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映画『KG カラテガール』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『KG カラテガール』の概要:幼少期、父を殺され妹を攫われた挙句、代々受け継がれてきた黒帯を奪われた少女・紅彩夏。現在はひっそりと暮らしていたが、ある時ひったくり犯を空手技で捕まえたのを封切りに、家族を崩壊させた黒幕の巨悪に立ち向かうことになる。

映画『KG カラテガール』の作品情報

KG カラテガール

製作年:2010年
上映時間:91分
ジャンル:アクション
監督:木村好克
キャスト:武田梨奈、飛松陽菜、中達也、入山法子 etc

映画『KG カラテガール』の登場人物(キャスト)

紅彩夏(武田梨奈)
幼い頃に目の前で父親を殺され、自身も致命傷を負い死にかけていたが父の蘇生により何とか命を取り戻し生存した。今は「池上彩夏」と名を変え、映画館でアルバイトしている普通の女子高生として暮らしていたが、映画館に現れた窃盗犯を捕まえたことで注目を浴びてしまい父を殺した犯人達と対峙することとなる。また、父の教えに倣い「空手は倒すものではなく守るもの」という心情を掲げている。
田川周(堀部圭亮)
紅家に伝わる帯を狙い、紅家を襲撃した黒幕。地下の裏組織で、紅家の名を使いビジネスを展開しようと目論んでいる。また、紅家の名を継ごうと企む。紅家を襲った際に父・達也による攻撃が元となり、今は半身不随となったために車椅子での生活を余儀なくされている。
紅菜月(飛松陽菜)
彩夏の実の妹で、まだ幼い時に田川達に連れ攫われた。その後は記憶を失くし、田川達の手により殺人マシンとして育てられる。小柄な身体にそぐわずその戦闘能力は高い。
池上美樹(入山法子)
事件以来、彩夏が身を寄せている姉のような存在。
武藤竜士(上野めぐみ)
田川の右腕的存在。冷酷非道な性格で、刀の扱いに長ける。
キース(リチャード・ウィリアム・ヘセルトン)
田川の部下の中でも最強の実力を誇る、大柄でガタイのいい黒帯有段者。田川の指示に失敗した者は、彼からの制裁を受ける。
大橋怜子(滝沢沙織)
田川の秘書。常に冷静で、彼に計画の進行の進捗などを伝える役割を担う。
紅達也(中達也)
彩夏、菜月の父親でもあり同時に伝説の空手家・紅宗次郎の子孫でもある。彼の使っていた黒帯と、そして家族を守るため田川からの襲撃の際に命を落とす。

映画『KG カラテガール』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『KG カラテガール』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『KG カラテガール』のあらすじ【起】

沖縄の伝説の空手家、紅宗次郎(くれない・そうじろう)。紅空手と呼ばれる彼の一撃は、相手を即死に追いやる程の力を秘めていた。また、彼の黒帯も宗次郎と共に伝説として引き継がれていた。そして、その子孫・紅達也は黒帯を受け継いでいたがそれを狙う悪の組織がいた。ボスの名は田川。達也の娘2人を人質に、田川は黒帯を狙う。守るための空手、それが紅空手だ。達也の一撃が田川の身体を貫いたその瞬間、背後から不意打ちにより刀で襲われる達也。娘の彩夏も死に至る程の致命傷を負わされ、更には妹・菜月を攫われてしまう。瀕死の達也は何とか彩夏を救い、彼女に全てを託して息絶える。

高校生になった彩夏は映画館でバイトしていたが、ある日ひったくり犯2人組が現れ、彩夏は無意識のうち空手技で犯人を捕まえ称賛される。空手をしている事実を知られたくない彩夏は、バイト帰りに友人の美樹につい手が出てしまったことを悔いる。いっそ空手を辞めることを奨められるが、彩夏にとっては空手をしている時こそが父を感じられる時であり、それはできないと複雑そうだ。そんな中、バイト先の支配人から、先程のひったくりを捕まえた件で早速ネット上で騒ぎになっていると連絡が入る。そして、一連の騒動を見ていた客の中に空手の道場を経営している人物がおり、合宿に参加してほしいと頼まれてしまう。仕方がなしに美樹と共に少しだけ顔を出すことを了承する彩夏。

その裏では、例の田川が達也の攻撃により半身不随となり、車椅子に乗った状態である計画を画策していた。空手は殺すもの、という心情を掲げた彼は各所から集めた人間達を空手による殺人マシンとして育成することに力を注いでいた。そんな中で1人、静かに型稽古をしている冷めた目の少女――それは彩夏が幼い頃に連れ攫われた妹・菜月であった。田川は空手、もとい紅宗次郎の帯と肩書を利用しビジネスの幅を広げることを企んでいた。しかし達也は田川の襲撃以前に帯をすり替えており、田川に掴ませたのは偽の帯であったことが発覚する。

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映画『KG カラテガール』のあらすじ【承】

早速、頼まれていた通り空手の合宿の行われている体育館にコーチとして参加する彩夏。空手は守るものだと父からの教えを説くが、参加した生徒らは「相手を倒すための空手」が知りたいとどよめく。そんな中、突如として体育館に現れたのは謎の2人組であった。まだ幼さの残る青年と、明らかに小学生程の少女――そう、1人は彩夏の妹・菜月であった。その正体については当然分からず戸惑う彩夏。馬鹿にする参加者らに向かい、青年は菜月に彼らを倒すよう指示をする。黒帯有段者の彼らは小柄な菜月を甘く見るが、全員あっさりと倒されてしまう。彩夏はいよいよ耐え切れずそんな彼らを庇うよう前に躍り出て、2人の襲撃者に「守るための空手」として戦いを挑む。そして、2人がかりを相手に勝利を収める彩夏。このことが発端となり、田川の元には彩夏が致命傷を負いながらも生きていたこと、そして、彼女の元に黒帯があることを知る。すぐに彩夏の始末と、黒帯を奪う計画を立てる田川。

襲撃を制覇した彩夏であったが、彼女は菜月の存在が気になっていた。彩夏は幼少期の事件以来、苗字を「紅」から「池上」の苗字に変えており、しかし、菜月は彩夏を見るなり本名を呼んだからだ。その頃、田川一派は彩夏の黒帯を手に入れるため、再び菜月を彼女の元に刺客として送り込む。

ある日、港で型稽古をしている彩夏の元へ現れる菜月。彼女は記憶を失くしており、完全に彩夏を敵と見なし攻撃してくるが応戦し互いに引けを取らない戦いを見せる。途中、2人は父から教わった「紅の構え」を見せ、彩夏は彼女が生き別れた菜月であることを確信する。戦いの手を止める彩夏に、菜月も記憶を微かに取り戻したのか「その黒帯、狙われているよ」とだけ言い残しとどめを刺さずに去って行くのだった。

映画『KG カラテガール』のあらすじ【転】

帯を奪わず戻ってきた菜月に、制裁として田川とその右腕・武藤は部下の男との決闘を命じる。体格差もあり追い詰められる菜月だが、彩夏と拳を交えた彼女には紅の血が戻りつつあった。紅の構えと共に部下の男を倒す菜月。それを見た田川は、菜月に自身の正体を教え殺人人形として育ててきたと嘲笑う。彩夏との戦いで感情を取り戻した菜月は、「人形じゃない」と反論するが、田川に鼻先で笑い飛ばされる。そして、彩夏の元に田川から挑発するよう動画付きのメールが届く。動画の中では、武藤が黒帯を持ってくるよう菜月を虐げ笑っている姿が収められていた――それを見た彩夏は怒りに燃え、「絶対に守る」と誓いを固めるのであった。

黒帯を持った彩夏は、田川一派の元へと向かう。そこには武藤が待ち構えていたが、彩夏は「黒帯は渡さない」と言い、菜月を返すよう言い放つ。その頃、菜月は田川の秘書・怜子とその部下達に連れられ、彩夏と共に葬るべくその身を拘束されていた。菜月の名を叫ぶ彩夏の元に、田川の部下たちが一斉に姿を現す。彩夏の声に呼応するよう、菜月は自身を拘束していた男達を肘打ちで殴り飛ばし、抵抗する。そんな彼女に気圧されるよう、怜子は思わずそのまま身を引いてしまう。菜月を姉の元へ行かせまいと刺客が立ちはだかるが、紅の記憶を取り戻した菜月はその拳を殺すためではなく姉のため、父の教えにあるよう守るために振るうのであった。

一方、彩夏の元にも大量の刺客達が放たれるが彩夏は父から受け継いだ空手を用いてその全てを捌ききる。菜月にも大勢の刺客が待ち構えていたが、覚醒した彼女の敵ではなく、菜月は次々襲い来る軍勢を倒してゆく。迫りくる男達を退け、姉の名を呼び、菜月は彼女の元へと走るのだった。

映画『KG カラテガール』の結末・ラスト(ネタバレ)

彩夏は男達との戦いを繰り広げ、その全てを圧倒的な身体能力で撃破する。部下達を打ち倒した彩夏の前に、やがて、木刀を構えた武藤が立ちはだかる。彩夏は交戦の末に部下が落としたヌンチャクを拾い上げ、応戦の構えを見せる。今までの敵とは違い、圧倒的な強さを誇る武藤。ぶつかり合う武器と、そして彩夏の空手。死闘の末、彩夏は武藤の隙を突き必殺必中の渾身の蹴りを放ち、勝利を収める。武藤は「紅の空手を継ぐのはお前ではなく田川会長だ」と言い残し、その場に果てるのであった。

やがて、彩夏は最終決戦のために田川、そして、彼の部下の中でも最強である黒帯の有段者・キースが待ち構える屋上へと向かう。雨の降りしきる中、最後の戦いの火蓋が切って落とされる。

田川一派の中では最強でもあるキースの一撃一撃は重く、比べ物にならない強さを誇っていた。桁違いの戦力に苦戦を強いられる彩夏だったが、絶対に負けるわけにはいかなかった。しかし、それでも守りに徹するのがやっとで彼女の体力も限界に近付いていた。いよいよキースの拳が彩夏を仕留めるかと思われた矢先、駆け付けた菜月の蹴りが炸裂し彩夏の窮地を救う。完全に記憶を取り戻した菜月に、彩夏は自分のことが分かるのか問いかける。静かに頷く菜月。

揃った紅家の姉妹は、父の命を奪い、家族の人生を崩壊させ、何より紅家の空手を怪我したその男――田川を前にし、改めて決着をつける意思を固め睨み据える。父の黒帯にかけて、姉妹は紅の構えを取るとキースへと立ち向かう。2人のプライドを賭けた攻撃はやがて、キースの膝を地に突かせ、姉妹の蹴りがトドメの一撃として放たれる。最強の手下であったキースが倒され、田川は姉妹の力を前に慄き、命乞いを始める。しかし、これまでの人生と、そして、何より家族を奪われてきた彩夏にとってそれは無意味であった。彩夏は今までの怒りを込めたその一撃を田川の心臓に放ち、遂に引導を渡す――全ての戦いにケリを付けた彩夏は、菜月と共にその場を後にするのであった。

やがて、父の黒帯がある実家へと戻った姉妹。これからもその黒帯を守るべく、姉妹は型をしながら父の教えである「守るための空手」を続けてゆくのであった。

映画『KG カラテガール』の感想・評価・レビュー

アクション女優として名を世に知らしめた、武田梨奈の代表作といっても過言ではないだろう。ストーリーは至って単純だが、ノースタント、CGなし、ワイヤーを使わない空手アクションは見応えがあり、殺陣以外にも彼女の美しい型が見れるのも文句なし。只、ドラマ性を求める人にとっては向かないのは確かなので、何も考えず美少女痛快アクションを見たい方にお奨めしたい。また、妹役の飛松陽菜のアクションも爽快。演技に関しては素人なので目を瞑って欲しいが……。(MIHOシネマ編集部)


武田梨奈の「空手」と「アクション」がとにかく見応えのある今作。武田梨奈と言うと某CMで「瓦割り」をする美女として一躍有名になりましたが、ここまでアクションができる女優だとは思いませんでした。
ストーリーはありがちな「復讐」もの。しかし、空手の定義が面白く「人を守るもの」と言う父の教えを貫いていました。
武田梨奈以外はそれほど見所はありませんが、彼女のアクションシーンを見るだけでも見る価値がありそうです。(女性 30代)

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