12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『g@me.』あらすじとネタバレ感想

映画『g@me.』の概要:2003年に公開されたミステリー映画で、東野圭吾の長編推理小説「ゲームの名は誘拐」を原作とした作品。監督は井坂聡、主演は藤木直人、仲間由紀恵。狂言誘拐というゲームから始まる予想外の結末を描いた。

映画『g@me.』 作品情報

  • 製作年:2003年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブストーリー
  • 監督:井坂聡
  • キャスト:藤木直人、仲間由紀恵、石橋凌、宇崎竜童 etc

映画『g@me.』 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『g@me.』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『g@me.』のあらすじを紹介します。

敏腕広告クリエーターの佐久間は、順調に進んでいたプロジェクトを取引先会社の副社長、葛城に潰されてしまう。
怒り覚めやらぬ佐久間が葛城の自宅の前を通りかかると、娘の樹理が家出するところを目撃する。
自分は愛人の娘だという樹理は、本妻とその娘の千春に虐げられており、葛城家を恨んでいるという。

一晩だけ彼女を部屋に泊めることになった佐久間に「自分を誘拐しないか?」と持ちかける樹理。
翌日になっても部屋に居座る彼女を見た佐久間は、狂言誘拐の「ゲーム」に参加する気になる。

だが思わぬ落とし穴があった。
携帯電話を自宅に忘れてきた樹理だったが、横須賀に住むユキという友人に電話をかけ、留守番電話にメッセージを残してしまったのだという。
しばらく留守だというユキの部屋に忍び込んだ樹理が記録を消した後、ラブホテルの仕組みを利用してアリバイを作る。
そしてインターネットのアンティークドールのホームページやフリーメールを使って、変装した2人は3億円もの大金を手に入れることに成功。
会わないほうが良いと知りつつも、樹理と佐久間は惹かれあっていた。

しばらくして連絡用に使っていた掲示板をチェックした佐久間は「人形が届かない」と、自分に宛てられた書き込みに疑問を持つ。
そして樹理が亡くなったというニュースに驚愕するが、それは佐久間の知っている樹理ではなかった。
佐久間は部屋を訪れた樹理から意外な真相を聞く事になるが、体に異変を感じ倒れてしまう。

映画『g@me.』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『g@me.』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『g@me.』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『g@me.』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

どんでん返し以外は安っぽいストーリー

中盤以降の、どんでん返しの連続に驚かされるストーリー。
狂言誘拐が成功した後、佐久間が偽者の樹理に騙されていたとわかった後の展開は、佐久間が部屋で倒れている序盤のシーンの心の声でほのめかされている。
しかしそこから佐久間が、樹理と偽っていた千春と父親の葛城に対して“騙し返す”という展開が、予想外の方向へ転がっていくのに引き込まれる。

また騙されているという結末は明らかなのだが、樹理の正体が千春で、本物の樹理はすでに亡くなっているために葛城が家族ぐるみで佐久間を利用していたという真実に驚かされる。
だがそこまで徹底的に佐久間を利用する葛城の本心が描かれていなかったり、佐久間が狂言誘拐の誘いに乗る理由が「ゲーム」の一言でしか表現されていないのは不自然。
横須賀のアパートの前で母親が出てくるのも、後で驚かせるための伏線ではあるのだろうが、そこに出る意味が明らかにされておらず謎でしかない。
佐久間と樹理が恋愛関係になるまでの心理描写も描かれておらず、登場人物の外側だけ描いた安っぽいストーリーになってしまっている。

垢抜けない演出

90年代後半から2000年代前半のトレンディドラマのような演出が多い。
狂言誘拐が終わって会わないほうがいいと約束したにもかかわらず、佐久間の自宅でワインを飲む2人や、倒れた佐久間の背景で雷が落ちるというのは使い古された印象を与える。

どんな刑事がやってきて、どのような捜査が行われているかというシーンを想像に置き換えるのは、一歩間違えればどんでん返しがばれてしまいそうだが、具体的な俳優の名前を出して出演させていることで視点を変えさせている。
「例えばガッツ石松のような敏腕刑事」という樹理の台詞にツッコミをいれ「椎名吉平が適任」という佐久間の、2人の会話は笑いを誘うものになっている。


仲間由紀恵の『トリック』シリーズが好きな方はクスッと笑ってしまうような演出がありました。トリックに登場する「ガッツ石まっ虫」はたぶんこの作品のガッツ石松から来ているのでしょう。
しかし、肝心のストーリーはかなり微妙で言ってしまえば佐久間と葛城の騙し合いなのですが、何故そこまでするのか、どうしてその誘いに乗ってしまうのかなど疑問に感じる点が多すぎて、モヤモヤした気持ちになります。
二転三転していく展開は面白いのですが、もう少し丁寧な説明や描写が欲しかったなと思いました。(女性 30代)

映画『g@me.』 まとめ

東野圭吾の初期の作品で、他のものよりも人気が低いとされる「ゲームの名は誘拐」という長編推理小説を原作とした映画。
東野圭吾が本人役で出演しているという、ちょっとした面白さもある。
生瀬勝久も出演しており、堤幸彦監督の人気ドラマ・映画シリーズ「トリック」での「ガッツ石松」、「椎名吉平」という小ネタの原点にもなっている。

大どんでん返しが繰り返され、中盤から驚かされっぱなしのストーリーになっているが、何度も見ると粗が目立ってしまう作品でもあり、1回だけ見るのが丁度いいと思う作品になってしまっている。
騙されたら騙し返すという爽快感や、利用したつもりの佐久間にはめられる葛城の姿、元凶となった薬物を売る男性が逮捕されるのもスッキリするが、ラストの佐久間の台詞は年代物のトレンディドラマのようで勿体無い。

みんなの感想・レビュー