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映画『自転車泥棒』あらすじとネタバレ感想

映画『自転車泥棒』の概要:「自転車泥棒」(原題:Ladri di biciclette)は、1948年のイタリア映画。監督は「子供たちは見ている」、「靴みがき」などのオスカー監督・俳優のヴィットリオ・デ・シーカ。主演のアントニオ役にランベルト・マジョラーニ。その息子ブルーノ役にエンツォ・スタヨーラ。アントニオの妻マリア役にリアネーラ・カレル。アントニオの友人バイオッコ役にジノ・サルタマレンダ。本作は1949年の第22回アカデミー賞で名誉賞を受賞し、以降も長年にわたり歴代映画のランキングにおいて、数多く選出されているイタリア映画の名作である。

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映画『自転車泥棒』 作品情報

自転車泥棒

  • 製作年:1948年
  • 上映時間:88分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
  • キャスト:ランベルト・マジョラーニ、エンツォ・スタヨーラ、リアネーラ・カレル、ジーノ・サルタマレンダ etc

映画『自転車泥棒』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

映画『自転車泥棒』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『自転車泥棒』のあらすじを紹介します。

アントニオ(ランベルト・マッジォラーニ)は長い失業の末に、ようやく市役所から映画のポスター貼りの仕事に有り付いた。しかしその仕事には自転車が必要であったが、生活のために彼の自転車は質屋に入っていた。妻のマリア(リアネーラ・カレル)がそこで機転を利かし、6枚のシーツを質屋に入れ自転車を取り戻した。そして初めて出勤した日、街でポスターを貼っている隙に自転車が盗まれてしまう。アントニオは慌ててその犯人を追いかけたが捕まえる事はできなかった。自転車がなければ再び失業の憂き目に会うと焦るアントニオは警察に駆け込むが、証拠もなく警察はまともに相手にしてくれない。彼は信頼できる友人に相談に行き、日曜の朝早くから息子のブルーノ(エンツォ・スタヨーラ)と友人を伴い、街で行われている古自転車の市場に行った。足を棒にして探し回った挙げ句に、ようやく犯人らしき男を見かけ追いかけるが逃げられてしまう。さらにその犯人と話していた老人の跡をつけるが手掛かりは掴めなかった。焦って気が立ってしまったアントニオはブルーノに八つ当たりを始める。疲れてうな垂れる二人はレストランに入って食事を摂り、ようやく仲直りをして再び自転車泥棒捜しを再開する。アントニオは藁をも掴む思いで妻のマリアから聞いた女占い師を訪ねるが、曖昧な答えが返ってくるだけで何の解決にもならない。その占い師の家から出たときに自転車泥棒に偶然遭遇し、追い詰めたものの白を切られ気を失った振りをする、周囲のヤジ馬たちも泥棒の肩を持ち、ブルーノが機転を利かして呼んできた警官と、犯人の家に入るが盗まれた自転車は発見されなかった。誰も味方してくれる者はなく証拠不十分で起訴も出来ず、その場から引き返すしか術はなかった。ヤケを起こしたアントニオは、思い余って通りに置いてあった自転車を盗んでしまうが、あっという間に取り押さえられてしまう。息子ブルーノの涙にその場を解放されるが、アントニオは罪の意識と無念さに涙を流し、ブルーノは父の手をしっかり握りしめ、タ暮れの雑踏の中を寂しく家路に向かっていった。

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映画『自転車泥棒』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『自転車泥棒』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

戦後イタリアの混乱期を描いた名作

本作が制作された年は、第二次大戦後から数年しか経っていない戦後の動乱期である。敗戦国のイタリアでは日本と同じように失業者に溢れ、主人公のアントニオも二年間失業の憂き目に会っていた。ようやく有り付いたポスター貼りの仕事は、移動に自転車が必要であり、妻の計らいで質屋から出した自転車があっという間に盗まれてしまう。どうにか追い詰めた犯人らしき男も証拠がなく自転車は戻ってこない。そして自らが追い詰められて自転車泥棒をしてしまうという何とも悲しい話である。「貧すれば鈍する」というものではなく、戦争から立ち直ろうと一所懸命に生きようとした人間にすら、戦争の爪痕はこのような小さな悲劇を頻繁に生んでいたのだろう。直接的ではないにしろ反戦のメッセージが垣間見える、イタリアの当時の現状を捉えた切ない名作である。

ひたむきに生きようとする切なさ

イタリアのローマへは20年ほど前に旅した事があるが、当時でもノミの市が多く開かれており、あからさまに盗品と思われるような物が平然と売られていた。同行した者の中にはパスポートを盗まれたり、街で子供のひったくりに逢ったりと随分大変な目にあったが、確かに泥棒の多いという感は拭えなかった。ヴィットリオ・デ・シーカは泥棒が多い国の現状を憂いて作ったのではなく、貧困に喘ぐ戦後の混乱を反戦として捉え描いたのだろうが、このような出来事はリアルな現実でも日常茶飯事に起こっていた事件なのだろう。しかし子供の涙でその罪を許してくれるというのも、皆が同じようにひたむきな思いで生きていたという事であり、最後に主人公が流した涙も複雑な心境だったに違いない。作り物のストーリーとは解っていながら感情移入せざるを得ない、切迫した描写力には唸らされる。


ただ仕事をしたいだけなのに、正しいことをしている人が自転車を盗まれ、悲しい目に遭い、理不尽さに落胆しながらも生きていかなければならない。本当に哀しくてやるせない気持ちになりました。
自転車泥棒は何となく、そこにあった自転車を盗んだだけだと思うんです。しかし、それは持ち主の生活を脅かし、家族の絆さえも壊しかねない大変なことでした。それでもシラを切る犯人には本当に腹が立ちましたが、この不条理さは今の社会にもあるかもしれないなと感じてしまいました。(女性 30代)

映画『自転車泥棒』 まとめ

失業しながら再び職に有り付けるという事がどれほど有り難いと感じるかは言うに及ばず、その現実が自転車を盗まれるというような事で奪われてしまう現状も哀しい話である。本来なら仕事の道具として必要なものならば、発注する市役所が用意してしかるべきところなのだが、それも個人の持ち出しというところも厳しい現状だったのだろう。そして質屋のシーンが何ともその時代背景を表す象徴となっており、衣類などが階段を上って取りに行くような巨大な倉庫へと押し込まれており、人が行列を成して質屋の窓口に群がっているのも戦後の混乱期をリアルに表現している。撮影当時も多分同じような光景だったのだろう。そんな中で一人の自転車泥棒を必死になって追いかける姿が、戦争が生み出した貧困というものをリアルに捉え、哀しいおとぎ話のように観る者の心情に訴えかけてくるのだ。

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    何度見ても、思い出しても涙が出てくる。私の父は戦争が終わり引き揚げてきて、しばらく紙芝居で生計を立てていた。生活レベルもこの頃の父と自分の姿と重なってしまう。名作です。若い人見てくださいね。

  2. より:

    かわいそうというか不条理だなと。。。