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映画『MAY メイ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『MAY メイ』の概要:斜視が原因で幼少期から友達のいなかったメイ。彼女に母親は手作りの人形・スージーを与え、メイはそれを親友にし、内気な大人になった。友達や恋人の作り方も分からない彼女は、自らの手で理想の友達を作ることにするのだった。

映画『MAY メイ』の作品情報

MAY メイ

製作年:2002年
上映時間:94分
ジャンル:ホラー
監督:ラッキー・マッキー
キャスト:アンジェラ・ベティス、ジェレミー・シスト、アンナ・ファリス、ジェームズ・デュヴァル etc

映画『MAY メイ』の登場人物(キャスト)

メイ(アンジェラ・ベティス)
斜視と弱視のせいで、幼少期はずっと眼帯をして過ごしてきた。そのせいで友人らしい友人もできず、母親からは「友達は自分で作るものよ」と言われ手作りの人形・スージーを与えられる。大人になってからは動物病院で働くようになり、気になる男性もできるのだが……。
アダム(ジェレミー・シスト)
自動車整備士として働く青年。メイが初めて恋をする男性だが、メイは特に彼の「手」を綺麗だと気に入り、執着する。
ポリー(アンナ・ファリス)
メイの同僚で、彼女の唯一の友達。同時にレズビアンであり、メイには友人以上の思いを抱いている。メイはポリーの「首」を気に入っている。

映画『MAY メイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『MAY メイ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『MAY メイ』のあらすじ【起】

斜視のため、幼少期から眼帯を付けて過ごしてきたメイ。そのせいで、友人らしい友人もできないまま。そんな、彼女の唯一の友達は母が誕生日にくれた手作りの人形・スージーだけ。母は友達は自分で作るもの、と言いメイはそのまま年齢を重ねる。

人との付き合い方も分からないまま、メイは年頃になり、気になる男性・アダムに出会う。メイは特に彼の「手」が好きだと言う。動物病院で働きながら、メイはコンタクトで斜視を隠せるようになるが内気な性格はそのままだ。アダムと近づきたいのに中々話しかけられずにいたが、ある日、コインランドリーで洗剤を貸したことを切っ掛けにして会話をすることに成功する。相変わらずスージーはガラスケースに入ったまま飾られていたが、メイはアダムとの親交を深める。

裁縫が趣味のメイは自分の洋服を作り、やがて、アダムとデートの約束までするが、キスの仕方も分からなかった。スージーでキスの練習をしながら、すっかり夢見心地のメイ。アダムの家に誘われるが、彼の家には猟奇的なポスターやグッズが置いてあり、偽物のナイフもあった。それを手に刺すふりをしてくるアダムの手を取り、うっとりとするメイ。やがて、2人はキスをするがメイは勢い余ってアダムの唇を噛んでしまい怒らせてしまう。メイは帰宅するなり、スージーに「よくも恥をかかせたわね!」とやり場のない怒りをぶつける。

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映画『MAY メイ』のあらすじ【承】

アダムとの件で落ち込んでいるメイに、同僚のポリーが話しかけてくる。彼女は唯一のメイの理解者で、メイの癖でもある自傷癖にも興味を持つような女性だ。実は同性愛者で、彼女はメイを恋愛の対象として見ている。ポリーは自分の飼い猫・ルーピーをプレゼントしたりと、メイにモーションを掛けるのだが、メイはやはりアダムのことで頭がいっぱいだった。

アダムの家に留守電を残したり、コインランドリーで彼を待ち伏せするも出会えず、メイの憂鬱は募るばかりだ。堪えきれず、メイはアダムの家の前で待ち伏せまでする。家を出たアダムは驚くが、笑ってメイを迎え入れる。アダム曰く、大学の時に作った自主製作映画の作成が忙しく留守電に応答できなかったようだ。メイはその映画を観たいと言い、彼を自宅に誘う。映画の内容は、カップルがお互いの身体を愛し合いながら食らい合うという、カニバリズムの映画だった。メイはその映画をロマンチックだと称し、2人はそのままベッドへと向かう。しかし、キスの最中またしてもメイがアダムの唇を噛み、今度は出血する程深く噛み付いたようだ。その血を舐めながら恍惚とした表情を見せ、更にはアダムの指にまで食らいつこうとするメイに流石のアダムも引いてしまい、更には部屋に置かれていた人形のスージーを見て気味悪がる。メイは映画の真似をしただけなのに、何故彼が怒るのか不思議だった。アダムは「度が過ぎる」と苦笑し、メイの前から去ってしまう。

メイは再びアダムの家の前へと向かうが、彼が既に新しい女を作っているのを立ち聞きしてしまい絶望に打ちひしがれる。

映画『MAY メイ』のあらすじ【転】

そんなメイに、ポリーは自分の家へ来るように誘い、メイのことが好きだと打ち明けキスをする。メイは、アダムの「手」が好きだったように、ポリーの「首」に固執していた。しかし、そんなポリーも「いい相手が見かったの」とメイ以外の女性との関係を持っていたことが明らかになる。立て続けに裏切られてしまうメイ。感情の抑制ができなくなった彼女は、勢い余ってルーピーに灰皿を投げつけて殺してしまう。

とある日、メイはボランティアで視覚障害を持った子供達の施設へ向かう。メイはガラスケースに入ったスージーを持って施設へ向かい、子供達にスージーを紹介する。興味を持った子供達はスージーに直接触れたいからと、ケースからスージーを出すようにと言い出す。しかし、スージーが壊れるからとメイはそれを拒むが子供達は手を出しケースが床に落ちてしまう。ガラスが散乱する中、メイと子供達は血まみれになりながらスージーを奪い合い、スージーは脆くも首が取れ、身体のパーツもバラバラになってしまう。同時に、メイの心もスージーと同じように崩壊してしまったのだった。

親友のスージーを失ったメイは、母に言われた通り「友達は自分で作る」ことを決め、自分の気に入った身体の部分を集め、友達を1から作り出そうとする。ハロウィンの夜、スージーは自分で作ったドレスを身に纏い、それからポリーの家へと向かう。病院から持ち出したメスを使い、まずはポリーの首を切断する。それから、ポリーの新しい女友達の脚が綺麗だからと殺して切り取り、アダムの家へと向かいその手を切り、家へと持ち帰った。完璧な友達を作り出す、そのために。

映画『MAY メイ』の結末・ラスト(ネタバレ)

メイは持ち帰ってきた部位の血を、風呂場で丁寧に洗い流し、友達用の洋服をミシンで作り、そして、縫い合わせ始める。気に入ったそれぞれのパーツと、冷凍庫に保管してあったルーピーの死骸から剥いだ毛、そして、手作りの顔。針と糸で縫い合わせ、ようやく人の形に作り上げることに成功した。

メイは仕上がったその継ぎ接ぎだらけの友達を自分の名前、MAYのアナグラムからAMY(エイミー)と名付け、顔には壊れたスージーの破片を置いてあげた。出来上がった筈の「完璧な友達」に、「言葉じゃ言い表せない。でも心が感じるから平気でしょ」とエイミーの心臓に触れるが、当然、人形が命を持つ筈はない。動いてくれないエイミーに「私が見えないの?」と悲しそうに呟くメイ。何の反応もしないエイミーに、やはり私が見えないのね、と静かに涙するメイ。

何もかも自分の好きな綺麗なものばかりで完璧な友達を作り上げた筈なのに、結局それは心を持たない人形に過ぎない――悲しみに暮れたメイは、鋏で自らの片目を抉り取る。その眼球をエイミーの顔に置き、「私を見て」と泣き叫ぶメイ。泣き崩れ、エイミーの傍に倒れるメイ。やがて、エイミーのアダムから切り取った腕が動き出し、メイの頬を優しく撫でた。彼女の妄想なのか、本当にエイミーに命が宿ったのかは分からない。しかし、メイはそれを受け入れるよう、嬉しそうに微笑むのだった。

映画『MAY メイ』の感想・評価・レビュー

一応、ホラーという触れ込みではあるが、あまりにも悲しい寓話。少しグロい、大人向けのお伽噺と呼んでもいいかもしれない。孤独なメイの気持ちも、人との距離感が分からない様子も、傍目から見て理解できる部分もあって、とても切ない。出来上がった「理想の友達」はどう見てもおぞましい外見でしかないし、こちらから見れば最後の最後まで救いがない。どうあがいても希望なんぞ感じられないが、メイにとってはハッピーエンドだったのかもしれない。(MIHOシネマ編集部)

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