘の持ち主が大会社の会長であることを突き止める。俳優は会長の娘と熱愛報道があったため、何らかの関係があったと思われる。そこで、クォンは俳優と一緒に殺害される女性の調査をすることにした。すると、クォンと同様の手口で女性にも連絡が入る。ヨウルの手腕によって工作チームの女の身元を発見。クォンはその女と接触を図ろうとしたが、失敗してしまい警察に追われてしまう。
逃走の果てに追い詰められたクォンだったが、そこへなぜかドクスが現れる。クォンはドクスとその一派に捕まってしまい、またも酷く痛めつけられる。ヨウルの通報によって警察の部隊が建物へ突入して来たため、クォンはどさくさに紛れて逃走。ドクスもまたしつこく追いかけて来たが、GPS装置を発見し、それを投げ捨てることで追手から逃れることができた。
映画『操作された都市』の結末・ラスト(ネタバレ)
ドクスはどうやらミンによって一時的に刑務所から出所し、クォンの捕縛を依頼されているようだ。クォン達はミンの事務所を調査し奴が黒幕であることを突き止める。更に事務所の古びたビル内にビックデータを操作できる大型の装置があるのを発見する。非常にセキュリティが厳しくヨウルの腕を持ってしてもハッキングは難しい。
そこでクォンは発見前の事件現場を荒らし、ミンに宣戦布告。ミンは現場を新たに作り直すことにした。
その頃、クォンもまた準備を進める一方で、工作部隊を次々に襲撃。秘書はこの事態に危機感を覚えミンに忠告したが、彼は事態を重く見ておらず夕方のニュースを目にして愕然とする。工作した事件現場にて犯人にするはずだった女性がなぜか会長の娘になっており、現場の指紋もすべて彼女のものにすり替えられていたのだ。即座に会長の娘は逮捕される。
追い詰められたミンにクォンから連絡が入る。通話を切った後、ミンは激情に駆られ室内で暴れていたが、ふと背後を振り返り秘書が倒れているのを目にする。ここでようやく危機感を覚えたミンは慌てて、ビックデータの部屋へ。だが、そこを狙ってクォンが襲撃し、奴を痛めつけた。クォンはビックデータにUSBフラッシュを差し込んだが、ミンはヨウルの自宅襲撃をドクスに命令したと言う。クォンは仲間を助けるため、すぐさま踵を返した。
その頃、ドクスはヨウルの自宅へ押し入りクォンの仲間達を捕縛。ヨウルを俳優殺しの犯人にするため、現場の工作が行われていた。工作完了後、ドクスはクォンの仲間達を処刑しようとしたが、電気が消灯し室内は真っ暗闇となる。そこへ、クォンが現れドクス一派を撃破。
仲間全員を助けたクォンは、車に乗り込み移動を開始。追手もまた彼らの追跡へと乗り出す。ミンもビックデータにてクォンを捕捉し、更に警察や報道陣が出動。都市はミンの手によって操られ、クォン達は凶悪な犯罪組織として認識されてしまう。
そこで、クォンはテレビ局へ突入しそれぞれに準備を開始。まるでゲーム内での行動が現実でも起きたかのように、彼らは連携して作戦を決行した。
だが、作戦も半ばでヨウルがドクスに捕まってしまい、他の仲間達も警察の機動隊に逮捕されてしまう。クォンはヨウルを救うためにドクスを追跡。激しい攻防を展開しつつ、ヨウルの救出を成功させるのだった。その後、ヨウルを再びテレビ局へ戻し、クォンもまた単独で行動。機動隊に囲まれた彼は自首する態度を示し一旦、留まる。
そこへ、部隊の仲間だった他の2人がようやく到着。その2人はアダルト動画の配信を本業にしていたカップルである。
ミンはクォンを追い詰めたと歓喜に沸いていたが突如、ビックデータが消失してしまう。テレビ局に戻ったヨウルがハッキングを成功させ、データを奪ったのだ。テレビ放送をジャックした仲間達は、あらゆる証拠動画と音声によって隠蔽されていた真実を世間へと公表。これにより、クォンや他の事件の冤罪で裁かれた人々が無実であったことが判明し、黒幕であったミンは逮捕。彼に依頼した大物の財界人たちもまた相応の罪で裁かれることになったのだった。
映画『操作された都市』の感想・評価・レビュー
最新技術を駆使して殺人事件の現場を作り上げる様子がかなり緻密。主人公はゲーム内では頼りになる部隊長だが、現実ではただのニートだった。けれども、第1級凶悪犯刑務所にて毎日、暴力に晒されることによって研ぎ澄まされていき、同時に顔つきも変化していく様が素晴らしい。
ドクスの存在が事態をややこしくしていると感じる。恐らくは彼の存在がなくても成立する内容だと思う。財界人の悪をミンが一身に体現し、彼の上にいる存在は最後まで明かされない。証拠動画によって初めて依頼主たちが明らかになるが、それまでは匂わせる程度に描かれている。二層三層と重厚に練られており、かなり見応えのある作品。(MIHOシネマ編集部)
実際に主人公のように嵌められたら、自分で無実を証明することはできないと思う。自分を嵌めた相手が分からないのが、一番不気味で怖いと感じた。
無職でゲーマーである主人公が、そんな簡単に戦闘スキルを身につけられるものなのかと冷静に思う部分も少しだけあった。でも、銃撃戦を含めた戦闘シーンは見応えがあったし、ストーリーも先が読めない展開で普通におもしろい作品だった。最後は黒幕達を懲らしめて終わるため、スッキリとした気持ちで見終わることができる。(女性 30代)
知らぬ間に自分が犯人に仕立てあげられていて、真実を突き止めるために主人公が奮闘するというストーリーはたくさんありますが、今作の主人公はニートのゲーマーと言うのがポイントではないでしょうか。
殺し屋とか、特殊部隊に所属していた人間が主人公だと簡単に真犯人を突き止められるだろうと思ってしまうタイプなので、今作はかなり見応えがありました。
ゲーマーとしての才能だけでなく、アクションも意外としっかりしていて面白かったです。チ・チャンウクがめちゃくちゃイケメンなので、それだけでも見る価値があります。(女性 30代)
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