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映画『スリー・キラーズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スリー・キラーズ』の概要:同じ屋敷の中で死んでは生き返り、延々と戦い続けるゲームへ強制的に参加させられた主人公。プレイヤーはたったの3人だが、何度殺しても生き返るため、戦いは終わらない。主人公はゲームを終わらせるため、一計を案じることにするのだった。

映画『スリー・キラーズ』の作品情報

スリー・キラーズ

製作年:2016年
上映時間:80分
ジャンル:SF、アクション
監督:ディン・ワン
キャスト:ドゥージー・スオナン、クロエ・メルセデス、ピカーディ・ジャン=ピエール etc

映画『スリー・キラーズ』の登場人物(キャスト)

チー(ドゥージー・スオナン)
中国系アメリカ人。社長子息で母親を亡くして以来、酒に溺れ堕落した生活を送っている。父親に反発してばかりいるが、本質はとても誠実で、非常に賢く肝の据わった人物。
クリスティーン(クロエ・メルセデス)
金髪女性。チーとはバーで出会い意気投合。一夜を共にして恋心を抱く。美しく優しい女性だが、冷徹で情け容赦ない面も持つ。
レイノ(ピカーディ・ジャン=ピエール)
黒人男性。体格が良く粗野で乱暴者。口調も荒々しく自分が1番になると豪語しているが、やり口は粗末。

映画『スリー・キラーズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スリー・キラーズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スリー・キラーズ』のあらすじ【起】

突如、意識を奪われ傷だらけで気が付いたチー。目が覚めた場所は薄暗い屋敷だった。
スマホに父親からの着信が入ったので、通話してみると相手はどうやら父親ではない。それも、殺しに行くから覚悟しておけと不穏な言葉を言われ一方的に切れた。少しの逡巡の後、チーは改めて父のスマホへ電話をかけてみる。すると、別の男が出て自分もチーだと言う。

更に男からはチーの姿が見えるらしく、拳銃がシンクの下に隠してあるので、早いところ手に入れた方が良いというアドバイスまでくれる。そして、がんばれと言葉を残し通話を切った。結局、なぜここにいるのかも分からず仕舞い。直後、甲高い女性の悲鳴が屋敷内に響き渡るのだった。

第1章:殺りくを止める

懐中電灯を入手したチーは屋敷内の探索を開始。キッチンまで来てシンクの下を探った。すると、言葉通りに拳銃が1丁隠してある。しかも、実弾が装填済みだった。
誤って銃を発砲してしまったチーは、腰を抜かして床に座り込む。それからキッチンの床を這って先へ。そこで彼は、テーブルの上で首を切られ絶命している金髪女性を発見してしまう。慌てて外へ逃げ出したチー。

だが、外へ出た途端、一歩離れるごとに何かの音がする。左胸に埋め込まれた何かの装置に数字が浮かび、離れる毎に数字を減らしていた。チーは構わずに歩を進める。すると、0になると同時に屋敷内へ転送されてしまう。そして、胸の装置に数字が戻った。

再び、屋敷の廊下を歩みリビングへ。そこにはテレビがあり、映像が映し出されている。それは、自分と誰かが争っているシーン。画面の中の自分は体格の良い男に首を絞められ死んでいた。
直後、階段を下りる足音を耳にして振り返ったチー。映像と同じ男が自分に襲い掛かって来たので、もみ合った末に相手を銃殺した。そこで、スマホに着信。電話の相手は映像内の男である。だが、男は背後に迫った金髪女性に殴り倒されてしまう。今度は、その女性が電話口に出て殺害予告。その後、なぜか女性がキッチンへ現れる。彼女は先ほど、テーブルで絶命していた女性クリスティーンだった。

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映画『スリー・キラーズ』のあらすじ【承】

夜が明け、クリスティーンに従い外へ。彼女の数字は56。チーは105だった。テレビでは延々、自分とクリスティーン、銃殺した男レイノが殺し合っている。死んだはずが、何度も生き返り殺し合いをしていた。

どうやらチーは記憶を失っているらしい。クリスティーンは何かを知っているようだが、教えてくれない。しかも、彼女はまるで自分を殺す機会を探っているように見える。そこで、チーはクリスティーンを誘き出して意識を奪い、レイノから話を聞こうとした。だが、レイノは粗野で乱暴者。話を聞けそうにない。幸い、レイノはガムテープで拘束されているので、抵抗は些末なものだった。クリスティーンも拘束したチーは、2人の数字を確認。

恐らく、これは誰が凶悪なのかを競うゲームなのだ。胸の数字は殺した人数。レイノは78人、クリスティーンが56人、そしてチーが105人。3人の中ではチーが最も優秀である。そこで、彼はこんなくだらないゲームなど終わらせてやると誓うのだった。

第2章:現実世界 ロード中…

バーのカウンターで飲んでいたチーは、隣の席に座ったクリスティーンと意気投合する。社長子息であった彼は父親の脛をかじって遊び歩いており、傲慢で我儘な性格だった。故に彼の生活態度を正そうとする父親とは仲が悪く、その夜も電話越しでありながら喧嘩別れしてしまう。イライラを隠そうともしないチーは、クリスティーンを伴ってバーから出るが、たまたま貰いタバコをしようとしたレイノと小競り合い。クリスティーンの仲裁で事なきを得てその後、2人は熱い一夜を過ごすのだった。

翌朝、たった1人で目覚めたチーは、リビングのテレビでゲームへの強制参加を告げられる。そのゲームは一旦、参加すると逃げることはできず、ひたすら人を殺害するというもの。階層ごとに3人のプレイヤーがおり、1時間以内に2人を殺さなければならない。見事倒した場合は、上位へランクアップし再び殺し合いをする。失敗すれば、死んだ者の穴埋めとして下位での勝者が繰り上がって来る。現実へ戻るには108人を殺さなければならなかった。

映画『スリー・キラーズ』のあらすじ【転】

説明が終了して10秒後、ゲームスタート。それと同時にチーの左胸に例の装置が現れる。訳も分からぬうちに血塗れのクリスティーンが登場。そして、彼女を追ってレイノが姿を現した。チーは奴と揉み合い、レイノをナイフで刺殺。これで終わりかと思われたが、クリスティーンがチーを銃殺してしまうのだった。

第3章:愛してる

そうして、現在。チーは残り3人を殺せば、現実世界へ戻ることができる。だが、彼は拘束したクリスティーンとレイノを前に、殺し合いはやめようと言う。当然、他の2人はチーの言うことなど信用しない。そこで、クリスティーンの拘束を解いたチーは、食料が無くなっても殺し合わないと宣言するのだった。

ところが、3人で食事中にレイノが喉を詰まらせてしまい、それをきっかけにクリスティーンがレイノを殺害してしまう。チーは決して彼女を殺さないと言い募ったが、クリスティーンはへそを曲げてしまう。
その日の夜、チーの寝込みを襲おうとしたクリスティーン。だが、彼女は寸前で躊躇ってしまいチーを殺すことができなかった。

2人は和解し、チーは自分のネックレスを彼女へプレゼント。その頃、強硬にも心を開かず反発ばかりしていたレイノ。2人が外へ散歩に行っている間、密かに拘束の破壊活動を行っていた。そうして、とうとう彼は腕の拘束を解き、自由の身になってしまう。

第4章:お手並み拝見

その日の夜、クリスティーンからレイノがいないことを知らされたチー。だが、自分はもう殺さないと宣言したばかりである。レイノは狂暴であるため、拘束から逃れると厄介だ。そこで、クリスティーンがスマホを渡してくる。スマホは下位世界と上位世界での通信機器でもあるため、何かと必要性が高い。しかし、チーは彼女が持つよう押し返した。

だが次の瞬間、クリスティーンが襲い来るレイノから身を挺してチーを庇い、無残にも命を落としてしまう。チーは激情に駆られ、レイノを殺してしまうのだった。
すると、彼は更なる上位世界へランクアップ。そこでもクリスティーンがレイノに殺害されている。チーは再び、レイノを殺しクリスティーンへ近寄ったが、そこでまたランクアップ。

映画『スリー・キラーズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

あと1人でチーの数字は108になる。目の前にはクリスティーンがナイフを手に自分へと迫って来る。チーは彼女へと身を投げ出しそして、今わの際に会いたかったと言葉を残した。
意識を取り戻したチーは、なぜか怪我の手当をされクリスティーンと外にいる。彼女から差し出された料理を口にしたチーは、急に吐き気を催しトイレへ。そこで、地下室から助けを呼ぶ声を耳にし、拘束されたレイノを発見するのだった。

奴の数字は0。記憶は失われているらしく何も知らない。チーは地下室で銃を入手しレイノに食事を与え友好関係を築いた。そして、そこへ現れたクリスィーンとも和解。この世界ではもしかしたら、脱出できるかもしれない。武器となる物は全て集めて海へ投げ捨てた。

そうして、3人はこれまでにない穏やかな日々を送る。しかし、備蓄の食料も無くなった頃、世界に暗雲が立ち込め立っているのも難しいほどの揺れが発生。テレビにはゲームの主催者でもある仮面を被った男が現れ、5分以内に殺し合えと言う。だが、3人は互いに目配せをするばかりで戦おうとはしなかった。

すると、そこへ仮面を被った男が登場。奴はこのゲームの主催者でもあり支配者。最も強大で容易に敵う相手ではなかった。それでも、チーは隠し持っていたナイフを手に奴へと攻撃を加える。そうして、強く眩い光が世界を覆った。

朝日が昇り屋敷を照らした頃、クリスィーンが意識を取り戻す。倒れている仮面を被った男へ近寄った彼女は、胸のペンダントを目にして仮面を外した。素顔を晒した男はチーで、やっと自分自身に勝てたと呟くのだった。

亡くなった母親の死をようやく受け入れ、堕落しきった自分に勝ったチー。もう大丈夫と自信を持ったところで、バーの店員に起こされる。どうやら酒が過ぎて寝ていたらしい。礼を言ってスマホの着信に出た彼は、カウンターの下に拳銃が隠してあるという言葉にはっとする。バーの店員はレイノで、客として現れた女はクリスィーン。
まさかという思いが過る。そう、ゲームはまだ終わっておらず、新たなシチュエーションで開始されたのだった。

映画『スリー・キラーズ』の感想・評価・レビュー

序盤は主人公と同じように全く状況が分からず、理由もなく命を脅かされる。だが、ストーリーが進むにつれてルールが明かされ、この殺し合いが延々に続くゲームだと判明する。ヒントの出し方などを鑑みるに、かなり緻密に練られた作品であることが分かる。

主要な登場人物はたったの3人で、互いに殺し合いを続けている。ゲームを終わらせるには、108回の殺人を行えばいいのだが、例えゲームでも人を殺すという行為は安寧とは程遠い。終盤にゲーム主催者と思われる人物を倒し、これで終わりかと思いきやまだゲームの中という最後もゾッとして面白かった。(MIHOシネマ編集部)


終わりの見えないゲームの世界は争いごとを避けて平凡に生きてきた私にとってはつらすぎて、見ているだけですごく疲れました。そもそも、なんの理由も分からないまま殺し合いのゲームに参加させられて、108回殺すまでその世界からは出られないって設定が無茶すぎるのですが、意外としっかり作られたストーリーがかなり面白いので、その無茶な世界観にもいつの間にか入り込んでしまいました。
やっと終わったかに思えたラストは、えっまた!?と思わず声に出てしまうほど救いがないので最後まで気持ちが安らげるシーンはありませんでした。(女性 30代)

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