映画『死刑台のエレベーター(2010)』の概要:1958年にフランスで作られたノエル・カレフ原作、ルイ・マル監督の作品のリメイク版。監督は緒方明、主演は吉瀬美智子、阿部寛。不倫中の男女が計画した15分で終わる完全犯罪が崩れていく様子を描いた。
映画『死刑台のエレベーター』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:111分
- ジャンル:サスペンス
- 監督:緒方明
- キャスト:吉瀬美智子、阿部寛、玉山鉄二、北川景子 etc
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映画『死刑台のエレベーター』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『死刑台のエレベーター』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『死刑台のエレベーター(2010)』のあらすじを紹介します。
医師の時藤と、彼を救った上司でもある手都グループ会長の妻、芽衣子は不倫関係。
芽衣子から完全犯罪だという手都会長殺害計画を持ちかけられた時藤は、実行する決意を固める。
その日は海外から来客を招いたレセプションパーティーがあり、警察官は警備に総動員されていた。
隙のできる15分の間に会長を自殺に見せかけて殺害し、自分の仕事部屋に戻った時藤。
しかし、窓伝いに移動した際のロープが残ってしまった。
時間通りに同僚と会社を出た時藤は、車で帰る振りをしてエレベーターで部屋に戻ろうとするが、運悪く主電源が落とされてしまい、エレベーター内に閉じ込められてしまう。
その車を偶然見つけた警官の赤城と、彼の恋人で時藤が懇意にしている美容師の美加代は車を奪い、チンピラに取られた自分の拳銃を追って暴力団組長の後を追う。
時藤の車に乗る美加代の姿だけを見かけた芽衣子は疑心暗鬼に陥る。
神と情婦の朔美を追っていた赤城と美加代は、ひょんな事から神の宿泊するコテージに泊まることに。
名前を聞かれた美加代は、とっさに時藤の名前を使ってしまう。
車内で見つけた年代物のカメラにはしゃぐ美加代がフィルムを探して席を外した間に、朔美の元彼だった赤城が神と朔美に発砲。
そのまま2人は自宅に逃げ帰る。
映画『死刑台のエレベーター』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『死刑台のエレベーター(2010)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
物足りないサスペンス
キャッチコピーが「愛のための完全犯罪。それは15分で終わるはずだった。」で、完全犯罪が失敗する事が前提になってしまっている作品。
作品開始30分で手都会長殺害は終わるので、そこまでは納得して見てしまうし、移動に使ったロープを取り残すというのも“やはり”という感覚。
その後、証拠隠滅のために戻ったビルのエレベーターに閉じ込められた阿部寛演じる時藤の脱出劇はハラハラドキドキだが、それも大きな動きがなく一晩過ぎて簡単に出られてしまうというあっけなさ。
彼がエレベーターに閉じ込められている間、完全犯罪が成功したのか気になって街中を歩き回ったり、女性の影を見て不安になったりする芽衣子を演じた吉瀬美智子の演技はリアリティがあり、キャラクターとしても他の登場人物とは立場が違うためか独特の存在感がある。
最初から最後まで電話越しの会話と手紙でのやりとりしか見せず、終盤でツーショット写真が出る以外には同じ画面上に映らない2人という演出にはこだわりがある。
リアルな感情を描くという設定の限界
玉山鉄二が演じる警官の赤城は登場シーンからチンピラにケンカを売るなどおかしな点が多く、北川景子演じる赤城の彼女、美加代の純真無垢で他人を疑わないキャラクターも感情移入しにくい。
ヤクザの情婦で赤城の元カノ朔美が組長を殺したらヨリを戻すと言いつつも、赤城が実行したら怒り出すという、矛盾した感情を持つ人間のリアルさを映画で描くのは難しいように見える。
人を殺めてしまった赤城の「自分は殺していない」という台詞と、「人を殺したら死刑になる」と無理心中を図ろうとする追い詰められた美加代はある意味リアリティがあるのだが、それも映画で描くのには限界がある。
この2人が時藤の私物や車、名前を勝手に使った事で時藤が警察に連行され、身に覚えの無い殺人事件の被疑者にされてしまうのだが、そこで自分の罪を自白しなくてもいいのでは、というツッコミどころがある。
そもそもの原因となった、車にキーをさしたまま証拠隠滅に向かうというストーリーもツッコミどころだ。
フランス映画のリメイクとはいえ、日本の街中で金髪の少女が英語で話しかけてくるという設定も、やりすぎという印象を与える。
1958年公開のフランス映画をリメイクした今作。愛のための完全犯罪という謳い文句に惹かれて見たものの、PRの下手さにがっかりしました。
サスペンスものの予告で一番してはいけないのがネタバレですよね。物語の肝心な部分のネタバレはしていないつもりなのかもしれませんが、完全犯罪が失敗するというあらすじが分かってしまっている時点で、観客の見方は大きく変わってしまいそこからどうなって行くのかの「挽回」のストーリーにばかり注目してしまうのです。
フランス映画を日本でリメイクすること自体が失敗と言っても過言では無いでしょう。(女性 30代)
映画『死刑台のエレベーター』 まとめ
不倫という関係の男女が結ばれるために完全犯罪の計画を実行に移すが、偶然エレベーターに閉じ込められてしまい、その間にもう一組のカップルが起こした突発的な殺人事件の最有力容疑者にされてしまう、という完全犯罪の残念な結末までを描いた作品。
閉じ込められたエレベーターから脱出を試みるも、誰もいないと思っている管理人が主電源を入れたことで命の危機が迫ってきたりという、ハラハラする場面もある。
繰り返されるポエムのような台詞に、そこまでロマンチックさを描かなくてもいいのでは、と疑問を感じる部分は多い。
また日本離れしたイメージのシーンが多々あり、日本でリメイク版を撮ったことが不思議に思える。
吉瀬美智子、阿部寛、玉山鉄二、北川景子の主要登場人物の演技の実力が高いだけに、日本のイメージを強く出してもよかったのではないかと疑問に思う作品だ。
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