映画『ゴッホ 最期の手紙』の概要:フィンセント・ファン・ゴッホの死の翌年、彼が弟のテオに宛てた手紙が発見された。フィンセントの友人であった父に手紙を託されたアルマンは、パリへ行きテオの死を知る。やがて、アルマンはフィンセントの死に疑問を持ち始める。
映画『ゴッホ 最期の手紙』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:サスペンス、ミステリー、アニメ
監督:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン
キャスト:ダグラス・ブース、ジェローム・フリン、ロベルト・グラチーク、ヘレン・マックロリー etc
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映画『ゴッホ 最期の手紙』の登場人物(キャスト)
- アルマン・ルーラン(ダグラス・ブース)
- フィンセントが弟のテオに書いた手紙を父から託される。パリを訪れ、テオの死を知った。フィンセントと関わっていた人々から話を聞くうち、彼の死に疑問を持ち始める。
- ガシェ(ジェローム・フリン)
- オーヴェールにいた頃のフィンセントの主治医。芸術家を目指していた過去があり、フィンセントとは趣味も合いすぐに親しくなった。
- マルグリッド・ガシェ(シアーシャ・ローナン)
- 医師の娘。父の指示で、フィンセントが絵を描いている間は家を空けるようにしていた。
- アドリアーヌ・ラヴー(エレノア・トムリンソン)
- オーヴェールでフィンセントが滞在していた宿の娘。両親と共に、フィンセントとは良い関係を築いていた。
映画『ゴッホ 最期の手紙』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ゴッホ 最期の手紙』のあらすじ【起】
フィンセント・ファン・ゴッホの死の翌年、彼が弟のテオに宛てた手紙がアルルで発見された。アルマン・ルーランは、テオに届けてほしいと父からこの手紙を託されていた。父は郵便局長で、フィンセントの友人だった。フィンセントが自殺を図ったということを疑ってもいた。
アルマンはパリへ赴き、フィンセントの友人であった画材商タンギーに話を聞いた。元から病弱だったテオは兄の死後急速に弱っていき、兄の半年後に死去していたのだった。フィンセントがパリを去った2年後、タンギーは彼と再会していた。彼の様子を見て、今後の成功を確信した矢先の死だった。タンギーも父同様、フィンセントが自殺したということに疑念を持っていた。その頃、彼の絵は同業者から評価されていて、精神病も完治したと主治医のガシェから聞いていたためだった。
ガシェはフィンセントがオーヴェールにいた頃の主治医だった。アルマンはオーヴェールへ移動しガシェの家を訪ねるも、ガシェはパリに行っていて不在だった。フィンセントについて聞きたいのだと伝えると、家政婦は彼について、邪悪な人だった、迷惑をかけられたなどと述べた。
映画『ゴッホ 最期の手紙』のあらすじ【承】
アルマンはフィンセントが滞在していたという宿を訪れた。主人ラヴーの娘アドリアーヌは、フィンセントの最期について教えてくれた。ある日、腹部に傷を負ったフィンセントが宿に戻ってきた。ガシェ医師が呼ばれ、フィンセントは彼に銃弾を取り除いてほしいと頼んだ。だが、元軍医でそういった処置に慣れているはずのガシェは何もせずそのままにしたのだという。翌朝、事情を聞きに来た刑事をラヴーが追い返した。午後にはテオが駆け付けた。フィンセントは落ち着きを取り戻したように見えたが、夜には容体が悪化、深夜に死去した。アドリアーヌは、オーヴェールで過ごすフィンセントは満足しているように見え、自殺の予兆はなかったと述べた。一方で、ガシェと口論している様子を見たことはあった。毎日絵を描き、よく川へ行った。その様子は貸しボート屋に聞けばわかると教えてくれた。
アルマンは川まで歩き、貸しボート屋に声を掛けた。フィンセントはよくここへ来て、ぼんやりと座っていたという。たまに絵を描いていて、孤独な男という印象だった。だが一度、ガシェの娘マルグリッドと2人で来たことがあった。貸しボート屋は、不相応な女性と付き合ったためにフィンセントは自殺に追い込まれたのだと言った。
ガシェの家まで戻り、アルマンはマルグリッドを呼び出した。芸術家を目指していたガシェとフィンセントは、気が合いすぐに親しくなった。だがマルグリッドとはほとんど話したことがなく、川に行ったというのも人違いだということだった。アドリアーヌはガシェとフィンセントが口論していたと言ったが、2人は家族のように仲が良かったとマルグリッドは話した。
映画『ゴッホ 最期の手紙』のあらすじ【転】
アルマンは昨日から自分を付け回していた少年を追って、そのおじの男性と出会った。フィンセントは畑で自殺をしたと言われているが、男性は納屋から銃声が聞こえたと述べた。畑での目撃情報を持っている者はいない。フィンセントの所持品は、畑と納屋のどちらからも見つかっていなかった。また、フィンセントはスクレタン兄弟という素行の悪い兄弟と付き合いがあったという。特に弟のルネは行き過ぎたいたずらをする人物で、フィンセントもよくからかわれていた。フィンセントが傷を負った日も、ラヴーから買った銃を振り回してふざけていた。
酒を飲んでいると、またあの少年がやってきた。しかし少年は他の客から嫌がらせを受ける。それに腹を立てたアルマンは、泥酔していたこともあり彼らに殴りかかった。目を覚ますと警察署にいた。付き添っていたのは、フィンセントが傷を負った翌朝に事情を聞きに行った刑事だった。刑事と話す中で、マゼリ医師という初めて聞く名前を耳にしたアルマンは、彼の家を訪れることにする。
マゼリ医師は、フィンセントの自殺にとても懐疑的であった。そもそも自殺ならば腹部ではなく頭を撃つはずであるし、傷の角度が自分で撃つには非常に困難なものだったという。さらに、弾が貫通せずに体内に残っていたのは、離れた場所から何者かに撃たれたためだと述べた。
映画『ゴッホ 最期の手紙』の結末・ラスト(ネタバレ)
マルグリッドがアルマンのもとへやってきた。そして、フィンセントとガシェ医師が口論をしたことがないというのは嘘だったと認めた。ガシェは、フィンセントの制作を邪魔しないようにとマルグリッドにきつく言っていた。そのためマルグリッドは、フィンセントが来る日には家にいないようにした。しかし、それが原因で2人は口論になったのだという。
ガシェ医師がオーヴェールに戻ってきた。フィンセントは、弟のテオから援助を受け続けていることに苦悩していた。フィンセントと口論になった際、ガシェはテオが病気であること、兄への長年の援助がストレスとなっていることなどを思わず口にしてしまった。テオの身を案じ、フィンセントは自殺を選んだ。それがガシェの言うフィンセントの死の真相だった。一方で、アルマンはルネが誤ってフィンセントを撃ったのだと確信していた。テオの妻が書簡を集めて出版しようとしているらしく、ガシェはアルマンが持ってきた手紙も渡しておくと申し出てくれた。
アルマンはアルルへ帰った。テオの妻より、ガシェから手紙を受け取ったこと、アルマンの行動に心を打たれたことを知らせる手紙が届いていた。そして、アルマンが渡した手紙の書き写しも同封されていた。その後、アルマンはチュニジアへ渡り、警察官となって残りの人生を送った。
映画『ゴッホ 最期の手紙』の感想・評価・レビュー
油絵を元にアニメーションが作成されており、不思議な映像だと感じた。一般的なアニメと違い、紙芝居や絵本を見ているような感覚になる。ストーリー自体にはミステリーやサスペンス要素が多く、映像との良い意味でのミスマッチが面白かった。本作品の登場人物の多くは実際にゴッホが肖像画を描いていた人々である。エンディングではゴッホの絵と作中のカットが比較されていて、最後まで興味深く見ることができた。(MIHOシネマ編集部)
画家のゴッホの生涯とその死について描き、世界中から選ばれた125人の画家で構成されたチームにより、ゴッホと同じ技法を用いた油絵を6万5000フレームも描いて制作された驚異的な長編アニメーション作品。
まず、これまでになかった技法によるアニメであることに驚きを隠せない。手描きの油絵で制作されたものであると同時に絵の緻密さにも驚かされる。淡々と進むストーリーにも関わらず、観ている内に登場人物が実写であるかのように感じるのも不思議な感覚だった。実際にゴッホが描いた絵を作中に用いることで、実在していたという実感を持たせ更にストーリーでもゴッホとその弟の関係性や人柄を描いている。第90回アカデミー賞にて長編アニメ映画賞や、第30回ヨーロッパ映画賞の長編アニメ映画賞を受賞するのも頷ける素晴らしい作品。(女性 40代)
本作は、ゴッホの死後、彼の最期の手紙を届ける為に友人のアルマンが彼にゆかりのある人物たちを訪ねていくサスペンスミステリー作品。
そして、全編がゴッホの油絵調で制作された油絵のアニメーションである。
ゴッホの作品は色彩豊かでこってりとした油彩画が特徴的だが、劇中ではデッサン調のモノクロで描かれるシーンもあり、手法を使い分けているところにこだわりを感じた。
ゴッホの作品が動き出すような画面はそれだけでも見応えがあるけれど、様々な視点でゴッホが語られ、彼の人物像が段々変化していくところも面白い。(女性 20代)
とにかく素晴らしく、芸術的で美しい作品でした。ゴッホの絵が動き出したかのようなアニメーション作品で、今まで見てきたどの作品とも違う絵のタッチに驚きました。昔の偉人を題材にしたストーリーはどうしても事実でない表現や、誇張した描き方が気になってしまうのですが、今作はゴッホの肖像画を描いた何人もの画家たちが様々な視点から描いているので、とてもリアルで素敵な絵を何枚も見ているような気持ちになりました。(女性 30代)
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