映画『レッド・ブロンクス』の概要:多少残酷なシーンはあるが、ジャッキー映画に見られるコメディタッチで描かれる物語には笑いを誘われる。撮影中、右足首を骨折しながらもアクションを続けるジャッキーの姿はアクション愛を感じさせる。
映画『レッド・ブロンクス』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:アクション、コメディ、フィルムノワール
監督:スタンリー・トン
キャスト:ジャッキー・チェン、アニタ・ムイ、フランソワーズ・イップ、トン・ピョウ etc
映画『レッド・ブロンクス』の登場人物(キャスト)
- クーン(ジャッキー・チェン)
- カンフーの達人。おじの結婚を祝いに香港から来た。英語を話せる。自分や周囲に迷惑をかける暴走族たちを更生させるほど、思いやりがあり度量が広い男。
- エレイン(アニタ・ムイ)
- ビルからスーパーを買い取ったオーナー。暴走族に襲われた際、クーンに助けられ一方的に恋に落ちる。
- ナンシー(フランソワーズ・イップ)
- 暴走族のバイク乗り。21歳。生活費を稼ぐため、クラブで踊り子をしている。クーンの思いやりによって更生する。
- ビルおじさん(出演者:トン・ピョウ / 声:バートン・シャープ)
- アメリカに住むクーンのおじ。ニューヨークのブロンクスに店を構えているが、エレインに売る。結婚したばかりで妻とハネムーンへ行く。
- トニー(マーク・エイカーストリーム)
- 暴走族のリーダー。執拗にクーンを追う。
- アンジェロ(カービン・クロス)
- バカ丸出しの暴走族。ギャングのダイヤモンドを盗み、命を狙われる。
- ホワイト・タイガー(クリス・ロード)
- ダイヤの行方を追うギャングのボス。非情な男で目的のためなら残虐なことをする。
- ダニー(モーガン・ラム)
- 車いすに乗る少年。ナンシーの弟。隣人であるクーンに懐いている。
映画『レッド・ブロンクス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『レッド・ブロンクス』のあらすじ【起】
おじであるビルの結婚式のためアメリカへ来たクーンは、ビルが経営するスーパーマーケットのあるニューヨークのブロンクスへと訪れた。そのスーパーはビルの妻が牧場経営をしたいということでエレインに売り渡す。
クーンは、隣人である足の不自由な少年ダニーと仲良くなる。彼には姉がいるのだが、あまり家にいないので寂しい思いをしているだろうと、持っていたゲームをプレゼントした。
ビルの友人から結婚式で使う立派な車を借りるのだが、絶対に傷つけないでほしいと念を押される。アパートの前に車を駐車していたのだが、クーンは夜中に大きなエンジン音が聞こえたため目が覚めた。暴走族同士の賞金を懸けた争いが始まっていたのだ。バイクが2台、何台も並んだ車の上を走っている。目と鼻の先には結婚式のための車がある。クーンは慌ててバイクの前に立ちはだかり、事なきを得る。クーンが争いを止めに入ったため、バイク乗りのナンシーは賞金を獲得することができなかった。
ビル夫婦はハネムーンへ行ったため、クーンはおじのアパートを借り、エレインの経営するスーパーを手伝うことにした。
映画『レッド・ブロンクス』のあらすじ【承】
暴走族の数人がエレインの経営するスーパーへとやってきた。万引きをし、店内を荒らす彼らに対して、クーンが得意のカンフーで反撃。店内はめちゃくちゃになったが、暴走族たちを追い返した。そして、クーンの勇ましい姿を見てエレインは恋に落ちる。
仕事の帰り道、クーンは女性が攫われるのを目撃する。後を追い、女性を助けるクーンだったが、連れ去られた女性はナンシーだった。すべて彼女の演技で、仲間と共にクーンを待ち伏せしていたのだ。そこには彼らのリーダーであるトニーの姿もあった。クーンは善戦するも、多勢に無勢で敗北してしまう。
クーンは血だらけになりながら、おじのアパートまでたどり着いたのだが、気を失ってしまった。発見したのはナンシーとダニーだった。ダニーの姉とはナンシーだったのだ。ナンシーは傷の手当をするが、襲ってしまった手前、起きるのを待たずに出ていってしまう。
一方、街ではギャング同士の争いが起こっていた。1台のコントロールを失った車が暴走族のアンジェロと仲間のひとりの前で停止する。アンジェロたちは金目の物を盗むが、あとから来た銃を持ったギャングに撃たれそうになる。アンジェロの盗んだものの中にはダイヤモンドが入っていて、それを取り返そうとやってきたのだ。
その光景をアパートへの帰り道、クーンとダニーは見ていた。アパートへ帰る2人だったが、銃声や足音が聞こえたので、クーンはダニーを抱きかかえ部屋の中へ入った。
アンジェロは逃走している際、廊下に置かれた車いすを発見する。咄嗟に車いすのクッションにダイヤモンドを隠し、再び逃走した。
映画『レッド・ブロンクス』のあらすじ【転】
ダニーの家にはナンシーの姿はなかったが、部屋の影でクーンとダニーの話を聞いていた。以前から強請っていた新しい車いすのクッションが置いてあり、ダニーは歓喜の声をあげていた。様子を見に来るクーンに対して、ダニーは姉のことを心から愛していることを伝える。感動のあまり、隠れていたナンシーはダニーを抱きしめた。そして、クーンに許してほしいと泣きながら話すが、クーンはダニーに姉の素行を知られないよう、気にしなくていいとだけ言った。クーンの度量の広さに感激し、ハグをした。
クーンはナンシーが踊り子をするクラブへとやってきたが、トニー達と鉢合わせてしまう。
怒りに狂ったトニーは仲間を連れ、エレインのスーパーまで来て、店を破壊していった。その時、店外にいた仲間2人はギャングに攫われてしまう。
怒りが頂点に達したクーンは暴走族のアジトに乗り込み、カンフーで暴走族を倒した。その際、暴力と盗みを繰り返す彼らに更生を促す。
ギャングに攫われた1人がごみ袋を持って帰ってきた。ごみ袋の中には粉砕機に入れられ、殺害された仲間が入っていた。アンジェロの盗んだダイヤを渡さないと殺すという脅しだったのだ。
映画『レッド・ブロンクス』の結末・ラスト(ネタバレ)
ナンシーはアンジェロの隠れていそうな場所に心当たりがあり、クーンとトニーを案内した。しかし、ギャングもアンジェロを発見し、ナンシーとトニー、アンジェロを人質に取られた。クーンはひとり、ダニーの車いすに隠されたダイヤを探しに行くのだった。
ギャングはダイヤを探すため、ダニーのクッションを破り、部屋の中を隈なく探した。クーンは隙を見てギャングを倒す。結果報告を聞くため電話をしてきたギャングのボスであるホワイト・タイガーと話し、人質を殺されたくなければダイヤを持ってこいと言われる。
クーンは打開策を考えるためにエレインのスーパーに来たのだが、ホワイト・タイガーに店を粉々にされる。エレインとクーンは奇跡的に無事だったのだが、エレインは怒りに狂って雄叫びをあげた。
クーンは警察に協力を求め、拘束に手を尽くすがホワイト・タイガーは優雅にゴルフを楽しんでいる。手下のギャングたちはホバークラフトを使い、逃走を図る。水上を走るホバークラフトにクーンは飛び移り、逃走を阻止しようとする。水上から陸に乗り上げても尚、逃走を図るギャングを警察は捕まえられない。痺れをきらしたクーンは古物店に置いてあった刀を持ち、ホバークラフトに傷をつけられたスーパーカーに飛び乗った。スピードを上げて切りつける。すると、ホバークラフトから空気が抜け、ギャングたちを捕まえることができた。
人質も解放され、クーンたちはホワイト・タイガーのいるゴルフ場へとやってきた。陸上走行は違法だが、警察の協力もあり、空気を入れ直したホバークラフトでホワイト・タイガーを引き潰し、情けない姿を拝むことができた。
映画『レッド・ブロンクス』の感想・評価・レビュー
色々なシーンにコメディ要素のある映画だ。エレイン役のアニタ・ムイとジャッキーのやり取りはまるで漫才を見ているかのようで、笑いがこみ上げてきた。
ジャッキーのキレのあるカンフーアクションもとても見応えがある。敵と戦っている最中はアクションに見入ってしまう。しかし、それだけではない。敵とのアクション中のやり取りもとても面白い。シリアスな場面だが何故か笑ってしまう。そういう演出があるのも魅力的である。(MIHOシネマ編集部)
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