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映画『アレノ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アレノ』の概要:男と妻は、夫の殺害計画を実行する。夫が行方不明の間、男と妻は体を重ね夫の行方が分かるまで共に過ごしていた。亡くなった夫の亡霊と向き合う妻は、幼馴染であった男との未来について考え出していく。

映画『アレノ』の作品情報

アレノ

製作年:2015年
上映時間:79分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:越川道夫
キャスト:山田真歩、渋川清彦、川口覚、内田淳子 etc

映画『アレノ』の登場人物(キャスト)

妻(山田真歩)
病弱な夫と結婚したが、幼馴染の男と不倫してしまう。男に夫を殺す計画を提案されたが、否定せず実行することにした。夫が行方不明の間男と共に過ごし、夫の母親から邪魔者扱いされている。
男(渋川清彦)
妻と夫の幼馴染で昔町を離れたときに妻と夫が結婚した。妻に再会したときに妻を愛していると感じ、不倫関係になってしまう。妻も自分を愛していると捉え、夫の殺害を提案する。ヒゲが生えてて荒っぽい性格だが、妻を支え続ける。
夫(川口覚)
体が弱く、妻と男が不倫しているのを知っている。ボートで溺れたときに男の手を振り払い、妻の名前を呼んでいた。亡くなった後は、亡霊として妻と男の行動を共にしていた。

映画『アレノ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アレノ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アレノ』のあらすじ【起】

妻と男はボートから引き上げられ、一緒に乗っていた夫の行方を探していた。妻は夫の体が弱いことを、引き上げられた人たちに必死に伝えていた。男は自分のせいだと言い出し、起きた事件について冷静に話していた。

男は妻に家に帰ってゆっくりしろと言ったが、妻は家の中で夫がうろついているような気がして嫌だと言った。男は自分の家に居たらどうかと提案もしたが、妻はそんなことはできないと言い走り去った。男の車に乗った妻は、車の中で追いかけてきた男にキスをした。二人はラブホテルに行き、夫が行方不明の間体を重ねていた。妻は後ろで夫に見られていると感じながらも、男と行為を続けていた。

その日の夜、起きた妻は夫の母親からの電話で、息子の容態を妻に聞き出していた。妻は申し訳なさそうに未だ行方不明のままの状態を話し、男と夫を重ね合わせて見ていた。男と妻は気分転換に外に出て、倉庫らしき所に着き再び体を重ねた。

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映画『アレノ』のあらすじ【承】

翌日、妻は夫が着ていた服を手に取り夫のことについて考えていた。ホテルを出た男と妻は夫がまだ見つからないことを知り、ボートから落ちた湖にやってきた。男はボートから引き上げられたとき、夫が泳げないことを知っていた。そのため、夫の手を握ったが夫は手をほどき、彼女をと言われたような気がしたことを妻に話していた。妻はその言葉は本当なのかと男に問いかけたが、男は質問には答えず飲み物を買いに行った。

待っていた妻は、夫が行方不明になる前の夫との会話や行動を思い出していた。それは、妻が幼馴染の男と結婚したほうが幸せになれたはずだと夫に言われ、夫は妻と男が不倫関係であることを知っていたのだ。夫が車で睡眠を取っていた後ろで、妻と男は夫を殺そうと企みキスをしていた。

ホテルに戻った妻は服を洗濯するため外に出ようとしたが、男が洗濯物をばら撒いた。男は夫が着ていた服を着て、煙草を買いに外に出た。妻は湖まで歩いて行き、飛んでいる鳥を眺めていた。湖から帰ってきた妻はドアの向こうから夫が来たことに動揺しながらも、溺れる前に自分の名前を呼んだのか夫に質問した。夫はドアの隙間から妻の手を握り、妻の元へ帰ってきたのになぜ中に入れてくれないのかと寂しげに語っていた。

映画『アレノ』のあらすじ【転】

男が妻の元へ帰ると、妻は怯えたように男を怖がっていた。男は妻を優しく抱き締め、大丈夫だと何度も言った。

翌日、男は家に帰ろうと妻に言ったが、妻は夫の行方が分からないため帰らないと言った。そのとき、妻の携帯から夫の死体についての電話が入った。妻は警察に向かい、足が不自由な夫の母親と会った。夫の母親は妻の手に噛みつき、髪の毛を引っ張りながら妻が代わりに死んだらよかったのにと罵倒した。夫の死体を目にした妻は、夫ではないと言い部屋を出た。夫の母親は息子の手を取り、何度も何度も自分の息子だと言い張った。

妻は男のいるホテルへ帰り、夫が亡くなる前に自分の名前を呼んだと話していたのは、嘘ではないのかと男に問いただした。男は前々から夫がいなければいいのにと言っていた妻に怒り、夫を殺した理由は妻がそそのかしたからだと言った。妻は撒き散らされた服を集め、洗濯をしに外に出て行った。コインランドリーで洗濯を待っていた妻は、男がボートから引き上げられたときに言った言葉を呟いていた。

映画『アレノ』の結末・ラスト(ネタバレ)

その頃男は、ホテルで大量のお酒を飲んでいた。酔っ払っている男を、亡くなった夫の亡霊が介護をしていた。夫は昔話を男に話し、懐かしそうにしていた。そのとき、男は思い出したかのように、急いで妻のいるコインランドリーまで夫と向かった。コインランドリーに居ない妻を追った男は、離れたところで妻が違う男と体を重ねていた場面に出くわしてしまう。男は妻に何か言うのでもなく、黙ったまま去って行った。後を付いて行った夫は、男と妻の姿を昔から見ていたことを男に伝えた。

ホテルに戻った妻は洗面所で指輪を外し、後ろから俺にも死んで欲しいのかと男に問いかけられていた。男は薬を飲み物の中に入れ、妻は男に愛しているのかと質問した。男が愛していると言ったとき、妻は薬の入った飲み物を飲み干した。それを見た男も妻と同じように飲んだ。妻と男は苦しそうに嘔吐し、男は頭の中で混乱していた。落ち着きを取り戻した男と妻は横になり、寝ている男の寝顔を妻は見ていた。

夫は亡くなった湖に行き、仰向けになりながら笑っていた。男は目が覚め隣に妻がいないことに気付きながら、重い体を起こした。男は洗面所で妻の指輪を手に取り、再び洗面所に投げ捨てた。免許がない妻は男の車に乗り、ふらふらな運転のまま進んでいた。妻は橋にぶつかりそうになったが、笑いながら前に進んでいった。

映画『アレノ』の感想・評価・レビュー

登場人物の名前が出てこない違和感を吹き飛ばすような、ミステリアスな物語だった。仲の良かった幼馴染の3人のうち、妻と夫が結婚することによって起きた不倫問題や、夫を殺害しようと決意した妻と男の固い絆など、面白さがたくさん詰まっていた。行方不明の間夫が溺れた湖付近に滞在してた妻の気持ちや、妻を支える男の本音が露わになる場面も見所であった。(MIHOシネマ編集部)


本作は、幼馴染みの男と不倫関係になった女が夫を殺害しようと試みる姿を描いた官能的ヒューマンドラマ作品。
妻役の山田真歩さんの目線の動きや派手さを抑えたしっとりとした色気、体当たりの演技にとても引き込まれた。
特に、夫の前と男の前とでの演じ分けが素晴らしかった。
やはり彼女は、心のどこかで夫のことを想っていたのではないかと思う。
そして、色味を抑え曇った映像と洋画のような音響が、作品の世界観をより一層深めているように感じた。(女性 20代)


安易な考えで殺してしまうと、こういうことになるんだろうなという作品です。衝動的な犯行と言うと、残忍で理解し難い思考の人間が犯した犯行というイメージがありますが、この作品で描かれる殺人は「なんとなく」というか「覚悟が決まらないまま」犯してしまった感じ。そのため、湖に投げ捨てた死体が上がるまで湖畔のホテルでなんとなくセックスをする始末。
ある意味、胸クソ悪い作品です。しかし、作品の雰囲気がいい意味で地味なので、出演者たちの心の中が映し出されている感じがものすごく良かったです。(女性 30代)

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